大河 太平記 44話「下剋上」★観応の擾乱の始まり▽ あらすじメモ

高師直 直義邸で暗殺未遂

貞和5(1349)年7月
三条坊門 足利直義邸
ある夜、執事を解任されたばかりの 高師直(柄本明)が呼び出された。
直義の館には多くの武装した兵が潜ませてあり、僧の妙吉上杉重能など側近たちが 直義に決断を促していた。
ところが直義の家臣 粟飯原清胤が師直に挨拶に見せかけ もらして、師直は慌てて屋敷から逃亡した。

鎌倉で尊氏の嫡男 義詮 京に戻りたいと願いながら 闘鶏

鎌倉政所
そのころ、将軍尊氏の嫡男 義詮(片岡孝太郎)一色右馬介(大地康雄)に京の様子を聞いていた。
義詮が、直義の側近たちが 師直を殺されかけたのに、なぜ将軍は彼らを放っておくのかと問う。
右馬介はただの噂で人を罰するわけにはいかないと答える。
義詮は「そうではあるまい。父上は手も足も出せぬのじゃ」
右馬介は 関東をどう治めるか、信濃や奥州をどう押さえるか「都は都、関東は関東」と諭す。
義詮は「わしは京に戻りたい。グズグズしては何もかも 叔父上に取られてしまう。叔父上の子 直冬どのは 長門探題を拝命いたし ゆくゆくは叔父上の後を告がれるという。この義詮は 関東に埋もれ 一生過ごすのか。」
そうではない と言われ、「父上には申し上げてくれ 共に天下を成敗したいと」

そこへ鶏の鳴き声が聞こえ 闘鶏の鶏が運ばれてきた。
義詮は大喜びではじめさせ、声を上げて夢中になった。

尊氏の嫡男 義詮は 鎌倉にあって 日々 闘鶏に明け暮れていた。

尊氏 申楽に直義達 誘い 高師直に襲うよう指示していた

京 足利尊氏 邸
右馬介は義詮の様子を 尊氏に送っていた。
闘鶏に熱中するのみ その他は行く末頼もしく成長している との報告を尊氏(真田広之)は申楽の席で読んでいた。

尊氏(真田広之)申楽(さるがく 能の源)を設けていた。
しかし出席者はまばらでガラガラだった。なぜか直義の方から 側近の僧 妙吉だけがやって来て酒を飲んで居眠りしている有様であった。
そこへ佐々木道誉(陣内孝則)登子(沢口靖子)もやって来た。昼間から申楽三昧で酒をあおっている尊氏に登子は眉をひそめる。
席についた道誉が出席者が少ないことに驚く。
登子が 中間どもの噂として、みな実力者である直義にはばかり こちらには寄り付かない。それも 師直殿が幕府の執事を追われても何も言わず、吉野方との戦もすべて三条様任せで 申楽ばかり と嘆く。

一人来ている妙吉に、道誉は「今日は誰の命でこちらの様子を見に来た?」と声をかけるが、妙吉はそしらぬ顔をする。
「そういえば、師直どのも見えぬな?奇妙じゃのう」と道誉は尊氏に話し掛けるが、申楽を眺めている。

そこへ、家臣たちが大慌てで駆け込んできた。高師直師泰(塩見三省)兄弟が戦支度で今出川のを出られ、転法輪 柳ヶ辻に、二万の兵を集めている。その先鋒は三条の直義邸へ進撃し始めていると伝えた。
別の家臣達が、直義の館にも吉良、斯波など足利一門のものが兵を率いて集まり 合戦の備えはじめたと知らせる。
「副将軍と師直どのの合戦か!」と道誉は立ち上がる。
妙吉は慌てふためき、尊氏の前にすがるようにひれ伏すが「妙吉どの、もはや三条殿へ戻るのは危なかろう。師直はもうわしの手にも負えん。直義に取り入って手に入れた所領の数々、早う打ち捨ててお逃げになるが良かろう」 尊氏に言われ、飛び出していった。

「続けよ」と尊氏は中断していた申楽を再開させる。
みな逃げてしまい、尊氏、登子、道誉だけが並んで申楽を眺めていた。
道誉が「ハハハ。なるほどのう。四日前に師泰が出陣していた河内から7000の兵を率いて帰京して、そのまま師直邸に入り何事かと思えば。御辺の指図じゃな。三条どのとその取り巻きをここへ集め、師直どのに襲わせる手はずだったのか。それならそうと、わしに一言 言うて下されば味方に参じたものを!」 となじる。
尊氏は「戦をするつもりはない。直義と話し合おうと思うただけじゃ。直義をその側近たちから引き離して兄弟二人でよく話し合って全てを洗い直したいのだ」と明かす。
「戦になろうぞ」と言う道誉。
尊氏は「直義に集まる兵は ざっと 4,5千。勝ち目はない。ほどのう 直義はここへ来る。手はずは打ってある」と言った。

