あしたも晴れ!人生レシピ★いろどり豊かに!花のある暮らし▽こんな話

Eテレ 2023.4.5
花の生け方アドバイス、花瓶選び 初心者はクリアは避け 色付きで 間口が広い花瓶がオススメ、花選び メインは目にとまったものを ステキにいけるコツ。
実際に みやぞん・前田有紀さん 花を生ける。花に魅了された 若い男性。


【ゲスト】みやぞん 【講師】フラワーアーティストの前田有紀
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

花の生け方アドバイス

タレントのみやぞんは、家に花を飾るほど花が大好き。それは中学校2年生の時にスポーツで脚を骨折 骨折して 入院・手術。それまで花に興味なかったが 1か月ぐらいして退院ってなった時に ツツジの花があって きれいだと思って そんな匂わないんですけどすごくいい匂いに感じたんですね。ステキ〜 花っていいなというのをすごい覚えてます。

都内に暮らす 寺本真由美さん。毎月 花を買って 自宅に飾っています。
「黄色って もう見るだけでものすごい元気が出るというか。お部屋の雰囲気もすごく明るくしてくれるので」と寺本さんが この日に購入したのは あじさいの仲間 スノーボールと黄色いカーネーション、小さな花が まとまって付いているスターチスの3種類。
花の生け方を習ったことがないという寺本さん、20年来 自己流で生けていて 大ぶりな花をどの高さにカットすれば バランスがいいのかと悩んでいます。また花の色の組み合わせや、花瓶はガラス製のものやとっくりなどを使っていますが 花瓶をどの花と組み合わせればいいのか難しいといいます。
見せてもらうと まずは大きなスノーボールを 高さはそのままに花瓶に入れました。次は スターチスを5センチほど切って入れていきます。カーネーションもあまり切らずにスターチスの中に入れました。色も似ているため どことなく埋もれたようにも見え、花の高さは どれも同じくらいにそろえました。
「65点、テーブルの中央においてどちらから見てもキレイに生けたい」と考えてます。
そこで ご登場頂くのがフラワーアーティストの前田有紀さん、ワークショップなどを開き花のある暮らしの魅力や 花を飾る時のポイントなどを教えています。寺本さんが前田さんのもとを訪ねました。

花瓶選び 初心者はクリアは避け 色付きで 間口が広い花瓶がオススメ

花瓶選びは重要で、形・色・素材 さまざま ありますが、おすすめは?
クリアでシンプルなベースをお持ちの方って結構 多いかなと思うんですが、クリアは意外と汚れが目立ち易く 茎が丸見え、置き場所によっては茎が気になります。例えば これとかは、下は色が付いていて 茎が見えててもそこまで気にならなかったり。初心者の方は色付きで 間口が広いのがオススメです。手が入ってスポンジでしっかり洗えるような花瓶は、使い勝手がよくて長く清潔に保つことができます。大体 お花の長さは 花瓶の高さの2倍ぐらいがバランスがいい ので 花の丈に合わせた花瓶選びも重要です。

花選び メインは目にとまったもの

次に花選び、まずはメインとなる花を決めます。まず 眼に合ったお花を手に取ると ウキウキした気分になれいいそうです。
数あるお花の中から寺本さんの目にとまったのは 淡い色みですごくきれいなダリアでした。それと春なのでミモザメインにしました。ここで寺本さんから メインの花に添える花をどう選べばいいのか、花の組み合わせ方 バランスの良い 色・形・ 大きさをどうすればいいか質問がありました。

前田さんのアドバイス ステキに飾るコツ
色のコントラストが少しあるので、その中間にある色を間に挟んであげるとよりなじみやすくなる。今回 イエローなんですけど ほんのりベージュがかって ちょっと落ち着いた色みのチューリップも合わせると 色をつないでくれる。まとまりのある花にするには色のグラデーションを作る
その他 いろんな咲き方のものを 一つの花瓶に入れることで それぞれのお花が よりきれいに見える効果があると思ってる。花びらや形状が異なる花・緑・実を加え バリエーション豊かにするということで 花びらが細長いガーベラ、小花がたくさん 付いているオンシジュームユーカリを加え もプラスしました。

