Eテレ 2022.3.18
ストレス発散のために甘いものを食べることを卒業した女性☆
ストレスに甘いもの→見える化→ほどほどに→自慈心→ストレス貯めない☆
「食べる めい想」⇒心が充足⇒感謝(ネガティブなものを置き換え)☆
スマートフォンを手放せない女性 本当に大切なものを知った☆
未唯さんの卒業 サプリ・長風呂 足りていることを知った
【ゲスト】未唯 建長寺派林香寺住職、精神科医 川野泰周【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄
ストレス発散のために甘いものを食べることを卒業した女性
今回は卒業シーズンということで 習慣化してしまった癖や生き方を 見直して○○から卒業できたという方の卒業ライフを見ていきます。
ゲストはピンク・レディーとして活躍されています 歌手の未唯さんです。
(未唯) 実は 60の声を聞いて 健康へのこだわりライフから卒業いたしました。
甘いものに目がなくて 慢性的なストレス食いで 何年も リバウンドを繰り返していたという女性です。
横浜市に住む主婦の井出さん 40歳。2人の子どもと夫と4人暮らしです。
井出さんは大の甘いもの好き。夜などに食べるのが やめられず 悩んでいました。
動画投稿サイトで管理栄養士の豊永彩子さんを知り 1か月間 個別のカウンセリングを受けてみました。豊永さんは栄養面だけではなく なぜ食べてしまうのかという心理面からもアドバイスを行っています。
①自分のクセを知ることで 甘いものを なぜ どのように食べているのかを知り、衝動や無意識の行動を意識化します。
まず 「好きな食べ物リスト」を作成。
自分が好きなものを書き出してみると13個まで書いたところで手が止まってしまいました。
(井出)最初の2つはこのお店の この人達が作ったスイーツ、あとは あったらいいけど なくてもいいかなと思った。
(豊永)自分の中の欲求を整理する 棚卸しすることで なんとなく食べていたもの そういったもの無駄食いがなくなって自分の本当に食べたいものが明確になるメリットがある。
さらに自分の癖を知るために食事の記録をつけていた井出さん。
甘いものが食べたくなる原因に思い至りました。
(井出)夜 何にいらつくんだろう。家族に合わせないと いけないのが嫌なんだ。私だけの集中時間がないといらだっている。
そんな時に現れる 甘いものを食べたい気持ちを 「クッキーモンスター」と名付けました。
(井出)クッキーモンスター出るときと 出ないときがあって、出るときは凄い不満があったり 嫌なことがあったりとか ストレスを感じたときに わーっと食べて クッキーモンスター が出ていると気づいた。
そこで井出さんは 甘いものを食べたくなった時 「今 私は何が不満なのか」 いったん考え、寝不足で疲れていると感じた時は 寝転んで一休みしたり。一人の時間が欲しいと思った時は別の部屋へ。
(井出)さっきまでのなんか食べたいという衝動からは離れる感じです。
②栄養バランスを整える
以前は カロリーを気にして 自分の食事は肉などを控えめに 野菜中心にしていました。
それを肉や魚 卵など たんぱく質をしっかりとるようにしたのです。
(豊永)いろんな栄養素が 体の中で チームプレーみたいに働いているので 慢性的に栄養素が不足してしまうと体のメカニズムが どんどん上手に働かなくなって、体は栄養素足りないのかもと 甘い物 高カロリーなものに手が伸びやすくなる。タンパク質を補うことで 鉄分とかその他のミネラル分のチャージがかない さらに体の中でエネルギーを合成することができ 甘いものへの依存が減ってくる。
(井出)そういうときだってあるよ。いいよ いいよ。がんばっていると よしよししてあげる。
(豊永)できなかった自分を否定してしまうと 前に一歩進めなくなってしまう方が多いので どんな自分にも OK OKと認める。
一度の食事に対する満足度が高まった井出さん。時に甘いものを食べてしまうこともありましたが 豊永さんの助言をもとに 自分を責めないようにしました。
③自分のやりたいのは何なのか欲求を知る
(豊永)食事とは関係なさそうに見えるんですけど 食事以外のも含めた欲求 仕事であれば キャリアだったり 家族との時間とか そういう欲求が満たされているのか というのが 食事の依存とか 食の欲求とすごく関係が深いとわかっているので やりたいことリストを書いていただいています。
井出さんは家で ヨガを始め さらに書くことが好きなので 子育てにまつわる論文を書き 大学や地域で発表したいと考えています。
④幸福感を大切に それをしっかりかみしめる
不満ばかりに焦点を当てるのではなく 毎日の何気ない幸せな瞬間を 今まで以上に大切に味わいたいと
