NHK総合 2021.7.1放送
「老犬の気持ち」を体験する講座が開かれ 介護用品も豊富に売られ 犬の車椅子まで登場。
犬の寿命が延びたのは 室内で飼い 家族のような関係。
老犬ホーム 人間のように手篤いケア 海外では「犬休」も。
ウサギの高齢化も 心砕く横浜の大里美奈さん。
【司会】所ジョージ,木村佳乃,庭木櫻子
【出演】牛窪恵,ヤマザキマリ,ドッグトレーナー 松本秀樹,伊藤海彦 【語り】吉田鋼太郎
「老犬の気持ち」を体験する講座 介護用品も豊富 犬の車椅子も
なぜか 床を四つんばいで歩く人たち。
しかも 手足には 何やら ゴムバンドのようなものをはめている。
都内のドッグカフェで開かれていたのは シニア犬の気持ちを体験する講座。
「5月1日で15歳になります。」
「13歳です。」(連れてきたワンちゃんの年齢です)
これは関節が動きづらくなる つらさを 飼い主が実感するための プログラムなのだ。
「私の中では犬がまだ若いつもりでいて、散歩の時など 「早く早く」と言っちゃったりしていた。こういう気持ちだったのかとすごく分かりました」
(トレーニングしている飼い主見てついてきてワンちゃんがクーン)
飼い主さんが いじめられると思っていました。
白いフィルムを貼った眼鏡をかけて歩き 白内障になったシニア犬の気持ちを体験。
「すごい怖かったです。見えていないぶん 怖いから そうなるのだなと感じました」
シニア犬の健康を どう守り 世話をしていくか、毎週開かれる講座は いつも満員の人気だという。
今日のテーマは大型犬の介護
「立ち上がれるかな?」
「無理です」
足腰が弱った大型犬(25kg)を運ぶときの 持ち上げ方を教わる。
ワンちゃんを自分の体に引きつけ、右足に体重を乗せつつ 持ち上げました。
参加した人は「飼い主も 老人になりつつある」
「自分たちの体も衰えてくるし 健康でないといけないですね。犬のためにもね」
調べてみると 犬の寿命は1990年の8.6歳から 20年余りで1.5倍に。
現在は14歳を超えているという データもある。
それに伴い シニア犬の介護用品も 続々と開発されている。
シニア用7歳。 11歳以上はハイシニア用って書いてますね。
ペットショップでは 高齢ペット向けの 食べ物やおむつなど 介護グッズの取り扱いが 年々増え続けているという。
最近 犬用の車椅子が出てき始めて
(取材者)ワンちゃんの車いす!
「こういうふうに 後ろ足が こう ふらふら、もう 脚が 力が入らなくなった子 シニアになっても歩きたい子って多いので。」
前足を使って歩く手助けをしてくれる まさか 車いすまであるとは。
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犬の寿命が延びたのは 室内で飼い 家族のように
所さん! ペット介護が大変ですよ。
20年で1.5倍に犬の寿命が延びてるって話ですが、 なぜ ここまで急激に延びたのか専門家の方に聞いてきました。
麻布大学獣医学部菊水健史教授
「犬や猫を大事に思って 飼い主さんが お金をかけるようになった。30年40年前に比べると 犬猫にかかる医療費は10倍以上だと思います」
かつてはですね 犬は 屋外の犬小屋で 飼われるのが普通でしたけが、今は 8割以上の犬が 室内で飼われるようになったことも 長寿につながっているといいます。
愛犬ジャスミン12歳をそばに「室内で飼うと 関係が深くなる。家族の一員みたいな存在になってくる。大事な存在なので病気になったら 何かしてあげたいとか できるだけ長生きしてほしいという気持ちになる」
病気になった時の老犬の介護経験はありますか?
