あしたも晴れ!人生レシピ「 晩婚で見つけた幸せのカタチ 」▽こんな話

Eテレ2021.2.19
【ゲスト】熊谷真実【講師】篠藤ゆり,【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

熊谷真実さんは年下の中澤希水さんとの 楽しい結婚生活を話してくださいます。
定年後婚活で知り合い結婚 幸せを感じ穏やかに暮らすご夫妻。
シニアカップルは覚悟があって 思いやる気持ちがあります。
‘ぎんてつ’の社長と結婚した 仕事バリバリの女性。
宇土市の新婚さん 92歳と72歳 夫婦でねぎらいあい感謝しています。
皆さん 一日一日を本当に 丁寧に生きていきたい 大事にしたい と言われます。

熊谷真実さんは年下の中澤希水さんと結婚

今回のテーマは 中高年からの結婚です。
今回のゲストは 熊谷真実さんです。
熊谷さんは 53歳で 18歳年下の書道家 中澤希水さんと結婚されました。
うちは 1年契約という感じでやってるんですね。
どうする? 来年も また一緒にいる? みたいな感じで1年で。
だけど やっと9年まで来たので 何か楽しいですね 毎日。

全然 性格の違う者同士が どこまで、人間スキル 我慢も含めて、すり合わせも含めて スキルアップできて
その中で いかに楽しめるかっていうゲームみたいな感じですね。

定年後婚活で知り合い結婚 幸せを感じ穏やかに暮らす

最初に ご紹介します ご夫婦は 埼玉 川越市 金子敬一(67歳)さん 明子(59歳)です。
お二人は4年前に婚活パーティーで出会い 結婚しました。
敬一さんは初めての結婚、明子さんにとっては3度目の結婚です。

敬一さんは大学卒業後 保険会社に就職。
転勤を繰り返す中で結婚の縁がなく 独身のまま過ごしてきました。
定年後は 趣味の山歩きなどを、一人で楽しんでいましたが さみしさを覚え 婚活を始めました。
この先の人生を考え、不安を覚えたことがきっかけでした。

そこで参加するようになったのが シニア向けの結婚相談所が行う 婚活パーティー。
50代から60代の男女が集まり 順番に話をしていくというもの。
敬一さんは3年間 続けましたが 交際相手は見つかりませんでした。

参加し続け 3年目に ようやく出会えたのが明子さんでした。
明子さんは音楽大学を卒業後 ピアニストとして活躍。
27歳の時に結婚し 3人の子どもを出産。
しかし夫の仕事が うまくいかず、生活費に苦労する日々だったといいます。
45歳の時に離婚。その後 50歳で再婚をしますが 夫とは仕事の関係で別居することになり すれ違いから再び離婚。
明子さんは ピアノの講師だけでは 食べていけなくなり タクシー会社や食品関係の会社でパートをし
働きづめの暮らしを送ってきました。
50代半ば 次女が独立。長女が結婚することになった頃 この先の一人の老後を考え 婚活を始めることを決意しました。 子供の重荷になりたくたいと重いました。
明子さんの苦労を見て育った子どもたちはこの婚活を応援したといいます。
一緒に暮らしている息子の直久(24歳)さんに 聞いてみました。
「経済的に苦しく、庭の草を食べていました。休んでいるところ 余り見ていなかった。誰か 母親を楽にしてくれる 人間が現れてくれたらな と思っていた」

54歳で婚活パーティーに参加。2度目のパーティーで出会ったのが敬一さんでした。
お二人に、それぞれの最初の印象を聞くと、「ちょっと可愛らしい 。しおらしい感じの人」
一方 明子さんは「** 校長先生みたい それでも 穏やかで 誠実そのものに見えました」

パーティー終了後 2人は 帰る方向が同じだったことから レストランで話をすることに。
その後も会うことになりましたが 明子さん 敬一さんに言えないことが ありました。
2度 離婚していることでした。
「実はバツ2、イヤになったらと早めに言いました。 そしたら なんだそんなことか 5回でも6回でも構わないよといわれ、ワッ 王子様と思いました」
敬一さんは「よくやってるな 尊敬しました。 よくやって来たな しっかりしている

出会いから3か月後 2人は結婚を決意。
敬一さんが挨拶に行った時の 子どもたちの反応は?
長女 美里(27)さんは「はじめびっくりしましたが、 いい人に会えて良かった」
息子は「母が結構肝っ玉 尻に敷かれそう。 添い遂げて欲しい」

