あしたも晴れ!人生レシピ★味わい豊か!しあわせスイーツライフ▽こんな話

Eテレ 2023.11.24

パンケーキの帽子が特徴的なスイーツなかのさん紹介 浮き輪のクッキー・切る度に絵が変化する羊羹☆
和菓子が大好きなルーマニア出身の高校生☆
世界を旅してきた パティシエ鈴木文さん 「世界のおやつおうちで作れるレシピ100」 

【ゲスト】鎧塚俊彦 【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

スイーツなかのさん紹介 浮き輪のクッキー・切る度に絵が変化する羊羹

洋菓子店オーナーシェフの鎧塚俊彦さん
お菓子って幸せの象徴じゃないですか。誕生日・結婚式で 必ず そこにケーキがある。そこに ケーキがあるだけで、そこが幸せというような空気感を作れますよね。僕は料理が体の栄養ならば、スイーツは心の栄養だと いつも言ってる」

パンケーキのハットをかぶった スイーツ芸人のスイーツなかの さんです。都内にある出版社の一室で 連載用のスイーツの写真撮影が行われていました。一万食以上のスイーツを食べ歩き、ウェブ連載では 自分でテーマを考え おすすめのスイーツを紹介 その魅力を発信しています。
今回は アップルパイ。自ら厳選した5種類のアップルパイを紹介します。1つは上皇陛下が皇太子時代 お忍びで召し上がったことでも有名なもの。味を表現するために試食もしっかり行います。そのため食生活も気遣って 夜はキャベツスープのみ飲みます。
スイーツ好きは子どもの頃からで、土曜の夜にお菓子好きな父親が家族を集めスイーツを食べるという習慣があったのです。芸人に憧れていて大学卒業後はその道へ。コンビを組み舞台に上がりましたが売れず4年ほどで解散。模索し行き着いたのが好きだったスイーツでした。ネタを作るためにさまざまなスイーツを食べ歩き まつわる歴史や作り手の思いにも深く触れるようになっていきました。
子どもの頃から よく食べていたクッキーは、1924年に夫婦で創業した老舗 泉屋のリングターツで その形にも意味がありました。先に旦那さんが亡くなり 残された奥さんとお子さん3人で頑張っていこうと、浮き輪に 上に乗っている4つの飾りのクッキーでした。

なかのさんが今注目しているネオ和菓子、和と洋の垣根がなくなって すごく増えています。福島 会津若松市の 長門屋 6代目 店主 鈴木哲也さんです。店内には さまざまな手作り和菓子が並んでいます。こちらの羊羹 真ん中の部分は金玉羹といい 寒天と水あめなどを煮溶かし固めたものを あずき羊羹で挟んでいます。羊羹というのは切るのが手間な部分があるんですけれども、それを現代風に 楽しんで頂く工夫があって 切るごとに断面の絵が変化します。月が三日月から膨らんで満月になって そこに向かって鳥が羽ばたいていきます。
羊羹と金玉羹を 段で重ねていくところは 混ざり合うとグラデーションが出なくなり、冷えすぎると固まりくっつかなかったりとか、レモンは酸味があるので 固まり方が悪いが おいしいので なんとか使いたいなという思いで。
もともとは酒屋でしたが 会津藩主の命を受け菓子作りをスタート。地元の素材を使い人々に愛されるお店として 手作りの和菓子を提供し続けてきました。東日本大震災での風評被害で 商品が売れなくなり 菓子店として どう生き残り どんなものを作るべきか模索したのです。楽しい団らんの元となるようなお菓子、 現代との架け橋になるようなお菓子を考えました。
蔵に残っていた木型を有効に活用 和三盆糖をかわいらしい形にしマドラーに。コーヒーや紅茶に入れて味わうというユニークなもの。地元の保存食の焼くと膨らむせんべいをヒントに 雑穀などを加えシリアル代わりにと考案したもの。遊び心のある楽しい和菓子を次々に生み出しています。

(鎧塚)なかのさんに何度も会ってます。いつも あの帽子をかぶってらっしゃるので すぐ分かるので。ああやって 発信して頂くと、一生懸命いろんなものを作ってる人にとっても 励みにもなり ありがたいですね。思考も見た目も どんどん時代によって変わっていくんですよね。その変わっていくものに合わせて 味であったり デザイン的なものを変えていくというのも ものすごく大切なことだと思います。普遍的な伝統的なものを守っていって頂きたいな というのもあり、両方 共存していくのはいいと思いますよね。
それではVTRで ご紹介しましたネオ和菓子をご用意致しました。
(賀来)きれいですね。ちょっとクランベリーだったり レモンの爽やかさだったり いろんなマリアージュみたいな感じでとても爽やかで おいしいです。
(鎧塚)スキッとしておりましてね優しい味ですよね。
僕ライブが得意なんですね。お客様の注文を聞いてから目の前でデザートを作り上げていく。出来たてを出したら絶対おいしいに違いないと思いまして これが僕の武器の一つですね。あとは 畑から お客様の口に行くまでも自分が作るというところに こだわってやってるんですね。

鎧塚さんは神奈川県小田原市に農園と施設を作り とれたフルーツなどを使ってスイーツを作って提供。さらに南米エクアドルにカカオ豆を育てる農園を作り チョコレートなどスイーツの素材を自分たちで作る取り組みを行っています。

