あしたも晴れ!人生レシピ★第2弾!老後のお金を増やすには▽こんな話

Eテレ 2023.3.10
つみたてNISAは運用益が無課税で、iDeCoは 年金積立金が所得控除できますが60歳まで使えません。投資で失敗しないコツは 運用スタイル・手数料を知り 長期運用することです。運用レポート活用しましょう。
年金の受け取り方 繰り下げで税金・社会保険料・医療費の負担増に注意が必要です。民間の個人年金保険 受け取り方は年金方式がいいです。

ゲスト】虻川美穂子 【講師】ファイナンシャルプランナー 深田晶恵
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

つみたてNISA 運用益無課税・iDeCo 年金積立金が所得控除

税金面の優遇措置などで国が後押しする少額の投資制度
(虻川)言葉は聞いたことあるんですけど 一歩踏み出せない そういう状態です。
ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんがアドバイス
投資は練習しなければうまくならないので 一歩踏み出してみる。

つみたてNISA ニーサiDeCo イデコ
投資方法定期的・継続的な買い付け
月1000円程度(金融機関による)
定期的・継続的な買い付け
月5000円~
積み立て可能額年40万円 ⇒ 120万円年14.4万円(公務員)
年14.4万~27.6万円(会社員)
年81.6万円(自営業)
税の優遇金融商品では運用益に 年間20%
ほど課税されるが
20年間非課税恒久化
積立金が所得控除の対象
運用益非課税受け取り時
税負担軽くなることも
対象運用商品金融庁の基準を満たした商品
投資信託など
金融機関が選んだ商品
投資信託・預金・保険など
払い戻し自由60歳から
気をつけるべき点投資商品なので元本割れのリスク投資商品なので元本割れのリスク
相談者松野明子さん 40歳 派遣社員
一人暮らし 老後の資金
木村雅美さん 57歳 会社員
会社員の夫と共働き
4人の子どもは独立
月2万円定期預金 ⇒
月1万円定期預金 月1万円NISA
口座は地方銀行
運用商品は投資信託1種類
日本の代表的な企業の株価
日経平均株価と連動するもの
10年ほど前知人に勧められ
郵便局で月1万5000円 投資信託購入
3年前から1部つみたてNISAの投資
商品選びリスクが少ないもの希望
(海外の株を含むものはリスク大)
知人に任せる
⇒自分で考えて運用したい
手数料年 200円程度の手数料
日経平均に連動 信託報酬 0.187%
約1年で13万円を積立て投資
商品は
新興国株に連動(信託報酬 0.374%)
先進国株に連動(信託報酬 0.22%)

つみたてNISA制度の変更が予定されています。
積み立ての上限金額は年額40万円から年額120万円に。運用益への優遇も20年間から恒久化される予定です。
※iDeCo 商品は投資信託のほか元本確保型のものなどがあります。ただし年金制度であるため60歳まで払い戻しができません。

投資で失敗しないコツ 運用スタイルと手数料・長期運用

■投資で失敗しないコツ
絶対にもうかるセオリーはないんですね。安い時に買って高い時で売るというのは結果論で。
そう考えると「絶対に これだけやっとけば大丈夫」と言われたら それこそ怪しい話です。
積み立てで投資をしていくというのは失敗しないコツの一つでもある。持ってるお金 全部を投資に回すのではなく、収益を狙って投資と貯蓄を組み合わせる

■つみたてNISA
身近な金融機関、大手銀行・地方銀行・店舗のある証券会社・ネット証券もやってます。NISAとは 口座なので、そこの金融機関に口座を開くことなんですね。
まず私のお勧めは 本(投資関係の入門書)を1冊買って読むこと。そして欲しい商品の売っている金融機関に行く。
本当に一番大事なことを言います。手数料です。「手数料は投資のもうけの足を引っ張る」
300万円を30年間 長期運用して4%で増えていったとしたら、手数料 0.5%ならば 814万円、手数料 2.0%ならば 533万円 受け取れます。

投資の運用スタイル

インデックス型アクティブ型
投資スタイル日経平均株価など指数に
機械的連動
運用会社が考える有望な投資先に
収益・リスク市場平均並市場平均を上回る運用目指す
手数料安い高い