ステキにいけるコツ

慣れないうちは 花を全部花瓶に入れバランスをとる。そのまま花瓶の中にまとめて入れてみると、花瓶とお花のバランスが 何となく分かると思うので、そこから短くしていくお花を決めていく。
寺本さんはダリアをメインにしたので長めに切らずにおくと聞いて 面積が大きいものは少し低めに生けるとバランスが良く 2本ある場合は同じ高さにせず少し高低差をつけることをアドバイス。
チューリップは 生ける前に下のほうに付いている葉はカットして ダリアの後ろから花が前に垂れるように挿し込みました。ミモザは少しカットしメインのダリアの横に、ひとまとめにすると存在感が出るので1か所に配置します。ユーカリオンシジューム 長くても 2.5倍くらいということなので長すぎるものは高さをカット全体のバランスを整えていきます。
360度 どこから見ても楽しめるよう ミモザの反対側に黄色いオンシジュームを入れました。ダリアと反対側には 存在感のあるガーベラを正面が向くように入れました。

VTRでレクチャーして頂きました前田有紀さんです。
(前田)同じ種類で2つ買ってくると同じ長さなので 高さをちょっとずつ変えてあげる。自然のものは ちょっとずつ傾きがあったり枝ぶりが違ったりなので より自然な雰囲気を出すために アシンメトリー(左右非対称) であるというのも心がけるといいと思います。

前田さんに ご自宅で花を飾られてる写真を持ってきて頂きました。
(前田)全部 チューリップで、同じチューリップでも色合い 咲き方が違うものが ここ数年多く出回っている。開いていく様子もちょっとずつ違ったりして とてもかわいくて楽しめました。
1つの花瓶に全てを入れてコーディネートしようとすると 難しい場合が結構あるので、いろんな花瓶に ちょっとずつ飾ることはすごく多いんです。
(みやぞん)花を世話をする時に「きれいだね きれいに咲いてるね」話しかけると 長生きする気がするんです。

実際に みやぞん・前田有紀さん 花を生ける

(前田)花瓶が大事なのは、お花は お洋服と一緒で着るもので表情が変わるので こだわるとよりステキになると思うんです。
(みやぞん)クリーム色の模様が入った花瓶、形がシンプルなので使いやすい形ですね。色みが すごく特徴的なので お花生けてない間も 置いとくだけでいいかな。

花を選ぶ
(みやぞん)目が合ったのは この子、ラナンキュラス、何かすごく情熱的な感じがします。もう私も 38歳ですから ちょっと大人の男というものを出していきたいなって思ってます。テーマは「ダンディーなんだけどピュアだよ僕」
やっぱりダンディーさといえば バラをやっぱ1個入れとかないと。バラって トゲトゲしてるのに本当は弱いんですよね。人間みたいで 強がってるのに本当は弱い。7種類の花を花瓶に入れました。
まずは メインのラナンキュラスを短く切り 真ん中に。こういうのって賭けだな バラちゃんも もうちょっと切って…。
(前田)丈の長めのお花たちは 同じ高さのところに 花が付いてるので ちょっと短くするものがあってもよさそうですね。
やっぱり何か楽しんで生けるってすごく大事ですね。
(花瓶の少し右下の空間が寂しい印象だったため 小花が たくさん付いたワックスフラワーを生けてみることに。 )
(みやぞん)いいじゃん!はい。 すごいステキ。あとはね この子と この子がかぶっちゃってる。

出来ました。
(赤いラナンキュラスが印象的。ピンクの花で グラデーションを作り優しい包容力を感じさせる花に。)
(賀来)すごくステキです。ダンディーさと あと かれんさもあって何か ちょっと色っぽいという感じもあって。
(前田)みやぞんさんは お花を組み立てていく力が すごくあるなと思って、最初にドサッと入れてから一つ一つを見つめながら その花がどうしたら かわいくなるのか しっかり会話しながら 決めていってたのがステキだなと思いました。

続いては前田さんに生けて頂きます。テーマは「子供達の新生活を応援」
(前田)花瓶は 低めの白いものです。丈の長いものも合うと思うので、長めの花を斜めに入れました。
そのあと ボリュームのある花を次々に入れて、花瓶の口の辺りというのは目に行きやすい場所なので細長く 曲線が特徴的なアリュームを足すと 下に重心のあったバランスに軽やかさが生まれました.
小さな花瓶に対して ボリュームのある花を横に広げるように生けることで ダイナミックな印象に。

