NHK総合 9/3 木曜日 午後7時30分~
所さん!大変ですよ「はに丸もビックリ 埴輪に魅了される人々」
【司会】所ジョージ,木村佳乃,合原明子
【出演】ヤマザキマリ,牛窪恵,はに丸,伊藤海彦 【語り】吉田鋼太郎
東京国立博物館から不思議な情報が飛び込んできた。かつて古墳に並べられた「埴輪」が最近、若い女子の間で大人気だというのだ。理由は、埴輪が持つ神秘性と、かわいらしい表情。家に自作の埴輪を100体以上飾る「埴輪女子」まで!さらに取材を進めると、埴輪界のスターとよばれる「踊る埴輪」が実は踊っていないという衝撃の研究結果が飛び込んできた。「おーい!はに丸」もビックリ。あなたの知らない埴輪ワールド!
出典:NHK HP
陶芸家 志村さん 埴輪を作り、助けられた。
神奈川 丹沢山地、うっそうと木が生い茂る、深い深い森の奥。
この山には、仙人のような男がおり、あるものに取りつかれているというのだ。
半信半疑で、やぶの中を進んでいくと、埴輪が並んでいた。
陶芸家 志村正之さん
埴輪に助けられた。 感謝するような気持ちの中で 作っていった。
21年前 家族を町に残し、一人 山に籠もり、創作活動に打ち込んだ男性。
しかし、10年ほど前から、応援してくれる人たちが70才75才と高齢になって、売上が下がってくる。
先細ってきた。
そんなとき、苦しさや寂しさを紛らわせるため、作り始めたのが埴輪だった。
埴輪を作ることで 少しずつ、前向きな気持ちを、取り戻していったという。
「今度 こんなのを作りましたよ」って言って、展示会に出したら、喜んでくれた。
今では 年1回の販売会で、100以上の埴輪が売れるほどの、人気となった。
しかし 一体なぜ、埴輪が売れるのか?
埴輪ブーム?そんなものが 本当に起きているのか?
埴輪ブーム 東京国立博物館 来館数大幅増・埴輪グッズ大売れ
東京国立博物館(埴輪の所蔵数が国内有数)
ディレクターが取材したところ、感染症対策で、入館が制限されていたにもかかわらず、結構人がいます。あの方 すごい熱心に、見ています。埴輪女子らしき人物もいます。
埴輪歴20年という研究員も 河野正訓 研究員は驚きを隠せない。
昨年くらいから、埴輪がブームになっていると肌で感じる、
10~30代の若い方に人気があるようです。2019年度の来館数は260万人。4年前に比べ60万人増加。
そこで 土産コーナーの埴輪グッズを、充実させたところ、埴輪ソックスは4年前よりも2倍以上の売上。年間1万足売れる、大ヒット商品です。
所さん! 埴輪が大変ですよ。はやってるみたいですね 埴輪。
(合原)小学生の時なぜか、埴輪ブームがあって、クラス皆が、イラスト書いていた。
はにゃ! 僕はね 埴輪の王子 はに丸だよ。
埴輪のことを教えてあげるために、今日はね、専門家として呼ばれて来たんだよ。
僕たち 埴輪が作られたのは、3世紀から6世紀ごろ。権利者のお墓である古墳に、並べられた焼き物。
(はに丸) 伊藤アナ 例のものを出してくれたまえ。
かしこまりました。
今日はですね、代表的な埴輪のレプリカを ご用意いたしました。
「円筒埴輪」3世紀中頃から作られた。
(はに丸) 古墳時代が始まった、当初から作られていて、 この円筒埴輪が、一番 たくさん見つかってるんだ。
この 円筒埴輪は何に、使うもんですか?
(はに丸) そういうことは、僕はよく知らないよ。(笑い声)
円筒埴輪は元々はお供えを置く台 大量に並べ権力を示した。
専門家が「知らないよ」って。
(はに丸) 専門家だけどね、「5歳児だからね」
何ですか? それは。
(はに丸) じゃあ 続いて、4世紀中頃から、作られるようになった、「家形埴輪」。
死後の世界で住むおうちがなくて、困らないようにって、作られたのね。
権力者の家とあって、立派な一軒家が多い。
(はに丸) 所さんの家と比べてどうかな?
