Eテレ 2022.8.26
専業主婦だった女性が病をきっかけに管理栄養士になり活躍の場を広げる。学び直しのポイント。長い間抱いてきた助産師になるため 学び直し。相川さん 親の学ぶ姿 子に良い効果 周りの協力を得ることが大事。大人の学び アウトプットすることで 社会とつながって ウェルビーイングに
【ゲスト】相川七瀬【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄
専業主婦だった女性が病をきっかけに管理栄養士に!活躍の場を広げる
(賀来)この秋に「吾輩は漱石である」という舞台をやらせて頂くんで、夏目漱石先生のことを調べさせて頂いたり 本をいろいろ読んだりしてたら学生時代に読んだ「こころ」今読むとこんなに深かったんだと思って それが すごい楽しくなってきたんです。
今 まさに学び直し真っ最中というロック歌手の相川七瀬さんです。國學院大學 神道文化学部に45才で入学 今 3年生です。神道を中心に日本の伝統とか文化とか勉強しています。
令和3年度の成績優秀者に選ばれたということでして もう すごいんですよ。
(相川)充実していて やっぱり知らないことを学べるということが すごい楽しくなってきたんです。
大阪府堺市で夫と息子と暮らす山口香代子さん54歳です。山口さんは短大を卒業後就職せずに20歳で結婚。しかし30代後半で学び直しに挑戦。39歳で栄養士の資格を取得。さらに53歳で管理栄養士の資格も取得しました。その資格を生かしながら活動的な毎日を送っています。
この日はデパートから依頼され料理講師を務めました。「親子で楽しめる蒸しパン」小麦アレルギーのお子さんも一緒に食べて頂けるということで米粉を選んでおります。野菜のパウダーなどを使い 見た目も鮮やかな蒸しパンに仕上げました。
多くの人の前で料理の仕事をするのは山口さんにとって意外な展開でした。若い頃から自分には「やりたいことがない」と感じていたため 仕事をするより 専業主婦として過ごしたいと思っていた。
山口さんの大きな転機となったのは 35歳のとき卵巣に腫瘍が見つかり 良性だったものの手術し入院。その時 同じ病室にいた若い女性のがん患者から言われた言葉が強く胸に響いたといいます。
「本当にやりたいこと 自分がやろうと思ったこと 先延ばしにせずにやった方がいい」
とにかく何か やらないと と思いました。本当に自分に やりたいことはないのか 自分自身を見つめ 問い直す日々。もともと好きだった料理を通して多くの人を笑顔にしたいと 飛び込んだのが調理師専門学校でした。
専業主婦から学生になると暮らしは一変。毎朝5時半に起床し 家事 育児学業を両立させる多忙な日々が始まりました。勉強時間を作るのはとにかく大変で テーブルマットの中に挟んで見ながら食べてました。
専門学校に2年間通い続け 39歳で栄養士の資格を取得。飲食店などで働き始めたものの 自分の納得のいく仕事に出会えなかったといいます。
現実は厳しくて「とりあえず皿を洗っておいて」となる。40歳を過ぎて保育園で給食を作る仕事に就いた時園長と相談し アレルギーのある子どもと ない子どもそれぞれに違う給食を出していたのを 食材を工夫することで同じものを食べられるようにしたのです。やりがいがあって こういうのがやりたかったと思った。給食を作っていると 子供達の声が聞こえて 楽しみにしていてくれるのが判った。
ところが 46歳の時再び入院。のど 卵巣 子宮の手術を相次いで受け さらに味覚障害までも発症したのです。絶望的とも思える状況の中 支えとなったのは がんを患った若い女性のあの言葉でした。
半年後 味覚が回復した山口さんは活動を再開。精力的にレシピ 5000種以上考案しました。さらに仕事の幅を広げるために個人事務所を設立。今年6月には勉強の末 国家資格である管理栄養士の資格も取得しました。菓子製造業の免許も取り自宅を菓子工房に改装。スイーツ作りも始めました。
この日は仕事を通じて知り合った大阪市内のカフェへ ケーキの納品です。ケーキは小麦粉の代わりに米粉を使用して焼き上げました。みんな 笑顔になってもらえる。山口さんは料理の仕事を通して自分の世界が広がっていくのを実感しています。仕事をしていると山口さんと呼んでくれる。料理を通じて社会と繋がった。