しかし 晩婚ならではの問題が発生しました。
結婚から2年後 敬一さんに前立腺の 病気があることが分かり 入院することに。
その間 明子さんは毎日、見舞いに行きました。
敬一さんは健康に気を配り、1日2回 ジョギングするなど 体力作りに励んでいます。

楽しみなのは 明子さん自慢の料理です。
この日のメニューは 大根と豚肉の煮物。
健康にも気を遣った 野菜も たっぷりな食卓です。
敬一さん 家族と囲む食卓に 幸せを感じるといいます。
結婚後 明子さんは穏やかな気持ちで暮らせるようになったと感じています。
パートを辞め ピアノ講師に専念しています。

去年の12月 ピアノ教室の発表会が 開かれました。
敬一さんは 椅子やテーブルを並べたりと率先して お手伝い。
夫である敬一さんにとっても 妻の生きがいを大切にしたいという 思いがあります。

この結婚を それぞれ今どう感じているのでしょうか?
敬一さんは「この人と一緒になれてよかった」
明子さんは「 私も こんな年になっても 皇子が現れる。夢みたいな人生かなと思う。 感謝ですよね。あなたが行動を起こした。あの時一番頑張っちゃって あれが最高だった 幸せです」

シニアカップルは覚悟があって 思いやる気持ち

スタジオに ライターの篠藤ゆりさんです。
篠藤さんは 40組近い シニアカップルを取材しまして「ルポ シニア婚活」という本を 書かれました。
中高年の結婚したいという機運は かなり高まってるんじゃないかと感じます。
ある婚活サイトでは 10年間で会員数が 4倍ぐらいになったと伺ってます。
長生きするようになさって 人生の後半に いっぱい時間が あるわけですよね。
それをどう過ごすか どう生きるか ということは 大きなテーマと思いますね。
それと 65歳以上の独居率が かなり今 上がっているというのがあります。
独居の時間が長いとなると パートナーが欲しいと思うのも 自然の流れかな と感じますね。

やっぱり昔は 「いい年をして」みたいなことを 言われがちだったと思うんですけど、だんだん そういうのが なくなってきて、結婚を 家との結びつきというよりは 個人の自分の生活 自分の幸せのために するという感覚になってきた というのは随分 昭和の頃とは 違うんじゃないかなって感じます。

一番 多い障害というのが、実は子どもの反対なんですね。
将来的に遺産の問題ですね。財産分与で 自分たちの取り分が減るんじゃないかって。
ですから法律婚ではなくて事実婚 という方も結構 実はいらっしゃるんです。
婚活サービスとかでも きちんと遺言 公正証書とかを 作っとくようにというようなことを 最近は勧めてるところが 多いみたいですね。

ある程度の年齢からの結婚というのは やっぱり この先 体が弱っていくとか 病気とかっていうことは
想定して結婚してるわけですよね。 だから逆に覚悟がある
それと長い人生 お互い経てるわけですから そこを思いやるとか そういう気持ちがあれば むしろ短期間に絆が深まる 何か 時間が かえって 短いんじゃないかなって気がしますね。

熊谷真実さん

本当に私も 53歳で結婚するってことが、彼にとって重荷じゃないのかなというのは ちょっと考えたことがありました。 夫が書道の先生だったんですよ。
最初4年間ぐらいは 普通に生徒だったんですけど 彼が彼女と別れたというSNSを見て あっ じゃあ ごはんに誘ってみようかなと 思って。
誘って3回目で告白して で 1か月目に告白した そのお返しに 「結婚を前提に おつきあいしてください」
って彼から言われて。
「だったら もう時間ないし 私も」みたいな感じで 「結婚を前提にじゃなくて結婚しちゃいましょうよ」って言って半年後に籍は入れたんですけど。
何か この年で結婚すると 何て言うんですかね もう人間婚 何か 男女を超越した 自分の人間スキルを上げるための手段だと思ってはいるんですけど。

‘ぎんてつ’の社長と結婚した 仕事バリバリの女性

50代まで独身だった女性が バス会社に 転職したことをきっかけに結婚しました。
東京 東村山市、ここに 22年前に創業した小さなバス会社(銀河鉄道株式会社 )があります。

このバス会社に50代で結婚した夫婦がいます。
妻は 専務として働く山本優子さん56歳です。
夫は このバス会社の社長 自ら運転手も務める 山本宏昭さん 57歳です。
高齢者のために作った路線バスや 観光バスを走らせています。