思うようになったそう。
この日は娘の葵さんとお菓子作りです。
(井出) ふだんだったら こんなに バターとか砂糖とか 自分で作る分には やりたくないと思うけど 葵ちゃんと一緒だと楽しい。ちょっとだけですごく満足するんです。だから特別の楽しい時間。
夫の東さんは「いろんなことにチャレンジするようになった。前向きになった」
(井出)自分の中のクッキーモンスターが暴れても、私はどういうことが嫌だったかなとか どうやったら良くなるのかな と考える機会になるので、ちゃんとタンパク質とって 食べること楽しんで 家族との時間を楽しんでいたら いつの間に「甘いもの卒業おめでとうございます」という感じでした。
(未唯)「自分を知る」ということが本当に一番 大切なことかもしれないですね。
ストレスに甘いもの→見える化→ほどほどに→自慈心→ストレス貯めない
精神科医で住職の川野泰周さん
私たち人間は 何かストレスを 抱えたりした時に それを何とかして代償しようというコーピング、ストレスコーピングって言います。
井出さんの場合には 甘いものを食べる というコーピングしか持っていなかったが、それ以外のコーピングがあることに 途中から気付かれた。
それから 無意識に持っている衝動というものを「見える化」してあげる。
ご自身は こんなことが衝動 ストレスになるんだ 不安になるんだ 怒りのもとになるんだ イライラするんだ ということを 書いてらっしゃいました。
そのことによって自分を客観的に見ることが できていった。
よく私たちも映画館に行って ポップコーンを傍らに置いておくと 山盛りのポップコーンを 知らないうちに全て食べてしまったりします。
でも ご自宅で 何も見ずに ポップコーンだけ あの量 食べれるかっていうと 結構 至難の業だと思う。
今 ストレスが たまってきたからクッキーを1個 食べよう というのは 健全なコーピングの一つと 言えるのと思います。
ちょっと仏教的なお話が入ってきます。中道というのを大事にしていて 要は我慢しすぎるでもなく また奔放に 何でも しすぎてしまうのでもなく ほどほどで グレーゾーンをうまく選択していくことが
私たちの心に あまり葛藤を 抱え込みすぎないで 健やかに生きていくための 知恵になります。
できなかった自分を責めるということを 繰り返していくとそれは成功体験の逆で、食事制限に失敗するということを失敗体験として すり込みすぎてしまうと 自分の存在自体が良くないもの 人間としてふさわしくないというような 自己否定につながってしまう。
自分に慈しみを向けると書いて「自慈心」が育まれていくと 徐々に ストレスというものを 蓄積させないようになってくる。
だんだんと自分に思いやりを向けることが できるようになって 時には ストレスをためてしまったり イライラしちゃったりすることも あるけれども それも含めての自分自身なんだという自己受容をしていけるようになる。
「食べる めい想」⇒心が充足⇒感謝(ネガティブなものを置き換え)
使うのは1枚のたくあん。チョコレートやドライフルーツなどでも構いません。
今 食べているという感覚に ひたむきに意識を向ける。注意をそこだけに向け 大切に頂くことで満足感 これは修行として心を整える意味があるという。
①目で じっくり観察
形は どんなふうかな? どれぐらいの厚みで切られているのかな?どんな味や香りがするだろうか
ということも イメージしてみて下さい。
②口の中に入れて味わう
すぐに かみ始めず 口の中で なめるようにして味わう
③目を閉じてゆっくり噛む
口の中に しみ出していくそのたくあんの味 塩け そういったものを感じてみましょう。
ゆっくり食べていると 鼻を通って香りも感じられると思います。
じっくり味わいきったという方は ゆっくりと飲み込んで頂くんですが 飲み込む時には 喉から食道を伝って 胃に落ちていくたくあんの感触すら感じられるように一生懸命 注意を向けてみましょう。
(未唯)こんなに味わったことはなかったので そこだけに集中して 他のことを何も考えなくなりますね。
(川野)たった一切れでも丁寧に 味わうことによって その感覚に私たちの心が充足していくんですね。
そうなっていくと 感謝の気持ちが湧いてくる。この感謝で ストレスや不安といった依存に つながるような ネガティブなものを置き換えていくことができる。
スマートフォンから離れ 本当に大切なものを知った
佐藤祥子さん 46歳。都内で銀行の事務の仕事をしています。
3年前 スマートフォンを新しい機種に 変えたことをきっかけに スマホを手放せない日々が始まったと
いいます。
「どんどん新しい情報が入ってくる。楽しくもあるし 見ておかないと自分が損するような気持ちに…」