アクティブタイプは積極運用、ファンドマネージャーという運用の担当をする人が投資戦略を立てたり、複雑な計算をするため 経費がかかるので 手数料が高い

■長期間 投資することでプラスに
松野さんは 1年間で およそ4000円のマイナス、 貯蓄していた方がいいのか 不安になっています。
1990年1月から2022年10月までおよそ32年間 毎月3万円ず世界の株式に連動する商品に積み立てた場合の試算のグラフです。青色が投資額の合計で 1182万円に。赤い折れ線は資産の評価額を示し 現在5877万円になっています。運用する間に景気の変動はありますが長期間 運用することで 資産評価額は全体としてプラスになっています
その理由は、商品をりんごに例え 毎月1000円分りんごを積み立てていくと考えます。りんごが1個100円の場合10個買えます。次の月にりんごが50円になっても1000円分買い続けるので この月は20個買うことになります。安い時にやめずに買っておくのがポイント。そのうちにりんごの価値が上がってくれば それまで投資した額を上回ることになります。

深田さんは マイナスに不安を感じる松野さんに アドバイスしました。
「絶対やってはいけないこと ○○ショックのような大暴落が起こったら びっくりして売ってはいけない長期の積み立ては 長期でないとダメで 長期のスタンスで臨むこと

運用レポート活用

■商品を自分で選ぶポイント
つみたてNISAを始めて3年の木村さん、1万円は安全に投資、5000円は冒険したいと考えています。
今まで経済に関心を持ってこなかった人は 日本株の投資信託 が無難です。積み立てを始めると運用レポートで毎月の運用状況を紙やネットで見ることができます。
松野さんが運用している日本株のレポートでは日本で存在感の高い業種や企業が分かります。さらに日々のニュースでも株価の動きが伝えられる。すごく大きく上がったら なぜ上がったのか、大きく下がった時はなぜ下がったのかという解説が入るので こういうのに関心を持つことが大事です。「買って持って売って」で 1つの経験なので。
なんとかショックというのはやはり あるので 下がってる時にびっくりして売ったら損確定だけれども、経済は大きなサイクルがあるので 株価も景気も上がったり下がったりしてます。リーマンショックで株価が下がっても 5年ぐらいで 世界経済は元に戻った。ということは その時売らなければ いいわけです。
■投資している商品の運用状況が分かるレポート(世界株に投資)
先進国 日本・アメリカ・ヨーロッパにアジアを足すと大体 世界株になります。
組入上位10か国:これはアメリカ56%。去年の夏ぐらいは60%位でした。2位の日本が6%とか。
買ってなくても インターネット上で運用レポートが見れるので、この国とか 投資している先の業種・企業名(銘柄)を見るだけでも面白いですよ。
やはり今はITが伸びているので 分散してもIT企業とか、エネルギーの会社というのが上に来ていることが多い。人によってそれぞれなので、あまりにアメリカが多いものは嫌だから 日本がいいわとか、逆に世界中に投資をしていると 日本がちょっと元気がなくても アメリカやヨーロッパが頑張ってくれれば 分散なるとか、レポートを見ながら 自分の夢を膨らませていくといいのでは。
■iDeCoもやっていた方かいい?
iDeCo確定拠出年金60歳以降に老齢給付金を受け取ることができます。
今後 大きなライフイベント(結婚・出産・学資・マイホームなど)がある方は 60歳まで使えないことを考慮すべき。そういう人は つみたてNISAの投資額を 上限の年額40万円まで徐々に増やすことをアドバイスします。
年金からではなく 退職金など大きなお金が入った場合に 少しずつ投資に回すよう指南しました。
iDeCoは その年の働いていた収入に対しての所得税 翌年の住民税節税になるので、現役で働いてる 会社員・公務員・自営業の人で余裕があれば 1つの選択肢です。
専業主婦の人もiDeCoできるんですが 税金を納めてないので 税金が安くなるメリットはなく 60歳まで引き出せないので、つみたてNISAでいいわけですよね。

■投資の終わるタイミングは自分次第です。
働いてる間は ずっと続けたいなと思ってまず一つやってみます。リタイアをした段階で あまりに預金のほうが多いなと思うんだったら つみたてNISA続けて収益性を狙うのもありですし、全部売って 預金にしてもいいですし まず始めてみましょう。
売るタイミングは お金が必要な時に必要な分だけ売る でいいと思います。

