あしたも晴れ!人生レシピ「しっかりした体に 対策!コロナフレイル 」▽こんな話☆運動・栄養・人とのつながり

Eテレ 2021.11.26
大病後 積極的にフレイル予防に取り組んでいる80歳の女性☆フレイル予防の大切なもの 運動 手軽に出来る 継続が大切 太ももとお尻の筋肉を体幹を鍛える☆オーラルフレイル ブクブク ガラガラうがいが有効☆調理の工夫 大きく切る複数の食材で かみ応えのあるレシピ

【ゲスト】安藤和津 東京大学高齢社会総合研究機構 飯島勝矢
【司会】賀来千香子 小澤康喬【語り】堀内賢雄

大病後 積極的にフレイル予防に取り組んでいる80歳の女性

10月下旬 東京・豊島区で「介護予防大作戦」というイベント開催、会場の一室でフレイルのチェックが行われていました。
※フレイルとは 体の機能や能力が衰え 介護が必要な一歩手前となった状態。
握力測定。体の筋力に衰えがないかどうかをチェック。
いすから片脚で立ち上がることが できるかどうかのチェック。
滑舌をチェック。5秒間で「タ」を30回以上 言えていれば問題なし。

豊島区役所 高齢者福祉課 課長補佐 岡崎真美さん
自分の健康状態を自分ごと化する。少し運動なり 社会参加なりに気をつけて頂いて ちょっと前の自分に戻っていただきたい
フレイルになる人がコロナ禍で増加
高齢者を対象に調査した結果 2020年の1年間に16%の人が新たにフレイル状態にす。5年前と比べるとおよそ1.5倍の数字です。

神奈川県に お住まいの原 理代さん(80歳)は コロナ禍で積極的にフレイル予防に取り組んできました。毎日 欠かさず行っているのは「ラジオ体操」で、全身の筋肉を伸ばすことを意識しています。
原さんは 4年前に大動脈弁狭窄症、その後 敗血症 大腸がんと立て続けに大病に襲われたのです。
大病してから「あ〜自分は生かされてるんだ。生かさせてもらった」という気持ちがすごい強くて。
そんな時 フレイル予防の大切さを知った原さん。測定会やPRを行う「フレイルサポーター」として ボランティア活動を始めました。
しかし その直後に始まったのが新型コロナによる自粛生活。
そんな中 行政の担当者から受け取った資料に ヒントをもらいました。

「お・う・ち・え」という名前は、高齢者の方々に意識していただきたい四つの心がけ「おいしく食べて健康に」「うちですごす時間を豊かに」「ちいきで近くで支えあい」「えがおでゆとりの心待ち」の頭文字をつなぎあわせています。

〇「お」いしく食べて健康に(からだ編)~今までの健康を保つための食と運動の工夫
動かない時間が長いと、食欲・筋肉・認知機能の低下が心配です。今できる健康管理のポイントを紹介します。
・気を付けたい「生活不活発病」
・食事で筋肉アップ、免疫力アップ
・滑舌と噛む力を鍛えよう
・自分にあった運動

〇「う」ちで過ごす時間を豊かに(くらし編)~おうち暮らしを再点検
外出自粛によって増えたおうち時間・家族の時間を、より快適に暮らして・働いて・楽しめるちょっとした知恵や工夫を紹介します。
・せっかくのおうち時間を楽しむアイデア
・家族との時間を快適にする方法

〇「ち」いきで近くで支え合い(きずな編)~離れていてもできること
普段と同じような交流ができない状況で、離れていても友人や仲間と交流し、ご近所や地域で実践できる工夫を紹介します。
・ご近所や地域で支え合い
・地域の魅力再発見/地域の事例紹介

〇「え」がおでゆとりの心持ち(こころ編)~前を向いて小さな幸せや楽しみを探そう
長引く慣れない自粛生活で、ついつい笑顔を忘れていませんか?身体だけでなく心の健康を保つため気を付けたいことや、自粛期間の終了後にも役立つ新しい挑戦を後押しする情報を紹介します。
・不安を和らげ、ストレス解消
・この機会に挑戦;自粛後も役立つ技

