NHK SP2030 未来への分岐点(2)飽食の悪夢 水 食料クライシス▽ネタバレメモ

NHK総合 2021年2月7日 放送 2030 未来への分岐点 (2)「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」

世界は飽食と飢餓、世界の食料支援の1.5倍の量を廃棄する日本
牛肉1kgの生産に6~20kgの穀物が必要で世界の穀物の1/3がエサに。地下水も枯渇
食料資源の偏りが更なる危機を招く先進国や新興国の飽食廃棄。
フードショック 温暖化が進み 不作 輸出停止 食料不足 暴動。
プラネタリーダイエット食料システムを見直そう。
持続可能な農業 不耕起栽培推奨。
ファームリンクで廃棄される食料回収。

2050年の日本
また 夢を見ていた。 食べることができない人たちが 通りにあふれていた。
食べ物の値段が ものすごく高い。 街はすっかり変わり果てていた。
繁栄は厳しい試練である。(2050年からのメール)

繁栄を追い続けた未来に 待っているのは 食料を巡る悪夢だ。
今 人類が抱える さまざまな課題。最新の科学は 2030年ごろに 限界に達すると警告しています。
資源の大量消費 人口爆発と食料問題 そして 加速する温暖化。
飽くなき人間の活動は地球の運命を左右し始めています。

世界は 飽食と飢餓 世界の食料支援の1.5倍の量 廃棄する日本

今 世界中で 食料難に陥る人々が急増。
国連は 飢餓が拡大していると 警告を発しています。
その最大の要因は 日本など 先進国で続く食料資源の飽くなき浪費
日本で 食べられるのに捨てられている 食品を世界に分配すれば 2億人近くの飢餓を解消できるといわれています。
そして 豊かさを過剰に求める食料システムが 大地に負荷をかけ続けています。

今後 地球温暖化や 土地の荒廃によって 危機は深刻化していきます。 2050年に 人口100億となる世界。
食料資源の激しい偏りが 紛争の連鎖を生むことも 明らかになってきました。

食料システム専門家
人々は現在の食料システムを当たり前と思っています。
しかし それは温暖化 安全保障 そして私達の健康と根源的につながっています。
2030年までに持続可能なシステムに転換させなければ 手遅れになってしまいます。

国連 世界食糧計画 事務局長
今改革に着手しなければ、飢餓の拡大が世界の不安定を招き大量の難民が発生します。
飢えと社会の安定はつながっているからです。


私たちは 持続可能な未来を選択できるのか?
2030年までの10年間をどのように歩んでいくべきなのか。

この間から 何度となく見る あの悪夢。
きっと君たちは後悔する事になる(2050年からのメール)
一体 何なの?

世界各国に広がる 新型コロナウイルスの脅威。
その陰で 今 地球規模で 食料難に陥る人々が 急増しています。
国連が 飢餓のパンデミックと警鐘を鳴らす危機8億もの人々が 飢餓状態にあると見られています。

一方 私たちの暮らす日本は依然として 世界一ともいわれる飽食を謳歌しています。
食品廃棄物を受け入れ豚のエサに加工処理をしている工場です。
ここには 毎日 35トンもの廃棄された食品が持ち込まれます。
スーパーやコンビニなどから出た大量の食品。
まだ 十分に食べられる食材がほとんどで、賞味期限内のものも 少なくありません。

フードエコロジーセンター 高橋巧一 代表取締役
「常に365日 24時間お弁当とか、おにぎりがコンビニとかに並んでいますよね。
このためにはどうしても フルタイムで作り続ける。
いつでも何でも食べられることの 裏側にこういったものがある。


日本で 生産から流通 消費の段階で発生する食品ロスは 年間612万トン
これは 国連などが世界各地で行っている、食料支援のおよそ1.5倍の量です。
飽食と飢餓 今 世界は2つに切り裂かれているのです。

持続可能ではない脆弱な食料システム

こうした現状に危機感を抱いてきたのが、SDGsの問題に取り組んできた 国谷裕子さんです。
新型コロナが猛威を振るった去年 食料支援が評価され ノーベル平和賞を受賞した
国連の世界食糧計画・WFP デイビッド・ビーズリー事務局長
現在の食料危機の背景には この世界がはらむ 大きな矛盾が存在すると指摘します。