年金の受け取り方 繰り下げで税金・社会保険料・医療費の負担増に注意

50歳を過ぎて来る ねんきん定期便には 65歳から受け取る年金額が わりとリアルな金額が出てきます。そのうえで 50代は最後のためどきですから、これからどうやって貯め行くか 投資を始めてみようかなという 戦略を考えるうえでも ねんきん定期便は見なくてはいけないですね。
■年金の受け取り方
東京都に住む 西村さんご夫妻です。専門学校の教員をしている夫は 59歳。妻は38歳 看護師として パートで勤務しています。子どもは小学生です。
夫のねんきん定期便です。全ての国民が加入する国民年金の分 基礎年金が年63万5000円。事業所に勤め 加入した厚生年金が122万円。65歳で受給を始めると受け取るのは年額186万円です。
年金は65歳で受け取った時を100として 前倒しで受け取ることを「繰り上げ」、遅らせて受け取ることを「繰り下げ」といいます。繰り下げるとその分 受け取る額面が増えます。
西村さんが繰り下げ受給をすると、70歳では264万円(42%増)75歳まで繰り下げると342万円(84%増)になります。ただし繰り下げには注意が必要です。年金収入が300万円の場合 所得税や住民税 社会保険料など47万円が差し引かれてしまうのです。また繰り下げている間収入や貯蓄があり 生活に支障をきたさないことが大切です。
西村さんは 70歳まで いい会社です。妻は 看護婦なので 子供がもう少し大きくなたなら フルタイムで働き 厚生年金に加入する予定なので 夫婦で働き続けることが可能で 繰り下げ受給に向いていると判断しました。
(賀来)年金から 税金や社会保険料引かないでって思いますよね。
(深田)引かれるんですよ。年金は雑所得になり税金と社会保険料の負担は増えます。どんどん年金額を増やしていくと 社会保険料の負担は重くなり 手取り率が減る。思いのほか かかると知っておくってことが大事なんです。他に医療費も75歳以上の所得の多い人は2割でなく3割負担とか、1割負担の人が2割負担とか窓口負担が少し増える事もあります。
(深田)専業主婦期間が長い人は 基礎年金といって国民年金相当の部分しかないので 一気に社会保険料がかかることはありませんし 税金も非課税の枠で収まるはずで 繰り下げに向いています。

民間の個人年金保険 受け取り方 年金方式で

個人年金保険という民間の保険が あります。
豊田功夫さん 58歳 は建設会社で設計の仕事をしています。30年前に民間の個人年金保険に加入しました。それは 保険料は月額1万1300円、30年間 約434万 払い続けると 受取総額が1000万円になります 。
保険会社の人に 良い保険だから 入った方がいいよと勧誘されたそうです。
タイムマシンに乗って昔の保険に入りたいという人が山のようにいる いわゆる「お宝保険」です。
なぜ お宝かというと予定利率が5.5%と高い利率。ちなみに現在 同様の保険に入った場合おおむね1%で、日本のバブル経済期 利回りが高く設定されていた保険なんです。
受け取り予定まで あと2年となった豊田さんは どのように受け取ったらいいか相談しました。
保険会社によると先延ばしは できませんでした。
■受け取り方 長期にわたり分割して受け取る年金方式と 決められた時期に一括で受け取れるものがあります。
豊田さんの場合 分割が適しているのではないかと アドバイスしました。その理由は 65歳まで働き年金以外の所得があること 教育費や住宅ローンなど大きな負債がないことです。

一括で受け取ると受け取り総額は減ります。受け取り総額は1000万円を一括で受け取るとまず減ってしまう。なぜならば 10年間保険会社が運用しながら 100万円ずつ払ってくれるので その運用分が なしになるのと結構 減りますから注意しなくてはいけない。
働いてる間に年金として受け取る(豊田さんの場合 65歳までは働ける)、その間に 受け取った年金には社会保険料がかからない、社会保険料の会社の厚生年金と健康保険はあくまでも給料に対して かかるので。ですが 65歳以降 完全リタイアして国民健康保険 介護保険に入った場合は、個人年金の分も雑所得となります。いい保険というのは羨ましい一方で 意外に税金も社会保険料もかかるので100%いいことばかりでもない。個人年金は受け取りが始まる数か月ぐらい前になったら 保険会社のコールセンターに電話をして確認してください。
(深田)将来のお金に不安を持つ人に いつも言っているのは「勝手に師匠」自分の心の師匠は、経済評論家でも ファイナンシャルプランナーでも何でもいいんですけれども 何人か見つけたら、なんとかショックがあった時に あの人は どんな今コメントをしてるんだろうって ネットで検索すると 必ず大きな動きがあったら 自分の考えを述べてくれています ので背景が分かったりします。
制度変更とか なるべく いろんなものをチェックすることによって 新聞やニュースやネットのニュースでもどんどん目に飛び込んでくるので それを読んでいく。まずは読むことに慣れる。

▽まとめ&感想

今まで 金融商品についてまったく知らずにいました。もうこの年になれば手遅れで 知っていれば良かったと思います。私の入っていた「お宝保険」保険会社が破綻して 残念です。入り直した個人年金、わずかですが 年々お小遣いが欲しいと分割にしていて正解だったですね。