Eテレ 2024.7.5
40代半ばで「ハーブ」と出会い 小早川愛さんは独学でハーブの知識・活用法を学び、今ではイベントなどでハーブの素晴らしさを伝えています。仙台市の斎藤ひとみさんは、小学校時代に身につけた裁縫スキルを活用しオーダーメードの服を制作、子育てと仕事の両立で充実ライフを送っています。
【ゲスト】麻木久仁子【講師】ハーブコンシェルジュの小早川愛
【司会】賀来千香子,芳賀 健太郎【語り】堀内賢雄
ハーブコンシェルジュの小早川愛さん 独学でハーブを学び 前職のスキル活用
ゲストの麻木久仁子さんは10年前に脳梗塞・乳がんを患いました。それをきっかけにまずは食生活を見直そうと思い、薬膳を学び始めました。
埼玉県羽生市に住むハーブコンシェルジュの小早川愛さんは ハーブを摘んだり、ハーブの魅力と活用法を伝える自らのイベントを開したり、日本薬科大学で講師を務めています。150種以上のハーブを栽培する埼玉県にあるハーブ農場(㈱ポタジェガーデン)で企画・営業を担当しています。
8年前までは4人の子育ての専業主婦でした。大学卒業後映画配給会社で働き、その仕事ぶりは雑誌にも特集されるほど。世界中を飛び回り数々の映画をヒットさせました。33歳で同じ映画業界で働く夫と結婚。子供が生まれ別の会社に。4人目が生まれたことで子育てに専心したところ 体調不良が続き数多くの薬が必要となった。
ある日 3歳の娘に「ママは大きくなったら何になりたい?」と聞かれ、自分の人生終わっていると思っていたことに気づかされた。何かにチャレンジしたい、仕事したいと思い マザーズ ハローワークを訪れ 週2回 午前中だけのパートを選んだ。それが今も働く ハーブ農場の東京事務所でした。
スーパーマーケットやホームセンターを営業に廻ります。この時役に立ったのが映画業界でのプレゼンテーションスキルや企画書作成能力。ハーブの知識を猛勉強、サンプルをもらってレシピを作り 料理し 写真を撮って 味わったレポートを2週間毎日続けたら創業者にほめられた。レシピ開発で一層ハーブの魅力に引かれた小早川さんは 積極的にハーブを取り入れます。
半年後 小早川さんは 体調が良くなったことに気づきます。自分だけではなく夫もハーブで体調が良くなったと感じ、より多くの人にハーブの良さを伝えようと これまで書きためてきたハーブのレシピを2020年に「作って、食べて、満たされて 私を幸せにするハーブレシピ」を自費出版しました。
ハーブの魅力に自信を深め 小早川さんは会社以外でも独自の活動を始めました。都内のとある企業の社員食堂で 3年前からランチにハーブサラダを出していて 評判も上々です。社員が楽しみにするハーブビュッフェですが、当初は なじみが薄いハーブは敬遠され余ることもありましたが、ハーブの効能や おいしさが徐々に浸透この日も完食でした。
ハーブコンシェルジュの小早川 愛さんです。
(麻木)まあまあ お元気で。
(賀来)小早川さんをここまで とりこにさせたハーブの魅力をまず教えて頂けますか?
(小早川)10年前は 心はボロボロ 体ももう絶不調で もう笑顔がないんですよ。でも今は こうして ハーブをワシワシ食べて モリモリ飲んで クンクン嗅いで、ハーブが体の中に入っていくことによって 身も心も整った今があるということで健康食材であることが一番の魅力です。
(麻木)私 薬膳やっていまして、薬膳といえば東洋医学なんですけど ハーブというのは言ってみれば西洋薬膳なんですよね。結局 その土地土地で 健康食材が違ったものが芽吹くというだけで 要は 大地から元気を頂きましょうというところは同じなので、おっしゃること すごい よく分かって。
(賀来)タイミングだったり スキルを身につけるコツというのは いかがですか?
(小早川)好きなものに出会ったら とことん のめり込み・楽しむ。理論で動きをストップするところをまず やめずに やりたいことを とことんやる。自分はそんな意識はしてなかったけれども いつかスキルになるんですよね。
(麻木)私の場合は もうちょっと緩くて自分は全然 頑張り屋でも何でもないし 始めたのは50ちょっと過ぎてからです。これはスキルになるのかしらとか あまり真面目に考えないで面白そうと思ったらやってみる。ちょっと おっちょこちょいな感じ。自分に合っていれば続くし 向いていなければやめればいい。
小早川さんの5種類のフレッシュハーブ スペアミント・アップルミント・レモングラス・ローズマリー・レモンパームがブレンドされた ハーブティーを今日は準備いたしました。
(麻木)しっかり香りを嗅ぐのもすごくメンタルにいいんですよ。私は日本茶に ミントちょっと浮かべたりしたりして。 すごくいいですよ。
(小早川)ミントには鎮静作用をもたらす 心のこわばりだったり 体のこわばりをほぐしてくれるような作用があったり。レモングラスもリラックスさせてくれる。風邪の予防にも使われています。

スキルを売り買いできるサイト活用
今 インターネットで自分のスキルを登録して販売できるサービスがあるんです。スキルを売り買いできるサイトが数多くあって、その一つ『ココナラ』では イラスト 漫画デザインからビジネス代行 悩み相談に至るまで多種多様なスキルをおよそ450種類 探すことができます。例えば住まい 美容 生活趣味では料理の相談。観葉植物のアドバイ」スなどさまざまなスキルが掲示されていました。
大手スキルマーケット運営会社 竹下加奈子さん
「産休中 育休に入っているパパ ママ さんが本業で働けない分、本業のスキルを生かして『ココナラ』活躍してくださったり、会社を リタイアされた方が培ったスキルを世の中に生かしたいために使うこともある。特別な資格とか 技術がなくとも どんどん活躍できる。」
(賀来)現在 ニーズが多いスキルはどんなものなのでしょうか?
