Eテレ 2022.12.16
ステキな部屋にするため インテリアコーディネーター 荒井詩万さんが分析し、扉から対角線上にある一番見える所フォーカルポイントを大事にします。配色は3色を6:3:1で アイテムとしてカーテン・小物・照明を活用。DIYで 居心地のいい 好みの空間を作り出すため色の統一しました。
【ゲスト】青木さやか 【講師】インテリアコーディネーター 荒井詩万
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄
インテリアコーディネーター 荒井詩万さんが 部屋を分析
ゲスト 青木さやかさんです。
(青木)家が すごく好きなので 自分がいる時間が長いですから 季節ごとに模様替えをしようと思ったり グリーンの配置を変えたり。ちょこちょこですけど、何か気分が変わるんですよね。
訪ねたのは神奈川県平塚市 の築30年の家に住んでいる 女性 みち子さん。週に3日ほど在宅勤務 事務の仕事をしています。みち子さんは コロナ禍になる前は 人を家に招いて食事会などを楽しんでいました。今は好きだった海外旅行に出かけることもなくなり 弟と2人で暮らす 1階の部屋で過ごすことが多くなりました。
部屋が広く見えるよう 壁を取り払うリフォームはしたものの 部屋の雰囲気には満足していなく、嫌なところが やたら目につくようになり 殺風景かなと感じています。他の方々のを見たり、テレビで拝見したりして ステキだなと思うけど どうすれば それができるのかが わからないといいます。
こちらのダイニング 全体的に地味な色合いで確かに どことなく殺風景です。よく友人を招いていたということで イスが たくさん 今は雑然と置かれたままに。リビングのソファーには 自分で買いそろえたクッション ソファーの柄とマッチせず統一感がありません。
そこで住みよい部屋でステキな空間を作り出す インテリアコーディネーター 荒井詩万さんの登場です。
数多くの個人宅のコーディネートを手がけ 大学やインテリアスクールでも 色の合わせ方や 魅力的な空間づくりのノウハウを教えています。
(荒井)今日は こちらのコーディネートをさせて頂きに伺いました。 お願い致します。
早速 家の中をチェック。ここが リビングですね。すごくステキですね。 40年ぐらい前買ったという アンティーク調の蓄音機が目に止まりました。
アンテナ線の都合で置かれていたテレビの配置や 部屋の一角にあった鳥のいない鳥かごが 気になりました。
「ごちゃごちゃして恥ずかしいんですけど」といわれた 出窓周りには ステキな花瓶と壺があります。海外旅行の思い出として買ってきた絵画を 玄関脇や階段に無造作に置いていました。
部屋のチェックを終えた荒井さんは みち子さんにどんな部屋にしたいのかカウンセリングを行います。
「友達をたくさん呼んで楽しく 皆さんで楽しく笑い合うような集まりがしたい」
ステキな部屋にするポイント 扉から対角線上にある一番 見える所が大事
(荒井)全体的に殺風景ってお話にあったとおり でもすごく良いものを絵だったり小物もお持ちなので
ちょっと小物なんかも追加をして 色を加えて華やかな空間を作っていきたい。
(青木)何か よく分かるなと思うのが ああいう出窓とかあると ついつい ものを置いてしまいますし 一つ一つのものは とても気に入って買ったんだけど どう組み合わせればいいのか 分からないというのがよくわかります 。
(賀来)何か落ち着いたお宅で。このお部屋が どんな彩りを添えられていくのか とても楽しみです。
(小澤)VTRにも出演しました 荒井詩万さんです。
(荒井)何となく家具を置いているとか 何となく小物を飾っていることで インテリアって 誰かに教わることってないので どうしても殺風景になってしまったり、反対にものが多すぎてしまってちょっと雑多な印象になって どうすればいいのかが分からないと悩んでる方は多いと思います。
ポイントは
見るべきものをきちんと明確にする
基本的に扉を開けてちょうど奥の所 要は扉から対角線上にある部分が人が一番初めに入った時に目線がいくので そこが雑多な感じだったり 段ボールが積み重なってると印象が全然 違って どういうふうにするのかが 大事になってきます。
扉を開けて すぐの所というのは 逆に人は スッと入ってってしまうので あまり目に入らない 死角になる部分になるので、一番 見える所に お好きなもの 絵を飾り 見せ場を作るというのが大事です。