貞和5(1349)年8月13日 高師直は 山名時氏 今川頼貞 仁木頼章らの軍を結集し 足利直義の館に向かった。幕府の実権を握った 直義派への武力蜂起だった。
一方 直義の館には 斯波高経 吉良満義をはじめとする 足利一門の重鎮や 幕府の重臣が集まり 数千の兵で館を固めていた。

直義 尊氏からの誘いで尊氏邸に

三条坊門 足利直義 邸
桃井直常(高橋悦史) 意気盛んだったが、裏切り者が続出したことに直義一派は弱気になっていた。
直義は「将軍の館に動きはあるか?」と尋ね、館の守りを固めている由と聞くと 直常に先ほど届いた書状を見せる。
直常はそれを読み上げた。
「師直・師泰、身に過ぎたる驕りにふけり、家臣の礼儀を失す。こたびの謀反、言語道断なり。この上はいかさま三条殿へ攻め寄することもあるべし。ぜひ我が館へお渡り候え。一所にて生死を共にせん尊氏
直義は「解せぬ?」とつぶやく。「解せんが、逃げ込むなら、今のうちやも知れん。師直も将軍の館には手を出しにくかろう」と尊氏のへ逃げ込むことにした。

土御門東洞院 足利尊氏 邸 
申楽が続く尊氏邸に、直義ら一行が間もなく到着した。
出迎えた尊氏に直義は「仰せのとおり、生死を共にせんとまかりこしましてござりまする!」とかしこまった。
「よう来た」と尊氏は声をかける。
そこへ師直らが向かいの法成寺に陣を構え、尊氏の館を取り囲もうとしているとの知らせが入った。
尊氏が師直に使いを送って真意を確かめさせよ と命じると、「その使い、この判官にお任せあれ」と道誉が進み出た。
すると桃井直常も「恐れながらそれがしも同道いたしまする」と立ち上がった。

尊氏 直義に引退迫る 後任は義詮

逃げ込んだ直義軍を追い 師直軍は土御門の将軍亭に押し寄せてきた。
この時 直義を見限って師直軍に寝返る武将が 後を絶たず 師直軍は 圧倒的な兵力で 尊氏の館を包囲したのである。

高師直の陣 法成寺
将軍の使者として道誉直常が尋ね、師直の真意を問う。
師直は「将軍に矢を向けるつもりはない。上杉重能・畠山直宗・妙吉の口に乗せられた三条殿に申したき儀あり」と言って、直義が幕政から手を引くことと、師直暗殺を図った上杉らを 速やかに引き渡すこととを要求した。
「それが聞き届けられぬ時は?」と直常が聞くと 「是非にも 聞き届けていただく!」と師直。

土御門東洞院 足利尊氏 邸
 
直常一人だけが帰ってきた。
尊氏が「道誉はどうした」と尋ねる。
直常「いつもの寝返り病でござります。師直の陣に加わるゆえ、あとは良しなに、とほざいて向こうに居残りましてございます!」伝えた。
直常は「それがしは引きませぬぞ。師直と刺し違えても、この館をお守りいたす!」と部屋を出て行った。
諸将もついて出て、部屋には尊氏と直義だけが残された。

尊氏直義に近づき、酒を勧めた。
直義が「こたびのことは兄上の謀りごとでございましょう。直義を罠におかけになりましたな。」 と恨めしそうに言った。
尊氏は直義に言を入れて 師直をやむなく執事から外したが、殺せとまでは言わなかった。
直義が家柄だけで 師直のあとに執事にたてた上杉重能は何の働きもなく、誰が従う。 「そなたは幕府を身内で固めすぎた。もはやそなたに従う者はわずかじゃ」と言う尊氏。

直義は「確かに軍勢では師直に勝てませぬ。しかしは軍の力ではできませぬ」と答えた。
尊氏はさらに直義が公家・寺社に深入りしすぎて、武家が戦のため その領地から兵糧米を取るのさえ渋った。それでは武士は従わぬ。武家のしたがぬ幕府は幕府にあらず。このままでは幕府は多くの武士に見放される、師直の言を入れ 引き下がれ と直義に言い渡す。

「政は誰が行います?」と直義が尋ねると、尊氏は「義詮を鎌倉から呼び戻す。義詮は はや二十歳、年に不足はない。時をかけ学ばせる。この尊氏が命ある限り道を誤らせぬ」と答えた。
これを聞くと直義は酒をあおり、「政は力のある者がやるべき」と言い、義詮は闘鶏に明け暮れて無能、むしろ尊氏の実子である直冬の方がうってつけ と尊氏に迫る。
尊氏が 「それでは足利が二つに割れる!」と言うと、
「すでに割れておりまするわ!」と叫んで直義は立ち上がり、尊氏に背を向け 泣き崩れた。
「わしはいやじゃ!いやじゃ、いやじゃ…!」まるで子供のように泣く直義。
尊氏は 「そなたのこれまでの働き、忘れはせぬ。有難いと思っておる。だがもはや引き時ぞ。わしを困らせるな。頼む、この通りじゃ」と手をつき頭を下げた。