引用:厚生労働省

趣味を見つけることや 地域でのつながりを再確認する ポイントなどが記されています。
外出自粛期間に 庭の一部を耕し 家庭菜園に、季節に合わせ5種類ほどの野菜を育てています。
今年の夏は トマトやキュウリなど買わなくて済んだそうです。
栄養バランスも考えています。この日のメニューは8種類の具を入れた豚汁に いわしや かぼちゃの煮物小松菜のおひたしです。原さん 朝食の時になるべく15品目の食材をとるよう 心がけています。

外出自粛で運動不足を感じスクワットを始めました。3か月 続けたら 必ず筋肉がつく。
それをね 新聞で見て で みんなに それ配ったの。だって みんなに言ってんのにやってなかったら困るじゃん。
地域のつながりも大切にしたいと始めたことがあります。
パソコンで作っているのは お便りで、行政からもらう健康情報に加え 自分で調べたフレイル対策の情報などを 近所の人たちに役立ててもらおうと配り始めました。
そんな原さんの活動は 近所の人たちと会話のきっかけとなり 見た人たちが電話をくれるようになったのです。
緊急事態宣言が明けた翌月。原さんが友人たちと2年前に立ち上げた歌声サークルが再開されました。
アコーディオンのメロディーに乗せ童謡や歌謡曲を歌うというものです。
「みんなに会うと元気をもらえる」本当に不思議だと思うの。90までやりたいと思っている。

医師でフレイル予防の研究もされている 東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢さん
フレイルになったという方が コロナ禍前に比べますと1.5倍に、自粛生活によって結果的に生活不活発低活動になり、知らず知らずに 使っていた筋肉がどんどん衰えてしまって、認知機能の衰え、心のちょっとうつっぽくなっちゃう。
VTRで ご紹介しました原さんが参考にされていた➡「おうちえ」なんですけども これは実は フレイル予防のために 飯島さんたちが考案されたものです。

安藤さんは「表に出られないのでロックンロールをレコードでかけて 孫と3世代で踊りまくりました。 音楽聴くとワクワクして青春時代に戻るんですよ。孫がまたツイストとか面白がってくれちゃって。もう全員でツイスト大会。」と楽しまれた様子。

コロナフレイル 予防
1.栄養:食の管理・口腔(お口の機能)
2.運動
3.社会参加 人とのつながり。

フレイル予防の大切なもの 運動 手軽に出来るが継続が大切

筑波大学教授の山田 実さん。
老年学や リハビリテーションが専門です。
山田さんは まず ふだん歩く時に 「きれいに歩く」 を意識してもらいたいといいます。
きれいな歩き方をすると 加齢によって低下しやすい筋力をしっかりと使った歩き方になります。
筋力の状態が落ちると骨盤が立てられず猫背気味になります。
直立姿勢を保持するのに必要な筋肉をたくさん使った歩き方は きれいな姿勢を維持しやすくなる。

きれいに歩くポイント
1.へそが引っ張られるようなイメージを持つ
おへそからロープがつながっていて前方2メートルぐらいのところから ず〜っと引っ張られてるようなイメージを持っていただくと、背筋は伸びさらに前足は かかとからついて 後ろ足は つま先で蹴り出すといった理想の足の運びになる。
2.腕は後ろに引く歩幅が広がる

太ももと お尻の筋肉を鍛える運動

脚を上げる運動
脚は前に軽く出し 上半身は背もたれにもたれかかる
ポイントは 曲げたひざの角度は変えずに上げる。 そしてその角度を変えないまま下ろす
動くのは 股関節の部分だけです。
片足を3秒くらい時間をかけ 上げ下げ、10回繰り返す。
上げ下げをする時 かかとを床につけずに行うと それだけ負荷がかかります。きつい場合は1回1回床につけても構いません
片側が終えたら 反対側も 10回上げ下げ 、3セット行う。

・イスからお尻浮かす
やや浅めにイスに座り 背筋を伸ばす 脚は肩幅程度に開きつま先はまっすぐに
かかとをイスに近づけ 背筋を伸ばしたまま 前傾姿勢 立ち上がるのを途中で止め 10秒キープ
このとき 太ももが硬くなっていることを確かめる。
お尻を上げすぎると 太ももに負荷がかからないので なるべく下げましょう。
10秒たったら 元に戻し 3回繰り返す。

