Eテレ 2022.2.11
ラッピングコーディネーター 熊谷洋子さんに湯飲み包んでもらう☆
ラッピング 方法 斜め包み・風呂敷包みや 袋に贈り物を入れてリボンで結わく方法やワンランク上の風呂敷の包み方・真結び・二つ結び、ワインなど瓶を包む方法を教わる。
処分される播州織を利用する竹本佳代さん
【ゲスト】IKKO【講師】ラッピングコーディネーター 熊谷洋子
【司会】賀来千香子 小澤康喬【語り】堀内賢雄
ラッピングコーディネーター 熊谷洋子さんに湯飲み包んでもらう
今回のゲストは 贈り物の達人としても知られる IKKOさんです。
(IKKO)今日はね 唐子(中国風の衣装や髪型をしている子供)というのもあるんですけど 帯は もう わりとシンプルに 締める色にさせて頂いたんです。
贈り物をしたい時に使えるラッピングのワザを小澤アナが達人に教えて頂きました。
向かったのは埼玉県小川町 駅近くにある ラッピング専門会社の支店です。
ここでは講習会の開催や 包装用の資材なども販売しています。
ラッピングコーディネーター 熊谷洋子 さんは ラッピング歴は 21年です。
趣味で始めたラッピングで 包む楽しさに魅了され 今では講師として全国で活動。
NHK「美の壺」にも出演。紙を巧みに折り込み どんな形でも美しく包むワザを披露。
小澤アナが 湯飲みを包んでほしいと お願いしました。
(小澤)以前 お世話になった取材先の方なんですけれども。
(熊谷)おいくつぐらいの方でしょう?
(小澤)そうですね もう80代後半ですね。男性です。
受け取った人がすぐに品物を手に取れるよう 箱は使わずに ラッピングすることになりました。
熊谷さんが選んだのは 和紙の包装紙5色。和紙は一般的な包装紙よりも柔らかいためです。
小澤アナがその中から 1枚選びました。
(熊谷)こちら すてきですね。優しい感じですよね。
早速 ラッピング開始。
(熊谷)「タック」入れてみようと 線をつけたんですけども。
「タック」とは 衣服などに施される「ひだ」のことで 余った部分などを整え 形を美しく見せる効果もあります。
中が ちょっと グラグラしますので カットした紙をパッキン(緩衝材)に、 同じ和紙で統一感を出します。 リボンも一種類の和紙で包むことで 開いた時に湯飲みの色が印象的に 見えるようにしました。
仕上げたラッピングが こちら。
ポイントは このタック。折り目で湯飲みの底を 包み込み柔らかい印象でも りんとした たたずまいに仕上がっています。
代表的なラッピング 方法
ワクワク感を引き出すラッピングを小澤アナが教えて頂きました。
長方形を使った 「斜め包み」(デパート包み)
使う紙は長方形。
紙の向き:右に長いほう 左に短いほうが来るように斜めに置きます。
箱の置き方:3つの角が紙の内側に。右下の角は紙の外側に出た状態で置きます。
この時 箱の中心が 紙の奥の角と向き合っていることを確認してください。
紙の大きさ:手前の紙を箱に かぶせた時に 左側の角が紙で覆われていてその紙が角から 2~3センチほど余裕があることを確認してください。
さらに箱を奥へ 180度 回転させて、奥の紙を手前に持ってきます。
この時 左右の紙が角を覆って余りがあれば大きさが足りていることになります。
ここまでが準備。
・手前 最初の紙をかぶせます。
・この左側の紙を ここの箱に沿わせて倒すという作業。
きれいに見せるには 折り目が箱の縁とぴったり合わさっていること。
・ここからが斜め包み最大の特徴。 紙ではなく箱を回転させるのです。
・で このまま倒す。 箱を回転させる時に緩みが生じやすいので、箱を軽く手前に引いて
緩みをなくします。
・右側の紙を箱に合わせて折り、箱の対角線に沿って 内側に折り込みます。
・箱から はみ出さないように包みます。
・仕上げは その紙を内側に折り返し見栄えを整えます。
・テープで留めるのはなんと最後の1か所のみ。
斜め包みの完成です。角が きれいに整った端正なラッピングです。
正方形の紙を使う「風呂敷包み」
箱を回転させないので お菓子など 中身を崩したくない時に適しています。
紙の大きさ:上下の紙を中央に寄せた時に 箱の四隅が紙に覆われていれば大丈夫。
・手前の紙で箱を包みます。
・次に右隣の紙。角が箱に沿うように包みましょう。 角が僅かに ずれているように見えますが、その部分は内側に折り込んで対角線が クロスするように折り目を整えるのです。
・中心を留めて完成です。
VTRにも ご登場頂いた熊谷洋子さんです。
ラッピングのデザインは 一番のポイント お客様が どういうことを望んで お持ちくださったかという事
どういうシチュエーション お誕生日なのか 還暦のお祝いなのか?
目的を まず お伺いして 商品を拝見して 素材を選んで頂くといいか アドバイスも したりします。
一緒に本当に 紙を見て頂いたり リボンを見て頂いたりということで 一つずつ ご相談しながらっていうのが一番いいかなとは思いますね。
私も いろんな包みを考える時に なるべくテープで留める回数が少ない ことを 選ぶようにしています。開ける手間が すごく かかってしまったり あと ビリッて破れた時に 何か 気を遣いませんか?
袋に贈り物を入れて リボンで結わく方法
3つの手順で ちょっと すてきな ラッピングに変身!
