所さん！事件ですよ☆推し活でだまされた？▽こんな話

NHＫ総合　2023.8.17
「推し活」でチケット詐欺あとを絶たず☆「推しの成長を見守りたい」心理・推しのタイプ☆
アイドル戦国時代を生き抜くメロメロタイム、一人一人と親密な関係築く☆
高齢者施設のオンラインコンサート「推し活」で若返り認知症予防に

【司会】所ジョージ木村佳乃ホルコムジャック和馬【語り】吉田鋼太郎
【出演】でんぱ組.inc 鹿目凛､イケメン評論家沖直実､情報経営イノベーション大学准教授境真良

「推し活」でチケット詐欺あとを絶たず
推しの心理・タイプ
アイドル戦国時代を生き抜くメロメロタイム、一人一人と親密な関係築く
高齢者施設のオンラインコンサート「推し活」で認知症予防に
▽まとめ&感想

「推し活」でチケット詐欺あとを絶たず

推し活…イチオシのアイドルや俳優などを応援する活動のこと。
「推し活」でチケット詐欺にあい警察に被害届けを出しに来た１９歳の女性に話を聞いた。
女性が推しているのはアニメのキャラクターに扮して活動する男性6人組、動画配信が中心だが、ライブではリアルに会うことが出来る。
公式サイトからチケットの申し込みをしたが人気が高く抽選に落ちてしまった。そこでSNSで個人間でチケットを譲ってくれる人がいないか探した。
現地に行けないので早急に譲りたいという投稿を見つけメッセージを送ると、ものの１０分で返事が来た。定価で譲ってくれるという。女性は万が一の場合を警戒してお互いの連絡先や身元を明かしたいと提案。相手は免許証とＳＮＳのアカウント名を提示してきたという。
そして１公演　定価６０００円妹の分も含め公演２日分の代金合計２万４０００円を振り込んだ。しかし連絡が一切取れなくなってしまい警察に届け出た。ＳＮＳで相手の情報を調べてみると、ほかにも１７人が同じ相手から同様の被害を受けているようだった。

チケットの転売をめぐるトラブルは新型コロナの行動制限が緩和されるのに伴い増えている。特に２０代の若い世代が多く被害に遭っているという。
２０代の女性はファン同士のコミュニティーを通じてたびたびチケットを購入しているという。アイドルなどのコンサートチケットは公式のホームページや正規の販売店などから買うのが一般的だが、熱心に推し活するファンにとっては満足できないという。というのも公式販売は何列何番という席番号が見えない販売方法が多く、あらかじめ座席が分かる個人間の売買が魅力という。

こうした状況に拍車をかける要因があると指摘する専門家もいる。文京区の弁護士河西邦剛さん。
かつてチケットは業者や個人により買い占められ法外な値段で転売される状況が続いていた。
2019年チケット不正転売禁止法が施行された。興行主の同意なしにチケットを高額で繰り返し転売することや転売を目的とした入手を禁止するというもので、この法律が出来たことでチケットの不正転売が減るなど効果は上がった。だが　皮肉なことに個人間のトラブルが増えていると指摘する。
正式は個人情報の登録が必要だか、個人間では手軽に行えるためトラブルや犯罪行為が増加傾向になっている。
このだまされてしまったケース、主に同じアイドルや俳優を推しているファンのコミュニティー内でチケットのやり取りをするので、一緒に応援しているし悪い人なわけがないという安心感があってそこにつけ込まれてしまう。

推しの心理・タイプ

イケメン評論家沖直実
なんとしても　チケットを手に入れてライブに行きたい理由は、この３年間のコロナ生活で推しに会いたい気持ちがたまっている。例えば舞台とかで、初日は○君緊張して声が出てないわと思ったのに、中日・楽日にいくにしたがってめちゃめちゃうまくなってるっていう…。成長具合を母親のように見届けたい。全部の日にちをみて楽日まで全てを見たい。すべてを見たい。

現役アイドルでんぱ組.inc 鹿目凛かなめりん
それぞれタイプ別にファンの応援のしかたにも特徴があってライブ会場でステージを見る場所が違ったりする。
・最前厨(さいぜんちゅう) ：近くでステージを見たい
・がち恋：アイドルに対してちょっと恋愛感情みたいなものを抱いている
・地蔵：じっと固まって応援している
・沸き：盛り上げることに必死
・古参：最初からのファンである事がステータス
・後方見守り

「推し活」応援のヘアサロン…店の一角で推しのグッズを並べて記念撮影できるようになってい。

アイドルの屋外広告…企業が作ったものではなく 推しの誕生日をお祝いするためにファンが制作。押しの夢が個人の広告を出してもらうと聞いて、 300万円で夢を叶えてあげた20代女性ファンもいる。

アイドル文化に詳しい情報経営イノベーション大学准教授境真良
アイドルの種類、マスメディアとの関係で大きく２つに分けて「地上」と「地下」といいます。マスメディアによく出る大手のメジャーの事務所に所属しているような方々が地上アイドルです。
インディーズで小さなステージで活動している方たちは地下アイドルです。中間に半地下アイドルがあります。今はテレビのような活動をインターネットの配信でできるようになったのでアイドルの数が爆発的に増えてしまった。