(所) 家の方がいいね。
(はに丸) すごくいやな感じ。
(はに丸) お隣は 5世紀中頃から作られ始めた、「人物埴輪」。
僕も その中の一つで、僕はね 「武人埴輪」っていうの。
甲冑で全身武装してて強そうでしょ?かっこいいでしょ?
(牛窪) はに丸くんもそうなんですけど、埴輪は、愛嬌のある目と、丸みのあるフォルム(形)がかわいくて、ギュッとしてあげたい、感じです。
埴輪の形を模した、かわいいスイーツも売れている。
例えば こちら、埴輪プリンに埴輪まんじゅう。
「踊る埴輪」は、 踊ってるような しぐさ 実は馬を引く人物 ?
この埴輪ブームを牽引した大スターがあった。
この「踊る埴輪」(正式名称 埴輪踊る人々)は、 踊ってるような しぐさが特徴です。
教科書にも載っている、さまざまなグッズが販売されるなど、埴輪界の大スター。
踊る埴輪は、最近の研究で、実は踊っていないじゃないかって、言われ始めている。
ディレクターは 再び、埴輪歴20年という、研究員のもとを訪ねた。
実は、馬を引く人物ではないかと、言われています。
聞けば 踊る埴輪のように、片手をあげた埴輪が、馬と一緒に出土することはよくあるという。
馬をひくポーズだといわれる理由は、もう一つ。 背中に鎌を提げていて、馬のエサである草を刈ったり、足のひづめを整えたりするのに使った。
埴輪界のスター 踊る埴輪は 将来、「埴輪 馬をひく人」になっってしまうかもしれない。
(木村) 馬を引く時は右手が上になるから、やっぱり踊ってる?
私たち 混乱しちゃうんですよ。ヒモぐらいつけておけっていうの。
60年前、今以上埴輪ブーム それは宮崎の「はにわ園」
遡ること60年ぐらい前、1960年代 1970年代は、今以上埴輪ブームだった。
そのブームのきっかけとなった場所が、宮崎県。
宮崎、いきなり 4メートルはあろうかという、巨大な埴輪がお出迎え。
さらに 駅前には、はに丸王子と ひんべえ。
マンションのエントランスには、シーサーのように。
そして、小学校の正面玄関にも埴輪がありました。
小学生に聞いてみると、「宮崎のシンボル だから」
真相を探るため、ディレクターは県庁へ。
宮崎県の観光の歴史と、非常に密接な関係がある。
担当者が見せてくれたのは、「太陽と神話の国 宮崎」というパンフレット
聞けば 宮崎県には、神話の舞台として、登場する地名(高千穂 など)が各地にあり、神話との関わりが
深いという。
そこで 県は、こうした神話の舞台を売りに、観光客の呼び込みに力を入れた。
その目玉として 県は、1962年 ある施設「はにわ園」を作った。
それが、こちらです。「はにわ園」。右を見ても 埴輪。左を見ても 埴輪。聞けば その数 なんと400体
はにゃ! いっぱい!
こんなに埴輪が飾ってあるということは、たくさん出土するのか?
古墳の数でいうと、宮崎は 全国で30位。
つまり 古墳を囲む埴輪の数も、多くないということのようだ。
さらに 担当者から、驚きの言葉が飛び出した。
ここにある埴輪は県外で出土した埴輪をモデルに作られたもの と聞いてます。
こちらは 埼玉県で出土した埴輪(短甲のの武人)をモデルに作られたやつですね。
こちらの埴輪は、群馬県で出土(桂甲武人)したものです。
謎多き はにわ園。一体 なぜ 県は縁もゆかりもない、埴輪の公園など作ったのか?
はにゃ!
