あしたも晴れ!人生レシピ★どう活用する?人間ドック▽こんな話

Eテレ 2023.5.19
人間ドックの基本検査項目とオプション検査の内容☆
人間ドックは検診と違い いつでも自由に受けられ 助成もある☆
どの検査を行うか?血液で胃の検査ができる☆体重の変化大変重要☆
AI 改善の有無で未来のリスクを予測 倉敷中央病院☆
少量の唾液で体質や病気のリスクを調べる遺伝子検査

【ゲスト】村上知子 【講師】人間ドック健診専門医 石坂裕子
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

人間ドックの基本検査項目とオプション検査の内容

(賀来)まさに 2日間にわたる人間ドックを予約したばかりなのです。
(ゲスト 村上知子さん)自分の身は自分で知っとかないといけないとは思いますが 会社員ではないので健康診断がないんです。40代過ぎてから年に1回やらなきゃなという感じで、2年前に受けたので 今年は ちゃんと受けなきゃなという感じです。
健康診断・人間ドックの受診率 男性よりも女性のほうが低い傾向があり、20歳以上で健診や人間ドックを受けたことがある人は 男性74.0% 女性65.6%です。

夫と2人で暮らす50代の裕美子(仮名)さんです。通院時の検査を除き 30年以上検査を受けていません。全然不安がなく 検診のお知らせの封も開けずにいます。10年前まではダンスやジムに積極的に体を動かしていましたが 現在は自宅と職場を往復する程度。移動は車で、あまり歩く機会もありません。
体型の変化をきっかけに食事に気を遣うようになりました。肉を減らし 魚を中心に。必ず野菜をとるようにして1日3食 食事をしています。お酒は大好きで ほぼ毎晩欠かしません。帰ってきて缶チューハイをまず1缶。お風呂から出て ワインかウイスキーどっちかを結構大きいグラスで1杯 飲みながらごはん。50代に入り気になるこのは、ものすごい風邪を引きやすくなり 疲れやすいことです。
そんな裕美子さんに人間ドックを受診して頂きました。
選んだのは1日ドックという日帰りコース。人間ドックの専門外来がある千代田区の三井記念病院で受診します。
●人間ドックの基本検査項目
1.身体検査:身長・体重・BMI・脈拍・体脂肪を測定
2.X線検査(胸部): 肺疾患・心疾患・胸部大動脈など
3.血液検査(採血):肝機能・糖尿病・生活習慣病
4.上部消化機関検査(X線造形検査 または内視鏡検査):食道・胃・十二指腸のがん・ポリープ・潰瘍・炎症など)
5.尿検査:腎・尿路系
6.腹部超音波検査:肝臓・胆のう・すい臓・腎臓・脾臓・腹部大動脈
7.眼科的検査(眼圧・眼底検査):緑内障の有無・高血圧・糖尿病の合併症
8.医療面接・保健指導:医療職が行う
9.生理機能検査:血圧・心電図・聴力・呼吸機能
この病院では全部で9つ。一般の健診よりも検査内容が多いのが特徴です。費用は基本的には自己負担で 3万5000円から6万円。
●オプション検査(任意で追加できる検査)
脳ドック・顔認知ドック・動脈硬化ドック・乳腺専門ドック・骨粗鬆症ドック・乳がんドック・子宮頸がんドック・ピロリ菌抗体検査
病院により 検査内容や費用が異なります。

人間ドックは検診と違い いつでも自由に受けられ 助成もある

人間ドックの検査内容を初めて見た裕美子さんは、どれを選んだら良いか迷いました。産婦人科 行った時に先生に1年に1回ぐらいは受けたほうがいいよって言われたので乳がんは受けてみたいと思うものの 今自分に必要な検査がわかりません。
(村上)やっぱり体調の変化というのは本当に40代過ぎてから あれあれ?って。人間ドックの話になるとやっぱり何 受けていいか、ああやってバーッて並んでると分からない。

どうやって選んでいくのかなど含め 伺っていきたいと思います。
(人間ドック健診専門医の石坂裕子さん)
必要な時に 通院はしても 健康診断は受けないという方、厚労省の調査でも 時間がないからとか、つい忘れてしまったとか、あと自分は病気じゃなさそうだし 病気だったらすぐ病院に行けばいいやというふうに考えてる方もいらっしゃる。
専業主婦の方とかは 本来は受けなければいけないが なかなか受けるまでに繋がらない。
●主な健康診断
1.一般健康診断(定期検診) 1年に1回:身長・体重・血圧・尿・血液
労働安全衛生法で規定された定期健康診断で事業所とか会社が必ず やらなければいけない健診で従業員は必ず受けなければいけない
2.特定健康診査(メタボ健診)40歳~74歳 生活習慣病の早期発見とか重症化予防を目的とした健診
3.がん検診 特定の年齢による。 胃がん 肺がん 大腸がん 子宮頸けいがん 乳がんの5つのがんを対象にしたそれぞれの検診