「営業職の方に営業のアドバイスとか、エクセルやワードを使って業務の入力代行をすごいスピードでこなす人もいる。高齢の方で 動画のクリエイター バンバン活躍される方もいる。」
(麻木)自分が薬膳 お教室をやりますという時に、まだ このレベルで お教室なんてどうなんだろうって すごく躊躇する 勇気が出ない自分がいたんですけど、あるお料理の先生が「何 言ってんの 考える前に動きなさい」って背中を押してくださって。
(小早川)実は このサイトを利用したことがあったんです。ホームページを作ろうと思って1年ぐらい もたもたしていて。紹介され 申し込んでみたら、先生 1時間でサックリ教えてくださって、すぐホームページを作ることができて 本当に助けて頂きました。
(芳賀)せっかく 皆さん こういうスキルを持っていても なかなか知ってもらうという場面がなかったので いい流れなのかもしれませんね。
「私を見つけて」の一田さん推薦 子育てをしながら洋服のオーダーメードの会社と洋裁教室を開いている斎藤さん
さまざまなスキルやノウハウを持っている方々を 発掘する方を 杜の都 仙台で取材しました。
暮らしにまつわる記事を書くライターの一田憲子さんを、 「私を見つけて」プロジェクトという企画の取材。その名のとおり 全国にいる埋もれた人材の紹介です。一田さんの「外の音、内の香」というブログを見て 希望を寄せてきた人の中から 気になった人を訪ね活動内容や必要な知識・スキル そして展望まで丁寧に聞き取り記事にします。
今回の取材相手は 今の時代に最もマッチすると興味を抱いた女性です。
仙台市の斎藤ひとみさん(42)は、子育てをしながら洋服のオーダーメードの会社と洋裁教室を開いています。斎藤さんは7年前から洋服のオーダーメードを始めました。今や全国から注文が殺到。着る人の体型 デザインなど要望に応じて細部にまで気を配り丁寧に仕立てられた服は着心地が良く 何よりも長く愛用できるのが人気の秘密です。
実は洋裁の学校やアパレルメーカーで働いたことはありません。東京の大学を卒業した斎藤さんは地元 仙台に戻り さまざまな経験を積みながらキャリアを築いていきました。29歳の時に結婚、長女が生まれ 仕事と子育ての両立を考えたのです。斎藤さんが幼い頃は両親とも外で働き いつも近所の知り合いのミシン店に預けられていました。
「この子器用だから ひとみちゃん手芸上手だよ」とミシン屋さんが母に言ってくれたので、母が私にミシンを買ってくれ、手芸が好きだった。そこで思いついたのが 小学校時代に身につけた裁縫スキルを生かし、家でできる子育てサロンでした。サロンでは ポーチやエプロンなどを作り販売。手軽で使いやすいとお母さん方に評判となりました。
意識したこともなかった昔に身につけたスキルが今になって生かせることを 「子育てサロン」の経験が教えてくれました。そこで斎藤さんは改めて自分の持つ洋裁のスキルを見直しました。足りていないと自覚したスキルを学び直しこれまでのスキルもブラッシュアップ。そして注文服に応じられるまでにその技術を高めました。
さらに始めたのが洋裁教室。地域の人に洋裁の技術を広めたいと 子どもから裁縫初心者まで3つのコースで教えています。そして夕方 斎藤さんが一番大切にしている家族との時間です。これまでに 自分の仕事も裁縫教室も終わらせます。継続可能な子育てをしながらやれる範囲で設計しています。
一田さんの視点
・子育て世代でもできる時間・場所を活用して やりたいことができる時代である
・プロの時代ではなく 素人のスキルを活用する時代
・スキルの棚卸し 幼い頃に学んだ知識・経験を生かす
(麻木)意外に皆さんね 私には特にないとか、あるけど このレベルじゃ だめとかって思わずに まず棚卸ししちゃうと 空いた棚に次が 意外に勝手に入ってくるというところは あると思う。
世田谷 塾に子ども食堂
東京 世田谷区 居間のような所で勉強する子どもたち。ここは 40年続く地域に根ざした塾。教えるのが この塾で学んだ学生たちです。塾が始まる5時間前には7年続く子ども食堂の準備が行われていますす。ボランティアで さまざまな世代の女性 子育て中の主婦から ご高齢の方まで 身近な経験を生かしてこの活動を支えています。
塾の代表理事 岩岡いづみさんは「子供達においしいものを食べて欲しい」と考えています。
子ども食堂がオープン。席に着いたのは塾へ勉強しに来た生徒とその保護者。
「お母さんが看護師で夜勤の時はこちらで楽しく食べられる 」、「彩りがキレイでみんなと食べると楽しい、子供の居場所で大人の居場所です」の声が。
お母さんたちの身近なスキルが生かされることを通して もっと大切なことを教えてくれる場なのかもしれません。
(麻木)スキルというと どうしてもそれによって収入アップとかを どうしてもまず考えてしまうんですけど、人生の幅を いつの間にか広げてくれるという力はあります。
(賀来)ボランティアで人のお役にも立てる 立たせて頂けるんだけど スキルの学びも すごくあるという感じ。
(小早川)既に毎日毎日 食事のことをやってらっしゃる主婦は 既にスキルをお持ちでいらっしゃる。それ是非放出して頂きたいと。
▽まとめ&感想
スキルを生かす程のこともないけれども 今はいろいろあることにびっくりしています。