あしたも晴れ!人生レシピ「解消 中高年女性 いびきの悩み」▽こんな話☆いびき対策 横寝・睡眠時無呼吸症候群

Eテレ 2021.11.19
加齢 小顔 肥満 女性ホルモンの減少でいびきをかく女性は珍しくありません ☆
いびきで血液中の酸素が不足し心拍が上がると起きている状態になりで疲れて健康にも影響 ☆
いびき対策 横寝・口に絆創膏☆
睡眠時無呼吸症候群 治療にCPAP(シーパップ) 放置で死亡率高まる

【ゲスト】松本明子【講師】医学博士 遠藤拓郎 【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

若い頃はいびきをかかなかった女性☆加齢 小顔 肥満 女性ホルモンの減少で

今回のゲスト 松本明子さんです。
「若い頃は いびきをかかなかったのに」と悩む50代女性を取材しました。
横浜市に住む 松谷智江さん。 58歳。2人の子どもは独立し現在は夫と2人暮らし。
松谷さんが いびきをかくようになったのは 40歳を過ぎた頃。最初に気付いたのは 夫の卓蔵さんでした。
「まさか 私がいびきをかくなんて!」 と びっくりしました。

許可を得て寝室に カメラを設置させて頂きました。
この夜 松谷さんが寝床に入ったのは午前0時すぎ。
眠り始めてから 40分後。 激しい いびきを連発。何だか苦しそうです。いったん いびきが治まりましたが午前3時過ぎ いびき、そして4時20分。(いびき)再び いびきが…。
松谷さんによると この日はぐっすり眠れなかったそうです。

40代になってから 体重が大幅に増えた松谷さん。最初は それが いびきの原因だと思ったそうです。肥満 イコール いびきっていうイメージがありました。体重も落としても いびきは改善はしなかった。

キッチンを抜けたところにある松谷さんの寝室。今は この部屋で1人で寝ています。夫・卓蔵さんの寝室は廊下を挟んだところに。元は同じ部屋に寝ていましたが別にしました。
ご主人は会社員だから朝早く起きないといけない。大事な睡眠 邪魔されてたまるかという気持ちだったそうです。

2人の趣味は旅行。コロナ禍の前は毎月 旅行を楽しんでいました。その旅先でもシングルルームを2部屋とって 夫婦別々に泊まっていました。食事は一緒に食べて、あしたは何時に集合と決め、別々に部屋に入ります。だから経済効率よくなかった。

睡眠の記録をとってもらいました。
初めて自分のいびきを聞いた感想は「かなり ひどい。ブタが鳴いてるみたい。ちょっと嫌ですね。何か もう変な汗いっぱいかいちゃいました。なんとかしたいですね」

専門家の方にここで加わって頂きます。専門の医師 遠藤拓郎さんです。遠藤さんは睡眠専門のクリニックでこれまでに 2万5,000人を超える患者を診てこられました。

(遠藤)起きてる時は気道が垂直になって十分広がっています。その時に重力は気道と平行に重力がかかってるんです。
これが あおむけに寝る軟口蓋とか舌の付け根が重力に従って この気道のほうに落ちていくんです。だから自動的に気道が細くなって 細いところに空気が流れるので乱気流が起こる。
で 粘膜を震えさせて いびきが起こる。
プラス 太ってしまうと どんどん気道が潰れてって いびきがひどくなります。

ダイエットされて体重を落とされても いびきが改善しなかったのは、最近 のどの回りの筋肉が弱くなると気道が潰れていびきが ひどくなる
女性の方も更年期を過ぎてくると女性ホルモンが減ってくるんですけど、実は その女性ホルモンというのは筋肉の張りを保ってるホルモンなんです。だから更年期を過ぎて 女性ホルモンが足りなくなってくると筋肉の力が弱くなって気道が潰れやすくなる

女性特有の原因として小顔の方。特に あごの小さい方は その中にある気道が細くなりやすいので。あとはアレルギー性鼻炎とか へんとう腺炎とか もともと持ってる方は いびきを かきやすくなります。
更年期が過ぎたくらい、40後半くらいから 徐々にそういう方が増えてきます。

