Eテレ 2023.9.22
プロの園芸家と園芸店へ 容器・苗・土選びの注意点☆
寄せ植えを美しく作る方法 水やり・花がら摘み・肥料☆
牛乳パック・プランターで野菜( レタス・きゅうり)を育てる☆
「オープンガーデン」人に見てもらうことで 大きな喜びに
【ゲスト】相川七瀬 【講師】園芸家 深町貴子
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄
プロの園芸家と園芸店へ 容器・苗・土選びの注意点
花や植物に囲まれた、自然を感じる暮らしの魅力をお伝えします!
相川七瀬さんは庭づくりを楽しんでいらっしゃります。
グリーンライフにあこがれる女性 神奈川 鎌倉市 大倉さん。
部屋の中では観葉植物を育て、キッチンには ポトスをつり下げて飾っています。今 もっと自然を感じる暮らしに憧れています。ガレージの奥のスペースにグリーンを増やしたいと考えています。
園芸家の深町貴子さんに オンラインでどうすればいいか 相談に乗って頂きました。
・どこに置くか 日当たり 環境を知る* 8時間くらい
・イメージする。どんなステージ・カラー *大人っぽいけど華やか
具体的に
・鉢の数・大きさ・深さ・ボリューム感*大きめのもの2~3個
・鉢のイメージ*黒
・花の色・イメージ・コントラスト*白・グリーン・紫など落ち着いたトーン
このあと 2人は園芸店へ。
(相川)確かに イメージを先に持ってから園芸店に行くということ やってないかもしれないですね。
(深町)実は「何をどこで育てるか?」じゃなくて 「どこで何を育てるか?」が先なんですよ。環境を知るということがとても大事です。どこで植物を見たいのか。その場所が日当たりがいい場所なのか暗い場所なのか。その場所に環境に合ったものを選んであげれば やっぱり居心地よく植物も育ってくれるんですよね。
(賀来)私水をやりすぎて 枯らしてしまったことがあって。
(深町)植物に水をやることに みんな一生懸命になってしまいますけれど、植物の根っこは水よりも空気が欲しいんです。根っこは呼吸をしているので 土が乾くことが重要です。なので毎日毎日 水をやり続けてしまうと 息ができなくなって根腐れが起きます。
お水は朝あげてください。光がないのに水をやってしまうと夜に成長し間延びしてしまう。
大倉さん 深町さんと一緒に園芸店を訪れて アドバイスを受けました。
まずは容器選び するとその中に入る植物の数、この大きさだから5株かなと 数が分かります。
植える植物が 根を深く張る植物*深さのある鉢、根を広く張る植物*大きな鉢。
テラコッタ(素焼き)は通気性がよいので、水はけがよく 土が乾きやすい。頻繁に水やりが必要になります。樹脂やプラスチック製は保水性がよい。壁面で呼吸ができないので 上と下しか水の抜け方がない。同じように水やりをすると根腐れがおこる。プランターの容器の材質に合わせて➡管理のしかたを変える必要があります。
気になった鉢があれば 実際に並べて確認してみることも大事です。
苗選び、種類が多くなかなか決めることができません。そこで深町さんが アドバイス。悩んだ時には まずはメインとなるもの、この花は入れたいというものを一つ選んでから、隣にどんな色の葉っぱにしようか、どんな色の花にしようかって考えていくと選択しやすいと思います
大倉さんが必ず入れたいと見つけだしたのがブルーサルビアです。
見た目がバランスよく見える 苗の選び方を教えてくれました。
選んだプランターの高さがおよそ30cmあったと思います。1.5倍ぐらいがバランス的にいいです。少し高いのと少し低いものを両方選ばれると いいと思います。
入れたい花が決まったら、その苗を持ち歩き 他の苗と色を合わせて見ながら、イメージに合うものを見つけていきます。この時は まだ配置のことまで考えなくてもいいそう。
苗を探す時の注意点:屋根の下にあるもの、屋根がない所に置いてあるものがあります。それは日陰を好むもの・日当たりを好むものです。色だけで一緒にしてしまうと、水やりしてると 実はよくないってことが起きるかもしれません。ですので置き場所に注意しながら選ぶといいと思います。
大倉さんは 全部で6種類、9株の苗を購入しました。白色のペンタスやオレアリア 対比として深い赤色の赤葉センニチコウなど。
最後は土選び。売り場には鹿沼土・黒土・ピートモス・桐生砂きなど たくさんの種類があります。この土だけでは植物って育たないんです。養分の腐葉土を混ぜるとか、排水性をよくする軽石・パーライトをブレンドしてプランター用の土を作るんですね。
培養土という植物に最適な土を既にブレンドしてあるものを選びます。「元肥入り」と書いてある 最初の肥料が入っているものがあります。
寄せ植えを美しく作る方法 水やり・花がら摘み・肥料
深町さんの園芸ルームに移動し 30cmの鉢を使い寄せ植えを作っていきます。
用意するものは培養土、鉢底石、ネット 鉢底に虫が入ってこないようネットを敷き、通気性をよくしてくれる鉢底石を2〜3cm入れます。鉢底石は鉢の深さが20cm以上の時は入れた方がいい。水で湿らせた培養土を半分ほど入れる。苗を入れた時 高さが鉢の上から2〜3cm下に来るように 土の量を調整しましょう。
植える前にポットのまま置き、さまざまな配置を試してみます。バランスを考え 高いものは後ろへ。手前に置く苗は同じ色が重ならないように配置しました。
配置が決まったら植え込み。指で株元を押さえポットから苗を取り出し植え替えます。鉢に入れる時 注意してほしいのは 隣の苗や鉢にぴったりくっつけずにスペースを空けること。
この根が張ってるところ根鉢といいます。この周りに しっかり土が入るようにします。葉や枝を隣の植物と少し絡ませると かっこよく見えます。
土を入れ苗の隙間にある土を割りばしなどで押し込み空間ができないように植えていきます。これで完成です。
大倉さんのガレージのその後の写真が届いてます。紹介した寄せ植え以外の2鉢にも植え込んでいます。
(賀来)苗を植えたあとの管理で大切なことというのは何でしょうか?