あとは ソファーとかダイニングとか いつも ご自分がいる所から 何が見えるかも 一緒に考えていくということが大事です。
まずは ダイニングから、「この部屋で何をどう見せたいか」を意識して家具の配置を変えていきます。
視線が集まる場所 フォールカルポイントと言うんですけれど、そこに ドド~ンとテレビがあると、どうしても 不似合いなので テレビの位置を変えて ここにステキなものを飾っていきたい。
そこで延長コードや長めの接続ケーブルを使い テレビを右側の壁に移動させます。
その空いた空間をフォーカルポイントにするため 観葉植物、殺風景解消に緑を持ってきました。
このグリーン 高さなんですけど 通常だと 大体 床から130センチから150センチぐらいが一番いいんですが、ここのスペースが すごくあり 入ってきた時にドンと見せたい と思ったので、少し高めの170cmにしました。奥に間接照明を仕込むことで 壁に影が浮かび上がり 部屋が ワンランク上の雰囲気に。
このフォーカルポイントを さらに効果的にするために 家にある小物を活用します。
観葉植物の横に持ってきたのはアンティーク調の蓄音機、その上に 出窓に埋もれていた ガラス製品とオブジェをディスプレーしました。
置き方は三角形の法則を使い、高い 中くらい 低いものをそろえ 三角形を描くように置きます。
三角形のバランスが ディスプレーに とっては抜群のバランスだと 荒井さんはいいます。
さらに玄関の出窓に 置きっぱなしになっていた絵画を 壁に フックを取りつけ 飾りました。
緑と小物 絵画が ひとまとまりとなって そこに目がいくようになります。ダイニングに座っても見えます。
カーテンは窓の大きさよりもかなり長いので 垂れ下がっていた部分を 真ん中で結び 軽やかな雰囲気に。
ものが山積みになっていた出窓にも 三角形の法則を生かして 埋もれていた花瓶を飾り、スタンドライトを加えてあたたかみを出すことで 全く別の空間に仕上がりました。
置きっぱなしだった 白レースのテーブルクロスも有効活用し部屋が明るい雰囲気に。
続いては リビングのイメージチェンジ、シックな雰囲気のソファーに合わせて3つのクッションをセレクトしてきました。色選びのポイントは調和で、ソファーに使われている マスタードカラーと 緑に近い青の同系色の柄物です。3つのクッションの置き方は アシンメトリーで2個と1個というふうに置くと 左右対称ではなくなります。アンバランスに並べることでより リラックスしやすい空間になると
いいます。ちなみに2個の場合はカチッとした印象を与えがちになるそうです。
春は少し明るめの色にするなど季節ごとに カバーをかえるのも おススメです。
荒井さんは クッションと色を合わせたラグでソファー周りの殺風景な感じが 一気に華やかになりました。ラグとクッションを加え 離れていたシングルのソファーを寄せたことで 特徴あるスペースが出来上がりました。
みち子さん「早く友達を呼びたい。これが終わったら お部屋が変わったから来てという感じで メール・ラインをして集めたいと思います。これだったら誰を呼んでも恥ずかしくないし 皆さん喜んでくれると思います。今まで死んでたものが生き返って喜んでいる感じがします」
(荒井)是非 是非。別に大きな家具を今回は買ったわけではなくて 小物やグリーンをプラスしたくらいで 雰囲気が変わったと思います。
(青木)よかったです。ステキになりましたね。
(小澤)みち子さんに その後を伺いました。お部屋が ステキになったということで ものの置きっぱなしとか 余計なものを置くということがなくなったということです。
(荒井)やっぱりフォーカルポイント大事なんですね。どうしても そこに テレビを置かざるをえない場合、観葉植物を隣に置くとか 壁に絵を掛けて 意識をするだけでも 変わってくると思います。
フォーカルポイントの効果 3色を6:3:1で配分★アイテム カーテン・小物・照明
(小澤)フォーカルポイントに手を加えると どのような効果が得られるのか、これまでに荒井さんが手がけたお部屋の写真をご覧頂きましょう。
(荒井)一番対角の一番いい場所にテレビが置いてあって それからソファーが ちょっと濃いめの黒のソファーだったので ここは購入で新しく買い替えたいというお話がありました。
こちらが アフター、まず テレビを反対側の 死角のほうに動かしました。 ソファーは明るめのグレーで低めのものにしているので より広がり感が生まれたと思います。あと 壁紙 無地でしたけれども華やかなものに一面 貼り替えました。
