所さん大変ですよ 主婦が1日1時間で大もうけ▽こんな話

NHK総合 7/2 木曜日 午後7時30分~
所さん!大変ですよ「主婦が1日1時間で大もうけ!?」
【司会】所ジョージ,木村佳乃,合原明子,伊藤海彦
【出演】澤口俊之,牛窪恵 , モーリー・ロバートソン
【語り】吉田鋼太郎

主婦が1日1時間で月50万も稼いでいると聞き訪ねると、自宅には山積みの洋服が。しかもよく見るとタグが切られている!?実はこれ、有名メーカーやブランドの売れ残り品。フリマアプリで売りさばくと結構な収入になるらしい。実はアパレル業界では作った洋服の半分以上、10億点もが売れ残り、廃棄されている。なぜそんなことに!?その一方、動物がかじったり、おじさんがはいたジーンズが、驚きの高値で取引されていた!?

出典:NHK HP

家にいて月50万円を稼いでいる主婦は、元アパレル店員でその時のノウハウを生かして、売りさばく

商人の街 大阪から、耳寄りな もうけ話が飛び込んできた!
問題の主婦は、家にいながらにして、月50万円を稼いでいるという。

一体 どういうことなのか?
お家を訪ねると、 左手の6畳間に、段ボールが積み重ねられていた。その中には、タグがない500着にも及ぶ大量の、洋服があった。
聞けば ここにあるのは、有名ブランドやメーカーの商品で、未着用の新品ばかり。
ただし ブランドの価値を守るために、タグが切り取られているのだという。
女性は こうした洋服を、フリマアプリで売りさばいてもうけているのだとか。

女性が見せてくれたのは、仕入れに使っているというサイト。
「40点 1万6, 000円」? はい。

実は 女性は元アパレル店員で、出産を機に退職したが、そのときのノウハウを生かして
まとめて仕入れた洋服を、うまく売りさばいているという。

タグが切り取られている商品を販売している会社

在庫処分会社代表 山本昌一さんをたずねた。 株式会社shoichi(ショーイチ)はこちら

100万着はあるという、すごい段ボールですね。
取り引きしている国内外のメーカーは、2, 000社以上。
毎日3万点を超える衣類が続々と運ばれてくるという。
シンプルで着心地の良さそうな、紺のジャケット。
定価は39, 000円!?買い取り価格は 驚きの3000円 92%OFF。 売値は4980円。

倉庫の2階に行ってみると、 商品のタグを、ひたすら切り取る、パートさんたちの姿がありました。
タグを切ることによって、ブランドが商品の値段を下げて売ったのが分からないようにするため。

この日も、アパレルメーカーの社員が、売れ残った商品を手に、商談にやって来た。
持ち込まれたのは、定価3万8000円のダウンジャケット。
聞けば 暖冬の影響で、2000着 生産したうち、ほぼ半分が売れ残ったのだという。
92%オフの買い取り価格で決着した。正直赤字なんですけど、全数売るのは、なかなか難しく、余り時間かけて売るのも経費が掛かるのでかなり助かっている。
もったいない。

この30年 売れる洋服の数は、ほぼ横ばいで 変わらない一方
作られる洋服の数は、右肩上がりで増え続けている。半分以上が売れ残る計算なのだ。
しかも 売れ残った衣類の大半は、産業廃棄物として、焼却処分されてしまうという。
廃棄される洋服の数 なんと 年間10億点。
もったいないけど、買った人に対して、ブランドの顔がつぶれちゃう

これはですね 作った洋服のうち、どれだけ売れたかという割合。
30年前の1990年は、96.5% 売れていたんです。
もう 年々下がっていって、48.2%と もう 作っても、半分以上が売れ残ってしまう。
じゃあ 何で こんなことが起きているのか、小島健輔さんにお話を伺いました。
作りすぎなんです。
ユニクロが大成功したので,海外の巨大工場で、1年も前から、何十万単位で作るから、いい物が安くでき成功した。他のブランドがマネしても、うまくいかなかった。
バブルが崩壊して、デフレ時代になり単価を下げざるをえない、単価が下がった分さらに作る悪循環になっている。

洋服余りの、背景には、洋服自体を所有しないっていうことになってきた、側面もあるんですよねこれ フリマアプリの登場で、誰でも手軽に、中古の洋服を、売り買いできるようになりましたし。スタイリストが コーディネートした洋服を、月額 9800円で借りられる、レンタルサービスっていうのが、人気で、今 登録者45万人を超えてる。
エアークローゼットはこちら

牛窪さんも?これはフリマアプリです。もう 新品、買わなくなっちゃいますね。
お古をもらって、着たことが地球に優しいことしてるみたいな。

(木村) お仕事のときは、スタイリストさんが用意した…。
おばあちゃんに「洋服っていうのは、ちょっと値が張っても良い物を長く大事に着なさい」って言われてきたので、若いときから、ちゃんと自分でお店に行って、着心地を確かめ、着ないと買わない。
(モーリー)見る目を持てば、買う人が変えることができる。

(所) 定価で買って、すごく満足している。でも安く買ったやつがいると「あれ?」

動物園のヒグマとトラが引き裂いた生地のジーンズ

ディレクターが訪ねたのは、茨城県にある日立市かみね動物園。
園長が見せてくれたのは、膝の辺りがボロッボロになったジーンズ。

ヒグマに、新品のデニム生地を与えたときの、映像。
いつもは仲のよい、アイちゃんとエリコが突如 大興奮。
激しい奪い合いを始めたのだ。
洗濯機に入れるんじゃなくて、ヒグマの檻に入れんのかい。