バンドの活動をしていた佐藤さん。動画を撮影したり SNSで仲間の投稿をチェックしたりと スマホを欠かさず使っていました。
次第に 肩や首のこりに悩まされ、 いろんなこと集中できない。ものを覚えられない。すぐ忘れてしまう。さらに夜は 深夜遅くまで なかなか眠りに就くことができない日々が続くようになりました。
そこで枕元に スマホを置いて 快眠ミュージックを聞きましたが症状は改善されませんでした。
佐藤さんは離婚後 一人息子を育てていますが その息子も コロナ禍で学校も休校になり部屋で スマホのゲームに 夢中になっていきました。
そこで スマホ依存について調べ「デジタルな暮らしと距離をとろう」という試みをしているグループを見つけ 親子で参加してみました。
最初に体験したのは 週末に スマートフォンやパソコンから離れようというイベント。
なぜ手放せないのかを参加者で話し合い、その後スマホから4時間 離れて生活をし報告するというもの。
最初は不安で落ち着かなかった佐藤さん。
「食事も味わってゆっくり食べたり おいしいなって食べたり スマホがないことで話にすごく深みがあったり 昔のことを思い出したり あの時ああだったよねと 息子がよく話をしてくれるようになったのがすごく驚きでした」
次に2人が参加したのは皇居を1周するランニング。
「コッカーにスマホを置いて出るというのが 心配で心配で、もし具合が悪くなったらどうしようとか、走っている間に息子とはぐれたらどうやって連絡とったらいいんだろうとか 音楽を聴かないで走ったら つまんないんじゃないかとか」
しかし スマホを手放してのランニングは、音楽を聞かないことで 鳥の鳴き声が よく聞こえるようになりました。
さらに周りをよく見ることで 水面に移る景色にも目が届きとても美しく感じたのです。
「木の香りがするとか、こういう木が植えてあるんだなとか、本当に周りの景色に集中できたのと、呼吸が感じられたり デジタルデトックスが本当に良いものと実感した」
アプリを削除したり、スマホを持ち込まない部屋を決めたりした結果 肩こりや不眠もなくなり 変化を感じるようになったといいます。
「スマートフォンに気をとられることがないので 時間の流れがゆっくり感じられる。」
思いがけないことに 活動の中で知り合った 年下の男性と交際が始まったのです。
森下彰大さん 29歳。日本語教師をしていて 生徒から かかってくる電話やメールに対応するため 片ときも スマホから離れることができなかったのです。
「ずっと頭がどんよりしたり 夜寝ていて ある晩電話が鳴ったと思って携帯をとったら 何もなくて 空耳だった」
そこで森下さんは ふだん目につかない所に スマホを置いたり、それに触れない時間を決めました。
寝ている間は電源を切るようにし アラーム機能を使わず 目覚まし時計を使うようにしたのです。
スマホから入る情報を制限し 自然の中で五感を大切にするうちに 森下さんには変化が起きました。
「ふとした瞬間に涙が出てくる。ようやくこれで自分の感情がちゃんと出てくるようになったんだ。やっと抑圧していた感情 抑え込んでいた自分に気がつきました」
スマホを持ち歩かずに 近所を散歩することも2人の日常になり、価値観が同じ2人 結婚を決めました。
「人間関係も 行動も きれいにそぎ落とされ すごくシンプルになった。自分が求めているものは何かとか 本当に自分が好きなもの 大好きなことは何かと言うことに すごく気がつくようになり その時間を大切に味わって過ごせるようになった」
(未唯)私も スマホの中でもゲームが いろいろできるのでやっぱり暇があると ちょっと
したくなっちゃうんですね。
もう少し離れたほうが もっと 豊かになれるような気がして すごくいいことをうかがいました。
(川野)私たち人間の脳には 注意資源といって注意の容量が決まっていて 一人一人 一度に使うことのできる注意の量は限りがあるものなんです。
それの ほとんどを スマホをはじめとする ITデバイスを通して入ってくる情報を 処理することに使っていると、やがて自分の内側を見つける 見つめていくことに 注意を使えなくなってしまう。便利であるとともに弊害にも 目を向けなければいけない時が 来ていると思います。
スマートフォンに依存してしまうということに対して対処する方法
(川野)スマホをなるべく 手にしないようにして 電車に乗るようにしている。
心の持ち方によっては これが非常に心を休息して 切り替える効果につながると思っている。
今 自分は スマホによる脳の疲れを休めているんだと。
自分に良いことをしてあげたという 肯定をすることができた。
未唯さんの卒業 サプリ・長風呂 足りていることを知った
(未唯)山のように のんでいたサプリから卒業しました。