(青木)ステキですね。あったかい感じもします。壁紙って面が大きいからすごく印象が変わるんですね。
(小澤)あのデザインの壁紙は本当ステキですけど 自分だと ちょっと勇気が出せない。
(荒井)そうですね。 色をどういうふうに 配色をしていくか すごく大事になります。
どうやって色をしていけばいいか 分からないという方に 3色を6対3対1の配色 配分でお部屋の中に使っていくというのがおススメになります。
ちょっと事例があり 全体にまず白、フローリングとか壁とか天井に一番 大きいところが6。
この木の色が3。黒を小物に入れて1で引き締める。 3色を6:3:1と入れていくと バランスとしては
取りやすくなります。
荒井さんが考える 部屋をステキにするおススメアイテム
1. カーテン
カーテンはお部屋の中で 窓面って大きな面積を占め 目がいく部分になっている。
お客様がいらっしゃったり 家族が集まる パブリックなスペースなので明るく広く感じたい場合には無地のアイボリーや 淡いグレーとかでなるべく広く壁に溶け込ませるような感じで セレクトします。
反対に プライベートなスペースの寝室や書斎のコーナーでは ちょっとパンチの効いた色とか 柄の個性的なもので また楽しい雰囲気になるんじゃないかと思います。
2.小物
意外と小物って一番 目がいく部分になると思うので 小物にこそ いいものを ちょっと お金もかけて いいものをセレクトをするというのがおススメです。
3.照明
ライティングダクトレールといって 好きな位置につり下げ型のペンダントライトとか スポットライトをつるせるものがあるので活用すると 賃貸物件でも特に工事が必要なくつることができ 一気に レストランのようなイメージになります。
明るくなって お料理も おいしく見えるし 人の顔も明るくきれいに見えるので 食空間が華やかになると思います。
青木さんのお部屋の写真
(青木)あの絵はとても好きです。テレビに布を置いていて 何枚も持っていて 布で気分を変えていくこともよくしてます。照明も うちの写真を何度もおしゃれな友達に見せて2万円ぐらいでネットで買った。テーブルはくりの木の一枚板の低いローテーブルを アイアンの下に脚を付けて 座卓にしたんです。
賀来さんのお部屋の写真
(賀来)ガラスが好きなのでベネチアンガラスのシャンデリアですけど あと ところどころに ガラスを置いて 何か クラシックとモダンをそれぞれ ちょっと引き立たせたいというか。あと ちょっと赤も好きなので ペルシャじゅうたんとライトの赤とか ガラスの花瓶の赤だったりして。
(荒井)もう上級者すぎて。全体に やっぱり統一感が 本当に赤がポイントで効いてすごくステキだと思います。その人自身が本当に そのまま出るのがお部屋 インテリアと思うので。
DIYで 居心地のいい 好みの空間を作り出すため色の統一
訪ねたのは千葉県流山市 に暮らす鹿熊茉夕さん。職業は デザイナー。
夫の祖母が暮らしていた築20年の和風の家を譲り受け DIYで気に入るように 2人で作り替え2年前に引っ越してきた。
当初 鹿熊さんは この家に住むことに気が進まなかったが 祖母の嫁入り道具の桐ダンスに目を奪われ タンスに似合う部屋にしたいと思いました。
しかし問題は予算で 専門業者に頼むと高くなるので 100万円以内で乗り切ろうと 自分たちでDIYをすることにし 動画サイトで やり方を研究。必要な道具も買いそろえました。ペンキ、はけ、ローラー
採寸する道具 壁紙の貼り付けや 木材同士を固定させるのに使う工具、コテ、ノコギリ、かなづち、電動ドライバーなど。 しっくいを使ったので 左官屋さんが 持ってるものを まねして使いました。最初は ちょっと難しかったので 食器のスポンジを使って 塗っていきました。
試行錯誤を重ねながら作業を進め 家の壁一つとっても まるで表情が見えるかのようなこだわりの壁を作ることができました。特に大変だったのが天井のペンキ塗り。上から ぽたぽた たれてくるので シャワーキャップとゴーグルをつけて苦労しながら塗ったそうです。
そして作業開始から4か月かけて 理想の古民家風の家を 完成させることができたのです。
「最初は できるかなという不安も あったんですけど それよりも自分が理想にしたいという
強い気持ちや 作っていく楽しみ ちょっとワクワクする気持ちがありました」
鹿熊さん夫婦が 一番こだわったことは色の統一だったといいます。
