太平記 17話 「決断の時」▽あらすじメモ・北条を討つことを道誉 正成に伝える

足利高氏が北条を討つことを決意 道誉に打ち明ける

元弘2年・冬(1332) 河内の赤坂城を奪い返した楠木軍は、和泉国、摂津国、今の神戸あたりまで出没していた。幕府軍の拠点を襲い武器や食糧を奪った。京都六波羅の幕府軍は兵を送って、楠軍の根城、赤坂城を攻めるが、守りが固く難航していた。

鎌倉では佐々木道誉(陣内孝則)の屋敷を足利高氏(真田広之)が訪れた。
道誉は花夜叉(樋口可南子)を相手に、松を壺に立て、眺めながらヤケ酒をあおっていた。
花夜叉は楠正成の妹 卯木で「いつぞやは…」と高氏に挨拶する。
道誉「解せん女性でござって、…足利殿に会わせてとせがむ」
花夜叉「分からぬのはお殿様 …」
道誉「足利殿とて同じよ、宮方に同心いたすと見せかけて、北条方より嫁を取り、京まで安穏にお暮らしじゃ。」
花夜叉「足利様は、長崎様から、隠岐の先帝を殺せと命じられ、承知しましたと、節操ない方ではないと思う。お殿様はお受けになったでしょう。」
長崎高資(西岡徳馬)様が酔いに任せて、猿楽舞の女に口を滑らせた。

酒に酔った道誉は松を見て「美しいのう…立花はよい。花や木はわしの意のままになる。…美しい国じゃ …思い通りにならぬものよ、世の中は」と、松を抜いて、庭へ投げ捨てる、高氏に酒を飲んで語り明かそうと誘う。

花夜叉の酌で、酒を飲み交わしながら、高氏は道誉に先帝を害する気はあるまいと話し出す。
「長崎殿にさからっては、この首が危ない」という道誉。
高氏は足利が長崎を討ったらその心配はあるまいと言う。
長崎殿が動けば 北条軍20万~30万はすぐ動く。足利軍の兵はせいぜい1万とわずかであろう。
高氏は「北条軍は、近く楠木攻めに河内に向かう。鎌倉が手薄になる、不意をつけば…。
「討ちそこなったら?」と道誉の問いに、
足利は滅亡、この世は変わらぬ」と高氏は答え、動揺する道誉。
自分が行動を起こすまで、道誉は先帝を守り、素知らぬ顔で見ていて欲しいと打ち明ける。
「わしにそのような話をして、危ないとは思われぬのか?」と道誉が聞くと、高氏は「判官殿を強い味方と思うておる」と答えた。
二人は互いに顔を見合い大笑する。
 高氏は花夜叉に楠木正成よしなに伝えるように頼む。楠木党に可能な限り大軍をひきつけておけるか、生死がかかっていると。
道誉は、花夜叉「ぬしは?」と目を見張る。
花夜叉、挨拶して河内に向かう。

決意した高氏・幕府は10万出兵

 佐々木邸からの帰り、高氏は鎌倉に乞食が増えていることを供にたずね、奥州の乱で焼け出されたという。高氏は乞食の中に我が子・不知哉丸ぐらいの年の子を見つけ、思わず手を差し伸べた。……。高氏は自分がつかの間、幻を見ていたことに気づく。

 なかなか帰ってこない高氏を、母の清子(藤村志保)直義(高嶋政伸)に迎えに行かせていた。
高氏は直義を誘って海岸で語り合う。「母上は勘の鋭いお方じゃからの、わしが何を考えているか気がかりなのであろう」と高氏。
兄上が北条に弓を向ける、それが間近だと」直義もそう思っている。
高氏は「恐ろしいことではないか。まだ引き返せる。妻や子と安穏にくらしていける道もあるのではないか、という迷いもあるが、今の幕府は腐り切っている。このままではいかん。誰もが苦しむ事のない美しい国を、帝の手を借り作りたい

父・貞氏の言葉が蘇る。「父のように迷うな。神仏の許しがあれば天下を取れ…!