地球上では、世界のすべての人々を食べさせるために、十分な食料が生産されているということは、大切な事実です。しかし 現在の食料システムは持続可能ではありません。
ひとたび何らかのショックが加わると、貧しい人達は代償を払わされます。
新型コロナは すでに脆弱だったシステムを悪化させたに 過ぎないのです。

去年 全世界で生産された穀物は 26.7億トン。過去最高を記録しました。
これを現在の人口で割ると、2672320000t/779479900人
1人1日およそ2348kcal。 生存条件とされる十分な食料を生産しています。
しかし 世界の飢餓人口は、パンデミックの6年も前から上昇し続けているのです。
ビーズリー事務局長が指摘する 持続可能ではない脆弱な食料システム
現代人が大量消費する肉を通して見ると 自然に大きな負荷をかけている実態がわかります。

牛肉1kgの生産に6~20kgの穀物が必要・世界の穀物の1/3がエサに・地下水の枯渇

第2次大戦後 世界中で消費量が拡大し続けている肉。
その需要を支える アメリカ中西部 カンザス州の畜産場です。
650万頭に及ぶ大量の食肉牛が育てられ年間280万トンを生産しています。
牛のエサとして与えられているのは 大量のトウモロコシ。
牧草に比べ 経済効率が高く肉の大量生産が可能になります。

牛肉1kgの生産には6~20kgの穀物が必要だといわれています。
世界の食肉生産量は 2億5000万トン。それを賄うために世界で生産される穀物の1/3が使われています。
そして 穀物を育てるために必要になるのが膨大な水です。
カンザス州の広大な穀倉地帯。 地下水に頼って 家畜に与える大量のトウモロコシを 生産してきました。
この一帯は オガララ帯水層と呼ばれる地下水が 唯一の水源ですが、近年その帯水層の枯渇が進んでいます。

この日は 地下水保全を専門とする 州の担当者が調査に訪れていました。
井戸に石を落とすが 水の跳ね返る音がしません。帯水層の水 地表から100m下にあります。
ここ50年で60m以上下がりました。このままのペースで行くと あと10年で地下水はなくなります

今 こうした地下水の枯渇は、全世界に広がっていることが 最新の研究で明らかになってきました。
地下水がいつまでもつのか シミュレーションした論文です。
地下水の過去のくみ上げ量とその周辺の河川の水量からいつ限界に達するか 分析しました。
その場所は 2030年から急増。2050年には 世界の7割の地域で 地下水の枯渇に直面するのです。

全世界の水の7割は農作物の生産に使われています。
肉の大量消費が 水不足を引き起こし、更なる危機を招いているのです。

生産国の資源の使用量を水が指標のバーチャルウォーター 食料資源の偏りが 更なる危機を招く

一つの食品を輸入した際に 生産国の資源をどれだけ使ったかを 水を指標として表すバーチャルウォーター
トマト1個 53.5リットル、パン500g 804リットル 、
チーズ200g 635.6リットル コーヒー1杯 13リットル

例えば 牛肉1kgを輸入した場合。
生産するために必要な穀物などを水に換算すると およそ1万5500リットル。
つまり 1kgの牛肉を輸入すると風呂およそ80杯分の水を使う計算になります。


この指標を使って 世界の輸出入を分析すると現在の食料システムの偏りが 浮かび上がります。
これは 世界のバーチャルウォーターの取引量を表した地図です。
1980年代から先進国を中心に 取り引きが活発化。
近年は 経済成長が著しい 新興国の取引量も急増し、食料資源を巡る世界的な偏りが大きくなっています。
その偏りは 世界で消費が拡大している ワインなどの嗜好品も加速させています。
世界有数のワインの産地 南アフリカ・ケープタウン。
近年 南アフリカは 記録的な干ばつに何度も襲われています。
ダムが干上がり 深刻な水不足に陥っています。
こうした中、海外にワインを輸出するメーカーは 資金を投じて 大量の水の確保を進めています。
ため池を作って水の囲い込みを始めているのです。
ここでは こうした方法によって4割を占める海外輸出を維持してきました。

一方 多くの人々が暮らすスラムは 深刻な水不足に陥っています。
スラムに住む人たちは 1日にバケツ2杯の水しか使えないなど 厳しく制限されてきました。
水資源が枯渇する南アフリカから 世界各地へ輸出されていくワイン。
ワイン1本の生産にかかる水は 652.5リットル
1本のワインを飲む度に 南アフリカのスラム街の人々が 2週間かけて使う水を消費したことになります。
食料自給率が38%の日本が 各国から輸入する バーチャルウォーターは年間80兆リットル
これは 日本国内の水の年間使用量とほぼ同じです。
専門家は 今後 水に象徴される食料資源の偏りが 更なる危機を招くと指摘しています。