「我が家は3つの色で統一しています。黒っぽい色と 白っぽい色とポイントカラーとして茶を入れています。落ち着いた雰囲気になるなと思ったので その3つのカラーで絞っていこうと思いました。大きな間取りを変えるよりも、色を統一していくほうが もっと簡単に イメージをガラッと変えることができると思います。」
もう一つ 部屋の中に置く小物や家具を天然素材のもので そろえることに拘りました。部屋の各所には木でできた小物をディスプレー。熊や鹿を集めているのは自分の名前「鹿熊」だから。 愛着が湧くそうです。木のぬくもりが 部屋の色合いともマッチしています。
そのこだわりが一番 反映された場所が一日の中で一番 長くいるというキッチンでざるなど台所道具を
竹や とうなどの素材で そろえました。壁を黒くすることで その道具本来の色が より くっきりと映えるようになりました。調味料を入れるボトルも木が使われているものを選びました。こうしたものを探すのも楽しいんだそう。
照明にも こだわり 一つ一つ 古民家風の家に合う雰囲気のものを買い集めました。あたたかみのある光は落ち着いた空間にしてくれるそうです。古道具のお店を巡るのが趣味になった鹿熊さん 気に入ったものに出会うのが 楽しみになったそう。
「ただ やみくもに買うわけではなくて 木の色みがダークなもので 家にあいそうなもの サイズが合っているか意識して取り寄せるというか 買いに行ってます」
常にメジャーなどで必要な部分を測ってメモしておき、いいと思ったもののサイズが合えば運命の家具だとなって 家にお迎えするそうです。
何と言ってもDIYのよさは 空間を自由に アレンジできること。
押し入れは ふすまを外し 有効活用し ソファーにしました。ソファーは マットレスを切ってサイズを調整して作り 下は収納になっています。
なんと ペットの小鳥のかごや遊び場も 庭の木を切り1週間ほどかけて作ったそうです。
難点は断熱効果が低く 冬場が寒いこと。この時期は厳しさが増してきます。そんな家の欠点を逆手にとった 寒さを楽しむためのアイテムが火鉢。今の時期は餅などを焼きながら暖を取る夫婦2人の時間が生まれました。
「我が家は古民家の雰囲気を演出したかったので 火鉢があることで ずいぶん雰囲気が良くなったと思います」
自分たちの好きな空間に作り替え 居心地のいい暮らしを始めたことで 気持ちに変化も生まれました。
「DIYで自分の好みに変えたことで すごく心が豊かになりましたし 行動もすごく前向きになったと思います。暮らしも すごく丁寧に暮らしていこうという気持ちが高まりました」
(青木)いや とっても ステキになりましたよね。でも古い家は寒いしなと思って見てたら火鉢 置かれちゃいました。
(荒井)自分らしい部屋作り やっぱり そこで どう過ごしたいか どう暮らしたいか まず初めに自分で考えるというのが一番大切と思います。
なのでコーディネートのご依頼をくださったお客様に 必ず「ここで どんなふうにしてる時が一番 幸せを感じますか?」とお聞きします。
どんなふうなスペースを作っていけば いいかを考え、そこから どんなイメージにしよう どんな色にしようとしていくと 自分らしいインテリアというものが作り上げられていくと思います。
インテリア・お部屋って 人そのものだと思いますので そこが変わると 前向きに今度は こんなことをしてみようと思うので それこそ生き方が変わるところまで つながると思います。
(青木)家というのは それぞれとても ステキでしたけれども その人が見えてくるなとも思いました。机とか棚の上にどう ものを置けばいいかって、何かしっくり来なかったんでが 三角形の法則 大中小で やってみようと思います。
(賀来)自分が伝統的で落ち着いた家具が好きなので ちょっと古い感じかなと思ってたんですが、大丈夫って言って頂いて 少し安心を頂いて 対角線だったり 小物の色だったり もうちょっと冒険してもいいんだなということを教えて頂いた気がします。
▽まとめ&感想
入り口からの視線が集まる場所フォーカルポイントが大事なのですね。
色の バランス 配色は3色を6:3:1で 三角形の法則 是非使ってみます。
好みの空間を作り出すため色の統一 少しずつまねしたいと思います。
火鉢いいですね。このあたりでも 薪を焚く暖炉を備えた家が多くあって うらやましく思っていました。しかし生まれた実家の あの時代の いろりに置いたストーブ 煙たくって 毎日泣いていてました。火鉢なら 炭で煙も出ず ホンワリ暖かで 良かったな。停電の時暖も取れるし 古い蔵探そうかなと思っています。