所さん大変ですよ「海岸に漂着巨大生物の正体とは」▽こんな話 マイクロプラスチック洗濯でも発生

NHK総合 2022.1.27放送
漂流していたクジラ プラスチックを吞んでいた☆劣化して極小のマイクロプラスチックになり体内に残る危険性がある☆南極海にもマイクロプラスチックが拡散 小さすぎ回収不能☆夢のプラスチック発明が不安材料に☆衝撃のマイクロプラスチックの発生源 人工芝・車のタイヤ・洋服の洗濯

【司会】所ジョージ,木村佳乃,庭木櫻子
【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,伊藤海彦【語り】吉田鋼太郎

漂流していたクジラ プラスチック吞んでいた

去年10月 静岡 伊東市
体長8mのクジラが 現沖合いの定置網に掛かって 死んで 漂流していたという。場には クレーン船まで 駆けつけている。

伊東市産業課 近持竜平さんに尋ねると、1歳ほどの 若いザトウクジラで 解体作業して 焼却して処理するという。

国立科学博物館のチームが死因を調べるため解剖していました。
「NHKさん 骨盤骨」。(鯨類がかつて足で地上を歩いていた名残)
そう言って見せてくれた。(足がなくなったから足と体をつなげる…)
教えてくれたのは 研究主幹 田島木綿子さん クジラやイルカなど鯨類を専門に研究して28年という。
田島さんによれば 日本の海岸に漂着するクジラやイルカ 年間300件以上

漂着したと聞けば どこにでも駆けつける。
「我々と同じ哺乳類ですので 彼らに起こることは人類にも起こるかもしれないので」
今回のクジラは 定置網に迷い込んだことが 死因とみられているが 内臓などの病気や感染症の痕跡がないか 慎重に調べるという。
まず 注目したのは「たぶん これは プラスチックだと 思います」
さらに 腸からも おすしとかにある 緑のバランが出てきた。

これらの内容物は 研究室で さらに詳しく調べる。
後日 田島さんの研究室を訪ねた。
見せてくれたのは クジラの 胃や腸から見つかった内容物をクリーニングしたもので バランや釣り糸が絡まったビニール 日本語が書かれたフィルムなどプラスチック製品。
その中で 田島さんが 最近 特に気にしているものは 2mm程のプラスチックのかけら

大きさが5mm以下の小さなプラスチック「マイクロプラスチック」と呼ばれる
もともとは 大きなプラスチックが時間がたつにつれ 波や紫外線で劣化、細かくなったのだという。

イギリスで行われた調査では 海岸に打ち上がったイルカやアザラシなどの海洋哺乳類 50頭 すべてからマイクロプラスチックが検出されている。
近年はこのマイクロプラスチックについて 危惧する研究者も増えている。
実際 10mぐらいのクジラに マイクロプラスチックが入っていても全然脅威じゃないと 思うかもしれないけど 将来的に何が問題になるかわかっていないので 分かることを 一歩一歩調査研究している。

極小のマイクロプラスチックが 体内に残る危険性

(所)本気の問題になっちゃったじゃん テーマが。

(牛窪)国連環境計画の発表によると 私たち日本人のプラスチック消費量が1人あたり年間32kg
アメリカに次いで 世界2位の消費大国。
カナダ トロント大学などの 研究チームの調査によれば 海に廃棄されてるプラスチックごみは年間 なんと3, 000万tと推定されてます。
プラスチック製造量 世界中で年間 3億t以上と言われているので 製造量の1割近くと試算される。

5mm以下のマイクロプラスチック発生原因
もともと 大きなプラスチック製品だったものが 太陽の紫外線 波・風の影響を受けてどんどん小さくなっていく。
そのマイクロプラスチック 今 世界中の研究者たちに注目されています。
海の生物や私たち人間の健康に影響を及ぼすのかどうかというのが 今 世界中の研究者が 研究を進めている状況なんですね。

東京海洋大学と東京農工大学による 共同研究のマイクロプラスチックのサンプリング調査 同行させてもらった。調査のリーダー 東京農工大学 高田秀重教授 マイクロプラスチックが 環境に与える影響を24年にわたり 調べている。

東京湾を走ること40分。この日の採取ポイントは多摩川の河口付近。
採取用のネットを海に投下し 人が歩くほどの速度で 20分間 ネットを流す。
高田教授によれば 以前 調査した 2015年に比べて確実に増えている。
2015年に64匹カタクチイワシを調査し 49匹の胃の中から 大きさは1mmほどのマイクロプラスチック検出していた。

九州大学の大嶋雄治教授は 5年前から マイクロプラスチックが メダカにどのような影響を及ぼすのかを調べている。
実験では 3つの水槽を用意。それぞれに 0.2mm 0.02mm 0.002mmのマイクロプラスチックを実際の環境にあるよりも多く与えその影響を調べた。すぐ苦しんで死ぬことはなかった。

0.2mmと0.02mmのマイクロプラスチックは きれいな水槽に移して10日前後で体内からすべて消えた。ふんとして排せつされ 目立った健康被害は見られなかった。
ところが、0.002mmの極小のマイクロプラスチックは 一定量が排せつされず 体内に残ることが判明した。

何か影響はあったのか 見かけ上は全く普通です。安全なのかわからない ことだらけです。だけどこの状況は無視できない
フランス 2ヶ月間マイクロプラスチックを摂取したカキの生殖能力が低下した報告がある。
アメリカ では マイクロプラスチックを食べた珊瑚が栄養失調に陥る危険性が高まることが報告されている。

