所さん大変ですよ 「ミステリー!?謎の魚が都内に続々出現」▽こんな話

NHK総合 9/24 木曜日 午後7時30分~
所さん!大変ですよ
【司会】所ジョージ,木村佳乃,合原明子
【出演】さかなクン,ヤマザキマリ,牛窪恵,伊藤海彦【語り】吉田鋼太郎

最近、都内の鮮魚コーナーで見慣れない魚介類を見かけることが増えた。これまでは漁獲量が少なかったり、身が傷みやすいため産地でしか食べられてこなかった魚が「ある理由」で流通するようになったのだ。その秘密とは?さかなクンが現地取材で徹底解明する!!さらに、スタジオには希少だが絶品の魚が続々登場。幻の魚「スマ」に、水産関係者がウマいと口をそろえる「コバンザメ」。驚きの味に所ジョージと木村佳乃もびっくり仰天!

出典:NHK HP

カゴカマスなどの未利用魚が食べられるようになった

さかなクン(東京海洋大学 名誉博士)がロケに行ってきてくださいました!
まずは こちらをギョ覧くださいね!

秋葉原にやって来ました。
さかなクンが訪ねたのは、都内にある居酒屋チェーン。
早速 うわさの珍しい魚を、見せてもらう。
てんこ盛りですね。
これは珍しい!カゴカマスちゃん。
現れたのは 鮮魚店では、まず目にすることのない珍しい魚。
これまで あまり 必要とされてこなかった
未利用魚
漁獲量が少ない・身が傷みやすいなどの理由から市場に出回ることの少ない魚

カゴカマスちゃんっていうのは、タチウオやカマスに近い魚だが、深いところにいて、なかなか取れない、姿を見るのもはじめて

軽くあぶって 頂く そのお味は、美味しいです。甘いです。
すんギョい ふんわりして、口の奥まで ぎゅーっと来る甘さです。
もう一切れ、食べちゃっていいでしょうか?

未利用魚は産地から直接仕入れ 鮮度を保つ特別な技「神経締め」

しかし、市場に出回ることの少ない未利用魚を、どうやって仕入れているのか。
仕事が忙しいさかなクンに代わって、ディレクターが向かったのは、羽田空港近くにある
居酒屋チェーンの倉庫 平沼さん

見せてくれたのは この日の朝、静岡から届いたばかりの魚たち。
オキザヨリっていう魚で、なかなか流通しない魚ですね。
さらには、巨大なサメ(コロサメ) 鮮度がよいと、洗いで食べられる。
ボウズギンボ・タカノハダイなど、多いときには 一日30種類の珍しい魚が届くという。

聞けば この居酒屋チェーンでは、市場や仲卸を通さず、全国50を超える漁師や漁協から、直接 送ってもらっているという。
ネットの普及に伴い、産地から直接、魚を購入できるケースが増加。

この居酒屋チェーンでは、未利用魚を美味しく食べるための工夫も
こういった未利用魚は、足が速いので、漁師さんが特別な技を施してくれています。

岩手県 陸前高田市 漁師歴60年 吉田大八郎さん 75歳。
港を出たのは、まだ日も昇らぬ午前4時。沖に出ること1時間半。
水深200mの海底から引き上げられた、籠に入っていたのはドンコ
深海から上がるから 胃袋が こういう風に、風船のようにふくらんで出ています。
通称「ドンコ」こと「チゴダラ」。

このドンコの鮮度を保つため、施されるのが 特別な技だという。
吉田さんが手にしたのは、何やら細長い棒。そして 魚の頭をブスリ!神経締め
必殺仕事人。
そう これこそが、未利用魚をおいしくする漁師の技。
生きている魚の神経を破壊することで、死後硬直を遅らせ、鮮度を長もちさせるのだという。
こんな事、やっているのは俺ぐらいだけど
この技のおかげで、新鮮じゃないと食べられない、肝あえなど、絶品料理が都内で食べられるのだ。
今から、そういうの(神経締め)を覚えていかないとダメじゃないの
漁師も生きていくのに、必要だと思う。

未利用魚のコバンザメ試食

珍しい魚 未利用魚、VTRで たくさん見てきましたけども、こちらにご用意させていただきました。
ツバメウオ・トビエイ・縦縞巾着ダイ

皆さんに食べていただきたいのは、未利用魚の中でも絶品といわている未利用魚。
用意しましたので ぜひ。白身のお刺身ですね。
これはですね、未利用魚を扱う業者の方に聞くと、皆さん 口をそろえて もうね 大絶賛。
コバンザメです。
霜降りみたいな。おいしい魚! 脂が、 溶ける!