このビタミンがいい このサプリがいいと していったら 一回に のむ量が山のように それだけで おなかいっぱいと いうぐらい。これだけ のんで 一体どれだけ吸収してるんだろうかと思って 食事に目を向けたほうがいいなって、今は1つ 1種類ぐらいですね。それでも 前より元気なような気がします。
そのほかに 長風呂、汗をかくことで 毛穴の汚れまで出してくれるとか ウエイトコントロールができるとか 体温を上げて免疫力が高まるとか お風呂って すばらしいって思ってたんです。
毎日やって 体力を逆に入浴のほうで 奪われてるような気が だんだんしてきたんですね。
ほどほどにしたほうが いいなっていうことに気付いた。
(川野)未唯さんのように ずっと長きにわたって 見られる側のお仕事をされてきた方は、少しでも良い部分を見せたい というお気持ちで プロ意識で きっと頑張ってこられていると思うので 、何かに頼ることによって それが少しでも高まったという 体験の中で それを続けていけば 安心なんだという気持ちに
なりやすいかなと思うんですよね。
何かを手に入れよう 手に入れようという執着を逆に手放して いろんなものに対する とらわれから ご自身が解放されていく体験をされたんだなというふうに 禅的には すごく感じたんですよね。
今の自分の状態に気付きやすくなり 心を穏やかに過ごすための「慈悲のめい想」を教えて頂きます。
・少し背筋を整えて頂いて楽に座る。
手は手のひらを上に向けて 膝や ももの上に置いて頂くと 自然に胸が開いて 自然な呼吸がしやすくなります。
・目を優しく ゆっくり閉じて頂いて 一度 大きく深呼吸。
大きく息を吸って 吸いきったら ゆっくりと吐き出します。
・目を閉じた その暗い視界の先に ご自身にとって大切だなと思える方の 笑顔の表情を お一人 思い浮かべる。
何人も大切な人が思い浮かぶという方は 今日の この時間は その中から どなたか お一人を選んで 目の前で笑顔でいらっしゃるところをイメージしてみましょう。
・慈しみに満ちた言葉をひとフレーズずつその大切な方に心の中で伝える。
「あなたが幸せでありますように あなたが健康でありますように あなたが安全でありますように
あなたが心豊かに暮らせますように」
こうした言葉をかけるほど その大切な方の笑顔が 幸せに満たされていくことを 想像してみましょう。
続いて 自分自身に対して同じメッセージを伝えます。
私たちは日頃 大切な方のことを 思いやることができても 自分自身をねぎらうことが苦手とされているんです。
「私が幸せでありますように 私が健康でありますように 私が安全でありますように 私が心豊かに暮らせますように」
それでは最後に目を閉じたまま 一度 大きく深呼吸をして 全てのイメージも言葉もリセットするようにしてみましょう。
(未唯)実は私 めい想をしてるんです。 それで毎日 心が真ん中にいられるといいますか、どちらかに こう振れている時に修正をしていくような感じ めい想の良さというのは しみじみ感じています。
(川野)これが やっぱり本当の心の幸せにつながって 今が満たされているんだなという これも禅語で「知足」といいますが 足りていることを知るということに つながって 依存からも卒業できる 一つの助けに なると思います。
卒業というのは ある状態から また次なる状態へ 踏み出していくこと と思うんです。
過去に何かから卒業できなかった時の ご自身があるということを 否定してしまうのではなく また元の生き方も 「そういった生き方をしてきたんだね」と自分で それを認めて受容してあげたうえで 私は 次のまた一歩を踏み出すよという新しい生き方を選択していく。
過去の自分も 今の自分も これから未来の 自分も受容してあげるということが とても幸せに つながっていく 卒業の捉え方なんじゃないかなと思いましたね。
(未唯)若い頃は自信のなさから、武器をたくさん手に入れたい あれが欲しい これが欲しいって
欲しいものだらけだったと思うんですけれども、それが どんどん年齢とともに そして心が穏やかになっていくとともに そういう武器は要らないんだな。
どんどん 逆に手放していって よろいも脱いで 中から出てきたものが頼りなかったとしても それが私なんだからっていう。
そのね 今 お話しして下さった 自分を受容したうえで まだ自分の中に 眠っている何かが あるんじゃないかというふうに思えていて そういう自分と出会いたいなって。
▽まとめ&感想
私も 考えてみると ストレス発散のために甘いものを食べることが結構あります。
見える化してほどほどにしたいと思います。
「食べる めい想」で心が充足できるようにしたいと思います。