太平記 1話「父と子」▽あらすじメモ・忍従の足利家 登子と出会う

1991年、約30年前の放送です。原作は吉川英治の『私本太平記』。
脚本は『麒麟がくる』の脚本と同じ、池端俊策
再放送を楽しませてもらっています。見逃した 1~6話 レンタルできましたので鑑賞しました。
やはり、最初を見て、いかに足利家が理不尽に扱われていたか、北条を討たなければならなかったか、わかりました。

北条一族は、外様の御家人を滅ぼそうとしていた

冒頭、真っ赤な太陽と重なり、ベルリンの壁崩壊の映像が入り、天狗の面をつけた騎馬武者が走ってくる。
「私たちはいま歴史の大きな転換期に生きている。……「太平記」の時代もまた、日本の歴史の大転換期だった。」……
「その激動の中を太平を願って生き抜き、やがて室町幕府を開いた武将、それが足利尊氏である」と尊氏の像。

1285年 鎌倉 安達泰盛の館 当代きって権勢を誇る外様の御下人 泰盛が、 田楽を呼んで賑やかな宴の中、幕府軍に襲われ自害。

忍従する足利貞氏・又太郎(後の足利尊氏)誕生

1305年 北条の最大の敵は、足利であった。下野国足利庄に、北条に滅ぼされた吉見一族の残党が、逃げ込んできた。足利家の当主・貞氏(緒形拳)は館に入れるが、追ってきた幕府軍が引き渡しを要求する。「戦って勝てるものなら、家時様はあのような御最期には…」と、見捨てることを決断する。
その中にいた一人の少年を引き止め、門を閉めさせる。貞氏はこの少年を密かにかくまい、領地の三河へと 送った。
鎌倉で貞氏を、幕府の内管領で最高権力を握る、長崎円喜(フランキー堺)が「子供を一人お助けになりませんでしたか」と問いただすが、貞氏は知らぬ存ぜぬで通す。

貞氏が北条一門の、金沢貞顕(児玉清)の館を訪ねる。館の中で離別した正室(貞顕の妹)が、酒に酔い遊び呆ける姿を見かける。貞顕が「得宗殿の命でなければ、御辺に娶せることはなかった。以前より上杉殿が家の女房としておられたのじゃ。全ては得宗殿が足利殿を、北条に取り込もうとした無理な縁…」と語り、貞氏は嘆げくだった。

鎌倉の足利館に帰宅した貞氏に、妻・清子(藤村志保)の出産が間近であることが知らされ、ご祈とうが続けられていた。無事に嫡男が誕生、産まれた子は「又太郎」と名付けられた。後の室町幕府初代将軍、足利尊氏である。

少年時代の尊氏 祠のご神体を見るため新田荘に入り 義貞と会う

1316年 又太郎は弟の直義や側近の少年たちを連れて、足利庄の隣の新田領の洞窟の祠に忍び込んでいた。又太郎は祠を開けて「ご神体」を見てしまうが、ただの「木切れ」であった。
そこへ新田の小太郎(義貞)と若武者たちがやって来て、渡良瀬川のほとりで、「足利トンボ得宗の犬」となじり、小競り合いに。足利の武士達が助けに来て、その中の一人が川を馬で渡り、新田の若武者達を、次々と川へたたき落としてしまう。
小太郎は「北条は我らの所領を奪った者、足利はその北条と同じ汁を吸っている犬じゃ、我らはともに源氏、ゆめゆめ、北条の犬に成り下がるでないぞ。」と引き上げた。

又太郎達を救った武士は、三河からやってきた一色右馬介(大地康雄)で、かつて貞氏に救い出したあの少年であり、又太郎の側に仕えることになった。

足利庄の館に戻ると、「悪党」と呼ばれる一味が、米倉に火をつけようとして捕らえられていた。背後に長崎円喜の影を感じた、貞氏は放免する。又太郎は足利がそこまで、北条に気を使わねばならぬかと憤慨した。貞氏も一人なったとき、水差しをへし折って静かに怒りを爆発させた。

花夜叉一座に拾われる 美濃の俊足の少年 石

所変わって、美濃国。「悪党」にある村が襲われ、母親を殺され家を焼かれた少年が、馬に乗る悪党にしがみつくが、とうとう振り落とされてしまう。旅芸人の花夜叉一座が通りかかった。
逃げた悪党が落としていった物に「三河国富永保」と書かれていて、一座にいる老人は、足利の所領であると石に教える。この時から石は「足利」に激しい憎悪を抱くことになる。
少年の母親を葬ってやり、「石」と名乗るその俊足の少年を一座に加えることにする。孤児の藤夜叉という少女がおり、花夜叉(樋口可南子)は二人に「兄妹におなり」と言うのだった。

北条高時を烏帽子親として 高氏 元服

鎌倉では又太郎の元服の儀式が、執権の北条高時(片岡鶴太郎)を烏帽子親として行われ、高時は体を押さえつけ、「頭を上げい」とからかう。じっと耐える又太郎に高時は「存外非力じゃのう」と笑う。又太郎はこの高時の一字をとって「高氏」と名乗ることになる。

成人した高氏 将軍に仕える 高時は 闘犬に夢中

1324年、成人した高氏は有力御家人の子息の習いとして将軍御座所で将軍に仕えた。9代将軍 守邦親王は、後深草天皇の孫で、実際は傀儡になっていた。都育ちの母親から教わった蹴鞠など雅びな教養を見せる高氏は、変わりものと見られていた。

高時闘犬に熱中しており、将軍や御家人達も呼びつけて闘犬見物をさせていた。闘犬にはしゃいでいた高時だったが、高氏が退屈そうにしているのを目にし、高氏に闘犬の犬を引いて場内を回るように命じる。高氏は猛犬に引きずられ、犬と組み合う乱闘に。たまらず場内を逃げ回る高氏の姿に、高時は大や見物客もどっと笑うなか、高氏は着替えて引き揚げていく。見物客の中に、少年の時に出会った新田義貞(萩原健一)がいた。

高氏 北条方の赤橋登子と出会う

館に帰ると、弟の直義(高嶋政伸)が「北条方から兄上に嫁をもらう話がある」怒っていた。
父母の前で、高氏は「北条の嫁などもらいとうない。こんな鎌倉!」と叫ぶ。
貞氏は「住みとうないか。わしもそう思った。…そして30数年だ。」

母の清子は、赤橋守時家から借りた古今六帖の写しを返してきて欲しいと高氏に頼む。
高氏は赤橋邸へ。守時替わりに、妹の登子という女性が対応し、写しに誤りがあったと言う。
高氏は、登子に魅せられ、古今六帖の写しを借りることになった。

▽まとめ&感想

北条一族に忍従する足利貞氏・又太郎(後の足利尊氏)誕生。
少年時代の尊氏 祠のご神体を見るため新田荘に入り 義貞と会う。
花夜叉一座に拾われる 家と母を失った美濃の俊足の少年 石。
北条高時を烏帽子親として 高氏 元服。
成人した高氏 将軍に仕える。 高時は 闘犬に夢中。
高氏 北条方の赤橋登子と出会う。

ベルリンの壁崩壊のオープニングに驚き、20年前の安達泰盛がなぜ出てきたかは、よくわかりませんでした。
父 貞氏は、随分と忍従させられていました。
足利一族が、反旗を翻すのがわかります。
少年時代の高氏達、皆、馬に軽やかに乗っていました。
闘犬の様子、かなり長い間あって、高氏が、いたぶられて、大変だったでしょうね。