BS1スペシャル「気候クライシス(危機 )~IPCC特別報告書からの警告~」
NHK BS1 1月13日(月) 午後11時00分から
地球が気候変動で悲鳴を上げている。
南アフリカ サイクロン・イダイ、死者約800人。避難民290万人。(2019/3)
アメリカ カリフォルニア 年間7800件以上の山火事
グリーンランドでは、125億トン 過去最大の氷の融解(2019/8)
イタリア ベネチア 過去50年で最悪の高潮
日本でも 台風19号
国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略。
人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された組織です。
195か国・地域が参加している。2007年 ノーベル平和賞受賞。
2019年9月 2700ページの報告書発表。
「気候変動により人間が暮らせる場所が地球から次々と消失する」。
国連機関、IPCCが発表した報告書が国際社会に衝撃を与えている。
去年、温暖化による気象災害が各地で発生し、世界中に広がった抗議デモ。
中心となった少女、グレタ・トゥーンベリが信頼する科学者たちの分析だ。
海水温上昇
ドイツ ハンス=オットー・ポートナー IPCC 第2作業部会共同議長によると
国際的、枠組みは不十分である。
「2015パリ協定」 今世紀後半に 温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする を目標に掲げた。
世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて、1.5℃に抑える努力をする 。
もうすでに1.0 ℃ 上昇し、2030年に 1.5℃ に達してしまう。
2019 IPCC「海洋・雪氷圏特別報告書」の公表
その中で、海水温が2倍の速さで上昇して、台風などの気象障害など悪化している。
海水温が上がると、水蒸気が上に上りはじめ、上昇気流に空気が押し出され、気圧低下に、さらに強い上昇気流が発生し、モンスター化してしまう。長く続けば、地球規模で未曾有だの災害が発生してしまう。異常気象は、より激しく、より大きくなっていくでしょう。
バハマにおけるハリケーン・ドリアンは、暴風、高潮のよりバハマの70%浸水、56人死亡、1万戸以上倒壊した。暖かい海水がハリケーンを大きくしたと考えている。
日本でも 台風19号 、死者99名。勢力が衰えないまま、ピークは3日間続いた。 暖かい海水が エネルギーを与え続けだと考えられる。
これまで100年に1度の災害が毎年起こると、警鐘。日本の政治家達は、もっと関心を持つべき。
海面水位上昇 今世紀末までに1.1mの上昇
原因は、グリーンランド、南極の氷が溶け出している。年間400億トン融解。高潮などの被害甚大に。沿岸湿地の最大9割が消失の恐れ。
アメリカ アラスカ ニュートック村 永久凍土の融解と浸食が原因で、洪水のリスクが高まり、家の周りの地盤の沈下や崩壊もあり、移転した人も、とても苦労しています。
2050年までに、10億人が影響を受け、2億8000万人が住むところを失う。
コースタルメガシティ(1千万人以上の都市) 東京、ニューヨーク、ジャカルタなど、リスクが大きい。
IPCCの東北大学須賀教授
東京の東部に広がる、ゼロメートル地帯。山手線内側の2倍の広さ。
4℃の上昇で、海面水位が8m上昇。
都市機能が麻痺、日比谷公園も、墨田区のビル外も沈んでしまう。
世界の国と比べても非常にリスクが高い国。
各人がリスクを認識する。予想を超えたスピードでやってくる。
2019年9月 国連気候行動サミット2019
ニューヨークの国連本部で、国連気候行動サミット2019が開催されました。
具体的行動を起こすよう、 400万の若者が、抗議の声を上げた。
スウェーデンの16歳のグレタ・トゥンベリさん
国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に、本気で取り組んでいないと、スピーチを行った。
あなた方は、お金のことや、経済成長が永遠に続くという、夢物語ばかり。