・上の部分 品物は ここまでで 上が すごく長いので上を少し曲げてみましょうかね。
曲げて二重にした部分に ひだを作ります。中心から作るとバランスが取りやすいです。
ひだの根元をモールで まとめます。ひだが ばらけないように しっかり ねじって巻きつけます。
残った部分を商品の下の中側に入れる。
・袋の角を底に折り込んで 形を整えます。角を軽く下に引っ張ると折り込みやすくなります。
・オーナメントの飾りつけ。巻きつけたモールに取り付けます。
飛び出たモールは 先端をクルクルッと巻いたり ハートなど 形を作って出来上がりです。
オーナメントは お手頃な価格で手に入ります。資材を売っているようなとこだったら
いろんなパーツのものが売ってます。
(熊谷)モールは結ばなくて ねじれば。結んでも だめじゃないですよ。 たぶん結ぶと 外す人が大変かもしれないです。
ワンランク上風呂敷の包み方
真結び
シンプルな包み方ですが 実は きれいに包むコツ。
前後を包んだあとの 左右で結ぶ部分を 持ち上げた時に真ん中に寄せるようにつまみ上げるのがコツ。
こうすると角が きれいに仕上がるんです。
反対側も同じように持ち上げたら あとは結ぶだけ。
結び目は縦結びにならないように。
真結びにする方法です。
1回目は右側の布を上 左の布を下に 交差させて結びます。
2回目は右側の布を 左側の布の上から結びます。こうすれば縦結びになりません。
おしゃれに見える二つ結び
対角線同士で結ぶのではなく隣同士で結びます。
・まずは前後の布を真ん中でクロスさせて 左右に引きます。ここでは結びません。
・右にある布同士を真結びします。
・左の布同士を真結び。
結び目を整えたら完成。長いものを包むのに適しています。
ワインなど瓶を包む方法
・瓶を風呂敷の真ん中に置きます。
・両端の角を瓶の口元まで持ち上げて一度 結びます。
・残った両端を瓶に沿わせるように後ろに回し 交差させて前に持ってきて 瓶の正面で真結びに。
・最後に余った部分をグルグルねじり 真結びして 持ち手を作れば 完成です。
まるで瓶が着物を着たような仕上がりです。
(熊谷)風呂敷は商品をスッポリと隠して 包み込むことが できますので 温かみがあるというのと 結び方が分かっていれば ほんの数秒で包み上げることができる。
皆さんが心がけておかれると いいかなと思いますのは お客様に差し上げるってなった時に
その風呂敷ごと お嫁に行くのか 風呂敷は返ってくるのか。
何か返してもらう場合は あんまり凝った結び方じゃなくてサッと取れるようにして。
そのまま渡す時は ちょっと凝った先ほどのワインみたいな時のような感じでも すてきですよね。
サスティナブルなラッピング 処分される播州織を利用する竹本佳代さん
東京・目黒区にあるワインショップ。ワインを布で包んだ ラッピングが評判を呼んでいます。
使われているのは播州織という織物です。
播州織は 兵庫県・北播磨地域で生産され 200年を超える歴史があり 豊かな色彩で 柄を表現できるのが特徴です。
その播州織で ラッピングをしているのが竹本佳代さん。
播州織の産地の一つ西脇市の出身です。14年ほど前 地元の酒屋で働いていた時に 播州織で包むことを思いつきました。
竹本さんは生産過程で出る はぎれや 商品にならなかったものを利用しています。
そして ランチョンマットとか 今だったらマスクなんかに再利用して頂くので あえて端を縫製しないようにはぎれのままで ラッピングしています。
リボンに使っているのも 商品にならなかった播州織の「経糸」(たていと)と呼ばれる素材。
横糸を通して織物になる前に処分されたもので 特殊な糊で糸が縦に固められています。
この経糸 リボンに うってつけなんだそうです。
どこからでも 好きな細さに裂け 糊が かかっていることによって カールさせることができます。
こういうラッピングをする時に 短いリボンが すごい余るんですよね。
「もったいない」ということで 竹本さんは はぎれを 地元の生産者から安く譲り受けています。
最初は はぎれを譲ってほしいという 申し出は なかなか生産者に伝わらなかったといいます。
「こんなものどうするの この糸は廃品回収用の新聞をまとめて捨てる糸」と言われた。
竹本さんは暮らしの中でも新しい包み方を楽しんでいます。
例えば ティッシュの箱も包んで両端を結ぶだけで…。
果物だって このとおり。包み方に決まりはありません。
大きさや形 色を見て インスピレーションで包んでいきます。
丸いキャベツは こんな感じ。
竹本さんに あえて大根を包んでもらいました。
選んだ播州織は大根の白が映える黒い布。
葉っぱが のぞくようにして大根をアピールするラッピング。
2分足らずで出来上がり。
播州織のラッピングとは「お嫁入り」感覚で 私の仕立てた 花嫁さんが お嫁に行って その先で
どんなふうな また新しい形になるか というのを想像しながら やってます。
捨てられるはずだった織物や はぎれを使ったラッピングが 次の人の手に渡り 新しいものに。
まさに サスティナブルなラッピング。皆さん いかがですか?
(熊谷)やっぱり それを包んだものを見て 人がワクワクしてくれるっていうのも とっても うれしいことですよね。 で それを受け取る側 渡す側が 心が そこにつながれてる。
▽まとめ&感想
ラッピング 素敵でした。ワンランク上の風呂敷の包み方、ワインなど瓶を包む方法を是非マスターしたいと思いました。