食料資源の偏り更なる危機 先進国や新興国の飽食 廃棄

トゥウェンテ大学 助教授 リック ホヘボーン
経済発展が続けば 2030年にはさらに 水を多用するようになる。
しかし 10年という期間は 余りに短いのです。これまで 水資源の管理は極めてローカル的な問題として捉えられてきた。自由貿易の拡大で、世界中の水の枯渇を心配しなくてならないのです

食料システムを巡る さまざまなひずみは、なぜ これほど大きくなったのか。
その始まりは 1960年代の緑の革命と呼ばれる 生産体制の大変革でした。
人類は 急増する世界人口に 対応するために 農薬や化学肥料を 大量に使用することで 収量を飛躍的に増大させたのです。
単一品種の大規模栽培も進み 生産国と消費国が 切り離されていきました。
その結果世界の食料の輸出量のおよそ80%を20か国ほどが独占する体制が作られたのです。
その象徴が 肉の生産に使われるトウモロコシでした。

世界のトウモロコシの輸出量のおよそ75%を僅か5か国が担っています
そして グローバル化の進展と中国やインドなど 新興国の経済成長でこの傾向に より拍車がかかろうとしています。
その結果 単一品種大規模栽培が進む 発展途上国がより大きな負担を強いられることになりました。
近年 日本でも 高級なコーヒー豆の産地として知られるようになったアフリカ中部のウガンダ
欧米資本の大手商社が出資し環境にも配慮したコーヒー生産を行っているとしています。
しかし 今 コーヒー農園の拡大によって、それまで自給してきた小規模農家が農地を奪われる事態が頻発し社会問題となっています。

農地を奪われその過程で父親を亡くした女性です。
整地するためのブルドーザーが家ごと壊し 父親は下敷きになり 亡くなりました。
そして 単一生産の拡大で 自給できなくなった人々の増加は 新たな農地を求めて より広範な森林伐採に つながっていきました。
世界で排出される温室効果ガスの 4分の1はこのさまざまな矛盾を抱えた食料システムが原因とされています。

更に今 この食料システムのひずみに拍車をかけているのが先進国や新興国の飽食です。
おいしいものを できるだけ安く たくさん食べたいという人々の飽くなき欲求。
生産から消費の過程で廃棄されていく大量の食品
世界で生産される食料の3分の1が捨てられそれがまた 過剰な生産につながっています。

貧しい人は食品の確保困難に 食品ロスや廃棄物を減らす

食料システム研究の権威 世界資源研究所のクレイグ・ハンソン博士

この半世紀 大規模な農業の方が効率的とされてきました。
実際 緑の革命は低コストでより多くの生産ができる 点では 非常に成功しました。

貧しい人は食料の確保がより むずかしくなるでしょう。
食料がひっ迫し 価格が高騰しても 豊かな人々は 何も 困りません。
しかし 多くの人々は究極の 犠牲を払うことになるのです。
そのため 4つの点でシステムを改善していかねばなりません。

1.既存の農地で持続可能な方法で 生産性を高める。
2.現在の食料システムは 森林破壊の最大の原因になっているため 生態系や熱帯雨林を守っていく必要がある。
3.食糧需要を減らすために 食品ロスや廃棄物を減らし 食生活を変える必要がある。
4.劣化した農地を回復し自然を取り戻す必要がある。

2050年 私が知っている渋谷とは、何かが違っていた。
裕福そうな僅かな人と、多くの困っている人。何か不気味な感じだった。
食べ物の値段が ものすごく高い

みんな 食べ物が買えないの?でも 日本でなぜ?
食料危機なんて 遠い国の出来事。自分たちは関係ないと 思ってたんだけどね。
そんなこと 誰も言ってなかった!