(深町)水やりが必要ですが、先ほども申し上げましたが、水をやることよりも 新しい空気を入れることが大事で タイミングがとても大切です。土を見て分からなければ鉢をちょっと傾けてみるとか、葉に触れてみて 葉の先までピンとしていれば 水がちゃんと先まで通ってます。ですので葉がちょっと しおれてからあげるのでも間に合います。
もう一つは お花があるものは花がらを必ず摘む。お花が咲いたあと種ができると 体力をものすごく奪われてしまいます。花がら摘みをこまめにしてあげると次の新しいお花が咲きやすいです。それと下に葉っぱが黄色くなってきたらなるべく早く取ってあげると 病気になりにくかったり いつまでも元気に育ちます。
観葉植物って大体が暖かい国の植物で 冬は休眠しているので その時に肥料をやってもうまく吸収できまないので冬はやらない。そして真夏は暑いので蒸散が激しいから あんまりやると根を傷めてしまう原因になります。ですので 春と秋で活動をしている時。
野菜によってもみんな違いますけれど 植え付けて1か月後からぐらいです。ある程度 しっかりと根が張って 体ができてから肥料をあげるのがいいです。
牛乳パック・プランターで野菜( レタス・きゅうり)を育てる
レタスを牛乳パックを使い育てました。グリーンと紫のレタスがそれぞれ植えられ ステキです。
(方法)
・牛乳パックを洗って乾燥させた牛乳パックの口をホッチキスなどで留めます。
・上に向ける面を 縁から1cm内側で切り取る。
・排水用の穴を開けます。牛乳パックの側面に底から1cmの所に千枚通しで2cm間隔に穴を開ける。反対側も同じように。
・野菜用培養土を紙パックいっぱいに入れます。たまに トントンと落としながら隅々まで土が入るようにします。土の表面は紙パックの切れ端などを使いなるべく平らにします。表面がでこぼこしているとくぼんだところに水がたまり発芽がそろわないためです。
・水やり、排水用の穴から水が出てくるまでたっぷりと。(ペットボトルの肩のとこに穴を開け じょうろ代わりに使用)。
・種まき ばらばらと まく ばらまきで、なるべく 種と種が重ならないようまくのが ポイント。土を薄くかけます。レタスの種は発芽の際 光が必要。土の中に潜らせないようにしましょう。
・最後に土を湿らせる程度に水をやり、日当たりのいい窓辺に置いておけばOKです。
発芽までは水はいらず、また葉っぱが開いてきて だんだん大きくなってきますけど、持ってみて軽くなったら水をやります。葉がしおれてきたら水やるでも間に合う。サラダを作る時に新鮮なまま使えて便利ですよ。
苗を使った野菜の栽培
8月の終わりから9月にかけて きゅうり・トマト・ナスの苗が出廻ります。虫がだんだん少なくなるから 病気も少なくなる。そして気温が低くなるので味がよくなる。
きゅうりを育ててみましょう。プランターを使う場合、根がよく張るため 苗1株につき 直径や深さが25~30cmのプランターを用意して、鉢底石 野菜用の培養土を入れ、中央に穴を開け、苗をポットから取り出し植え付けます。土はなるべく表面が平らになるようにします。
割り箸で仮支柱をして 風の揺れなどで苗と培養土の間にすき間ができないようにする ため苗と周りの土がくっつくように斜めに突き刺します。
次は支柱を立てます。つる性の野菜の場合リング支柱を使います。ツルは支柱の外側に誘導しきます。きゅうりの葉っぱは今 小さいですけどこのあととても大きくなります。できるだけ外を大きく回していきます。鉢を置くのは日当たりのいい屋外。水は鉢を傾け軽くなっていたら たっぷり与えます。
順調に育てばおよそ1か月で収穫が可能になります。
(相川)あれだと ちょっと手軽にやれるからいいですよね。そこで採れたものをお料理に食卓に並べてって いいですよね。
撮影の時に作ったレタスです。こちらが種をまいてから2週間ほど たったもの。後ろにあるのが4週間後のレタスです。紙パックのプランターを家にある缶や箱に入れても おしゃれに見せられます。
牛乳パックを使うといろんなものを育てることができます。縦にして にんじんでも大根でもできるんですよ。
相川さんも食べられるグリーンライフを楽しんでらっしゃるんですよね。
(相川)これ今 レモンなんですけど。いちごなんですけど。ツアーで栃木に行った時に甘い いちごの株を1株 買ってここまで増やしたんです。おうちで いちごが摘めるというのは 何よりぜいたくな食育にもなるし 子どもたちにとっても土が身近になるので いいことだなと思います。