この日家に招いたのは近所に住む山口さんの両親です。管理栄養士として高齢者用のメニューも開発したいと考え 料理の味見をお願いした。母 昌子さんは「90点。変わったと思う。勉強一生懸命がんばるタイプでなかった。まさかここまで来ると思わなかった。毎日が楽しそう」
山口さんにとって学び直しは新たな自分と出会うきっかけになったといいます。
大人の学びというのは基本的に自由で 学び直しのポイント
(相川)やりたいことがあったら今すぐやったほうがいいよっていうことを 同じ病室の方から言われたことがずっと支えになってる。マジックワードだと思うんですよね。特に大人っていろんな責任を負ってますし 日常の忙しさに埋もれていくんですけど しっかりと自分の声を聞いて 具現化していく。やりたいことをやっていこうっていうのが共感するなと思いました。
専門家 立教大学経営学部教授の中原淳さんです。
大人の学びというのは基本的に自由だってことだと思う。子どもとか学生の時代は 何を学ぶかどういうふうに学ぶかというのは 決められてるんですよね。
ただ大人の場合は 知識をためるだけじゃなくて 仕事につなげるとか 社会につながるとか アウトプットすることによって いろんなものとつながっていけるというところが 大きな違いなんじゃないかなというふうに思いますね。
そういうことに非常に興味 持ってる方多くなってきてる気がします。
この人生を完走するために 少しずつ自分をアップデートしていって より豊かなね 人生にしていく。そのための手段が 学び直しじゃないかなと思います。
近い未来をイメージすることがすごく大事だと思う。例えば5年後 10年後 自分の家族や 自分はどうなってるかなというふうに考え、今 子どもや家族に対して 他者のために生きているという時間が多いが、でも5年たったり 10年たつとその時間はぽっかり空いたりする。
大人の学びって 自分を取り戻すという側面も結構あって これまで他者のために生きていたところから 自分のために生きるというきっかけだと思う。
学び直しのポイント
①自分の好きなこと・関心のあること
②自分がやってきた仕事や経験を生かせること
③あきらめていたこと
④偶然の出会いや出来事をヒントに
(相川)10年以上前に対馬に日韓友好のライブで 日本側のゲストで行った。
長崎県対馬市の豆酘(つつ)地区で行われている「赤米神事」。稲の原生種といわれ 1000年以上前から この地域で栽培されている赤米を神として祭ってきました。「頭仲間」と呼ばれる住民が神事を取りしきってきましたが 後継者が1人となり存続が危ぶまれています。
(相川)「もう自分の代で終わりになる」と聞いて 「何か できることがあったらお手伝いさせて下さい」と次の世代につないでいこうよと やっているんです。
対馬に行ったのが 東日本大震災のあった年で震災後 なかなか コンサートとかができない中で 出会って 何か すごく大きな意味があるなって思った。
自分が ここまで何年も歌わせてきてもらって 私は皆さんに支えられてキャリアを積んできたんだけれど、日本の消えかかっていくような伝統文化とか伝統的な神事を 何かサポートする役割を自分できるんじゃないかって思った。
自分が神事を深く理解していないから、私が皆さんに伝えなければいけない時に 表面だけの理解の言葉で説明してしまう。それで学ぶしかないって思った。
長い間抱いてきた助産師になるため 学び直しの真っ最中
長崎県大村市の看護学校。10代20代の若者に交じって真剣に授業を受けている 増﨑めぐみさん36歳です。4年後の40歳で助産師になることを目指し 学び直しの真っ最中。
解剖生理学や栄養学それに患者の気持ちを理解するための心理学など幅広い教科を学んでいます。
助産師になる夢は 13年間増﨑さんがあたためてきた。きっかけは23才での初めての出産、妊娠中から大きな不安を抱いていたという増﨑さんを支えてくれた助産師の存在でした。
「次に陣痛が来るよとか、ここを押さえると痛みを逃せるとか 魔法使いのように教えてくれた。単純な言葉ですけど心の支え」と語ります。
