あしたも晴れ!人生レシピ「ダウンサイジングで小さく豊かに暮らす 」▽こんな話

Eテレ 2022.5.20
料研究家の藤野嘉子さんは60歳を目前に住まいをダウンサイジングしました。働き方を見直し 新たな暮らしはコンパクトに☆5人家族で暮らす家は長く使える日本家具を使って収納、モノを増やさない 余白を持たせスッキリ管理☆平野ノラさんはモノを減し 散らからない見事なシステムを構築しました。

【ゲスト】平野ノラ,藤野嘉子【講師】編集者・ライター 柳澤智子
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

住居のダウンサイジング 料理研究家の藤野嘉子さん

今回のテーマは「暮らしのダウンサイジング」です。ダウンサイジング つまり サイズを小さくするということです。今回のゲスト 平野ノラさんです。ノラさん 意外なことに スッキリ シンプルに暮らしてらっしゃるんですよね?

(平野)そうなんですよ。 かつては本当に片づけられない 汚部屋に住んでいたんですけれども。

まずは住居のダウンサイジングです。料理研究家の藤野嘉子さんは「きょうの料理」をはじめ 数々の 料理番組に出演する料理研究家です。 6年前 150㎡のマンションから 半分の広さへ ダウンサイジング。
現在は2LDKの賃貸マンションで 夫・賢治さんと2人暮らし。 暮らす街も大きく変わりました。
何と言っても 魅力は ベランダからの眺望なんだそうなんです。

リビング、かつては 25畳もありましたが 現在は4分の1以下の6畳に。テーブルはパソコン用のものを使っています。
ここは藤野さんの母 日出子さんの部屋。介護施設に移ったのを機に仕事場にしました。
部屋にあるのは 日出子さんが 手放せなかった和だんすと 藤野さんの仕事用の品々だけです。
以前は大型の本棚2つ分もあった 料理関係の本は 棚2段分に収めました。

そして料理研究家の藤野さんにとって大切な調理器具。思い切って処分したそうです。
本当に デイリーに使うものだけです。大さじ 小さじ。5~6本あった おたまも2つ。
便利に使える 皮むき器キッチンばさみだけ残しました。

藤野さん夫婦が小さく暮らす契機となったのは 2011年の東日本大震災でした。当時 賢治さんは フランス料理店のオーナーシェフでしたが 大震災があって その日の 夕方からすべてキャンセル、2.3ヶ月くらい 来客 0 の日が続いた。4年後 賢治さんはレストランを閉め 小さな料理ラボを開く決意をしました。
それに伴い 持ち家を売却しようと 藤野さんに相談しました。3人の子どもを育て 25年 暮らした 住まいを手放す決心をした藤野さん夫婦。
引っ越すにあたって 一番 困ったのが 長年 使い続けた 30を超える家具。和だんすや愛着があるものを除き専門業者に引き取ってもらいました。

藤野さんも衣類を数多く処分。 残したのは 春用のブラウス5枚 パンツとスカートは それぞれ3枚
冬用のコートを数枚 残しました。衣類が増えないようコーディネートを考えて購入。
1枚 買ったら1枚 捨てるルールを作り、一方で スカーフやブローチなどの小物でオシャレを楽しんでいます。

小さく暮らし始めて 夫婦それぞれに 新しい習慣もできました。藤野さんは毎朝6時30分にランニングへ出るようになり 30分かけて5キロほど走ります。走り始めて1年でフルマラソンに挑戦。2016年 名古屋ウイメンズマラソン 見事 完走しました。

夫・賢治さんも新たな趣味 釣りを始めました。さらに社会保険労務士の資格を取ることです。

この住まいで夕食を作るのは藤野さん。小さなキッチンには使いやすい工夫があります。
私は 洗いカゴをなくしたので調理台を広く使えます。そして食器棚には 盛りつけに使える
スペースを作りました。

調理のしかたも ダウンサイジング。以前は必要な物をそろえてから 調理を始めていました。
今はそのつど 冷蔵庫から出し入れします。野菜も調理しながら はさみでカット、そのまま フライパンへ。
料理のセッティングは 賢治さんの担当です。