(2050年からのメール)食料問題も2030年が分岐点になっていた。
2021年に生きる君たちは 地球の未来を決める 重要な10年を生きることになる。
君が見てきた最悪の2050年。
それは 2030年までの10年間に 君たちがとった選択が招いた世界だ。

君たちは あと10年で食料資源の偏りを解消し飢餓を解決させなければならなかった。
そうでなければ地球は 君たちを養う限界を超える。
しかも 先進国の君たちが奪い続けた行為。それが原因だ。


私たちは普通に生きてきただけで。
それは 君たちの時代にも多くの科学者が警告していたはずだ。

2030年まで飢餓をゼロにする目標達成は厳しい

今 国連は 2030年までに、食料を巡るひずみをなくし 飢餓をゼロにするという 目標を掲げています。
2050年に 人口100億となる世界。
ただでさえ 脆弱な今の状況に 地球温暖化が加われば 100億人を養うことは ますます困難になっていくからです。
既に その端緒は現れています。 去年 世界各地で大発生し食料を食い尽くしていったバッタ
これも 温暖化と関係しているとされています。
農薬や化学肥料の大量使用による 土地の荒廃で引き起こされる大規模な砂嵐
今後 温暖化によって頻発し農地に 更なるダメージを与えるといわれています。

世界食糧計画・WFPのビーズリー事務局長はそのリスクは食料問題にとどまらないと 指摘します。

SDGsの2030年目標は飢餓を0にすることです。この目標達成は 厳しいと思います。
目標達成のためどうしたら良いと思いますか?

私達は、明らかに後退しています。新型コロナだけでなく地球温暖化や 紛争の増加で飢餓は悪化の一途をたどっています。
今改革に着手しなければ、飢餓の拡大が社会の不安定化を招き 大量の難民が発生します。
飢えと社会の安定がつながっているからです。なんとか先手を打たなければなりません。

フードショック 温暖化が進み 不作 輸出停止 食料不足 暴動

このまま 課題を放置した場合、世界は どのようなダメージを受けるのか。
その影響は 先進国にも及ぶといいます。

イギリスの環境経済学の専門家が大手銀行と共同で試算した フードショック」と題された報告書です。
温暖化が進むと 数か国の穀倉地帯が 同時に不作陥る可能性が高まります。
すると 食料への不安が世界に広がり 各国に輸出停止が連鎖すると結論づけました。

更に指摘されているのが食料問題を超えた危機の拡大です。
過去に発生した暴動と 食料不安との関連を数式化。
輸出停止で暴動が起きる確率を算出したのです。
赤色の濃さで 輸出停止によって暴動が起こる確率を表しています。
最も濃い赤が10%以上、日本も 数%の可能性があるとされています。
世界的に起こる暴動は食料生産を不安定化させ、危機は 最悪の場合 数年に及ぶと指摘されています。

アングリアラスキン大学 アレッド・ジョーンズ教授
食料価格の高騰は 抗議活動や 暴動につながり 近隣諸国を巻き込んだ崩壊へとつながっていきます。
気候変動の影響が大きくなるにつれ そのショックは大きくなります。
2050年までに フードショックが起こる可能性が高いのです。
脆弱なシステムの中で 世界の食料の 10~15%失われるだけで 現在よりもはるかに大きな社会的混乱を引き起こすのです。

フードショックのリスクは既に顕在化しています。
突如 国民の大半が深刻な食料危機に直面した国があります。
かつては中東のパリと呼ばれたレバノン
自給率は 40%といわれ 人々は 輸入に支えられて 豊かな食生活を享受していました。

人々の暮らしが一気に暗転したのは 2年前。
国家財政の悪化が急激に進み激しいインフレに陥ったのです。
更に 去年発生した 国の備蓄庫の爆発事故で食料価格の高騰に 歯止めが かからなくなりました。

タウクさん夫妻は 国家公務員として働く 夫の給料で生活してきました。
幼い子ども3人を抱えるタウクさん。海外旅行にも出かけ 週に何度も外食を楽しむという中流以上の生活を送っていました。
しかし 今 レストランに行くことは できません。
食事に出せるのは 穀物と野菜だけ。1年以上もの間食卓から 肉や魚の料理が消えています。

レバノンのスーパーマーケットは 今も大量の食品であふれています。
しかし 食品は 世界共通の値段で売買されるため 貨幣価値が落ちると 値上がりします。
その結果 ほとんどの食品が 以前の3倍の値段になったのです。
このままでは 子どもたちを食べさせられないと判断したタウクさん。
食料支援に頼ることにしました。

国民の半数以上が タウクさんと 同じ状況に陥っているレバノン。
今 全土で 食料を求めるデモや暴動が頻発し社会不安が 極限に達しようとしています。
(爆発音)

