あしたも晴れ!人生レシピ ★楽しく実践 ゴミを減らす暮らし▽こんな話

Eテレ 2023.1.6
香美市の服部さん家族でゴミを極力減らす取り組みをクリエイティブと考えて実戦。
廃棄されてしまうパンのお取り寄せ通販サイトが活用されている。
世界飢餓につながっている 日本の食品ロス、あまり賞味期限に拘らない。
アップサイクルされた 食品のクレヨン・消防ホースのバック・ビニール傘のバッグと財布。
徳島県 上勝町 驚きのゴミ削減方法 すべて資源になるよう分類。

【ゲスト】安めぐみ 【講師】上智大学大学院教授 織朱實,
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

香美市の服部さん家族でゴミを減らす取り組み

さまざまな工夫でゴミを減らす暮らしを実践している 高知県香美(かみ)市 服部雄一郎と妻の麻子ご夫妻、3人の子どもと5人暮らしで 1ヶ月のゴミの量は 燃えるゴミとして 自治体の指定袋の一番小さい袋に入れて出してるようなイメージです。
雄一郎さんが ゴミ問題に関心を持つようになったのは 神奈川県の町役場でゴミ対策の職員として働いていた時、指導するため自宅で分別や生ゴミ処理を行ってみたところ 意外な発見がありました。ゴミがごく少しで ゴミ箱の中が生ゴミとか腐るものがないので 臭わず 快適で軽やかでした。
ゴミをどうすれば もっと減らせるのか学びたいと アメリカの大学院へ留学。そこで ほとんどゴミを出さずに暮らしているジョンソン一家が出した本と出会います。古いTシャツを切り分け 洗って繰り返し使えるティッシュにするなど さまざまな実践を行っていました。服部さんは感銘を受け日本でも広めたいと その本を自ら翻訳し出版しました。
『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)
『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)

服部さん「ゴミを減らす取り組みがクリエイティブ。思ってもみないような きてれつとも言えるような工夫が いっぱい ここに載ってる。クリエイティブな楽しさと 結果としてシンプルで心地よい暮らし ぜひやりたい。近づきたい」
6年前に自然のサイクルを意識した暮らしがしたいと高知に移住。ゴミを減らす工夫を実践しています。大切にしていることの一つがゴミになるものを家に持ち込まないこと。
買い物に同行させてもらい パンのお店に。店にあるトレーは使わずパンを直接 持参したざるの中へ入れ そのまま会計を済ませ 清潔な布巾をかぶせ持ち帰ります。
直売所の鮮魚売り場では バットを取り出し 魚を直接 その中に入れ、もう一つのバットをかぶせ 蓋代わりにして 持参した保冷バッグに入れます。
ネット通販を利用して宅配で物を受け取る時にも、注文する際に 備考欄に 「ゴミを減らしたいので緩衝材などを一切入れないでください」と書き込み「破損のクレームはつけません」とひと言添えます。
段ボールの中でゴロゴロしてますが ゴミになる緩衝材がない状態で ほとんど届きます。

炊飯器や電子レンジは持たず 土鍋や蒸し器を利用しています。家電製品は 故障すると買い替えが必要となり 処分しないといけな いので 持たないようにしているのです。掃除機の代わりに使うのははたきやほうき。ほうきは8年間愛用している。
なるべく少ないもので 不自由なく 工夫しながら 面白さを感じながら暮らせたら理想かな… というのは 夫婦で方向性が合致してるので、安易に何も考えずに使っては捨てて 新しいものを買えばいいわけでないと」
台所の食器洗いで使っているのはヘチマ。スポンジも消耗品なので買わず 洗剤も容器がゴミになるので買いません。油汚れは布巾で拭き取ります。ヘチマは自宅の庭で育て自然乾燥させて 皮をむいただけ。天然のスポンジとして重宝し、シンクやお風呂を洗ったり、根菜の泥を落としたり 石けん置きにするとすごい 水切れがいいです。
調理の際に出た野菜くずなどの生ゴミは 庭にあるコンポストへ。微生物の力で生ゴミを分解し 野菜の肥料になります。ゴミを減らそうと意識して暮らすこと の積み重ねが 地球環境に影響を与えることに つながればと考えています。
服部さんのご一家ではですねお子さんの誕生日などはモノを買って与えるのではなくて 体験をプレゼントすることにしています。宇宙が好きな息子さんにはプラネタリウムで星空を観賞し 一緒に楽しんでいる ということでした。