ダウンサイジング マイナスのイメージではなく 次に進めるステップ

料理研究家 藤野嘉子さんにもスタジオに お越し頂きました。
住み慣れた家を離れるというのはいろいろなご苦労も おありだったと思うんですけれども。

(藤野)最初に聞いた時は 全然 受け入れられないし、子どもたちの実家が なくなっちゃうのはどうなの? この荷物をどうしたらいいの?と頭が真っ白になってしまいましたね。

シェフは 60になって あと何年 料理人やれるか分かんないのに 私たち こんなに忙しい毎日で 「これって いいの?」っていう疑問がまず だんだん湧いてきて。「働き方 おかしいよね」みたいな疑問も湧いてきて、じゃあ 店を小さくしようって。

そうすると収入と支出のバランスが 悪くなって 大きな家に住んでいることが負担になり、大きなおうちに主人と私と私の母と3人になったので ここも ちょっといいよねというふうに。

ダウンサイジングさみしいとかマイナスのイメージではなく 次に進めるステップだと判ってからは 心が軽くなった。

料理のしかたは そんなに たくさん作んなくても いいや、自宅では好きなものを作って 食べるというスタンスにしたので すごくリラックスして 料理を作ることができる。
調理が大変じゃないことの方が 皆が うれしがってくれる。キッチンでチョキチョキというのでも 生徒さんが「私もやっていいわよね」そういう感じはあります。 きょうの料理では まだやっていないです。

仕事も おうちが小さくなった分 くっついて 暮らさなくちゃいけなくなったので 趣味は 今日は リラックスして 2人で別々のことをしようねっていう 空間を作ってます。
モノやカタチにとらわれていた部分があった。背負っていたものがなくなった分 本当に自分たちが やりたいように ハコとかカタチに支配されないで やりたいように がんばろうね。というふうな意識は目に見えました。

(平野)モノは目に入るたびに なんとかしなきゃ と思うけど後回しになる。そういうのが1個1個 クリアになると やっぱり今 やるべきものとか どう生きていこうとかっていうのに やっぱり見えてくるんでしょうね そこに。 物理的に モノがないのは 生き方に影響している。

(藤野)もう 物がなかったら 調理道具とかも これがなかったら どうしようと思ってたけど、人間って本当に すばらしいことに モノがなくても工夫できる。それで「あっ なくても できるじゃん」みたいな

(藤野)たぶん もう一段階 小さい暮らしにしないといけないと思ってるんですね。それは やっぱり収入と支出のバランスを考えるとね。 それも楽しみで 「次はどういう感じかな」みたいな。

家の白ツツジ

子どもたちがいる家 のモノを増やさない工夫

横浜市の築30年の戸建てのお宅に お住まいの山津潤香さん。4LDKで家族5人 モノを増やさない
暮らしをしています。

玄関を入って すぐのリビング。なんと テーブルも椅子もなし。置いているのは小ぶりな棚だけ。
7畳のリビングは通り道。モノを置きっぱなしにしないためです。
ふすまを外したリビングの隣の和室の4畳半が リビング代わり。家族で団らんしたり 来客も招きます。
部屋の押し入れもふすまを外しています。お客さんが来て 結構 荷物が多い方たちには ここに置いてもらいます。アイロンがけができる作業台にも変身します。下の段は長女の遊び場。押し入れは 見せるスペースとして活用しているのです。

続いて キッチン ここも棚の扉がありません。そうすると ここも マメに掃除するかなというのも考えて。

モノの少ない暮らしは 5回を超える 引っ越しで培われてきました。
潤香さんと和也さんが 結婚したのは 2004年。長男 次男の誕生を機に 65㎡のマンションへ引っ越しました。 その後 リーマンショックの影響を受け 50㎡のマンションにダウンサイジング。ここで長女が誕生し9年間 過ごしました。
ここでの暮らしで 潤香さんは モノの多さに驚きました。独身の頃から持っていたカバン・靴がものすごい量があった。衣装ケース4箱分を処分したそうです。

