東京リボーン 第4集 巨大インフラ 百年残す闘い▽人の力も大事

NHK総合 2020年2月29日(日) 午後9時00分~9時49分

とうとう東京というモンスターが待ち望んでいた年がやってきた。
欲望のエンジンを求め続けてきた この街 大変貌のクライマックスはまもなくだ。
今回もAKIRAと共に。

タイトル映像 デザイン監修:大友克洋 テーマ音楽:山城祥二 語り: 香川照之 松坂桃李

空中回廊の首都高速道路はメンテナンスで百年残す

全長320キロ、大動脈・首都高速道路は、4分の3が海や川、一般道などの上を走る、空中回廊である。
旧ソ連の映画「惑星ソラリス」で未来都市の風景として使われた。
1964年のオリンピックに間に合わせて作られた。1日100万台の車が行き交い、大型車が多く老朽化が進んでいる。
現在首都高で見つかる損傷は、1年でおよそ4万箇所にも上る。
インフラパトロール(維持作業車)が見回り、道路に穴を発見し、ボタンを押すと、応急補修部隊が駆けつけ、交通規制もせず、10分で補修完了。
最も劣化が激しいのは、羽田と都心を結ぶ1号羽田線。海水で激しく腐食し、大きな損傷が多く、1.9km区間を大規模更新工事を行い、大部分の高いところでは20mまで上げる。湾岸線からの八潮連結橋がかっており、この橋も架け替えなくてはならない。
この難工事を指揮するのは、明石海峡大橋の現場監督を務めた高橋さん。
並行する東京モノレールが運行を終えた、夜間のわずか2時間半で、長さ52m、重さ約350トンもの道路橋を架け替える。
2019年1月21日、準備した道路橋を、クレーンつり上げ、風の影響を受けやすく、人力でサポート。
小回りで旋回、道路橋の穴と連結用の板の穴を合わせボルトで締めるのだが、なかなか合わせられない。最後は人の力。重なり合った穴を見つけては、ボルトを入れて締め上げていく。ようやく160本すべて終わったのは予定を30分超えて、モノレールが動き出す直前でした。

首都高を直して、プラス百年使う

日本橋川、高架の裏側にスパイダーマンさながらに、特殊高所技術でロープでぶら下がり、たたく音で、内部の異変を探り、ひび割れを見つける。とても危険作業です。
すべてを作り直しことは、難しい。
恒久的足場やメンテナンスに、5年前6000億円予算獲得し、直して、残すようにしています。
1995年の阪神淡路大震災で、疲労亀裂がおきた。
示方書で、道路橋などは半永久的に使えると、安全神話があったが、地震により、疲労亀裂が起こる可能性があると、点検、1400カ所も発見、急ぎ補強した。

インフラドクター 最新のシステムで維持管理

1999年4月、重さ7kgの側溝のふたが、首都高を走行中の運転車を直撃、40代の方が亡くなった。
ふたを抑えていた鎖が切れていたのを放置していた。
以来、メンテナンスを一生の仕事と考えるようになった。
緩まないボトルナット、ドローンなど、いろいろ考えられています。

インフラドクター、レーザー照射装置、高精度カメラを搭載し、位置情報を測定し、点群を、デジタル空間に示す。
GISと3次元点群データを活用したインフラ・構造物の維持管理を支援するシステムを活用しています。詳しくはこちらにありました。

東京タワーは5年ごとの塗替え補修でいつまでも強さと美しさ保つ

1958年に作られた、東京タワーは、地震、メンテナンスを考え、内藤多仲が設計した。
内藤多仲は他に名古屋テレビ塔、歌舞伎座など設計した。
風速90m、関東大震災級にも耐えます。隙間だらけの鉄筋で、横風の影響を防ぎます。
空中300メートルでの塗装をすべて手作業で、足場の幅はわずか6センチ。
雨が塗料に混じると耐久性が落ちるから急いで撤収 。
東京タワーは5年に1度の塗り替え、1年以上かけた手作業で、一切の錆も無く美しいです。

『AKIRA』 が出てきたわけ

前回、
大友克洋のマンガ『AKIRA』 で1982年12月 関東地区に新型爆弾が使用され、第3次世界大戦が勃発。それから一気に37年飛んで2019年、東京は「ネオ東京」へと生まれ変わり、翌年にオリンピック開催を控えるまでに復興を遂げたところから、物語が始まった。

空中回廊の首都高速道路はメンテナンスで百年残す。
羽田と都心を結ぶ1号羽田線の八潮連結橋更新工事。
インフラドクターを使った最新のシステムで維持管理。
東京タワーは5年ごとの塗り替え補修でいつまでも強さと美しさ保つ。

今回も、面白い話がたくさん聞けました。
日本のインフラは、結局、人の力でした。
うまく、若い人に技術が伝えられますように。