(所)うちはないね。外の小屋で飼っていたから、おうちの中じゃないんで。18年いて よたよた… ってなって死んじゃいましたからね。シェパードはね 朝 死んでた。
(木村)そうなんですね。
ドッグトレーナー 松本秀樹さん
おうち時間が増えたので ワンちゃんを飼い始める人が増え、去年と比べると 前年比で 114%にもなってるんですよね。
ところがワンちゃん飼ったはいいけども 「こんなに手間がかかるとは思いませんでした」とか
「こんなに毛が抜けるとは」とか、「こんなに声が大きいとは」ということで やっぱり犬はもういいやと飼育放棄する人もいる。
(木村)かわいそうですよね。
(松本)やっぱり ワンちゃんを 飼い始めるときは 楽しいドッグライフ いいことばかり想像しないで 老いていく姿も想像して覚悟を持って飼って欲しい。
老犬ホーム 人間のように手篤いケア 海外では「犬休」も
高齢ペット介護の最前線を取材してきました。
訪ねたのは 熊本県 菊池市 山間にある老犬ホーム トップ。
シニア犬たちは 一日の大半を ドッグランで伸び伸び過ごしているという。
老犬っぽくないですね。
みんな下を向いているのは何でですか?
老犬ホーム経営者 緒方心さん
「おやつ類を 色んな所に まいたので それを一生懸命探して歩いてます。高齢のワンちゃん達はずっと一箇所で寝てしまうことが多いので 時間を決めて 動かすために餌を撒いています」
現在 ここで暮らしている犬は38頭。
ほとんどが15歳前後だという。
「この子は 認知症の初期の状態 」14歳になるコタロウ君。
「他の犬は近くで寝るとか。餌につられるってあるんですけど、認知症になると特段何に興味があるわけでもなく ただウロウロして 自分の世界に入っちゃう 認知症の典型的な症状です」
認知症になると 感情の抑制が利かなくなるのも 症状の一つ。
危ない! うわ うわ うわ! かみついちゃう!
時には 人に対しても…。
認知症が進むと ぐるぐる 同じ所を回り続けたり、(ほえ声) 昼夜を問わず ほえ続けたりするという。
自宅で世話をすることに 限界を感じて 緒方さんのもとに預けにくる飼い主も多いという。
もともと 犬のブリーダーだった緒方さん。
老犬が捨てられたり 殺処分されたりする現実に心を痛め 14年前 老犬ホームを始めた。
現在 ホームには 寝たきりなどで手厚い介護を必要とする犬が8頭いる。
(取材者)今 何されてるんですか?
「 これおしっこを自分で出さないので導尿しています」
おなかを押しただけでは おしっこが出ない犬に対しては 膀胱まで入れて 管で抜いてます。
こちらの犬は カテーテルで 導尿をするようになってから 体調が格段に良くなったという。
食事の介助が必要な犬は4頭。
朝と夕方 数時間がかりで 順番に食べさせていく。
衰弱が激しい犬には 専用の容器で流動食を与える。
のどに詰まらせないよう 上手に食べさせるには技術が必要だという。
(緒方)流動食を無理やり飲ませるなんて うちはそんなことはしなくてもいいです」という人もいるんです。でも、最終的に弱ってきて ご飯やらなかったら3日4日で100%死ぬわけですよ。
じゃあ 「どうします?」って言われると、ほとんどの飼い主さん「流動食をお願いします」になります。
介護まで追い込まれた犬を飼っていない人と 介護まで行った人の考え方の違い、埋まらない溝なんですよ。
寝たきり状態のコロちゃん 15歳。
一日中 寝たままだと 床ずれが起きるため 緒方さん手作りの特製ベッドで 立ったときの姿勢を 保つようにしている。
「ワンちゃんの床ずれは人間と違って 立ちたくてあがく。立たないと襲われるという本能があるので 逃げるために立とうとする。なので 床ずれがひどくなっても ずっとあがいてしまう」
実は コロちゃん 獣医師に 余命1日と告げられ 危篤状態で ここにやって来た。