2人は4年前に社内結婚。 宏昭さんは2度目 優子さんは初婚でした。
早い時で出勤は朝の5時。朝ごはんは 妻・優子さんが用意したものです。

優子さんは大学卒業後 大企業に就職。 都内で企業相手のコンサルタントなどをして 仕事一筋
に忙しく働いてきました。
10年ほど前に 母 洋子さんが 介護が必要な状態となり 実家のある東村山へ戻った優子さん。
地元で仕事を見つけようとした時 添乗員募集の広告を目にし 添乗員の仕事を始めたのです。
そこで出会った経営者の宏昭さん。 驚いたのは バスに対する熱い情熱でした。
宏昭さんは 自宅の前に、バス停があったことから バスが大好きな少年になりました。
家業であるお酒の販売店を手伝いながら ためたお金で 30代で会社を立ち上げ 新たな路線で バスを走らせました。
宏昭さんは「地域では バスが走って欲しいと願っても 叶わず 地域の人がだんだん 年をとられて 最後は出かけることも ままならなくなってしまった。誰かがやらねば バスは走らない。」

何より 地域の乗客へのサービスを最優先。
たとえ乗客がいなくても 15分おきにバスを走らせています。
さらに65才以上の高齢者 1年間1万円ほどで乗り放題。「ぎんてつ定期券」
お客さんは「バスがなかったら 私はでては歩けませんね。どこにも行けません」

赤字覚悟でも バスを走らせたい。そんな宏昭さんの情熱に 優子さんは好感を持ったといいます。
宏昭さんも コンサルタントとして 会社や人のために力を尽くしてきた 優子さんに引かれたといいます。
「同じような方向を見てるのかな」と思い 出会いから2年 2人は結婚。( 2017.3)
路線バスで地元の人を支えることが、2人の共通の夢になりました。
しかし利用者が多くはない小さなバス会社。資金繰りが難しいのが現実です。
それでも優子さんはやりがいを感じているといいます。
夜11時の最終バスが帰ってくるのを待ってから帰宅。
時刻は夜中の1時です。そこから台所に立つ優子さん。
この時間が夕食です。生活費を切り詰めるため 食材も親戚などからのもらい物の味噌など を活用しています。
優子さんにとって生活費は、自分で稼いでいた頃に比べると 激減していますが それでも この夫婦での
暮らしに幸せを感じるといいます。
優子さんは「楽しんでいます。楽しむように心がけています。」
結婚してよかったことは 今は亡き母 洋子さんが 喜んでくれたことだといいます。
宏昭さんも 母を亡くした優子さんと共に 支え合っていきたいと考えています。


夫婦になり 優子さんは コンサルタントで 鍛えた腕前を発揮し始めます。
積極的な明るいコミュニケーションで社員同士の関係も よくなるように努めています。

安全管理も徹底。おかげで安全基準の最高位のバス会社であるという認定を受けることができました。
2人の新たな夢もできました。
食堂 学校 高齢者施設 など 中心に人が集える場所を設け、それを中心に路線バスがつなぐ 新たな街づくりを構想しています。
結婚してから4年 振り返ってもらうと、「人間は鍛えられる。大変なりに楽しめる。」と笑っておられた。

熊谷真実さん
私も主人も 人に感動を与えたり 何か 疑問を投げかけたりするような 仕事だと思うんですね。
それをお互いに見届けるというのかな?
違う目標は持っていながらも でも同じっていう関係で。
2人が出会えたことで 成長していけたらなと思って。
で 彼も 子どもが産める年齢じゃなくて 結婚したので 「お互いの作品が2人の子どもだね」って一番 最初に言ってくれたのがすっごい うれしかったですね 。

中高年の結婚ならではの うまくいっている要素は お互いに どれだけ思いやることができるかですね。

やっぱり若い時って もうちょっと勝手だったり もうちょっと何か 欲求 欲望みたいなのが 強かったりするけれど。あと お互いに歩み寄る柔軟性みたいなものも うまくいくための大事な点かな というふうに思いますね。
何か 若い時の結婚って 陣地取り 自分の陣地。自分の陣地をいかに取るかっていう感じ なんですけど。
年とってからの、 年とってからって 言いたくないんですけど 晩婚は その陣地 それぞれの陣地を いかに共有する範囲が 大きくなるかっていうのが 晩婚のよさなんじゃないかなと思ってます 今。