(村上)区から来る封筒の色がオレンジだったりで ハッと思うんですけど ついつい どっかに しまってしまう。
●3つの健診と人間ドックの違い
人間ドック は法律で規定されていないので どなたでも自由に受けることが可能。人間ドックは法律で規定された健診プラス もう少し詳しい検査(眼科・超音波)。
そういう詳しい検査を一気に行い、その日にほとんどの結果が出る、医師からの結果の説明・保健師による保健指導まで 1日で済む 利点があります。

(村上)ただ金額がね 結構!3万5000円ぐらいからで 本当に病院によって全然違うと思うんですけど 何十万もするようなところがあるじゃないですか。
(石坂)人間ドックも市町村・健康保険協会・健康保険組合・加入保険から 補助・助成が出ることが ほとんど。オプション検査の中でも特に一般的な乳がん検診・子宮頸がん検診は 補助が出て無料で受けられる場合もある。
35歳以上の方に補助が出るというパターンが多い。会社員の方でも 35を超えると人間ドックを受けられる方が増えてくる。一方で女性のがんは 20歳代から出てくることもある。ターゲットにする病気を考えながら決めていく。
人間ドックですと ある程度パッケージになってますので 20代の若い方が受ける必要もない検査も入っているため 単独で婦人科系だけを受けて頂くといい。
男性の場合はアルコールが多い方が多かったり、年齢とともに会社が忙しくなって運動不足になったり やはり30代~40代ぐらいから 受けて頂いたほうがいい。
(村上)人間ドックを受けるとしたら どんな医療施設を選べばいい。いろんな種類があるので普通の病院っぽいところもありますし、ホテルのような すごい施設の中でできるものもある。
(石坂)健診の施設というのは病院併設といって 病院と一緒にある健診センターと、単独の健診センターといって 健診だけをやるセンターがある。
●病院併設型のセンターのメリット
健診の結果何か引っかかってしまった時に その病院で追加の検査。病気の方がまれに来られたらその日に病院のほうに行って頂ける
人間ドック学会 人間ドック学会が20年近く前から機能評価事業というのをやっていて おおよそ100項目 健診施設に実際に訪問してチェックをして認定をしてる。大体5年に1回ぐらいで更新です。

どの検査を行うか?血液で胃の検査ができる☆体重の変化大変重要

人生で初めての人間ドックで どの検査を受けるべきか迷っていた裕美子さんに 石坂さんが勧めたオプション検査は?
・年齢から 婦人科系の 乳がん・子宮頸がん検診。今まで受けたことがなければ 骨密度の検査
・胃もたれがあるという 胃の検査は胃カメラバリウムどちらがいいですかと聞かれ、胃の検査はおう吐反応があり抜いて欲しいと伝えた。
裕美子さんが選んだオプション検査は5つ。血液で胃の粘膜を調べるペプシノゲン検査と胃がんの発症リスクをチェックするピロリ菌抗体検査。血液中のアミノ酸濃度からがんのリスクを判断する検査、年齢を考慮し マンモグラフィー骨密度検査を選びました。

7人生初の人間ドックにやって来た裕美子さん。まずは血圧から、やや低めでした。事前に記入した問診票に従って看護師から質問があります。薬剤や食べ物のアレルギーはなど、問診を済ませたら採尿
採血は検査ごとに容器が分かれ今回は8本 合計40ccの血液を採取します。この血液で胃の粘膜を調べるペプシノゲン検査やピロリ菌抗体検査 がんのリスクをチェックすることができます。続いては腹部超音波検査で 腹部にある臓器に異常がないか広い範囲をチェックします。ゼリーを塗りプローブという器具を当て 超音波の反射で内臓の大きさや形を診ます。内臓に がんや腫瘍などがないか リアルタイムで確認し判断でき 受診者の負担も少ない検査です。
他にも 心電図検査 胸部X線検査が基本検査に含まれます。目の検査では一般の健診に含まれない検査もあります。目の中の圧力を測る眼圧検査は40代以降に増える緑内障の早期発見が目的です。
眼球の血管 網膜 視神経を診る眼底検査。眼底の血管は唯一人体で直接 観察ができ、緑内障は もちろん血管の様子から 高血圧や動脈硬化 糖尿病など生活習慣病の発見にもつながる検査です。
「うちは ちょっと特殊で Aというのは異常なしで A Bの場合は あまり心配されてなくていいだろうと思います。やはりC以降で、DとGのところはきちっと対応をして頂きたい。」
まず一番上の肥満度 体重の変化は体重は増えていないかどうか、一般的に体重が増えますと血圧・中性脂肪・コレステロール・糖尿病とか肝臓の数値とか上がってくることが多い。

