あしたも晴れ!人生レシピ ニッポン人と外国人 支えあって つながって▽こんな話しでした。

Eテレ 5月15日(金)午後 8時00分~ 午後8時45分
【ナレーション】小澤康喬

年々増加する、日本に暮らす外国人。豊かな共生社会を築くヒントを探ります。埼玉に住むクルド人女性と、伝統的な手芸を通して交流する日本人や、子どもに日本語を教えるボランティアを紹介。宮城県の石巻では、震災で割れた食器などの破片を使ったアクセサリー工房を、アメリカ人女性と被災地の女性が立ち上げました。日本茶をこよなく愛するスウェーデン人男性も!盛りだくさんでお届けします!

出典:NHK HP

埼玉県のカフェで開かれているクルド人の女性手芸教室

2年前から埼玉県川口市の小さなブックカフェで開かれている手芸教室。
教えているのは クルド人の姉妹。
伝統的な手仕事を、2週に一度、日本人に教えています。
使うのは 色とりどりの糸とビーズ。
女性は鮮やかな手つきで、細かい目を編み上げていきます。
花などの身近な自然が、モチーフになって、「オヤ」と呼ばれています。
このオヤは 祖母から母へ 母から娘へと、受け継がれている伝統技術です。
スカーフの端に模様をつけて、オリジナルの すてきなスカーフに。
おしゃれを楽しんでいます。

日本には およそ2, 000人のトルコ出身のクルド人がいると言われています。
その多くが埼玉県南部に暮らしています。
街には ケバブのお店も。年に一度 新年を祝う「ネウロズ」というクルドのお祭りも恒例行事です。
世界に およそ3, 000万人いるといわれるクルド人。
主にトルコや中東地域で暮らし、紛争などで各国から逃れる人も少なくなく
日本にも やって来るようになりました。

この教室を企画したのが 中島直美さん。
きっかけは何だったのでしょうか。
こうした取り組みに、場所を提供しているのが、このブックカフェのオーナーの1人である小倉美保さん。日常的に開いているところで、情報発信出来るのは、貴重だと思う。

姉妹はトルコで暮らしていましたが、5年前に日本にやって来ました。
難民申請を行い、その審査を受けている状況です。
姉妹は日本に頼る人もおらず、日本語も話せないため、日本人と ほとんど交流せずに
過ごしてきたといいます。
中島さんのきっかけは 近所の店の前で、娘が見知らぬ外国人の男性から、声をかけられたことでした。
どこの国の人かと調べてみると、埼玉に増えているクルド人だと、分かりました。
さらに調べると、自分たちの国を持っていないこと、紛争などで多くの難民が生まれ
日本に来ても難民の認定が、難しいことなどを知るようになりました。
それと同時に クルド人の文化にも、興味を抱きました。

そこで近所で開かれていた、クルド人の料理教室に参加した中島さん。
楽しそうに郷土の料理を教える女性たちを、応援したくなったといいます。
自分の得意なものなら、どうにか日本人とも接点がもてる。
そこで思いついたのが クルド人女性と、一緒に行う手芸教室でした。
知り合いから紹介してもらった姉妹に、話を持ちかけたところ、2人は喜んで引き受けてくれました。
姉妹は それまで自宅で作っていた、おやつを、ふるまうようになりました。
お餅のような やわらかな生地に、ココナツをまぶした赤いイルミキタトゥルス
サクッとした塩味の生地に、パセリなどを挟んだ カトマジャゴシツ
皆さん美味しくいただいていました。二人の笑顔が増えて良かった。

他にも、クルド人をサポートする取り組みが、行われています。
クルド人の子どもに、日本語を教える教室が開かれていました。
立ち上げたのは 小室敬子さんです。
10人ほどの生徒を ボランティアスタッフ、8人ほどで指導しています。
日本は「子どもの権利条約」に同意。すべての子どもが、教育を受けることができます。
地元の学校で、日本語の授業を受けていますが、それだけでは十分ではないと、考えました。
小室さんは もともと会社員でしたが、日本語を教える専門学校に通い、5年前から クルド人への、語学ボランティアを始めました。
語学力が将来に、つながればと考えています。
言葉の力が足りないと、いい仕事を探せない。いい給料をもらうことも出来ない。
6年前 10歳の時に来日したロジンさん。小室さんの教え子です。
小室さんには言葉だけではなく、日本での生活習慣なども、教わってきました。
子どもたちの成長が、小室さんのやりがいになっています。
みんな、それぞれが得意の分野で、チームで、この地域の外国の方と一緒にこの地域で生きていくんだよね。