簡単にモノを捨ててしまうのは お金を捨てるのと一緒なので簡単に手放すモノは買わない。

潤香さんが注目したのは日本の古い家具、壊れたら修理をして 使うという前提で作られているので 100年も前のものが現代にも残っているという話を読んだことがあって、モノを大事にしていきたいという
そういう何か シフトチェンジしていった感じです。

衣類など収納の 間仕切りに牛乳パックを入れ 衣類を取り出しても中身が ぐちゃぐちゃになりません。
他にも夫の釣り具や 晴れの日の食器を日本家具で保管しています。

キッチンの収納では 取り出しやすい「余白」を大切にして 例えば なるべく モノとモノがぶつからならないよう 余白を保つのために使っているのは 100円ショップなどで購入できる 滑り止めシートです。
引き出しの中でも モノが動かず 余白を保てるからです。

さらに余白のために大切なのはモノの大きさ、場所を取らない小さなモノを探すそうです。こちらは持ち手のない3センチほどの皮むき器。計量スプーンも1つで3つの分量がはかれるという場所を取らないものに。
サイズを把握するために 買い物で必ず持ち歩くのがメジャー。家が狭くなったときに モノを少なくしなければいけない とか 限られたスペースにモノを収めなければいけない時に 店で商品の寸法を測って 家に帰り収まると判ったら買いにいく。ちょっと本当に一手間 二手間かかってるんですけども 無駄な買い物しないよう気をつけている。
例えば調味料を買い足す時に 保管する容器に入るかを計測。入るサイズを探して購入するそうです。
毎日のお弁当作り。冷凍室の使い方にも こだわりがあり、冷凍食品を袋から出して お道具箱にいれて保存します。朝 お弁当 作る時とかに 箱を出し必要な分をチンします。冷凍食品を無駄なく使う保存方法です。

ちなみに高2の長男も 部屋をスッキリ使う工夫として ゴミ箱代わりに ゴミ袋を使い、ゴミがたまったら そのまま捨てるだけ。

3つの箱は それぞれ子どもたちが とっておきたいモノを管理する箱です。全部をゼロにするのではなくて このケース1つ分はとっておくことにしています。

手狭な家で必要にに駆られて 住みやすいためにやっていた。今は家族が 子供達や主人が使いやすいストレスにならない収納や空間作りを楽しんでいる。
ご主人も「楽しいですよ。 おもしろいです」

日本家具の良さ 小ぶりなものが多い

多様化する住まいと暮らしの取材を続けているライターの柳澤智子さんは以前 山津さんを取材されたことがあるそうです。

(柳澤)もう5年ぐらい前になるんですけれども 50㎡のマンションに お住まいだった時に伺いまして、 すごく工夫して 過ごしてらっしゃって それが とても楽しそうでいらっしゃった。
変わらないなと思ったのが日本家具ですね。お好きで古い物を集めてらっしゃって 以前のお住まいも 今回のお住まいも うまくインテリアに取り入れてらっしゃった。
日本家具の良さとして 小ぶりなものが多い。 限られた空間でフレキシブルに使うことができる
大変 知恵が詰まったものであって 今 古道具屋さんなんかでも 若い方が好んで買うんだそうです。
子供や女性でも 運びやすいような 狭い 小さい日本の家のサイズ感に合ってるもの たくさんある。

あと年号に合わせて 例えば 2000年だったら 年間 2000個の物を手放すということを SNSだったり上げて 手放すことを楽しんでいらっしゃる。

平野ノラさんの収納 散らからないシステム構築

ご自宅の様子をご自身で撮影して頂きました。
(平野)ここが我が家の玄関です。基本は 靴は出しっぱなしにせずに げた箱に入れます。廊下 床にモノを置きません。洗面所にもモノを極力 置かず 引き出しに 紙袋を入れ ゴミ箱の代わりにしてます。見せない収納を徹底しています。
こちらは ノラさんお気に入りのチェスト。収納しているのは アクセサリー類。分類して きれいに。
こちらは お子さんの帽子やサングラス。ついつい買いたくなる小物ですがチェストに収まる分だけと
決めているそうです。