(深町)適期というのがすごく大事です。どういうことかというと いつ種をまく、いつ苗を植えるという時期が、意外と物によっては ピンポイントで短いことがあります。それが少しずれただけでうまく育たなかったり、収穫したものがちょっと形が悪くなったりします。
ですので それぞれ育てたい野菜が決まったら きちんと栽培のカレンダーを確認することが大切です。だけど今 すごく暑いですよね。年々異常天候で。栽培カレンダー通りにならないことがあります。
例えば 秋でしたらばはぎの花が咲いたら 苗の植え付け、春でしたらば八重桜が咲いたら夏野菜の植えどきとか。植物がその季節を知らせてくれるので そういった指標を見ておくといいと思います。
「オープンガーデン」人に見てもらうことで 大きな喜びに
東京 小平市 のオープンガーデン。個人やお店などの庭を公開し訪れた人たちとの交流を広げようと 市と庭づくりを楽しむ人たちなどが中心となって企画されたもの。現在 登録しているのは26カ所。ホームページでも情報を公開しマップも作成しています。
その中に 多くの人が訪れている森田オープンガーデン 広さは1000坪。四季を通して さまざまな植物を楽しむことができます。森田光江さん 78歳が ほとんど1人でつくり上げたものです。つたを絡ませたアーチが来る人々を迎えます。
森田さん 花を生き生きと育てるために土作りに工夫を凝らしています。冬の間に落ち葉を集め ぬかと生ごみを混ぜて、1年間発酵させた手作りの腐葉土。
ここは もともと夫が家庭菜園で使っていた畑で、片隅で花壇をつくり楽しんでいた。16年前 夫に がんが見つかり、程なくして亡くなりました。
悲しみに暮れ 何もやる気が起きない。そんな森田さんを救ってくれたのがこの庭でした。
5月だったのできれいな花がたくさん咲いて、毎日 お花に水あげたり 世話しなくては 花は枯れてしまうので、夫と今までいたときの花 大事にしなければと思った。
この場所を花好きの人たちが訪れ 会話もできるようにしたいと 本格的に庭づくりをスタート。いつでも花が途絶えないように植物を選び、椅子を置いて ゆっくりくつろげるようにしました。
朝9時 森田さんの作業が始まります。美しい庭を保つのに欠かせない雑草取りです。除草剤は使いたくないと 暑い中休むことなく作業を続けます?
「私にとってはこれが生きがい。草 取ることによって 花はジャマなものがなければ 光が入るし、元気になれる」
地元の女子中学生と森田さんの友人が手伝いに来てくれました。実は森田さん2年前に脳梗塞で倒れました。観光協会に相談し庭の維持を手伝ってくれるボランティアをお願いすることにしたのです。森田さんは周りの人たちの支えがあるからこそ 庭づくりを続けられているといいます。
去年から 庭の敷地内で 長女の奈津代さんが 手作りのパンや飲み物などを提供を始めた。
この日は作業を手伝ってくれた人たち、森田さんの友達も やって来て楽しいカフェタイムです。喜んでくれること 人が笑顔になってくれることが何よりの喜びです。
「花と共に生きていきたい なるべく元気で いつまでもね… 自分の足で動けて、花の手入れができたら 私にとって幸せだと思う」
(深町)野菜だったら自分が食べたい物を是非1つ選んでやって頂く。それから花だったら好きな色形をまず決めて頂いて、1鉢でもいいんですけれども 小さな花、小さなグリーンから始めて頂いて 「あっ 今日は元気かな」とか「今日は水やろうかな」 「もう少し お日様を当ててあげようかな」とかって言いながら おしゃべりを楽しむような毎日を是非 皆さんに体験して頂けたらなと思いますね。
(相川)植物のお世話をしてる時に「何でこんなに私 ふだん急いでたのかな」と 気付かされるんですよね。植物と ちょっと時間をほんの10分とか持つだけで 自然の自分の時間 自分らしい時間に戻してくれるんですよね。これからも ずっと たぶんグリーンのある生活をすると思います。
▽まとめ&感想
苗選び▶ 陽当たりのものと 日陰のもの 区別してなかった
真夏だと枯らさないよう 毎日 水やりばかり考えてました。
牛乳パックでレタス すぐ食べれるし やってみようと思いました。
「オープンガーデン」割と近くにもあることを知りました。行ってみたいですね。