「声でも元気になってきたほうかもしれない。余命1日と言われてから もうすぐ3ヶ月ぐらいになる」
点滴をしながら 流動食を与え 付きっきりの看病をした結果 少しずつ回復してきたという。
こんにちは。
この日 コロちゃんを訪ねてきたのは、飼い主の上田桂子さん
仕事が休みの日には 必ず 車で 1時間かけて会いに来るという。
「週に1回会うのが自分の一週間ぶんの元気をもらう時間なんで、私は独身なので」
デパートで働いている上田さん。
1人暮らしの大事な相棒として コロちゃんに 15年間 愛情を注いできた。
しかし コロちゃんの衰弱が進み つきっきりの介護が必要になり上田さんは 仕事を辞めることまで 考えたというが 悩んだ末 緒方さんたちに相談に来た。
「預けるということが無責任じゃないかと悩んだ時もありました。家族で自宅で看取りたかった。飼い主の最後の責任じゃないですけど」
ここで手厚い介護をしてもらえるほうが コロちゃんにとっては幸せだと 預けることを決意。
半年分 およそ35万円の費用を支払った。
上田さんは この日 眠っているコロちゃんに 1時間 大好きなマッサージをし続けた。
「相変わらず かわいかったです。どんな姿になってもですね。安心しました今日もいつも通りで」
次の休日も また来ることを約束して帰っていった。
すごいですね。
飼い主さんが決めることですからね。
いろんな事情があるわけで 何か 横から言えないよね。
先ほどの あの老犬ホームですけれども、8年前の2013年は 全国で20か所ぐらいだったんですね。
それが 今は もう 178か所。
その理由なんですけど さまざま ある中で やはり 飼い主が高齢化して老老介護になってしまったりとか 犬の夜泣きが酷くなって 家族が眠れなくなって体調を崩したり 預けざるをえない事情を抱えている方が やはり多いそうです。
(所)私は もう 昔から言ってるんですけど ペットはご主人が喜んでいるのが嬉しい ご主人が悲しんでいたらペットとしては悲しいわけで
(庭木) 今は やっぱり 本当に 家族の一員のようにやっていて 何か 亡くなったときに とっても とっても
悲しくなってる人たちも いるじゃないですか。
(松本)このペットロスのときのために考えて 依存し合わない関係がいい。
そうね 所さんぐらいの距離感が もしかしたら いいのかもしれないですね。
(ヤマザキ)このペット観って やっぱり 国によって本当に異なるんですよね。
私 以前 住んでいた中東ね。 あまり いい扱いを受けてないんですよ。
猫はいいんですけど 犬は駄目なんですよね。
イタリアではペットへの虐待は明確な刑事罰になって 飼育放棄なんてもってのほか、罰金や懲役刑の対象になります
(牛窪) VTRにも ペットの介護のために 仕事を辞めるっていうことを考えたという 女性ね 出てきましたよね。 今 ペット休暇など ペット関連の福利厚生を導入する企業が日本でも増えている。
ペットを病院に連れて行く時 半休が取れるとか、亡くなったら 弔電・お見舞い金1万円・有給休暇が取得できるなんていうのも。
アメリカも「育休」ならぬ「犬休」を導入する企業が増えている。
ミレニアル世代って 若い世代に「ペットは家族の一員」と考える人が増えて そこを考えないと優秀な学生が採用出来なくなっている。
ウサギの高齢化にも 心砕く横浜の大里美奈さん
ここは 横浜にある うさぎ専門のペットショップ。
うさぎ専門店主 大里美奈さん
「5月に 手術したんですよ」
高齢うさぎの駆け込み寺として知られ、飼い主たちが 全国各地から 相談にやって来るといいます。
店内には うさぎの健康を考えて 店主の大里さん みずから開発した エサが並びます。
(クローバー・イチゴの葉っぱ )
そんな大里さんの日課は 今週収穫した オリジナルの牧草の味見をしていました。
(取材者)ご自身が食べるんですか?