危機への無関心が地球規模の破滅に

現実化し始めたフードショック。
豊かな人々の危機への無関心が地球規模の破滅につながると指摘する専門家もいます。

理論環境学者のサファ・モーテ博士。
気象や地下水などの環境要因と 人口や経済など社会要因を統合した シミュレーションを行いました。
その結果は 衝撃的なものでした。
食料などの資源の偏りを放置し続けた社会は ほぼ確実に崩壊することが分かったのです。

サファ博士のシミュレーションです。
緑の線は自然が生み出す資源の量を表します。
人類は これを利用し富を最大化させようとするため、資源は減少していきます。
富の増大に伴って人口は 資源の限界を超え 増加。この時 急増するのは一般の人々です。
先進国に暮らすような 人々の増加は 僅かですが 富の多くは彼らが独占します。
その後 社会は食料などの 資源の枯渇に至り一般の人々は人口減少を始めます。
しかし 豊かな人々は この危機に 気付かないまま 浪費を続けます
その結果 豊かな人々の富も枯渇社会の機能が崩壊するのです。
サファ博士は 現在の世界は シミュレーションが示す 限界点に 近づいていると 分析しています。

私達の生活 人類の運命・地球の運命は 資源偏りを理解しコントロールする事にかかっています。それは地球の資源を使い尽くしてしまうか どうかを決める重要な問題なのです。

地球温暖化による干ばつや洪水で 食料を供給してきた穀倉地帯が 同時に不作になった。
僕たちが気付いた時には 既に遅かった。
自国の食料確保の不安に襲われた輸出国は 次々と輸出をストップした。
つながり過ぎた世界は 同時に食料危機に見舞われ そして 日本にも食料が届かなくなった。
政府は 備蓄が半年分あるから大丈夫と 繰り返し言い続けた。
けれど 半年たっても 元には戻らなかった。

食料出せ~!(騒ぐ声)

食料価格は高騰し続けた。紛争や暴動が世界で頻発した。
そして 食料生産と供給能力は更に下がっていった。

どうしたんだ! 我々は何を食べて生きたらいいんだ!(一同)そうだ!
我々は 死んでもいい国民なのか!(一同)そうだ!
この国は金持ちだけが生きればいいのか!(一同)そうだ!

日本は もともと自給率が低かった。
僕たちは 未曽有の危機を前に無力だった。


もう やめて! どうすればいいの!?
どうしたら よかったの!?

プラネタリーダイエットで食事見直し

どうすれば 持続可能な世界を築いていけるのか。
今 食料システムを 根底から見直そうという動きが 始まっています。

食料問題に取り組む EAT財団と呼ばれる 団体が主催したフォーラムです。
世界の有力政治家や 研究者 企業などが集い 食料システムを改革する必要性を 訴えています。

提唱しているのはプラネタリーダイエットと呼ばれる システムへの転換です。
先進国での浪費を止めると同時に 生産や流通の仕組みまで改革することで システムの脆弱性を解消しようというのです。

特に注目を集めているのが、さまざまな分野の科学者の知見をもとに 地球を守りながら 100億人を健康的に養える食事を発表したことです。

これは 飽食を享受する人々に求められる 持続可能な食事の姿です。
半分は健康によい野菜。
豚や牛は 週に98gまで。鶏は 203gまでに抑えることが提唱されています。
肉食が中心の先進国では 牛肉や豚肉を8割以上、魚を多く食べる日本でも7割削減するよう勧めています。
不足するタンパク質は 豆類やナッツから摂取することを 推奨しています。
肉を生産するために使われていた 大量の穀物などは 貧困層に回し偏りを解消します。

今年 国連では食料サミットが初めて開かれます。
生産から流通 消費まで あらゆる段階で システムを改革する道筋を 見いだそうとしています。
改革の鍵を握る 肉の消費の大幅削減
厳しい目標を新たな技術で乗り越える模索が始まっています。

欧米で広がり始めた「人工肉」です。
アメリカ・カリフォルニアの会社が開発している人工肉は 大豆やココナツオイルなどを原材料としています。
スタンフォード大学の医学者らが 肉を分子レベルで解析し 肉汁をも再現しています。
主な原料が大豆のため 大量の穀物を必要とする牛肉よりも 水の使用量は -87%
温室効果ガスの排出量は-89%減らすことができるといいます。

日本でも 人工肉を商品化する動きが始まっています。
全国に展開する 大手ハンバーガーチェーン。(バーガー キング)
人工肉の普及率が極めて低い日本で、消費者を引き付けるために 商品開発を続けてきました。
日本人の好みに合う焼き方や 野菜との組み合わせを考えてきました。