和菓子が大好きなルーマニア出身の高校生

岐阜県 城南高校 に 和菓子が学べると聞いて 製菓科に入った ルーマニア出身のエレナさん(高3)。和菓子の全国大会で優勝するほどの名門校なんです。
3歳の時にルーマニアから家族と一緒に日本にやって来たエレナさん、和菓子が好きになったのは小学生の頃で、あんこの魅力にとりこになっているんだそう。エレナさんの部屋にお邪魔すると、あんこを発見!徳用サイズのこしあんに、ゆであずき缶詰が2つも?あんこが好きすぎて部屋で保管してるんです。壁には鍋が掛けられ、棚にはきれいな和皿も置いています。ニオイがつくので他の料理に使われたくないとのことです。
大切な器に丹精込めて手作りした和菓子は 見た目もかわいらしいものばかり。SNSにアップして 多くの人に見てもらうのも楽しみなんだそう。
エレナさんの和菓子作り、まずスマホで完成品のイメージを作ります。エレナさんは日常の風景や季節感をイメージした和菓子が好きで、これはヒマワリをモチーフにした上生菓子。
目指しているものを形にするためひたすら集中するエレナさん。あんこをのせれば柔らかさを感じさせる ひまわりに。食べる前に自慢のお皿を選び出し、葉っぱの飾りを使ってきれいに撮影できました。作る楽しみ 食べる楽しみを味わいながら日々 センスを磨き続けるエレナさん。

(賀来)エレナさん 映えてます。
(鎧塚)ひまわりが本当に咲いたようなお菓子で すばらしかった。道具も きちっと しまってましたよね。あの辺から僕はいい職人になるんじゃないかな、あと写真とかもすごく大事なことなんですね。

鎧塚さんは お菓子のコンクールの審査員なども されてますけれども 若い世代の菓子作りのセンス どんなふうに感じ取ってらっしゃいますか?
(鎧塚)若い子だけのコンクール 僕ら見ると かなり大人の人の意見が入ってるなというのを 感じ取れる場合もあるんですね。意外と優勝するのは若い子たちの思いが そのまま詰め込んでるような作品 自分たちが やりたいというものを作ってるんじゃないかな。
若い頃は。大好きなお菓子屋さん行ってデザインとか味を見て 同じようなの作ったり 本で勉強して同じようなのを作ったり。今は やっぱり素材ですね。いい素材といい生産者の人に出会うと その人たちの良さを全面的に出したいなと思う。

世界を旅してきた パティシエ鈴木文さん 「世界のおやつおうちで作れるレシピ100」

旅するパティシエ鈴木文さんは、東京 港区の講座では 作り方を実演をしながらその歴史などを伝えます。
この日 作って見せたのは 中東で よく食べられているハルヴァと呼ばれるお菓子。キビ砂糖を溶かして作ったシロップを ナツメグパウダーなどを入れたピーナツペーストに加え 手早く混ぜ合わせ、ピスタチオなどナッツを並べた器に入れ さませば完成です。
もう一つはアルファフォーレス、アルゼンチンなど南米でよく食べられている伝統菓子で、キャラメルクリームをかんきつの皮が練り込まれたクッキーで挟み ココナツをまぶしたもの。実はこのお菓子 中東で生まれたもので、南アメリカに伝わったと言われています。
大学卒業後は アパレル企業に就職しましたが、自分のお菓子の実力を試したいと思い チーズケーキを喫茶店に置いてくれないかと交渉し、実際に売れたことで自信がついたといいます。
そこで会社を2年で辞め菓子店に就職。さらに会員制レストランでデザートを考案する シェフ・パティシエにもなることができました。
マカロンを使った新しいデザートメニューを考えていた時 フランスのお菓子だと思っていたところ由来はイタリアにあるという説を知り、お菓子の世界をもっと深めたいと思った。また流行するお菓子 行列をなして 数か月たつと 忘れられる。その繰り返しに違和感を感じた。
世界のスイーツを自分の目で見て味わって学びたいと 2016年から一年に及ぶ世界一周の旅へ出ます。さらに現地で菓子店を探し頼み込んで一緒にお菓子を作りながら 材料や作り方を学んできました。
帰国後 現地で出会った人や その土地の風土や歴史を感じさせるお菓子の情報をまとめ『世界のおやつ』を出版します。大切に食べられてきた味を 日本人が食べやすいようなレシピに落とし込み 発信し始めました。今は企業のレシピ開発やワークショップの開催など活動の幅を広げています。

(賀来)お菓子に対しての歴史やら深いことを知りたいと お思いになって 一年間 世界中をっていうのがそうそう できることではない。いや〜 すてきだなと思いました。

菓子作りにおいて背景ですとか物語性といったものも重要なんでしょうか?
(鎧塚)僕はものすごくそれを大切にしてますね。鈴木さんの場合は歴史だった。僕のは そこが素材であったりパティシエの思い・生産者の思い。

鎧塚さんも動画を通して さまざまな情報とかレシピを発信されています。
(賀来)いや〜 フォンダンショコラがおうちで作れるなんてね。
(鎧塚)簡単にできるんです。配合と作り方ですね そういったものを僕は もう全然公表してます。どんどん皆さんね 作って頂いたらと思いますね。

▽まとめ&感想

パンケーキの帽子が特徴的なスイーツなかのさん紹介 浮き輪のクッキー・切る度に絵が変化する会津の羊羹‥見て食べたい!
和菓子が大好きなルーマニア出身の高校生☆
世界を旅してきた パティシエ鈴木文さん 「世界のおやつおうちで作れるレシピ100」