南極海にもマイクロプラスチックが拡散し 小さすぎ回収不能

海洋物理学者の 九州大学 磯辺篤彦 教授は 13年前から世界の海でマイクロプラスチックの量と流れ方
調査。
磯辺教授は 6年前 南極から日本までの海の浮遊物を2か月かけて細かく調査。

1970年代 アメリカ東海岸で発見された マイクロプラスチック一番最初だった。その量は 1㎢あたり3000粒だったが 南極海は1万粒を超えていた。生活圏から最も遠い南極にあるということは もはや 地球上浮いていないところはないだろう。

日本近海の調査でも マイクロプラスチックの濃度が高いことがわかった。世界の平均より1桁多い 10倍くらい。東南アジアや東アジアで廃棄された プラスチックごみが 海流に乗って 日本近海に集まるため マイクロプラスチックが増えるのだという。

磯辺教授によれば プラスチックは元々油を吸着させやすい性質を持っている。油と似た性質の汚染物質が海にたくさん溶け込んでいて これがプラスチックの表面について これを生物が食べる。
PCBなどの汚染物質は 海中では濃度が低いため 海水浴ぐらいでは人体に影響を与えないという。

しかし、汚染物質を吸着させた マイクロプラスチックを カタクチイワシなどの小さな生き物が食べてしまうと それを食べる大きな生き物が影響を受けてしまう。海洋生体性全体にとってよろしくない。

磯辺教授によれば もし 将来マイクロプラスチックによる 環境被害が見つかったとしても 小さすぎるため回収するのは ほぼ不可能手遅れになるまで放っておくのは よろしくない

(所)我々は プラスチックを消費するんでなく 使い込めばいいんでしょう。ず~っと使えば。

夢のプラスチック発明が不安材料に

(モーリー)プラスチックの発明したのは ベルギー生まれのアメリカ人で「プラスチックの父」とも呼ばれる レオ・ベークランドさん。1905年新しい塗料を作る実験中に 偶然 水飴のような物質ができ 調べてみると 熱で自由に形を変えられ 軽くて 丈夫で長持ちするし さらに電気を通さない絶縁体
すごい いい事尽くしなわけね。
当時ね アメリカで流された プラスチック製品を宣伝する 映像で プラスチックは「20世紀の夢の発明」といわれ 1950年代から急速に広まり 大量生産 大量消費社会を支えてきた。

(庭木)最近 よく「生分解性プラスチック」というのを聞きますけれども。

(牛窪)生分解性プラスチック土や海にいる 微生物の働きで分解される特性でプラスチックの代用品になるんでは ということなんですが、耐久性とか 加工がしにくいなど広く普及するには時間がかかる

(澤口)マイクロは 1mmの1000分の1 ナノは そのまた 1000分の1、つまり 1mmの100万分の1 のことです。脳には 血液から脳組織への移行を制限する血液脳関門というバリアがある。ナノプラスチック脳内に侵入する恐れがある。

ちなみに スイスの研究者が去年警鐘を鳴らしている。影響はまだ よくわかっていないんですが もし脳に影響が及んだら大変ですよね。(※ほとんど排泄されるので心配ないという研究もある)
わかってからでは遅いので 少しでもプラスチックのゴミを出さないように 私たちも気をつけなくてはならない。私は同じペットボトル 何年も使っています。

(所)ええっ 何年も使うなら 普通のボトルでいいんじゃないんですか?
(澤口)軽いんで ちょうどいいんです。何十個と持っています。

マイクロプラスチックの発生源 人工芝・車のタイヤ・洋服の洗濯

マイクロプラスチックの発生源 多種多様で 中には 身近にあるのに気づいていない 意外なものもある。

ディレクターが訪ねたのは東京を流れる荒川の河川敷
東京を中心に活動する 環境保護団体 井上慎也さんは 各地で調査を行ったところ 緑の人工芝の破片から発生した マイクロプラスチックが 多くあることに気が付いたという。

聞けば ホームセンターや 100円ショップなどで売られている 硬いタイプの人工芝は 数年で劣化が進み
先端部分が ちぎれやすくなるという。
その結果 ちぎれた破片は 雨に流されたり 風に飛ばされたりして川に来て 最終的に海に行く
でも 人工芝とかって 小学校のげた箱とか どこにでも置いてあるっていうイメージじゃないですか。
これだけ 日本全国に広がってたら もうどうしたらいいのってなってしまいますよね。
だから 人工芝 やめてヤシとか タワシの材料のシュロを使えば?

(牛窪)実は マイクロプラスチックの発生源の一つが 所さんも大好きな車のタイヤです。
タイヤが路面との摩擦で 削られていくたびに その細かいプラスチック粒子が飛び散ってしまうっていうことが分かってるんですね。

そして さらに 意外なのが 私たちが着ている洋服 これもマイクロプラスチックの発生源となっています。
イギリスとオーストラリアの研究チームが調べたんですが 1回 お洗濯をするたびに 服1着から およそ1, 900本の5mm以下のマイクロプラスチック繊維というのが排水に流れ出ていることが 分かったんですね。

(所)洗濯するだけでね。昔は…僕らの若いころですけどね そんなに洗濯しないですよ。
(木村)今の洋服 簡単に洗えちゃう 化学繊維だから フリース素材もそうですよね。

(所) 今日は あれは勉強になりました。洗濯機からもたくさん出てるっていうのが。
(木村)何か どうにかして 地球に優しくなりたいですね。

▽まとめ&感想

マイクロプラスチックが小さすぎ回収不能で、発生源 人工芝・車のタイヤ・洋服の洗濯 で本当に衝撃です。洗濯の繊維くず 洗濯の回数を減らせばいいか?なんかいいアイデアが出てきて回収できるようになりますように。