コバンザメちゃんは、名前の通り 頭に小判のような吸盤が付いています。
元々は吸盤のない姿をしていたが、大きいサメやエイに寄り添ううちに、ひれが吸盤のようナカ達になって、くっつくようになった。


(牛窪)産地直送が増えてるのは、実は 魚だけじゃなくて、野菜もなんですね。
そこに一役買ってる最新の技術が フリマアプリなんです。
ご覧のように、新鮮な朝取り野菜を始め、バターナッツカボチャなど珍しい野菜も、販売されています。簡単にアプリ手に入るので、若い人がこれを買っています。

「幻の魚」 愛媛の愛南町の養殖スマ 傷みやすく傷つきやすい

さかなクンが訪ねたのは、都内 日本橋の百貨店 。鮮魚店 亀山店長
「幻の魚」と呼ばれるスマ
スマはカツオに近い仲間なんですが、大きな群れは作らず、日本近海では、余り採れない。
流通量も少なく、「幻の魚」と呼ばれる


鮮やかなピンク色をして、いかにもおいしそう。
店長によれば 3年前から、幻のはずのスマが、突然、定期的に入荷するようになったという。
愛媛から、新しい技術によって手に入れることが出来るようになった。

仕事が忙しいさかなクンに代わって、ディレクターは愛媛県 愛南町の漁港を訪ねる。
なんと 幻のはずのスマが、大量にいるではないか。
一体 どういうことだ?その答えは、船で沖に出れば分かるという。

いけすでスマを養殖しています。生けすのに水中にカメラを入れて撮影すると、すごい、めちゃくちゃ いるじゃないですか。
水産会社 主任 吉岡さんに尋ねると まだ全然生態のわからない魚種でしたので、未知の点も多かった。
今でこそ6000匹いますが、最初は本当に難しかった。


難しさの一つが、スマのエサ
独特なのは そのやり方。 大量のイワシを吹き飛ばします。
そう言うと 船に取り付けられた筒が、ゆっくりと上昇。
大量のイワシが、勢いよく発射されていく。(イワシのマシンガン)

スマは回遊魚なので、端っこにエサをまくと、網に突っ込んでしまいます
スマが網に突っ込む事故を防ぐため、マダイやハマチの養殖では見ない、この独特な方法にたどりついたという。

スマはものすごく傷みやすく、傷つきやすいので、釣り竿とウレタンマットを準備。
担当者が 、生けすに仕掛けを放り込み、スマを釣り上げた。
そして ふかふかのウレタンマットの上で、即座に締める。

聞けば スマは繊細な魚で、少しでも体が傷つくと、身が傷んで 味が落ちてしまうという。

ここまで手間がかかるスマを養殖する理由とは?
日本人になじみの深い、クロマグロも天然資源が減少しています。
そういう面では、スマ養殖は大きな可能性を持っている。

絶滅のおそれがあることから、クロマグロは、世界的な漁獲規制が敷かれている。
愛媛県は、大学や生産者と連携し、2013年から スマの養殖プロジェクトに取り組んできた。
調べてみると 和歌山県でも、同時期にスマの養殖に成功。
もしかしたら 今後 幻の魚 スマが、当たり前のように、食卓に上る日が来るかもしれない。

その幻の魚 スマは、こちらです。
ずいぶん ツヤツヤだね 。丸々してますね。
全身 トロといわれてるぐらいですから、どんなお味がするのか。
力入れなくても 、そしゃくしないで溶けていくよね。

(ヤマザキ)世界のあちこちで、暮らしておりますから、日本の鮮魚店で余り見かけない珍しい魚を食べることも、よくあった。そんな中でもね、特に印象深かったのは、ボルトガルで食べたこちらの「サルモネッテ」っていうんです。日本語だと ヒメジですね。
ちなみに この魚、古代ローマの人の大好物で、古代ローマの邸宅の浴場からヒメジのモザイク画が多数見つかっています。
ヒメジは 今でも ポルトガルとかイタリアとかフランスなどでは人気のある魚なんですが、日本では見かけない。