いびきで血液中の酸素不足 心拍が上がり 起きている状態で疲れ☆いびき対策 横寝・口に絆創膏

遠藤さんの指導で睡眠習慣の改善に挑戦しました。
調布市にある遠藤さんのクリニック。遠藤さんはまず自宅で行う検査を勧めました。
(遠藤) いびきをかいてるとか 無呼吸になってるというのは完全に寝た時の状態なので、本人に聞いても分からないと。だから睡眠に関しては まず検査してみないと分からないんですよ。

自宅の検査で使うのはアプノモニターと睡眠計。アプノモニターは指や鼻に センサーを装着。いびきの数や血液中の酸素濃度などが分かります。
睡眠計は あおむけ寝 横寝など寝ている時の体位が分かります。

1週間後。検査の結果を聞きに 松谷さんがクリニックに やって来ました。

(遠藤) 松谷さんのいびき、 この程度は普通ですね。
でね病気のレベルまではいってないんですけど、ここね血液中の酸素の濃度ね。

深刻ではないものの 遠藤さんが注目したポイントがありました。
これは睡眠中のいびきや血液中の酸素濃度心拍数などを時間ごとに記録したグラフ。
この茶色の線が いびきの記録です。午前1時30分ごろ連続して いびきをかくと、血液中の酸素濃度の数値が下がっています
いびきで心臓に負担が掛かる。心拍数が上がり起きているときの交感神経に変わる。そうすると睡眠の質が悪くなる。
長く寝てても昼間眠くなっちゃうということが起こります。日中すごく眠くなって結構テレビを見ながらよくうつらうつらしてしまうことってありますね。

次に睡眠時の体位が分かる睡眠計のデータを見てみると ピンク色が あおむけ寝。緑と青は横寝です。
松谷さんは睡眠中の63%があおむけ寝でした。松谷さんの睡眠は横寝の時には質がよく あおむけ寝の時に質が悪くいびきも増えていることが分かりました。
「横寝大作戦」というものを、横寝にすれば あごが下がらず気道が狭まりにくいためです。

いつも仰向けで寝ているので 横寝ができるか心配でした

遠藤さんには横寝大作戦を成功させる秘策がありました。クリニックのスタッフが見せてくれたのは睡眠をサポートする さまざまな寝具遠藤さんと寝具メーカーが共同で開発しました。
背枕や抱き枕として使用できます。あおむけにさせないためにできてる枕ですので こちらのマットは 横寝をしても肩や腰に負担がかかりにくいそうです。
今回 特別に枕とマットを借りて横寝大作戦に挑戦することにしました。

自宅に戻った松谷さん。果たして 横寝はできるのでしょうか?
借りてきた枕 本当に何かガチガチに かたい感じです。

そして最終日。 再び機器をつけていびきの計測を行いました。
結果を聞くため再びクリニックを訪れました。さて その結果は?
横寝寝具を使う前は63%あおむけだったんですね。この横寝寝具を使うと1.8%に激減。
いびきの回数は横寝寝具を使う前は1時間あたり4.5回。で 使ってからは 1.2回。いびきの回数は およそ4分の1に。その結果は睡眠の質にも表れていました。質の悪い睡眠が大幅に減ったのです。
横寝ができるか心配だった松谷さん。実は自分なりの工夫をしていたんです。

最初の2日間は背枕で寝てみましたが 夜中に何度も目が覚めるなど 熟睡できませんでした。
3日目から抱き枕にしたら 熟睡できるようになってきました。

さらに自分なりの寝やすさも考えました。
抱き枕にして、それで 脚と脚の間に いままで使っていた枕を挟んで 寝てました。
脚も横向きで落ち着くんですよね うまい具合に。
上半身と下半身が両方 安定して 寝れているって感じがします。
質のよい睡眠は 工夫した寝方から生まれたものでした。

(松本)あの 頭のせるところは短くはないんですか?