運動を継続させるポイント
誰かと一緒に行うことによって 継続しやすい。

体幹を鍛える運動

腹筋背筋インナーマッスル いわゆる体幹部分の筋肉も結構落ちている ご高齢の方も多い。
この体幹部分が減とると つまずきやすい・転びやすい、転倒・骨折というリスクが グッと増えると危惧されます。

・両足持ち上げ
安定感のあるイスにやや浅めに座り 背筋を伸ばす。腕の反動使わないように手を前で組む。
約10秒ぐらいかけ 息をゆっくり吐きながら両足を持ち上げます。
このとき 後ろに傾きすぎないよう注意し 10秒姿勢キープ ゆっくり落とします。
もし不具合ある方は半分の5秒ぐらいでも。これを 3セット。

・ヒザと反対側のヒジをタッチ
浅めにイスに座り 背筋を伸ばし 上げた脚のヒザに 反対側の肘をつける 交互に左右10回ずつ 3セット

続けてやることが 必ず 体幹部分の筋肉 しっかり強くなる秘けつだと思いますね。

オーラルフレイル (口の衰え) ブクブク ガラガラうがいが有効

口腔機能に詳しい歯科医の平野浩彦さんです。
口の機能を維持することは健康な体作りに欠かせないといいます。
お年を重ねると やわらかいものがいい 消化もいいしね ということで、悪いことではない時もあるんですが、そうすると 使わない機能と徐々に落ちます。
食欲の低下、栄養状態の低下、さらに進むと 今度は身体機能の低下まで行くことがあります。

実は オーラルフレイルの高齢者は4年後 要介護になるリスクが健康な高齢者の およそ2.4倍に。2年前に「口腔機能低下症」という病名が付きました。歯科医院で検査できます。
舌圧舌の力を診る検査は 風船のような器具を口に入れ 舌で上あごに押しつけることで調べる。
口の潤い具合を調べる検査。乾燥すると汚れが落ちにくくなり歯周病にもなりやすくなる。

かんで飲み込む力をつける動き
1.あっと言う時のように 大きくゆっくり口を開ける。この時 声を出す必要はありません。
2.舌を上あごに押し付け 奥歯をかみしめ 唇を閉じた状態で 「ん」というように 口を横に拡げる

側頭筋と咬筋はそしゃくする時に使う筋肉。ここが動いているか確認して行いましょう。

舌の力をつける体操
舌はたくさんの機能を持ってます。
食べるとは 歯でかみ砕いたものを、こっちに回したりあっちに回したり。最後に飲み込む時ものどの奥のほうに運ぶんですが べろの力が ちょっと落ちてくると 飲もうというタイミングがずれ 気管のほうに物が落ちちゃう危険性が高まり いわゆる誤嚥のリスク

口を大きく開け 3~4秒かけ 舌を出し 同じ時間をかけ元に戻す。この動作を5回 出来る方は10回繰り返す。
舌を左口角から 上唇をなぞりながら 右口角へ 同じように 左側に 5回繰り返す。

歯磨きしたあと水を口に含み 頬全体を膨らませて 10秒ほどブクブクうがいをします。
ブクブクやってる時に 口から ピュッと出ないですね。それは唇で しっかり閉じてるからで、鼻や喉に回らないですね。
続いては 水を口に含み 上を向き ガラガラと10秒ほど行います。絶妙な息の出し方をして口からこぼれないように調整しています。
お口を開ける時のトレーニングにもつながるような筋肉の使い方しますし 気管を上手に調整し息を出すという レベルは高いですね。
10秒やるのが難しければ 最初は5秒から始め 時間を少しずつ伸ばすようにします。

お伝えしました 口腔機能低下症の検査、舌圧 潤いの検査のなど 全部で7種類の検査があるそうで 3つが当てはまると 口腔機能低下症と診断されて検査も治療も保険の適用があるということです。

コロナ渦で地域コミュニティーでの いろんな活動で おしゃべりをすることがなくなってしまってるので 滑舌の低下が起きています。
お口周りの筋肉もやはり加齢変化で衰えてきています。