宇土市の新婚さん 92歳と72歳 夫婦でねぎらいあい感謝

最後に ご紹介するご夫婦は 夫が70代 妻が90代という まさに晩婚のご夫婦です。
熊本県 宇土市 に暮らす 寺尾 勇さん 72歳です。 奥様は 直子さん92歳です。
「新婚ほやほやです。」
(昨年 3月でも 放送されていました。「人生何度でも花開く!輝くスーパーシニアたち」)


2人で囲む食卓が 毎日の楽しみだそう。
2人の出会いは 東京に住んでいた直子さんが 自然の中で暮らしたいと考えたことが 始まりでした。
直子さんは 1928年に生まれました。軽井沢で上皇后 美智子様とテニスをするほどの お嬢様育ち。
結婚後 国際関係の仕事をする夫と3人の娘を育てました。
夫を手伝ううちに社会問題に興味を持ちアメリカへ留学。文化人類学の博士号を取得します。
その後 アメリカの先住民族を 日本に招へいするなど 世界各地で平和のための活動や教育支援に 取り組んできました。

一方の勇さんは熊本の農家の家に生まれました。30歳で結婚し 2人の子を育てました。
しかし 45歳の時 利益追求の農業経営に 疑問を持ち 一念発起して アフリカ・タンザニアへ。
物質的な豊かさに頼らない暮らしを
15年続け 価値観が変わったといいます。

そんな2人が出会ったのは8年前。
それぞれの伴侶と死別したあと。自然の中で暮らしたいと 考えていた直子さんが 知人から勇さんを紹介され居候することになったのです。
引かれ合った2人は 2017年に結婚。

2人で東京に行った時のことでした。
直子さんに案内されたのは 行きつけの日本橋のデパート。
そこで直子さんが選んだのは こちらの帽子でした。
荷造りし、1万円出したら、後6万円と消費税と言われた。と笑って話てくれた。
予想もしない値段でしたが勇さんは引くに引けず 思いきって プレゼントしました。

ギャップに戸惑うこともありますが夫婦の関係を円満に保つ秘けつがあるそうです。
それが夜 一日の疲れをねぎらい合うこと。
「そうっとね、腕枕をして、抱きしめて、今日、一日ありがとうねと、なでます。」
夫婦になったことで2人は安心感を感じ、充実した日々を過ごしています。

ねえ 本当に すてきなご夫婦ですね。
ラブラブ。本当に尊敬と感謝と いたわり合いと何かね 温かいものが。
本当に お互いを大切にし合ってる というのが すてきですね。

本当に魂と魂の結婚という感じですよね。
根っこの価値観が共有してる お二人なんだなというふうにも 感じましたし それで ちゃんと スキンシップもして いたわり合ってるというのが もう本当 すてきで もう何か 初々しいですよね。

実際に新たなパートナーを 得られた方たち 皆さん もう表情が本当に 生き生きなさってるんですよね。
それと ちょっと忘れられない言葉があって、まだ婚活中の方なんですけど この年齢での婚活は 究極の終活だってっしゃった方が いらしたんですね。

残りの人生を考えると 一日一日が本当に大切だって おっしゃるんですね。
だから「今日 楽しもう」 「今日やりたいことをやろう」って。
もう とにかく一日一日を本当に 丁寧に生きていきたい 大事にしたいって おっしゃってて。

熊谷真実さん
私もね 夫にね いつも「今日が一番 きれいだからね」って言うんですよ。
あしたになったら一日 古くなっちゃうから 今日が一番きれいだからって思ってねって いつも言ってます。

やっぱり コミュニケーションというのが 本当に大事だと思いますし 黙ってても通じるってことは ないと思うんですね。

▽まとめ&感想

熊谷真実さんは年下の中澤希水さんとの 楽しい結婚生活を話してくださいます。
定年後婚活で知り合い結婚 幸せを感じ穏やかに暮らすご夫妻。
シニアカップルは覚悟があって 思いやる気持ちがあります。
‘ぎんてつ’の社長と結婚した 仕事バリバリの女性。
宇土市の新婚さん 92歳と72歳 夫婦でねぎらいあい感謝しています。
皆さん 一日一日を本当に 丁寧に生きていきたい 大事にしたい と言われます。

皆さん 幸せそうですね。
シニアのカップル うらやましい限りです。
‘ぎんてつ’の銀河鉄道株式会社 すばらしいですね。地元の足のため 頑張っていらっしゃる。
こんな会社があるのだと 驚きました。地元にも欲しいです。