(遠藤)あれは わざと短くしていて あの枕を抱いているか背中に しょっている時しか 枕 使えないんです。だから その睡眠習慣って よっぽど工夫しなければ 変えることができないんですよ。
だから枕を替えたり 敷き寝具に ちょっと工夫したりで やっと到達できる目標かな という感じです。

うち 2, 300人の患者さんの調査を前もって やったんですね。
その時に あおむけで寝るのと 横向きで寝るのだと いびきの回数が ちょうど3分の1になるんですよ。
ただ あおむけでも全く いびきを かかない方もいらっしゃるので そういう方は いいんですけど、だんだん年をとってくると いろんな原因で 寝てる時の呼吸 悪くなりますから そういう場合には この横寝大作戦も 一つの手かなというふうに思います。

松谷さんが やってた みたいに 今晩から できるとしたら 枕2つあったら 1つ 脚に挟んでもらって。
ちょっと余ってる座布団でもいいです。
脚で挟むんであれば かたさ関係ないです。
背中に障害物を置いてあおむけにさせないとか あとは抱いて その重さで あおむけにさせないというような時は なるべく 重くて比較的 質感のあるものがいいです。
背中に 軽くて やわらかいものだと乗り越えていっちゃうんですよ。

横寝が 苦手な方の場合
いびきをかいてる方って 口を開けて寝てる方が多いんですね。
口を開けて仰向けで眠ると舌が落ち込んでしまうため、気道を狭まり、これがいびきの原因に。
一番簡単なやり方としては 口に ばんそうこうを縦に貼って下さい。

松本さんに お試し頂ければと思いましてご用意致しました。

何で ばんそうこうを縦に貼るかというと もし 口で息をしたい時には この口角は開くので
窒息することはないんです。

ばんそうこうが かなり 効果的なようだったんですけれども より確実に あごを下げずに済むような
器具として あご上げバンドというのがあります。
頭から ゴムとか布でつるしてあごを上げるバンドがありますので それも効果的です。

寝てる時って リラックスする副交感神経が働いてるとより いい睡眠が取れるんですね。
起きてる神経って交感神経で それが働くと 睡眠の質が悪くなっちゃうんですけど
心拍数が上がるというのは 交感神経に スイッチされちゃうんですね。

例えば いびきをかいてると いびきをかいた瞬間に「あなた あなた」みたいな感じで さすられてるようなもんなんですね。
本人は自覚してないから あれですけど そういうので一晩 寝たとしても 疲れがとれない
なるべく心拍数が上がらないような睡眠を ずっと続けてもらうというのが いい睡眠になります。

いびきがあると 肩こり 頭痛 のどの痛みというのが起こります。
先ほど VTRにもあったように いびきになると 肩をぐっと上げて 下げてというような強制的な呼吸をしないと空気が入ってこないので、それを ずっと繰り返してると 肩こりになっちゃいます。
あとは血液中の酸素の濃度が 下がってくると頭痛になります。
いびきが ひどいということは ずっと寝てる間 カラオケで歌ってるのと 同じで のどガラガラになります。

睡眠時無呼吸症候群 治療にCPAP(シーパップ) 放置で死亡率高まる

睡眠時無呼吸症候群(いびきが停止し呼吸が聞こえなくなる 激しいいびきで呼吸再開)
いろんな原因で気道が細くなると いびきになるんですけど それが完全に塞がってしまうと呼吸が停止しますから睡眠時無呼吸症候群ということになります。

なりやすい人は やはり 太ってる方ですね。
鼻が悪い方 へんとう腺が大きい方あごの小さい方が無呼吸症になりやすい。
特に 中高年になってきて いびきをかくという女性の中に 無呼吸症の方がいますので その辺も注意されたほうがいいです。

睡眠時無呼吸症候群の治療
実は いびきに悩んでいた松谷さんの夫の卓蔵さんが この睡眠時無呼吸症候群で 治療を受けていらっしゃる。

松谷さんの夫・卓蔵さんは8年前 55歳の時 睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
奥さんは 夜 寝てると カーッていったあと 何か シーンとなって 呼吸してないんですよ。
絶対おかしいと思って次の日 すぐに言いました。