 兄弟が帰宅すると、登子(沢口靖子)清子千寿王と遊びながら帰りを待っていた。
高氏は思わず目を細め、千寿王を抱き上げる。「ではお休みなされませ」と清子に挨拶し、家族を連れて寝室に引き上げる高氏。直義も同様に引き上げていく。そんな兄弟を母の清子は不安そうにみつめるのだった。

元弘3年・正月 河内の楠木軍は、河内と和泉の守護の軍勢を破り、天王寺まで攻めていた。
北条高時(片岡鶴太郎)邸では、幕府の面々が集まっていた。
楠木ばかりでなく、吉野の大塔宮が諸国の武将に檄を飛ばし、北条を倒したら、北条の領地を恩賞として与えると言っている。長崎高資(フランキー堺)は「金で買われた水膨れの軍」と評した。
高時は「では倍の恩賞を出して寝返らせてはどうじゃ。」と言い出す。
円喜(西岡徳馬)は「恩賞に与える土地がない」
赤橋守時(勝野洋)が「三浦を滅ぼし、安達を滅ぼし、皆から召し上げた領地は尽く得宗家と、その重臣の長崎家が、おのれのものとなされて参った」と皮肉る。
高資「我らの領地を悪党どもに、くれてやれと申すか!」
北条高時「もうよいもうよい!」

二階堂道蘊(北九州男)を大将に十万の大軍を送ることとした。

庭で顕子(小田茜)たちが蹴鞠で遊んでいて、鞠が転がって来た。高時は鞠を拾うと「あとはよしなに」と、蹴鞠を始めてしまった。

幕府が10万の出兵を決め、足利が含まれないことを知り、高氏は鎌倉に残る兵力を数え始める。
高師直(柄本明)は今回の出兵が第一陣で、第二陣が出発するおりが鎌倉が手薄になる時だと進言する。高氏はそれまで楠木が持ち応えられるかどうかがが鍵だとにらむ。

楠木正成は花夜叉から足利が北条を討つことが伝えられる

 楠木正成(武田鉄矢)は河内の金剛山に17の砦を築き、山全体を城にししようとしていた。千早城では、楠木家の侍女たちも、石に弓を教わっていた。石は正成の命令で隠岐の後醍醐帝を助けに向かうことになっていた。

花夜叉こと卯木足利高氏の言葉を伝える。
足利家が動くならば、天下が動く。
正成「各地に進出していた一党を全員河内に引き上げさせ、戦を長引かせ、皆長持ちして、死なぬよう戦って、敵を引きつける。正季…気長にやるぞ、気長に」と立ち上がり、卯木に「何か食べていくが良い」と声をかけていく。

卯木は久子(藤真利子)と二人になった。「御礼も言わず申し訳ない。意地っ張りなのです」と謝る久子。
卯木は「分かります。私もそうですから。武士が嫌になって猿楽舞と駆け落ちし、駆け落ち相手が死んだ今でも、家に戻ろうとしない。しかし今なぜかこうして楠木の一大事と、戦の手伝いをしてしまっている」
久子「やはりよう似ておられます。卯木どのと我が殿はどちらも武門に向かぬお方じゃ。」

 鎌倉から送られた幕府の大軍は、吉野山にこもる大塔宮と河内の楠木軍をめがけ殺到した。播磨では赤松円心が挙兵し、大和でも高間行秀などの豪族が幕府に反乱を起こした。

後醍醐帝は隠岐脱出することになった

 後醍醐帝(片岡孝夫)が流された隠岐では、救い出す計画が進められていた。
側近の千種忠顕(本木雅弘)阿野廉子(原田美枝子)迎えが明日の夜来ることを告げに来る。心ある島の武士と、阿波の海賊 岩松𠮷致(新田一族 岩松経家の弟)、楠木正成の手のものが助けに来る。
もう一人の妃・小宰相には帝が直々に計画を告げると聞かされ、廉子は心穏やかでなく、火桶を持って雪のなか後醍醐帝の黒木御所に向かう。外から部屋の様子をのぞくと、後醍醐と小宰相が抱き合っていて「ここを出たいとは思いませぬ。ここで帝のお子を産むのじゃ」。
後醍醐「大事は明日の夜…」とささやく。そ耐えきれなくなった廉子は持っていた火桶を雪の中に投げつける。
「誰ぞ!」と出てきた後醍醐は廉子に気づく。
廉子は恨めしそうに帝を見つめるのだった。


▽まとめ&感想

足利高氏が北条を討つことを決意 道誉に打ち明ける。
動揺する道誉だか強い味方と言われ、笑い合う。
幕府は10万出兵を決め、楠木正成は花夜叉から足利が北条を討つことが伝えられる。
後醍醐帝は隠岐脱出することになった。

ついに高氏が北条を討つ決心をしました。
婆娑羅な道誉も随分、動揺していて、意外です。
ここにも美しい国が出てきました。
隠岐の島、暖かいところと思っていたら、吹雪でした。