(平野)これ バブルグッズの小道具ですね。こうやって パッて見て 何が入ってるか 分かるように イラストにしたりしてます。薬やテープ 文具などは用途別にまとめて 一度に取り出せるようにしています。
手放そうかどうしようか悩んでいるモノは この箱に いったん入れて 時間がある時に考えてます。
だから 散らからない こういうシステムみたいなのを 考えておくと あとあと片づけも楽になります。

バブリーじゃなかったですね。

(平野)私は本当に 28歳まで 汚部屋に住んでたんですよ。部屋を片付けるようになってから 少しずつ 自分のやりたいこと生き方が明確になった。

(柳澤)いろんなモノを取捨選択し モノを通じて 自分に向き合う スッキリしてみたり いろんな しがらみなどを手放せる。片づけを通して 自分が やりたかったこととか 自分が こういうふうに暮らしたかったことというのが 浮き出てくるというのが ダウンサイジングの良さ 希望につながると思います。

(平野) 何で これをこんなに たくさん持っているんだろう と考えると「あっ そっか私 本当はこれ やりたかったんだ」というふうに 必ず モノって答えを導いてくれるんです。
例えば 自分のバブルのキャラクターは いろいろあった中の1つで、全部のキャラの衣装や小道具を出し 向かい合ったら、 「バブルでいく」覚悟ができていなかったと気付いた。

(平野)キープするというのは 難しいです。 やっぱり生きてますから 家族が増えたら 新しい物も付随して、趣味とかも そうですよね。なので大掃除と同じで 小まめに15分ぐらい 日々 隙間時間に片づけたりしてます。

(柳澤)キープすることって まず そもそも難しい。 無理にしなくてもいいと 私は思っていて 波があって当たり前であると。で ダウンサイジングしたい時に 一日15分やるって決めてもいいし 週末でもいいし自分の気持ちが乗った時でいい。

なるべく物を増やさない暮らしをという ムーブメントというのはどうでしょうね。この10年ぐらいで注目されてきてるんではないか?

(柳澤)ダウンサイジングされてる世代は 30~40代に多い、生まれた時から いろんな物があって 当たり前の世代だった。物が飽和しているんだけれども、逆転して 自分が気に入ったモノだけあればいいという考える。

(賀来)私の世代でいうと まさに バブリーで 家だったり車だったり すいません ブランド品だったり
所有してるっていうことが ステータスも そうですけど 何か ちょっと ごめんなさい 当たり前みたいなね 時代だったので それが変わってきているんですね。

(柳澤)ここ最近ですと 経済的に不安定な状態が続いたり 大きな震災が何度もあったり コロナがあって
経済的に ちょっと今までの価値観では なくなっている。 エコロジーやSDGsに理解ある世代でもある。
そういった要素が複雑に絡み合って 今までだったら ステータスであった 家だったり 車だったり 洋服だったり いろんな物がなくても全然いいじゃないか。
持てないこと、持たないことが 恥ずかしいと思わないというのが今の30代 40代で、自分たちの暮らしに合ったサイズ感というのは何だろうって考えた結果 ダウンサイジングに なってるんじゃないかなと 長く取材させてもらって思います。

(平野)もう こういうべきであるとかね、こうしなきゃいけないとかっていうことも 全部 手放して
自分が心地よかったりとかっていうことを 自分のために追求していくような時代なのかな。
それでいて地球に優しかったらね すごく いいですもんね。

▽まとめ&感想

私は 田舎の比較的大きな家に住んでいて 貧乏性か もう簡単に買えないと思うと 何でもため込み 廊下に積み重なってしまいます。平野さん達とは大違いです。それでついつい100円ショップで買い込んでしまいます。それで家の中はごちゃごちゃで、自分でできる内に 少しずつモノを減らさなければと思っています。亡くなったら 家のばーちゃんはと言われるのが目に見えるようです。