出産後も精神的に不安定な状態が続いて その苦しい状況を救ってくれたのも助産師だった。
「何でおっぱいが出ないんだろう。何で泣いているんだろう。 夜中の授乳の時にベットに座って 母乳のマッサージをしてくださったり、この人達に聞いたら何でも解決してくれるだろうという存在でした」
その後2人目の子どもを出産。家計を助けるため 6年間カフェの店長として働きます。子どもが小学校の中学年になったのを機に 33才で看護学校に入学。
増﨑さんが助産師になるまでの道のりは簡単ではありません。3年間看護学校で学び その後 国家資格である看護師の試験に合格しなければなりません。そして助産師養成所などで1年間 学び受験資格を得て 助産師の国家試験に合格する必要があります。教科書は食卓の近くの本棚に並べいつでも勉強できるようにしています。増﨑さんが学生として学校に通うのは高校生以来15年ぶり。授業についていくために家でも勉強は欠かせません。そのため下ごしらえをした食材を冷凍するなど家事も工夫しています。
そんな姿を見て 家族も変わり始めました。長男の権志朗さん(13)が料理を手伝うようになったのです。長女の かんなさん(10)も協力しています。
長男は「夢があるのでいいと思う。応援したい気持ちになる」
長女は「覚えようとして独り言が多い。がんばって覚えようとしているのが かっこいい」
夫の秀一さんも増﨑さんをサポートしています。「私も洗い物なんかするようになった。今まで全くしてなかったんで 自分の成長にもなった」
「応援があるから 毎日がんばれていると思う」
授業のない平日の午前中。増﨑さんは病院で看護師助手の仕事を始めました。医療現場で働くことで 少しでも知識や体験を増やそうとしているのです。
病院での仕事を終えると 車の中で昼食。その後 すぐに看護学校へ。午後1時から午後4時15分まで授業を受けます。この日の放課後点滴の実習試験が近いため 学生仲間と交代で点滴の練習に励みました。学校を出たのは午後6時すぎ。
ご飯を炊いてもらって 夕食は忙しい時に備え冷凍していた食材を使い僅か10分で仕上げます。
夜は子供を相手に この日の復習です。
「私が勉強している過程を見ることで 子供達も勉強することの大切さ とか 夢を叶えることの素晴らしさに気付いてもらえればいいな」
近所の産婦人科に出向き お世話になった助産師の斉藤千鶴さんと13年ぶりの再会です。「安心して出産できる環境作りをする 助産婦が素晴らしいと思って 私もそんな助産婦になれるようがんばっていきたい」と伝えました。
斉藤さんは「思いがあるので素晴らしいと思う。私も初心に帰りました」と長男の写真を見て微笑んだ。
助産師になる日を夢みて学ぶ日々が続きます。増﨑さんにとって学び直しとは第三の人生を歩いていることで、第一は結婚前、第二は結婚して子供を授かって母となった人生、第三の人生は第一の時やり残しに再挑戦する人生。
親の学ぶ姿 子に良い効果 周りの協力を得ることが大事
(相川)私が期末試験の時はみんなも期末試験だったり それぞれ試験があるのでみんなで勉強するんですよ。今までは「勉強したの?」「勉強しなさい」とか。今は「勉強しようか」っていう号令でみんな集まるようになった。子どもとの関係はすごく良くなりました。
子どもの頑張りを認めてあげることもできるし 頑張ってもできないことってあるし 今まで一方的に叱ってたなって思って。子どもも 勉強というものが 大人になっても続いていくもの 一生するもんなんだとを言うようになってきて すごくいい効果だったと思います。
学期末が来ると レポートをすごい抱え 頭が いっぱいいっぱいになってしまうんですね。子どもたちに「もしも何か大切なことがあるなら事前に言いなさい」と。そうすると子どもたちも 早く言わないと用意してもらえないぞというふうになってきて 何かうまいことやってます。
(賀来)周りからの協力を得ることは とても大事なエネルギーにつながるんですか。
(中原)非常に重要なポイントだと思います。ヘルプシーキングと言うんですけど、助けは なるべく「助けてね」と 自分から求めていくことが 大事だと思う。