ゴミを発生させない・リユース・リサイクル

地球環境学が専門の上智大学大学院教授 織朱實さんです
ゴミを減らすために3つのRという考え方があります。
・リデュース …そもそもゴミを発生させない
・リユーズ…製品や部品をそのまま もう一度利用
・リサイクル廃棄されたものを有効利用していく あるいは熱として活用していく

服部さんのマイバットとか、通販の時に緩衝材を最初からお断りするというのは家にゴミを持ち込まないというのはまさにリデュースです。
ヘチマ ほうきなど お使いで プラスチック製品が 少ないというか ないと思ったんですけど。
プラスチックの使用を減らすことは すごく重要です。プラスチックは もともと石油でできているので地球の地下資源が なくなってしまう。
日本人は容器とか パッケージングが すごい好きで、世界の中で容器 包装プラスチックの使用量 廃棄量は アメリカに次いで世界第2位で、気がつかずに プラスチック廃棄物を私たち日本人は出してる。
でも プラスチックの包装がなければ輸送の時に傷が付いてしまって腐りやすくなって食品ロスにつながる。なので容器素材としてのプラスチックの役割がある。そこのバランスを考えていかなくちゃいけない。

廃棄されてしまうパンのお取り寄せ通販サイト

東京・江戸川区にあるパンの販売店です。原料や焼き方に こだわったパンは やわらかさと モチッとした食感が楽しめると評判で創業から20年余り地元で愛されてきました。
しかし 需要を予想してつくっても 天候などが 影響しどうしても売れ残りが出てしまいます。そこで2年前から 廃棄せざるをえなかった残りのパンを冷凍し フードシェアリングの活用を始めました。
食品ロスをなくそうという趣旨で作られたサイトには 全国1000軒以上の店が登録しています。パンを買いたい人は利用者として 登録を済ませ 買いたいお店のパンの予約をしておきます。
お店側に売りきれなかったパンが出れば 冷凍され 予約した利用者のもとに届けられます。価格は定価より3割ほど安く設定され 店側は食品ロスが減らせる うえ売り上げがアップ。しかも新たな顧客が獲得できます。店側と購入者双方にメリットがあるマッチングサービスです。
発送するパンは 賞味期限が十分にあるものと定められています。既定サイズの箱があり パンを店側がアレンジして詰め合わせます。
この詰め合わせは食パンや菓子パン調理パンが20個、定価では4200円相当ですが、これを3000円で買ってもらえます。
お客様から「ふだん買わないパンが届いて 食べてみたら本当に おいしかった」といわれる声が多くあります。廃棄がなくなったのと同時に スタッフも 安心して商品を作ることができるようになったといいます。

このマッチングサービスを行うIT関連の会社 rebake(リベイク)を起業し発案した斉藤優也さんです。大学生の頃から環境負荷の問題などに関心があって 食品の廃棄をどうにかしたいと思っていた。姉がパン屋の店長をしていて廃棄するパンをいつも食べていると聞いていた。

都内に暮らす西尾さんは3か月前からこのサービスを利用。すでに10回以上パンを購入しています。子どもたちはお目当てのパンがあるようです。長男の泰直くんには温め方にこだわりがあって 電子レンジで20秒、オーブンで2分温めるとおいしくなるといいます。
もともとパンが好きだった西尾さん 以前から廃棄されるパンのことが気になっていて このサービスを利用するようになりました。
通販サイトのページにはパンを取り寄せた店が地図の上に表示され「全国各地のパンを食べてみたい」という目標になり 西尾さんの新たな楽しみになっているそうです。

運営会社が このサービスを始めて4年。これまでにおよそ500万個のパンを廃棄することなく利用者に届けることができたといいます。売り上げの一部から児童養護施設へパンの寄付を開始しました。

世界飢餓につながっている 日本の食品ロス、あまり賞味期限に拘らない

日本では年間522万トンの食品ロスが発生しています。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量(2020年で年間約420万トン)の1.2倍に相当します。また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶碗約1杯分(約113g)の食べもの“が毎日捨てられていることになるのです。
アフリカの人たちや途上国の人たちの穀物 食料が 先進国の私たちが季節外れの変わったものを食べたいとか もっとおいしいもの・いろんなものを食べてみたいということで 本来 途上国で安価で輸送量も かけずに回っていくべき食品が 先進国の換金性が高いフルーツとか 付加価値が高い食べ物になってしまい 結果として 安くて現地生産のものを食べられない人たちが出てくる。
こうやって作られたものが先進国 日本では 食べきれずに捨てられている。自分の家の中の食品ロスを減らす。無駄なものを買わない。それから買ったものは きちっと使いきるようにしようってことですね。