花に魅了されて その魅力を伝えようとイケノボーイズに

この春 京都の大学を卒業した馬場健さん22歳は、花は見るのも飾るのも大好き。この日も今回は友人が家に来るというので生花店で 選んだのは ピンクのカーネーション サンダーソニア ドラセナ ガーベラです。
馬場さん実は生け花のキャリアは10年以上、花瓶は花の特徴を見てそれを生かすものを選びます。黒い立方体のすらりとした花瓶を選びました。長いのにも適してますし短く生けるのにも適してるので、高低差を生かして生けようと思います。
まず生けるのは色が鮮やかで存在感のあるガーベラから。花が上向きのものは高い位置に、花が下向きのものは低い位置に。こうすることで 他の花を生けるための余白を生み出すことができるといいます。次は引き立て役のカーネーション、花がいろんな方向に付いているので ちょっと悲しいんですけど切っちゃうんです。華道では”切った花も反対側の花に美しさは伝播する”という言葉があったりして いかに空間を作るかが鍵 そういうことも考えながら生けます。2本のガーベラの間に収まるように入れ横へ ふわっと広がるような空気を作り出しました。
ベルのような花びらが付いたサンダーソニア 葉っぱを取ってあげると よりベルが引き立つので 思いきって 全部の葉を落とします。さらに柔らかい雰囲気を作るために 手でしなりを作る「ため」という技術を使います。それをガーベラの後方に挿し入れ全体をふんわりとした印象にさせます。一番下に グリーンを足して完成。黒色の花瓶から伸びゆく優しい色の花が春の訪れを告げているよう。

馬場さんは9歳の時に、学童保育で行われた生け花体験教室でその面白さに引きつけられたといいます。最初 自分が生けても全然不格好な感じで、先生がクルッて1ミリ変えただけでパッて作品全体が変わって 小学校3年生ながら 魔法みたいって思ったのがスタートでした。
そこで生け花を習い始めた馬場さんですが クラスメートに からかわれたことも。ちょっと微妙な角度の違いとかを気になる性格が お花によって繊細さが肯定された
展覧会で受賞するなど高い評価を受けるようになって 20代にして指導者にもなれる資格を取得 若き華道家として歩み始めた。学んでいるのは華道の池坊、月に一度通い腕を磨いています。
この日 生けるのは桃の花のみで自然の力強さをどう表現するのか その感覚を養う稽古です。直線が多い桃の枝に ためる技術を使って、1本の桃が大地に根を張り天に向かっている様を表現しています。馬場さんにとって 生け花は自分を表現できる場で花と向き合う時間は大切なものになっているといいます。
4年前から 花の魅力を発信したいと イケノボーイズ(池坊の男性メンバーで構成された 生け花のパフォーマンスなどを通じ 多くの人に生け花の魅力を伝えるグループ)に加わりました。
2月 馬場さんは京都駅で開かれたイベントで ワークショップの講師を務めました。ペットボトル1本だけで剣山と容器を作る方法をレクチャー。参加者の中には坊ややオジさんもいて 初めて生け花を体験するという人も。そして大勢のお客さんの前で4人で行うライブパフォーマンス。
馬場さんは「お花は誰にでも楽しめると伝えたい。男の子だからお花好きといってはいけない世の中を変えたい。まずは自分自身がお花を好きであり続ける。たくさんのことを学びながら もっともっと努力をしていければなと思います。」

(みやぞん)さっきまで全然だめだったのが1ミリずらしただけで 決まってくる。そういうところが楽しいって言ってたんで ちょっと共感できましたね。
(前田)お花は 季節を感じられる存在というのが一番大きくて、遠くまで自然に出会いに行くのって すごく時間も手間もかかるけど 花を飾るということは一輪からできることで 自然とつながれるので 何よりの魅力だと思ってます。

▽まとめ&感想

生け花までいかなくても 花瓶に花をさすのに いろいろ役立ちそうな話でした。花の名前が覚えられなくて 見ていて楽しめました。