宮城県石巻市の「ノゾミプロジェクト」、ガレキで作られたアクセサリーは海外にも

石巻市では、震災などで割れた食器から、きれいな模様の部分を切り出し、削って滑らかにし、ネックレス ブレスレット ピアスなど、30種類以上のアクセサリーを作っています。
陶器のかけらを使ったアクセサリー作りを、石巻の女性たちと立ち上げたのが
アメリカから やって来た高本スーさんと7年間共に働いた高橋裕美さんです。
この工房 できてから まだ8年ですが、40カ国に5万個送った。その中80%が海外からの注文です。
アクセサリーを作り、震災後に希望をもたらしたいという思いから、「ノゾミプロジェクト(こちらクイックでサイトに移動)」と名付けられています。

この投稿をInstagramで見る

Tuesday (May 5) is #GivingTuesdayNow! ⁠It's an emergency response to the unprecedented need caused by COVID-19. ⁠ .⁠ This is from the #GivingTuesday website:⁠ "The world is in crisis and the very structures that counteract negative impacts of a pandemic and recession–community organizations and nonprofits–are overwhelmed. They need swift action to ensure they can continue to serve their communities."⁠ .⁠ Do you have a favorite local organization or nonprofit? Please consider giving to them or sharing about them on your social media. Still want to do more? Consider donating to or sharing about Nozomi! ⁠ .⁠ We have already had a few generous donations, which are helping us cover salary for the women even during this time — especially difficult due to paused international shipments. Are you our next generous donor?⁠ .⁠ .⁠ #donation #donate #nozomiproject #nozomi #beautyinbrokenness #bebrokenwithus #nozomistory #meiearrings #earrings #ripplesofhope #typhooncollection #donatedpottery #donation #upcycledjewelry #upcycle #jewelry #jewellery #pottery #empowerwomen #potteryjewelery #handmade #handmadeinjapan #socialenterprise

Nozomi Project(@nozomiproject)がシェアした投稿 –

(インスタグラムには、実にたくさんの作品があって、見るだけで楽しめます。壊れた瀬戸物が、こんなになるなんて、素敵です。)

スーさんが宣教師として 夫と共に、日本にやって来たのは 2001年
その後 4人の養子を迎え 一家6人で、兵庫県で暮らしていました。
2011年に東日本大震災が発生。あまりの被害の大きさに スーさんは、ボランティアで 石巻に駆けつけました。
仲間と一緒に復興支援の団体を立ち上げ、がれきの撤去や清掃に参加。
しかし スーさんの支援は、そこで終わりませんでした。
一家で石巻に移住しようと、決意したのです。
仕事がなく、すごく困っていたけど、もっと大事は希望がなかったこと。

目に留まったのは、津波で流された家庭の食器が、たくさん散らばっていたのです。
これでアクセサリーを作れないかと、スーさんは工房を立ち上げました。
働き手は 子どもの学校への送り迎えで、知り合った 石巻のお母さんたち
アメリカからアクセサリー作りの専門家を、招いて 作り方を教わり、スタッフ10人で
事業をスタートさせたのです。

震災を経験した人の中には、お皿でアクセサリー?思い出しいちゃうとか、あったが、これは ただのリサイクルではなく、アップサイクル新たな価値を生み出すもの
命を吹き込んで、生まれ変わらせた陶器。つけた人が幸せになれるといいな。

「ノゾミプロジェクト」の、アクセサリーには、シリーズごとに名前を付けています。
手首につけるバングルには、「ミサ カフバングル」
繊細なチェーンと三角形のかけらを合わせたピアスには、「メイ チェーンピアス」という名前。
実は これ スタッフの大事な人の、名前なんだそう。
そして こちらは「テイラーロングネックレス」
テイラー・アンダーソンさんは、石巻で働いていた英語教師。
津波にのまれ 亡くなりました。
テイラーさんの両親に 名前を付けたいと、連絡を取ったところ、この工房を訪ねてくれました。
テイラーさんの卒業した大学では、このアクセサリーの販売も、行われています。

接着剤をチューブから つけるのではなく、つまようじで少量ずつ。
さらに接着剤が はみ出さないように、注意を払うなど、日本人ならではの仕事だと
スーさんは言います。
さらに スーさんが素直に感情を伝える、性格も スタッフに影響を与えました。
スーさんにとって、スタッフは従業員ではなく、家族と同じ 大切なメンバーです。