うさぎに与える牧草やペレットは 必ず自分も食べてみて鮮度 味 食感をチェック。
取材者も 口にしてみました。
「噛むの 神結構柔らかくなかったですか?」
「簡単にできました」
だから高齢のうさぎでも 口に入れたら 噛みやすい。
若いうさぎは 自分でグルーミングして 体を清潔に保つことができますが 高齢になり 筋力が落ちたうさぎは 自分の力で毛づくろいをすることが 難しくなります。
放っておくと 汚れがもとで 皮膚炎になり 衰弱が進んでしまうため こまめに毛の手入れや耳かきなどの
ケアをしてやる必要があるのです。
「うさぎの皮膚が弱いので ソフトタッチのブラシなので痛くないですよ」
実は うさぎ専用のケア用品は ほとんど存在しないため 人や犬猫用の道具で 工夫してきました。
高齢うさぎには欠かせない耳かきに使うのは 金物市で探してきた 美容エステの方が ニキビをプッシュして出すような道具。ちょうど良いカーブで これウサギの耳にサイズがちょうどいい。
大里さんは もともと ラビットショーで何度も優勝する ウサギを育て上げたトップブリーダー
あるとき 育てていたうさぎが 開帳肢という病気にかかったことを きっかけに 高齢うさぎのケアに
取り組むようになったといいます。
当時 何の介護の情報もなくて、毎日おしっこで お腹がびしょ濡れになって どうしたらいいか わからない、専門店に電話してもケアしてもらえる場所はなかった。
だから自分でやろうと 獣医師の指導のもと うさぎの体の仕組みについて 一から学び 介護やケアの方法を工夫してきました。
自分が培ったノウハウを 役立てたいと 高齢うさぎのケアを 教え始めたといいます。
お手入れが終わったあとは とっておきのマッサージ法をアドバイス。
こうやって お耳の内側 触ってあげると いつもは寝たきりなのに ちゃんと下半身を支えようとしながら
お顔を洗おうと できるんです。
魔法のタッチっていうの。毎日やってるとリハビリになる。また動けるようになった ウサギもいるから
奇跡を信じて やってあげてください。
(所)何か あれですね ペットって こうかわいいときにね こう 関わって、調子が悪くなった時に関わっていることも全部含めて楽しいのかも。
(木村)そうですね。 面倒を見てあげれることが 楽しいのかもしれない。
(所)申し訳ないけど 言い方がおかしくてね。
(松本)介護期に入って大変かもと 思いだしたら、今まで 過ごしてきた時間の中で たくさん思い出をもらったりとか その恩返しの時期が来たと思って 介護期に向かうと 楽しめるんじゃないかなと思います。
(牛窪)高齢化ペットの問題がいろんな動物で起きています。
トカゲが 歯槽膿漏になったり、インコが 足腰が衰えちゃったり。
SNS上で 介護について 試行錯誤する飼い主さんたちの声ってすごい増えてるんです。
(ヤマザキ) 私の愛するペットは昆虫なんですけど!
これはヘラクレスオオカブトのホセと言うんですけど、でも私が一番飼って見たいのはロバ。
世界中で、荷物を運んだり 人を運んだり 勤勉に働いてるロバを 見てきまして、人のためにばっかし尽くすロバを 心から ねぎらいたい。
(所)カブトムシ めでてたのに、やっぱり ロバが飼いたいとか 何なんでしょうね?
▽まとめ&感想
「老犬の気持ち」を体験する講座が開かれ 介護用品も豊富に売られ 犬の車椅子まで登場。
犬の寿命が延びたのは 室内で飼い 家族のような関係。
老犬ホーム 人間のように手篤いケア 海外では「犬休」も。
ウサギの高齢化も 心砕く横浜の大里美奈さん。
ワンちゃん、本当に大事にされていますね。
ウチのにゃんこも 年老いて なくなりました。
最後は 特別のエサや おむつやら 皆で交互に買ってきてたくさん残っています。