実は、一人の女性本部マサによって作られた。
埴輪の母こと本部マサ(明治40年~平成年)が生まれたのは明治40年。
マサの数奇な運命を振り返ってみよう。再現ドラマは初めてですね。
宮崎県の中央にある、西都原古墳の近くで生まれ、幼少期は 古墳から出土する、埴輪のかけらを、おもちゃに育ったというマサ。
高校生になると 全国の博物館を訪ね、埴輪をデッサンした。
宮崎に戻ると マサは、みずから集めた資料を基に、埴輪のレプリカ作りに没頭。
一体一体 忠実に再現していった。
1955年 埴輪の出来にほれ込んだ、家族の勧めで、マサは埴輪専門の製作所を設立。
マサの活動に、「神話の国」としてPRしていた、宮崎県が目をつけたのだ。
県はマサに 400もの埴輪の制作を依頼。はにわ園の開園に踏み切った。
すると 完成した はにわ園で、最大の奇跡が起きた。
詳しい事情を聞くため、マサの親族を訪ねた。
来園者の第1号が、当時の皇太子ご夫妻でした。
1962年、当時 皇太子だった上皇さまは、上皇后さまと共に 九州を歴訪された。
ちょうど 宮崎を訪問した際、はにわ園が完成したことから、偶然にも来園された。
さらに 同じころ、元皇族の島津貴子夫婦が、新婚旅行で宮崎を訪問。
宮崎に 新婚旅行ブームが到来。
ピークには、その年結婚したカップルの3分の1が、新婚旅行で宮崎へ。
そして 土産として買って帰ったのが、マサの埴輪だった。
はにゃ!
このとき すでに埴輪は、宮崎土産の代名詞となっており、マサの製作所では、毎日1, 000体もの埴輪が量産された。
いろんな、偶然に偶然が重なり、60年前 宮崎で埴輪ブームが起こった。
大阪 豊中市の、谷村さん夫婦。57年前 新婚旅行で宮崎を訪れ、はにわ園にも立ち寄った。
そのとき 記念に購入したのが、30センチほどの武将の埴輪。
ずっと玄関に飾り、大切にしてきたという。
人生のお守りというか 何というか、埴輪に 何度ひびが入っても修復し、大切に大切に飾ってきた。
埴輪の御利益があってか 今年で結婚57年。夫婦仲は今も良好だ。
(木村)はいはい はいはい!木村家の庭に、埴輪が置いてありました。庭の隅の方に 埴輪が2体おいてありました。家のもきっと、そうだったんじゃないですかね。
(ヤマザキ)私もですね、結婚をするときに、夫からもらって大事にしているものがある。
それが こちら。指輪でございます。もともと この中の石ですね、古代ローマ帝国の遺跡で発見された
カメオだったんですけども。
家の旦那 ベッピーノさん 5才からためていた、お小遣いを全部使い果たした。
埴輪女子は 埴輪を手作り 囲まれて暮らしている
埴輪女子 医療関係者 倍賞智子さん
外部との接触を、控えているということで、ビデオ通話で取材。
都内の総合病院の総務課で働く、 医療従事者の方。
新型コロナウイルスの、流行が拡大した当時、女性が働く病院でも、コロナ患者を受け入れていたという。
不安な日々を過ごす間、女性が肌身離さず持ち歩いたのが、埴輪のお守りストラップ。
子どものころから、埴輪が大好きだったという女性。
3年前からは、運気が少しでも上がるようにと、埴輪のお守りを作り始めた。
埴輪には、結界(仏道修行に障害のないように一定地域を聖域として定めること)とか、魔除けの意味があるそうです。
この埴輪がコロナから守ってくれると、信じています。
手作りの埴輪に囲まれて暮らしている園部惠永子さん
「ハニワ生活」と書かれたTシャツを着ています。
埴輪と一緒に生活していこう、という思いを込めて作りました。
部屋を見せてもらうと、うわ~ すごい!、埴輪が100体?はい。
女性が埴輪に引き込まれたのは5年前。
当時は大学生で、バイト先の人間関係に悩んでいた。
埴輪を見ると、心が癒やされる。日常の嫌なこと忘れさせてくれる、埴輪のおかげで心が軽くなっていった。
埴輪に囲まれて暮らしたいと願い、自作することを決意。
すると あっという間に100体を超えた。
へえ~!今後も埴輪をたくさん作っていきたいし、一緒に生活していきたいと思ってます。
いやあ 埴輪に守られたり癒やされたり、埴輪を側に置く暮らし 楽しいですかね?
▽まとめ&感想
丹沢山地にお住まいの陶芸家 志村さん 埴輪を作り、助けられた。
埴輪ブームで 東京国立博物館 来館数大幅増・埴輪グッズ大売れ。
埴輪界のスター「踊る埴輪」は、 踊ってるような しぐさ、 実は馬を引く人物 ?
60年前、今以上埴輪ブーム それは宮崎の「はにわ園」に新婚旅行
埴輪女子は 埴輪を手作りし囲まれて暮らしている
「おーい!はに丸」懐かしかった。
新婚旅行 宮崎ではなかったけど、はにわ見たら買っていそうです。