卓蔵さんは そう言われると そうかもしれないなと思った。というのは苦しいなっていうのが 寝てても感じることがあったので 朝起きた時に スッキリしたという感じは あまりなかったです。

会社勤めをする卓蔵さん。睡眠不足は勤務中にも影響が出始めていました。
午後の会議ですねものすごく眠かったんですね。
このままだと仕事に大きな支障が出ると 感じた卓蔵さんは呼吸器科を受診 精密検査を受けました。
無呼吸と低呼吸は 1時間あたり 24.3回、中等症の睡眠時無呼吸症候群だと分かりました。

医師の指導で使い始めたのは CPAP(シーパップ)という機器を使った治療法です。
空気を本体からホースを通して 鼻につけるマスクへ送るというもの。
気道の塞がり度合いに合わせ 圧力を調節した空気が 気道を押し広げて 無呼吸を防ぐのです。
卓蔵さんは ほぼ毎日 この機器を使って寝ています。出張や旅行の時も持っていくそうです。
それにより1時間あたり 24.3回だった 無呼吸と低呼吸の回数は 1.7回にまで減りました。

(卓蔵さん) CPAPをしてから日中 眠くならない ということが一番ですね。
それから夜 十分 寝たなという感じがして朝を迎えるということが多くなりました。
毎日このマスクをつけて寝るのは大変ではなく、 「自分の眠りへの儀式」といいますか これをすることによって寝るんだという 体のほうも頭のほうも。逆にいいのかなと思っています。

睡眠時無呼吸症候群になると ずっと医療機器が必要かというと、今まで うちのクリニックで
5, 000人くらいこのCPAP使って頂いてるんですけど、10キロくらい痩せて頂いた方で
何人かは このCPAPを卒業した方もいらっしゃいます。

睡眠時無呼吸症候群は症状の程度によって、軽症(5回以上~15回未満) ・中等症 (15回以上~30回未満)・重症(30回以上~)と分類されます。
精密検査の結果 無呼吸と低呼吸の合計回数が1時間当たり20回以上の場合 保険適用され CPAPをレンタルできるということです。
こちら 費用の目安なんですけれども 自己負担分で1か月 5, 000円程度だということです。

睡眠時無呼吸症候群は 心臓に対しての負担が大きくなり、高血圧 不整脈 心臓発作にもなりやすいですし 原因不明で亡くなるような突然死になる場合もあるので やはり重症な方は特に ちゃんとこの治療は受けて頂いたほうがいい。

睡眠時無呼吸症候群のチェックリスト
・日中我慢できない眠気に襲われることがある
・他人から いびきをかいている といわれたことがある
・夜間にトイレに起きることが多くなった
・頭痛 肩こり のどの痛みが多くなった
・鼻炎 扁桃線炎がある


このリストの中で 2つ以上当てはまるようであれば 一度 やはり自分自身を疑ったほうが いいかなと思います。

日本睡眠学会という専門の学会があるので、そこのホームページ行って頂くと 専門の先生 専門の医療機関全部 出てますので そこに問い合わせて頂いて。

ある程度の中高年の女性も やっぱり いびきも かきます、無呼吸にもなりますっていうことを
ちょっと頭の片隅に置いて頂いて 一番いいのは やはり誰かに旅行の時とか ご家族に 自分は いびき かいてないかどうか それを聞いてもらうのが いいと思います。
なかなか お友達も言いづらい。親子 夫婦でも言いづらいんですよ。
だから ちょっと当てはまる人は逆に 自分自身から ご家族とか ご友人に聞いてもらうといいと思います。
で その可能性があるんであれば 今 無料のアプリとかでも いびきを検知できるようなアプリもありますから そういうので ちょっと 測ってみるのもいいかもしれないです。

▽まとめ&感想

グループのお泊まりで 意外と多くの方が いびきをかいていらした。私も かなりにぎやかと家族に言われています。いつも寝たりない気がして いました。
いびきが 健康に直結していてびっくりしました。 さっそく横寝するよう心がけます。