あんまり自分の変化ってよく分かんないんですけど、データで見ると変化が分かるので定期的に受けて頂いたほうがいいと思います。

AI 改善の有無で未来のリスクを予測 倉敷中央病院

改善をする気持ちになるようにするAIを利用した取り組みです。
岡山県倉敷市 倉敷中央病院付属予防医療プラザは人間ドックや健診を専門とする医療施設で年間5万人が利用しています。健診結果を受け 改善の有無で 生活習慣病の発症リスクを予測するAIです。受診者が現在の生活を続けた場合の数値と、改善した場合の変化をグラフで見ることができます。

(所長 菊辻撤)人間ドックを受けられる方にとっては 毎年同じようなことを言われて なかなか改善できないとか、あるいは今現在なんともないので というようなお話になることが多いですね。AIを導入して 将来の数値の推移を見て一緒に考えましょうというため開発した

(保健婦 中野)AIは予測するだけではなく改善方法もアドバイスします。生活習慣病のリスクが高い方に「生活を改善してくださいね」 こっちが言うのはすごく簡単なんですけれども、生活習慣を変えるというのはご本人様のことなので なかなか やろうというふうに思われないという方も いらっしゃる。グラフをお見せするだけで「これだったらできそうだな」と おっしゃって帰ってくださる方もいます。

高越さんは倉敷中央病院で診療放射線技師として働いています。40歳から毎年人間ドックを受け健康に問題はないと思っていました。何も気にせず 好きなものを食べて好きなものを飲んで、お米はそんなに食べるほうではなかったんですけど 脂っこいものは好きでした。運動に関しては全く習慣的なものはなく、休みの時にペットと一緒に散歩する程度でした。毎晩の晩酌も缶ビールを多い日で2本飲む程度でした。
体重が3キロほど増えて72.9キロに。BMIが25を超え肥満と判定されたのです。適正体重からは10キロ増。時間をかけて 少しずつ増えていったのが原因だと考えられます。
AIが提案した改善法です。高越さんが取り組んだ場合 1年後には体重が1キロ減 71.9キロと予測されました。自分の中でも不安があり、健康指導を受けて 早速 体重計と血圧計を買って、毎日 体重や血圧をはかり 晩酌も缶ビール1本に減らし おつまみも変えました。以前は のりに衣を付けて揚げたものや スルメにはマヨネーズなど油が多めを、茎ワカメやメンマなどカロリーが低いものに変えました。家の周りを毎日6キロ50分かけて歩くことにしたのです。
今回の高越さんの体重は66.2キロ。なんとAIの予測を超え6.7キロも減量できました。日頃 そう無理はしない程度の運動をコツコツと続けた結果で 指導してもらって うれしく思っています。

(賀来)AIで本当に未来予想図みたいに目標がより明確になるから 何か頑張れるというのがあって すごいことだなと思いました。
(石坂)非常に よい取り組みだなというふうに感じました。

少量の唾液で体質や病気のリスクを調べる遺伝子検査

少量の唾液で遺伝子を解析、予防につなげようと 体質や病気のリスクを調べる遺伝子検査が 身近になってきています。今回 村上さんにその遺伝子検査を受けて頂きました。
村上さんの遺伝子検査の結果です。
傾向については4段階に分けて評価します。具体的な病気の発症リスクも示されます。今回は体質も含め500以上の項目を調べました。
(村上)こんな簡単で そんな遺伝子検査の結果が出るんだというのに すごくびっくりしました。ただ どういいか 悪いかというのを全部知るのは ちょっと怖い部分もあったり ちょっと緊張感もあるなと思いました。
(石坂)遺伝子検査の場合は リスクをみるという形で、確定的な診断ができるわけではないのでそこを間違わないように、自分はどこに気をつけたらいいのかなとか 何を検査してみようかなっていう きっかけになるのではないかと思います。
健康診断という意味では1年に1回ぐらいが目安になると思うんですが、一気に1日とか2日とかでいろんな検査ができますので 効率よく健診を受けるという意味でドックを使うというのはいいことだと思います。
ご自分がふだん受けてる定期健康診断とかと組み合わせて 3年に1回はきっちりやったりする使い方もあると思います。何よりも健診施設に医師と看護師 保健師がおりますので いろんな相談をするという場に使って頂く。
(村上)体調悪い時に風邪ひいて病院行っても 具合悪いから早く帰りたいじゃないですか。だけど元気な時に先生とお話ができる場というのも 大事だなと思って。何か 気になることをたくさん聞いてちゃんと自分の体を知るという時間にしても いいのかなって思いました。

▽まとめ&感想

人間ドックは受けたことありませんが、通院時に検査をしてもらっています。
私も職場で検診時バリウムが苦手で 血液で胃の検査をしてもらっていました。
わかっていても 日々の努力が続かないので がんばらなくて受けません。