アイドル戦国時代を生き抜くメロメロタイム、一人一人と親密な関係築く

どういう風に生き残るのかが大きなゲームになってきて アイドル戦国時代になりファンの心をつかむべく…が、行われていた。
東京立川市でアイドルによるイベントが行われるというので　訪ねてみると、コンサートではなくメンズアイドル運動会が行われていた。
４つの芸能事務所から選ばれた１３の男性アイドルグループが参加している。２３００人ほどのファンが推しのアイドルを応援するため駆けつけていた。
７人組の男性アイドルチョコレートボム、９年前にグループを結成。当初はライブ会場に数人しか客が入らないこともあったというが、今では　全国のライブツアーを完売するほどの人気だ。歌や踊りもさることながら生き残るために全力でファンサービスをしているという。
事務所を訪ねると、それぞれのオリジナルグッズを自らデザイン。縫いぐるみやライターなどメンバー自身が好きなものを選び手作り感にこだわっている。事務所が運営するライブ会場でオリジナルグッズ販売し、ファンに喜んでもらっている。
さらにライブが終わった後メロメロタイムが始まる。これはアイドルとの2ショットの撮影やおしゃべりを楽しむイベントで 料金は1分2000円。原則　一人一回。中には数万円支払うファンもいるという。
（木村）ギリギリ　結構近いですね　距離。高い。
体に触れる行為は禁止で、ギリギリを攻めるファンたち。メロメロタイムはライブの時間より長く設定されている。
ファンの1人は「アイドルが隣でしゃべってくれるという特別感はあります」と語った。
ファンの方にも許可を得て撮影させてもらった。
一人一人の名前を覚えていて さらに その人のちょっとした変化まで把握して友達や彼氏としゃべっている感じにさせてくれる。メンバーは　ＳＮＳを通じて推し活するファンの趣味なども細かく覚え親密な関係を築く努力をしているという。

こうまでしなければアイドルっていうのは成り立たないものなんですか？
どうやって生き残ってみんなに喜ばれるのか考えると自然と話し合ってこういう形になっていった。

（木村）でも　高額じゃないですか。結構若い女性が多かったのですごい心配になりました。
（鹿目）私が心がけているのが誠実でいようって思っていて。ファンの方で「僕のことを好きって言ってください」って言う方がたまにいらっしゃるんですけど、でもこの人は　ＳＮＳで私のことはよく知って好きでいてくれてるけど　私はこのファンの方まだ何も知らないのに「好き」って言っていいのかなとか。私の場合は　結構考えちゃったりして。

（沖）こういう地下アイドルさんのファンにとってライブを見たあとのふれあいタイムがメインなんです。アイドルさんは 公平にやってるつもりなんだけども重箱の隅をつつくようなファンもいて「あんたのほうが何か見つめ合ってたんじゃない？」みたいなところがあって ＳＮＳで誹謗中傷があって「推し疲れ」って精神的に金銭的にも疲労感が出てきてという方多いですよね。

高齢者施設のオンラインコンサート「推し活」で認知症予防に

川崎市介護付きの高齢者施設ここで生活する皆さんが今　はまっているのが「推し活」
この日は楽しみなイベントがあるという。応援グッズを手に続々と集まる。
オンラインコンサートが開かれシンガーソングライター中田亮が登場。彼は懐メロプリンス とも呼ばれ高齢者施設を中心に音楽活動をしている。
コロナ下で施設の運営会社がレクリエーションとして2年前に企画され、今や　なくてはならないものに変わった。
「最初は可愛いと思っていた。私たちの名前を覚えてくださって今では無くてはならない人」
ベルちゃんこと92才の女性物忘れの症状があるというがコンサート前　身なりを整えるなど生活に張りが出てきたという。
１万人以上の脳を診断脳の仕組みを研究する脳内科医加藤俊徳さんは「推し活」で体を動かすと脳の運動系の機能が刺激されより積極的に活動するようになる。「推し活」は感情を伴って強い記憶をを伴って刺激するのでそれによって脳の刺激が持続するので認知症予防にとても効果的。

（所）みんなが同じ時間　集まって同じ方向を見るっていうのがまた楽しいんでしょうね。同じ手袋しようよとかその現場以外の時間が楽しいんだろうね。

（沖） 沖直美のいい男祭り っていうイベントを２０年間　個人的に開催してイケメン役者さんだったりアイドルさんを呼んでやってる。参加した女性が若返る。

（境）楽しいっていうのは　今回はビジネスとしての側面もあるじゃないですか。アイドルを推すことで、自分がその人達を押し上げているという実感が得られる。

（鹿目）もともとアイドルを始める前からネガティブ思考で。でもファンの方に応援してもらう推してもらうことで私は自分自身のことを嫌いって言っててどうするんだっていう変わるきっかけを頂きまして　ハッピーな感じです。

（所）例えばファンの方と疑似恋愛みたいになっていくワケじゃん、好意を持ったりそうすると実際の自分の恋愛の方はギクシャクしない？
（木村）そっちはそっち　こっちはこっちですよね。