直義は 「直義は戦は下手じゃ。兄上にはかなわん。それゆえ戦は兄上にお任せいたし、わしは政の道を選んだんじゃ。それを今になって取り上げると仰せられるか!幕府はわしが作り上げた!誰が何と言おうと手放さん!…わしから政を奪いたくば、わしを殺してからになされい!!」 涙と涎でグシャグシャになりながら、立ち去っていった。

包囲軍は その後も兵力を増し その数は 5万を超えた。師直の号令一下 いつでも攻撃できる準備が整った。

師直は直義を討つ。兄師泰は殿も一緒にと考える

今出川 高師直邸
師直・師泰道誉が女たちをはべらせ 宴を開いていた。
道誉が「三条どのが身を引かぬときはどうする?」と聞くと、師直は「討ち果たす」と答えた。
道誉は「将軍とそのような話になっておるのか?」と念を押す。
師直は尊氏にはただ館を囲めと言われただけだが、直義がいる限り足利は一つにまとまらない。
「いま五万の兵がわしの手にある。」と一存でも直義を殺すと言い張る。

道誉が、将軍の弟を殺せば咎めをうけ 殺されるぞと脅すと 「ならばどうすればよいのじゃ!」と師直は盃を床に叩きつけた。
黙っていた師泰が「いっそ、殿がご同意を下さらぬ時は、殿も一緒に討つというのはどうじゃ?」 と言い出す。
道誉と師直は驚き 師泰を見ると「さすれば、後でお叱りを受けることもない。」… 「戯れ言じゃ、何を真顔で聞いている!」と笑った。
道誉も笑って 「この判官もの、チラと思わぬではなかった。五万の兵が将軍の館を取り囲んでおるのじゃ。天下を奪るには良い機会やも」
二条の君(森口瑤子)も師直に「殿もお考えにならぬことではありますまい。以前 尊氏に人前で散々に打ち据えられたとき咄嗟に殺そうと思ったと言っていたではないか」と言う。
師直は 「黙れ!」と彼女の額を扇子で激しく打つ。
額に血をにじませながら、二条の君は師直を見返した。

土御門東洞院 尊氏の邸
武士たちが駆け回り、物々しい館の中を登子は、夫を探していた。
尊氏は一室にこもり 地蔵菩薩の絵を描いていた。
尊氏は「のう、登子…なかなか美しい菩薩は描けぬものじゃのう…」と語りだした。

北条高時が「見たことのない仏が信じられようか」と言っていた。
自分もこれまで神・仏かと思うものを見たことがある。幼い頃の新田義貞どのはじめて都に来て拝した帝。だが よう見ると違う。皆消えてしまわれた
今の世は、醜いものばかりじゃ!わしは美しい菩薩を描きたい!美しい世をつくりたい! そのためには弟とも戦わねばならぬ」尊氏は描いていた絵を破り捨てた。

尊氏は登子に、直義が自分を殺せと言ったことを明かし、これまで正成、義貞、守時など多くの者を手にかけた。この上弟を殺せと言うのか、と嘆く。
登子も「良い世の中になると信じたからこそ、兄を見殺しにした」と尊氏に言う。
そして、病床の貞氏(緒形拳) が言っていた「美しいものでは、長崎殿は討てぬ」という言葉を思い起こして泣いた。

翌朝。直義派の諸将は甲冑に身を固め、一斉に縁側へ出た。
「こたびの戦は我らの意地ぞ。命を惜しまず、名を惜しめ」 直義が呼びかけると、直常らは「おう!」と応じる。
「脇門より打って出る!続けーっ!」と直義は叫び、庭に飛び降り 走り出していった。

尊氏はじっと座り込んでいた。
尊氏は父 貞氏の最期を思い浮かべていた。
「何故、無念と思うか。美しいものでは、長崎殿は倒せん。美しいだけではの…」

▽まとめ&感想

高師直 直義邸で暗殺されかける。
鎌倉で尊氏の嫡男 義詮 京に戻りたいと願いながらも闘鶏にのめり込む。
尊氏 申楽に直義達を誘い 高師直に襲うよう指示していた。
直義 尊氏からの誘いで尊氏邸に呼ばれる。尊氏 直義に引退迫り後任は義詮と考える。
師直は直義を討つ。兄師泰は殿も一緒にと考える

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戦のない、うつくしい世の中を目指せば目指すほど醜くなっていく
兄弟の いさかい 始まってしまいました。
尊氏が 直義を囲むよう 師直に指示していたことに驚きました。

つまらないことですが 字幕の 邸・亭・館 使い分けわからなくなって 頭が???状態です。