良くそんなことが言えますね。 あなたたちはその空っぽの言葉で私の夢を、私の子ども時代を盗んでいます。
しかし、応えたのは、イギリス、ドイツなど 66か国・地域。
排出量1位 中国、3位 インド はゼロ宣言にいたらなかった。
排出量2位 アメリカ トランプ大統領は15分で退席
排出量5位 小泉環境大臣は新しい取り組みなし。COP25に持ち越しとなった。
IPCC「土地関係特別報告書」の公表
副議長ユーバ・ソコナ氏(マリ)
干ばつが進み、水や食糧の確保が困難になる。
世界の各地で 2℃ 上昇 で、温暖化が進み、乾燥地人口は、2億2000万人に達する。
1/4が劣化しています。
森林を伐採し、土地を耕し、作物を消費してきたことが、影響しています。
土壌乾燥度、この10年では、南アメリカ、アフリカ中央部、アジアの一部が、干ばつに見舞われている。より深刻化している。
今一番、危ぶまれているのは、サハラ砂漠の南部、サヘル地域。
10年前、畑が広がっていたが、毎年国土の2%50万haが、砂漠化している。さらに激しい集中豪雨で、草や木が流され、土地が水をため込めなくなっている。トウモロコシが収穫出来なくなり、10人に1人が、栄養失調。
さらに農業従事者の自殺。インドの村では、借金のため自殺が多い。土地が生産性を失った。
民族間の紛争が起きている。狩猟民が村を襲撃、牧畜民130人以上を殺害(西アフリカ・マリ)
最も苦しむのは、温室効果ガスを排出していない、貧しい地域、貧しい人々、 貧しい 国々です。
日本での排出が、遠くはなれた人々に、大きな影響を及ぼす事を想像して欲しい。
2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするには再生可能エネルギーを70~85%に高め、石炭火力発電をゼロにする。
肉中心の生活を変える。食糧システムに伴う、温室効果ガスの排出の最大37%に相当。
肉中心の食生活からの転換。
牛が食べる牧草を育てるため、CO2を吸収する森林を切り開く。
牛のゲップや糞からメタンガス(Co2の25倍 の温室効果ガス )が発生。
流通過程で、二酸化炭素を排出。
食物由来の食習慣に変えると、年間70~80億トン(日本の年間排出量の6倍以上)の排出量の削減を期待。
映画「アバター」を制作したキャメロン監督の取り組み
肉中心の食生活から食物由来の食習慣に変える 。
地球規模で、我々が生存できる、環境を維持するため、1回で変えられる。
豆から、タンパクを摂取する食品の開発をはじめた。
横浜ブルーカーボン・オフセット制度
横浜市では、海藻を水中で育て、ブルーカーボン(海洋生物によって大気中の二酸化炭素が取り込まれ、海域で貯留された炭素のこと)が、横浜市、海の公園で始まった。
他の治自体とも、連携し、取り組んでいる。
2019年12月 スペインマドリードでCOP25が開催
IPCCは、技術的根拠を示した。決断は各国政府です。
各国の意見はまとまらず異例の40時間の延長を経て閉幕。
ルールの一部が決まらないまま2020年からパリ協定が実施されることになった。
地球は高温になりやがて人類は生息できなくなる。
地球規模でドミノ倒しのように甚大な気候災害が発生する。
「我々一人一人が今すぐに行動を起こさなければならない」。
まとめ&感想
地球が気候変動で悲鳴を上げている。海水温上昇、海面水位上昇、 国連気候行動サミット2019 。「土地関係特別報告書」の公表。「アバター」のキャメロン監督の食生活の転換。横浜ブルーカーボン・オフセットの紹介。マドリードでCOP25が開催された。
どれもこれも、難しいことばかりです。
こんな大事なことなのに、さっぱり、テレビ、新聞でも話題になりません。
レジ袋くらいです。節電・節エネルギーなど、少しも出てきません。
オーストラリアで続く森林火災 で地球温暖化が少し、ニュースになっています。
最悪の状態になってしまったら、経済活動も出来なくなります。
食生活の変換。これならすぐに、無理のない範囲で協力できそうです。
リンク:NHK 10 Years After 未来への分岐点/感想
リンク:NEWS23 気候変動…大分岐迎える2020年代の地球