オーラルフレイルのチェックリスト
1.食事の時 むせたり食べこぼす
2.食欲がなく 少ししか食べられない
3.柔らかいものばかり食べている
4.以前より 滑舌が悪くなった
5.口の中が渇きやすく 口臭が気になる
6.自分の歯が少なくなった
7.あごの力が弱くなった。
8.口のまわりの見た目が気になる。

一つ一つはそんなに生活に困ってないんですが いろんなリストが積み重なると大きな問題を抱えてることになっちゃう。
オーラルフレイルを予防するために大事なこは 朝夜きっちり磨いてきれいにするってことは重要ですけど フロスとかまで意識して欲しい。かかりつけの歯医者さんをしっかり持って 定期的にメンテナンスに通うっていう感覚を 是非とも心がけて頂きたい。

調理の工夫 かみ応えのあるレシピ 大きく切る  複数の食材

千葉市にある歯科医院の院長 田沼敦子さん。治療するだけでなく 料理研究家として かみ応えのあるレシピを研究してきました。
材料は大きく切ること。例えば酢の物に よく使われるキュウリで 細かく切れ目を入れた蛇腹切りより乱切りのほうが かむ回数は多くなります。
複数の食材を組み合わせることで 「違うものがある」と噛むことを意識。小松菜のみの おひたしにはキャベツと ごまを加えるだけでよくかむレシピに早変わり。

しらたきと油揚げのサラダ

材料(2人分)
・しらたき:100g・油揚げ:1/2枚・枝豆(皮をむいたもの):30g・カニカマ:約20g
・しょう油:小さじ1・酢:小さじ1・ごま油:小さじ1

作り方
食感の異なる複数の食材を組み合わせます。
油揚げは かみ切りづらく飲み込むまでに時間のかかる よくかむ食材だといいます。
切った油揚げは オーブントースターで焼いておきます。
しょう油 酢であえた しらたきに ごま油を混ぜた後 他の食材も加え混ぜる。

切り干し大根と牛肉の炒めもの

材料(2人分)
・切り干し大根:20g・牛カルビ肉:100g・たけのこ:60g・ザーサイ:10g
・青ねぎ:5本分・スープ:カップ1/2(顆粒チキンスープの素小さじ1をお湯カップ1/2で溶く)
・オイスターソース:小さじ2・サラダ油:大さじ2・ごま油:小さじ1/2

作り方
大きめに切った肉と たけのこを肉の色が変わるまで軽く炒め、歯応えのあるザーサイも加えオイスターソースで味付けします。
ぬるま湯に浸し 水気を切った 切り干し大根をスープの中で煮ます。
汁気がなくなったら 肉 タケノコ ザーサイを加え 炒める。青ネギを加え オイスターソースで味付けしたら最後に ごま油を回し入れ 完成!

お水とか スープとかお茶とかと 一緒に流し込みをしないということが大事。
できるだけ とにかく よくかんで自分の唾液と一緒に飲み込む ということが かむかむのポイント。


食品の多様性 いかに幅広い食材を組み合わせてということが重要
年を取れば取るほど このおなかに入れたタンパク質が筋肉になっていかない。タンパク質をとろうという意識が必要に。
ビタミンDは摂取するだけではダメで お日様 UVに当たって活性型のビタミンDに変えていくステップが必要です。

withコロナの時代のフレイル予防
工夫をしながら感染予防しながらの地域とのつながり方っていうもの工夫して頂きたい。
やはり「食」というものと 「運動」というものは基本的に セットで考えて頂きたい。

(安藤)年を重ねてくるとそれができなくて当たり前とか、よく年のせいっていうふうにしがちですよね。やっぱり自分で ともる ちっちゃい黄色信号は なるべく見つけるようにして。だって 乗り越えられるかもしれないんですもんね 小さい努力で。

▽まとめ&感想

コロナフレイルではないですが、こちらの地は ずっと雨が続いて 雪もちらほらで、元々の運動不足の上に寒さで縮こまっています。
この放送を見て そんなに難しくない運動なので 頑張ってみようと思っています。
でも 簡単な運動でも 覚えきれなくて 困ったものです。大きく切る食材・いろんな食材・しっかりうがい 頑張ります。