外国の人も日本の人も、同じ人間だし、いろいろな国の人とつながっている。

スウェーデン人のブレケル・オスカルは、日本茶のインストラクター。日本茶を日本・世界に紹介

スウェーデン人の、ブレケル・オスカルさんは、日本茶のインストラクターです。
都内の『東京べーぐる』というカフェ。10人ほどの人たちを相手に、日本茶のセミナーを開いています。
普段なかなか出会えないお茶を紹介。
桜の香りのするお茶。
ワイングラスで飲むお茶。

オスカルさんは 海外でも日本茶を積極的に紹介する活動を行っています。
日本茶は世界遺産のようなもの、海外の人にも紹介したい。



オスカルさんは、高校生の時、世界史の授業で日本の近代史を学び、日本に興味を持ちました。
日本の社会や歴史の本を読むと必ず、書かれている「日本茶」に憧れを抱き、スウェーデンでは決して安くはなかった、日本茶を手に入れ 飲んでみた。

さらに岡倉天心の「茶の本」を読み、茶室や畳の部屋の落ち着いた感じに、魅了され
日本の伝統文化の美学に興味を持ちます。

スウェーデンの大学で、日本語を学び さらに岐阜大学に留学。
日本茶についての勉強も重ね、インストラクターの資格を取得しますが、それは 大変な努力のたまものでした。
特に お茶について勉強しようと思えば、専門用語が多いですし、ふだん使われてない漢字とか、人物の名前とか地名とか 。
さらに本場の静岡に身を寄せて、日本茶の栽培から製茶までの作業を、現場で学び 経験と知識を身につけました。
今年も静岡の茶畑に足を運びました。
摘み取りは年に数回。 その度に、成型のためのハサミを入れます。
一方 自然仕立ての栽培は、お茶を自然の状態で伸ばし、摘み取りも年に1回。
手で摘み取るので ストレスがかからず、蓄えた養分が 新芽に行き渡るのです。
お茶の卸売業者も訪ねます。こちらは茶葉の味や香りを確認する、拝見場。
品種や生産者の違う、10種類の茶葉が並びます。

店主は オスカルさんが インストラクター、として尊敬する和多田さん。
およそ30種類の日本茶を楽しむことが、できる日本茶専門のカフェ。
オスカルさん注目のシングルオリジンとは、単一の農園で作られた単一品種の茶葉
現在 私たちが飲んでいるお茶の、8割以上が ブレンドされたお茶ですが
シングルオリジンは 一つの品種を、その土地の環境の中で、こだわりの栽培 製法で作られたものです。
そして今 最高級といわれる茶葉が、静岡県横沢の標高800メートルの高地で、栽培された シングルオリジン やぶきた
まず茶葉をいれ、およそ3度の冷水を急須に注ぎます。
こうすることで渋みが出ずに、お茶本来の甘みが出ます。
次に急須から この冷たいお茶を、お湯で温めておいた別の器に移し替え、香りが感じられる、40度から50度にしていき、最後に茶わんに注ぎます。
これが煎茶かと、概念が変わった。
品種と産地によって、味が変わってワインやシングルモルトにも負けない個性とバリエーションを持っている。

オスカルさんの一人住まいのアパートを、訪ねました。
オスカルさんの一日は、やはり日本茶で始まります。
引き出しには たくさんのお茶が、入っていますね。
この日 選んだのは、香りも味も個性的なお茶。
急須で丁寧にいれる朝の一煎目は、体を目覚めさせるため、熱いお湯を使います。
日本茶は お湯の温度を変えることで、違ったおいしさを、演出することができます。

母国スウェーデンの10年来の友人、アルヴィンさんが訪ねてきました。
フィーカ」とは 日照時間が短い、スウェーデンでコーヒーを飲みながら家族や仲間と過ごす、時間を大切にするという生活習慣です。
オスカルさんの熱い思いが、私たちに日本茶の魅力を、改めて教えてくれています。

相手の文化や風習に興味を持ったことで、これまで知らなかった世界が開けていく。
国を超えたつながりが、人生を そして社会を豊かにする、一助となるのかもしれません。

▽まとめ&感想

埼玉県川口のカフェで開かれているクルド人の女性手芸教室と日本語を教える教室
みんな、それぞれが得意の分野でつながり、この地域の外国の方と一緒にこの地域で生きていく。
アメリカの女性中心に活動する、宮城県石巻市の「ノゾミプロジェクト」、ガレキで作られたアクセサリーは海外にも
スウェーデン人のブレケル・オスカルは、日本茶のインストラクター。日本茶を日本・世界に紹介

田舎に住んでいて、自粛生活で、外国人に会う機会もないけれども。
クルド人のこと、ニュースで聞いたことはあっても、気にとめていませんでした。
ノゾミプロジェクトのアクセサリーも知りませんでした。
つくづく、知らないことばかりです。