(さかなクン)ヤマザキ先生が、大好きなヒメジちゃんということで、私 探してきました。
なんと 千葉県の館山の海で、定置網で採れました。
本物です。 かわいいですよね。赤い魚で、長い2本の口ひげが生えてます。
(さかなクン)このヒメジちゃんは、ヤマザキ先生に、プレゼントさせていただきます。
家の母がヤマザキさんに、お花も添えてと。まさます、おもちゃみたい。

北米から来た ホンビノス貝は旨味があり 大量に出回りそう

最近 都内のスーパーなどで、少しずつ見かけるようになってきた、謎の貝があります。
東京湾に面する、船橋漁港では、ここ数年ホンビノス貝の水揚げ量が増加。
年間1000t以上に達するという。
漁師の吉種さんに、一体 どうやって、そんなにたくさんの、ホンビノス貝をとっているのか?
特別に漁を見せてもらう。
使う道具が、重そうですね。身長の3倍はありそうな長い棒の先に、金属製の40kgもあるカゴ。

船が進むのに合わせ、籠で 海底に潜む、ホンビノス貝をかき取っていくのだ。
上げますよ。
いっぱい入ってますよ!
漁師によれば 多い日は、30kgも とれることがあるという。
苦労してとったホンビノス貝、そのお味は?
何て表現したらいいか、分かんないけど旨味がある

かつてはアサリの産地(三番瀬)として知られた船橋。
しかし、青潮(貧酸素水塊)や大雨による土砂の流出により、アサリの大量死が頻発。
ほとんど とれなくなってしまった。そんなとき 新たに発見されたのが、北米原産のホンビノス貝だった。
年間通して水揚げがある。1年間死なずに強い貝。私たち漁師にとっては大切な資源。
まさに、救世主のような存在

漁師によれば ホンビノス貝は、酸素の少ない海でも生息できる生命力が強い貝。

そもそも北米原産の貝が、なぜ船橋で大発生しているのか
真相を探るため、さかなクンが連絡したのは、東京湾の漁業と水産資源を研究する、東京海洋大学 工藤貴史准教授。

(工藤)船のバラスト水によって、運ばれてきたと考えられています。
バラスト水」とは 積み荷がないとき、貨物船のバランスを取るために、取り入れる海水のこと。
海外で取り込んだバラスト水は、日本で貨物を積むとき 排出される。
このバラスト水に混じって、ホンビノス貝は、北米から東京湾にやって来た可能性が、高いという。
外来種だからといって、すべて悪者ではありません。
ホンビノス貝は駆除の対象になっていないし、特定外来生物にも指定されていない。
ホンビノス貝は外来種なのに、水産資源に利用される珍しい生物


都内のスーパーマーケットを訪ねると、ホンビノス貝ちゃんじゃないですか!
アサリ・シジミ・ハマグリと比べて安価で手に入る。
ハマグリよりも旨味がある。そのわりには、ホンビノス貝の値段は、ハマグリの半額程度。
近い将来 おふくろの味が、ホンビノス貝のみそ汁なんて日が、来るかもしれない。

(ヤマザキ)私ね ポルトガルに住んでたんですけど、そのときに いろいろ おいしい貝を食べるわけですよ。その一つが カメノテ
現地の人は、ボルトガルに来たからには、これを食べてなれろ、みたいな感じで連れていかれて
食べさせられたのが、これなんですけど。
でも 食は言語に勝る外交だと、私は思ってますから、 食べなきゃいけないと思って
見た目からは もう 想像できない すばらしいですね。

でも ヤマザキ先生 すいません。カメノテは貝に見えて、貝ではないんです。エビやカニに近い甲殻類。
あれ 何か 岩とかに引っついてて、全然動いてないですよ。
そうなんです。 でも 実は、赤ちゃんのときは ちゃんと泳いで、よし ここに暮らすぞって決めると
そこにピタッとくっついて。フジツボもカメノテと同じ甲殻類

▽まとめ&感想

カゴカマスなどの未利用魚が食べられるようになった。
未利用魚は産地から直接仕入れ 鮮度を保つ特別な技「神経締め」。
「幻の魚」 愛媛の愛南町の養殖スマ 傷みやすく傷つきやすい。
北米から来た ホンビノス貝は旨味があり 大量に出回りそう。