ついつい 負担かけちゃいけないとか 迷惑かけちゃいけないと思うと思うが、子どもも変わるチャンス 旦那さんも変わるチャンスなんじゃないかなと思います。
大人の学び アウトプットすることで 社会とつながって ウェルビーイングに
相川さんは 実際に各地の神社を訪問され その様子を動画で発信していらっしゃいます。
今日は鹿島神宮にやって来ました。日本三大楼門の一つと言われております。実際に檜皮の皮を剥いでいくその専門の職人さんがいらっしゃる そうで、山から取ってきたものを人の手で加工して屋根にして だめになった時も 基本的に全部植物なので土にかえるんです。神道ってすごいSDGsだなって私思うんですよね。
春日大社のご本殿の前まで来ました。あの山に神様が降り立った 絶景のスポットなので行ってみたいと思います。夜灯籠がついてたら 何か神秘的じゃないですか。いにしえから続く人々の祈りの灯 見る者の心を捉えて離しません。
自分が今 学術的に学んだ史実としてのことを織り交ぜて 若い人たちに 日本の文化とか日本の昔から続いてきたという歴史に もう少し目を向けて頂けるような そういう役割が担えたらなというふうに。
ナレーションを自分で考える時に 当然その神社のご由緒を言うこともあれば 古事記の物語を語ることもあるし もう勉強が追いつかないんです。勉強してきたことを言えばいいって最初 思ってたんですけどいざ発表するってなったら もっと深くやりたくなっちゃって。だから どんどんまた そこで学びが深くなって アウトプットすることによって 自分が学んできたことが もっともっとソリッドされて いい形に自分に落ちてくるというのがやってて すごく面白いなと思います。
(中原)大人の学びってインプットするだけじゃなくてアウトプットする。すると誰かに届き おすそ分けされるわけですよ。そうすると誰かに感謝されますね。そうするとさらに またインプットして 学びたくなるじゃないですか。このインプットとアウトプットの繰り返しをしていると いつの間にか 違う自分を見つけたりする。
(相川)赤米神事に関わっている自分は その地方の小学生たちともいっぱい遊びますし 一緒に田植えしますし集落のおじいさん おばあさんとか そこの人たちと コミュニケーションを取るんですよね。そんな時に「社会の一員にやっとなれた」みたいな感覚ってすごいあって。
3.11があったあの年から 自分の人生のステージで用意されたものに対してものすごく感謝するようになったんですよ。それは自分に 何があるか分からないしこの先 どういう状態になっていくか分からないから 今を精いっぱい100%の力で歌って100%の力で子どもたちに向かい合って100%の力で自分を見つめたいっていう気持ちがやっぱり年々大きくなっているという感じなんです。
やっぱり学ぶことによって社会とすごくつながっていける。社会とつながっていくことで 人とつながれて そこで また新しい気付きがあって発見があって 何か すごく冒険心に あふれるというか。自分の中のキラキラしたものが失われていかないというのが すごい学んでいて実感としてあって それは何なのかなって思うと 好奇心なんですよね。だから いくつになっても好奇心って大事にしたいし 私は学び直すことでその好奇心というのが さらに元気になったなって思います。
(中原)共に学ぶことができたら仲間がいますよね。そういうふうに毎日 成長実感をし かつ共に学ぶ仲間がいるってことで ウェルビーイング(幸福で満たさた状態)って言いますけ。マンネリな生活に陥らずに日々 成長を実感していけるってことと もう一個は 共に学ぶことができたら仲間がいますよね。そういうふうに毎日 成長実感をしかつ共に学ぶ仲間がいるってことで すごくウェルビーイングが高まってくる。学び直しを通して生き直すってことを チャレンジなさるといいんじゃないかなと。
▽まとめ&感想
私も退職して 自由な時間が増えて じっくり歴史の番組や旅番組を見て 知らなかったことばかりなのを知り 録画してじっくり見ています。学び直しかなと思って 備忘メモをHPに書き込んでいます。

