高氏は伊賀に駐留、正成、石も伊賀に落ち延びて行く
足利高氏(真田広之)軍は伊賀へ進軍していた。赤坂城を落とした大仏貞直の使者が、正成が伊賀に逃れただろうと伝える。高師直(柄本明)は「無念でござります。我が軍は矢を一本も撃たずに鎌倉に帰らねばなりません」と言った。
高氏のところへ、忍び装束の一色右馬介(大地康雄)が来て、正成が恐らく伊賀に入っていること、この近くに藤夜叉母子が住んでいることを教える。
「藤夜叉のことはこの七年、心に置かぬよう思わぬよう…。」と高氏。「お会いになりまするか?」と問う右馬介に「会うてみたいが、会ってしまえば二人を白日の下にさらすことになる」と言う。明日どうなるかわからぬ、自分とは関わりなく、平穏に生きていてもらいたいと。
藤夜叉(宮沢りえ)たちのもとにも、赤坂城陥落の知らせが入り、石(柳葉敏郎)を心配する。不知哉丸は足利の陣営を覗きに行って、「鎌倉の侍大将がいた。わしも侍大将になりたい。」
正成、妹と再会、服部小六の命令で助ける
その夜、藤夜叉の家に石が変装した楠木正成(武田鉄矢)を連れてきた。石の無事を喜び、いきなり「正成に、酒と飯。」と言う石に、怒る藤夜叉。
そこへ花夜叉(樋口可南子)がやって来て、正成に対面し、「兄上、お久しゅうございます。」と声をかけるが、正成は黙ったまま。
花夜叉は「かくまって大和まで連れていきたい。」と申し出るが、正成は「その方は楠木の家を捨てて、猿楽舞と出奔いたした者。受けるわけにはいかん。」
そこで、花夜叉は「花夜叉一座は、この地の豪族・服部小六さまの、ご恩を受けている者。その服部様より、お助けするよう命じられております。一命にかけ楠木様を、お守りします。」と言う。正成は無言で応じる。
高氏、藤夜叉と息子に再会、正成は関所で検分へ
明朝、土肥佐渡前司(大塚周夫)が高氏のもとにきて、正成らしき者をこの辺りに追い込んだと告げる。土肥たちは関所を各所に作り、一軒一軒の家を、調べるよう命令する。
石と正成は花夜叉一座に紛れて伊賀を脱出しようとする。藤夜叉は石を懸命に引き止めるが、石は日野俊基からもらった、土地の書き付けを見せ、藤夜叉母子や一座のみんなを呼んで、楽しく暮らすのが、夢なのだと語る。
藤夜叉は「せっかく帰ってきたのに!」と言い、石は「わしらは夫婦でもなし、赤の他人の兄妹ぞ」と言い、飛び出していった。
いつの間にか来ていた、柳斎に藤夜叉は「石を助けて下さい!一座を助けて、足利高氏さまに会わせていただけませんか」と頼んだ。
正成は車引きになり、花夜叉一座に紛れ込んで、道を急ぐ。しかし土肥の武士たちに取り囲まれ、関所に来て、検分を受けよと命じられる。
足利軍の前に、武士姿で、一色右馬介が馬に乗って現れた。「ここはわき水のうまい里でござる。しばし休まれてはいか が」と右馬介は高氏に勧める。
高氏は進軍を止めさせ、右馬介の案内に従って一軒の民家に近づく。そこへ戦ゴッコをしてい る不知哉丸がやって来て、藤夜叉が出てきた。
右馬介が「我らは通りすがりの者…。水を一杯いただけませぬか?」と話しかけ、高氏は家に入る。藤夜叉は柄杓に、水を汲んで差し出す。
高氏は水を飲み、「先ほどのお子は、おもとのお子か?」と尋ねる。
藤夜叉は「大きくなったら武士になるのだと、父は戦で死んだ侍大将だと小さい頃から言い聞かせておりました」
高氏は「何かできることはないか?」と聞く。
藤夜叉は「これ以上戦を大きくしないで、戦が起こると、みな変わってしまうのです」「楠木様がどれほど偉い方か存じません。私には兄妹の石の方が大事です。」
そこへ土肥から、「関所で正成らしき者が、検分を受けるので、至急立ち会って欲しい。」
高氏は「お子を戦に出されぬよう、大事になされ。御身も体をいとわれよ」
藤夜叉も「御殿も。」と応じた。
高氏が関所に着くと、検分が始まった。
高氏と土肥の前には連行された花夜叉一座、その中に紛れた正成の姿があった。
▽まとめ&感想
高氏は伊賀に駐留し、正成、石も伊賀に逃れた。
正成、妹 卯木と再会。花夜叉として服部小六の命令で助けることに。
柳斎は、藤夜叉と、高氏を繋ぐ。
高氏、藤夜叉と息子に再会 、正成は関所で検分へ
今回は、話しが余り進みませんでした。
約30年前なのに、宮沢りえさんすごいです、余り変わりませんね。
樋口可南子さんも引きつけられました。
高氏、藤夜叉と息子に会うとき、関係がバレないようにしているつもり?従者見ているのでは?気になりました。