この日は 肉料理のプロを招いた試食会が 行われました。
今後は 人工肉の認知度を上げて 食料資源に配慮した外食の形を 提案していきたいといいます。

持続可能な農業 不耕起栽培推奨

食料生産の現場も 変わり始めています。
2050年に向けて 人口が急増するアフリカ。
国連は 農業人口の大半を占める 小規模農家が鍵を握るとしています。
世界のカカオ生産を担ってきた プランテーションが広がるガーナでは 持続可能な農業に挑む農家が
増え始めています。

中心となっているのは アメリカの大学院で学んだ コフィ・ボア博士です。
かつて ガーナでは 乾燥しやすい土地に適した農法が 普及していませんでした。
そのため 大量の化学肥料を使う 欧米式のプランテーションに依存。
土地の荒廃が進み貧しさからも抜け出せずにいたのです。

ボア博士が提唱しているのは アフリカの森林の環境からヒントを得た不耕起栽培と呼ばれる農法です。
土地本来の環境を守りながら 作物を育てる方法で 地球温暖化対策への高い効果も 期待されています。
不耕起栽培では 土地を深く耕さず 下草を なるべく生やしたままにしておきます。
このことで 土から水が蒸発しにくくなり 水や栄養分が 土の中に保全されます。
森林の仕組みと同じです。
この栽培方法で化学肥料や農薬をほとんど使わず 30%以上の増産を達成。
草を刈る時間も減るため 労働時間も45%軽減されました。
自給自足できる小規模農家が増え 農作物を市場に出すことも可能になっています。

ファームリンクで廃棄される食料回収

先進国や新興国で続く 食品ロス。
その膨大な浪費を飢餓
の解決に生かそうと 活動を始めた若者たちもいます。
大学生が立ち上げたプロジェクト ファームリンク
全米各地の150の大学の700人以上とネットワークを構築しています。

廃棄されそうな食料に関する情報があると現場に近いメンバーが即座に対応。
トラックなどを手配して回収し 食料が得られない人たちに 配ってきました。
この日も 捨てられる寸前だった 10トン以上のジャガイモを全て回収しました。

団体を立ち上げた一人 オーウェン・ドゥベックさん。
パンデミックの中食料システムの矛盾を目の当たりにし 仲間と活動を始めました。
これまでに回収できた食料は1万1, 000トン。
これは アメリカの総人口の 1日の食事の7%に相当する量です。
将来的に この手法を各国の若者にも広げ 世界の食料システムを 変える力になりたいとしています。

この半世紀に積み重なった食料システムの巨大なゆがみ。
私たちは そのゆがみをあと10年で解消していくことができるのか。

世界資源研究所のクレイグ・ハンソン副代表
例えば 先進国の私達が肉食などの食生活を変え、さらに食品ロスと廃棄物を削減できれば現状でも世界で約6億ha、つまりインドの2倍の広さの土地を 食料生産のために無理に使わなくても よいことになります。
人類は食料への探求によって、1万年前の狩猟採集の時代から、今日の 文明を 可能にしました。
若い世代に伝えることは、次の食料への探求は 持続可能なシステムを探求することだということです。


[ 心の声 ] 知らなかった。私の足元にある 食の成り立ち。
だけど、何もできないわけじゃない。地球を巡る危機は まだ終わらない。
地球にあふれるプラスチックごみ 生き物の命を脅かし その危険性が人間にも迫っている。
君たち若い世代が 世界を変えるために立ち上がっている。
2030年まで あと10年。

▽まとめ&感想

世界は飽食と飢餓、世界の食料支援の1.5倍の量を廃棄する日本。
牛肉1kgの生産に6~20kgの穀物が必要で世界の穀物の1/3がエサに。地下水も枯渇
食料資源の偏りが更なる危機を招く先進国や新興国の飽食廃棄。
フードショック 温暖化が進み 不作 輸出停止 食料不足 暴動。
プラネタリーダイエットで食事見直し。
持続可能な農業にするため 不耕起栽培推奨。
ファームリンクで廃棄される食料回収。
——–
温暖化が進み 各国で穀物不作、日本は輸入できず 食料不足
ありそうですね。
日本で廃棄される食料 恐ろしいことしてますね。
乾燥とかフリーズドライにして 飢餓の人に届けられないのかなーと思います。