ふだんは 寝てばかりいる、トラの さわちゃんも、タイヤに巻きつけたデニム生地を
与えるやいなや、人が変わったようにトラが変わったように襲いかかった。
彼らは 見慣れぬデニム生地を、獲物だと思って攻撃していたのだ。

動物たちが作ったジーンズは、全部で4本。
ネットオークションにかけた瞬間に、値がつり上がり、安いもので 5万1, 000円。
高いものは、15万2, 000円で落札された。

尾道では、普通のおじさんが、ボロッボロにしたジーンズが、高値で販売

ジーンズはいてる方、いらっしゃいますね。
男性は 瀬戸内海名物、鯛の一本釣りの漁師だという。
こちらは タコつぼ漁の漁師。ジーンズは塩水と泥まみれ。

実は これ、町おこしの会社が始めた取り組み。
街の人が、1年間 育てたジーンズを通して、尾道の良さを知ってもらおう。
スタッフは毎週、回収し、専門の工場に洗いに出す。
送り返されてきたジーンズは、再び はき手のもとに戻す。
はいては回収して 洗濯。これを1年間 繰り返す。
ヒゲの具合とか、色落ちの風合いだったりとか…。
さて そのお値段は、3万5800円。こっちは4万2000円。
ちなみに これまでの最高値は4万8000円、大工がはいたジーンズだった。
角材を抱えて運んだり、座ってかんなをかけたりすることで、生まれる「ヒゲ」と呼ばれるシワや、色落ち具合が人気だという。

海外の方、ファッション雑誌の編集者が買ってくれた。
女性はジーンズの風合いだけでなく、一つ一つのシワやシミが出来た理由を
聞いてさらに気に入ってくれたという。

ほかにも かんきつ農家のジーンズは、果汁が付くことによる、独特の色みが人気。
鉄工所の作業員のジーンズは溶接の際 火の粉が飛んで、あちこちに開く 小さな穴が
喜ばれるという。
それぞれの職業に応じて生まれる、ユーズド感。
おじさんたちが、ボロボロにしたジーンズに、高値が付くというのは本当のようだ。

(澤口) 男性は、独自性で女性の気を引こうとする
世界に一つしかない、希少なジーンズをはける自分には、価値がある。

(モーリー)アメリカの鉱山跡地に分け入って、捨てられている、昔の労働者のジーンズを探すんです。
すごいね 大興奮!見つけたのは、1890年代のデニムジャケット。
ボロッボロですが、これに 1着100万円以上の値が付くといいます。

アメリカ西海岸で しかも、そこは あんまり 湿度がないから、100年たっても腐らずにあり、その隣には100年前の新聞とかが、置いてあったりするから本物だって分かるんだって。

ちなみに、ジーンズといえば所さんですけど、今日も ジーンズが ちょっと…。
これ 裏と表 違うでしょ?ジーンズと綿パンじゃない。
着たいパンツが作っていないので自分で作る。

(所)まあ 40年ぐらい前の話ですけどね。NHKはジーンズで、出て苦情が来た。

確かに 作業着ってイメージですよね。昔 やっぱり ジーンズって。
今は お堅い金融系でも、ジーンズで出社できる。

京都で着られなくなった服を よみがえらせる黒染め

訪れたのは 100年続く京都の、呉服関係の会社。
社長 荒川徹 さん(株式会社 京都紋付 はこちら)
乾燥室だという部屋に、案内されて行ってみると、ずらりと干された黒い衣類。
実は これ もともとは、色とりどりの洋服だったといいます。

こちらは 日本の伝統的な正装、紋付の黒染めを専門に行う会社
しかし この15年で紋付の需要は激減。会社は存続の危機に陥ったといいます。
そんなとき 活路を見いだしたのが、洋服の黒染めでした。
シミや黄ばみで着られなくなった洋服を、黒く染めてみたところ、意外な効果が得られたのです。
例えば こちらの綿100%のシャツ、胸元に洗っても落ちない油汚れが、付いてしまいました。
衣類は秘伝の染料で2度染めに。すると ご覧のとおり。
油汚れのシミも、分からなくなりました。
しかも ブランドロゴやステッチは、染まらず きれいに残っています
我々は天然繊維を染める染料を使っている。化学繊維のポリエステルは染まらなかった。
漂白剤でムラになってしまったこちらの服も、ご覧のとおり 全く違う洋服として生まれ変わりました。
いまや 全国各地から、毎月500点を超える洋服が、集まるといいます。

家族の洋服を何着も黒染めに出している、という人を訪ねました。
妻の貴子さんは、黄ばんでしまったシルクのブラウスを、4000円余りかけて黒染めに出しました。
実は 亡き姑が 21年前,長男の卒業式のために、買ってくれたものなのだとか。
夫の精一さんは Tシャツを3000円ほどで黒染めに出しました。

黒く染めて また新品みたいになって、それについて また話が弾むじゃん。

工夫しなよとかって思うよ。あとは かみさんに頭下げて、何か 縫ってもらえよと思う。
所さんも 時々 お願いするんですか?
「かみさんは、これ1000円でやってあげるよ」と言いますよ。
(木村)お上手なんですね 裁縫ね。
(合原)縫ってもらえると、よけいね 愛着も湧きますよね。
(木村)私たちは裁縫を習うとこから、頑張りましょう

▽まとめ&感想

タグが切り取られている商品を販売している会社を利用するのは、ブランドを守るため。
動物園のヒグマとトラが引き裂いた生地のジーンズがあった。
尾道では、町おこし、普通のおじさんが、ボロッボロにしたジーンズが、高値で販売。
京都で着られなくなった服を よみがえらせる黒染めは天然繊維だけを染める。

作りすぎてる洋服、もったいないですね。
天然繊維を染めるだけの、黒染め、見事でした。