賞味期限おいしく食べられる目安なので その期限が1日 2日過ぎたからといって すぐに食べられなくなるわけではないので、その期限にあまりこだわることがないというのも すごく重要です。
スーパーでも 手前に並んだ賞味期限の近いものから手に取ることも 重要なのかなと思います。
今 企業サイドでも なるだけ 賞味期限を考えなくて済むようなものづくりとか あるいは食べきりができるような形というものづくりに変わってきてる。
それを後押しをするのは私たちが少し へこんでてもいいよとか、ちょっとぐらい見た目が悪くても規格外でも クレームを言ったりしないよ という買い方を意識することが 実は企業の行動変容にすごく つながっていってる。

アップサイクルされた 食品のクレヨン・消防ホースのバック・ビニール傘のバッグと財布

廃棄されるものを新たな製品として生まれ変わらせる アップサイクルされたものです。
こちらのクレヨンは食品工場から出た野菜くずや 農家から出た規格外の野菜が着色料の一部に使われています。色が野菜の名前になっているのが特徴。青森県在住の子育てママが考案しました。

消防ホースからつくられたバック。ビルなどに備え付けられているホースはほとんどが廃棄されるためそれを生かして作られました。
廃棄されたビニール傘を原料に作られたバッグと財布。4枚から6枚を重ね合わせてプレス。手作りで仕上げられたものです。
楽天イーグルスの選手が実際に使った折れたバットから作った こけし
使われなくなった地下鉄の車両から作った ソファーとテーブルもアップサイクル製品。付加価値が付いて人気の品となっています。
アップサイクルは品質をそのままに 新しい価値を付けるという取り組み。
ただ コスト的とかあるいは普及するために どれくらい大量生産できるかとか いろいろビジネス上では考えなくちゃいけないことは たくさんあるが 楽しさを持って使えるってことが すごく重要なんじゃないかなと思います。

徳島県 上勝町 驚きのゴミ削減方法 すべて資源に

人口およそ1400人の徳島県上勝町にゴミ収集車は走っていません。
住民のゴミ出し方法は、町唯一の収集場へ自らゴミを持ち込みます。分別の数は45種類もあります。
細かく分別を行うことでゴミを捨てるのではなく「資源」としてリサイクルしているのです。
紙ゴミの場合は全部で9種類に分別。同じ紙パックでも銀色のものを仕分けるなど細かく分類します。紙パックをリサイクル業者へ売却すると1キロあたり 10円が町の収益となります。現在 リサイクル率は 80%以上で、売却金は町のゴミ処理費用などに充てられています。
ゴミ収集場所は「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」と名付けられ スタッフが住民のフォローを行っています。
この町が本格的なゴミ対策に取り組み始めたのは 20年前。それまで野焼きでゴミ処理を行っていたのですが2000年に廃棄物処理法の改正で禁止になり 焼却炉を導入しましたが そこで出る灰の処理やダイオキシンの問題もあり焼却炉を閉鎖。そこで住民に対し分別してリサイクルを行い ゴミを出さないように協力を呼びかけたのです。
町のあるお宅では ゴミ入れは全部で10種類ありました。この程度に仕分けておけば収集場で苦労することはなく、ふだんの生活の中の日課になってますので何ともないといいます。
生ゴミの処理にはコンポスト。町が推奨し 住民は5万円の内1万円負担するだけで設置することができ 今では8割の世帯で使われています。
注意が必要なのは 食品の包装容器捨てる前に水で汚れを洗い落とすのがルールとなっています。さらに水けを切るため 乾燥させ、できるだけ きれいなプラを出して リサイクルに使ったほうがいいと考えています。自分たちでゴミを持ち込むのは 今では当然のこと。意識も変わってきたといいます。
「以前に比べると少なくなりましたね。ゴミ出さないようにという気持ちがどうしても あるものですから。最初は大変だったんですよ 本当に。どうしようかなとかこれ どこ持って行ったらいいかなとか。もう でも それも慣れましたし」
大量の木くずを持ち込んだ女性は こうしたゴミの出し方にメリットもあると感じています。
自分の都合でゴミを持ってこれる。指定された曜日とか時間に出すというよりは融通が利くのかなと。

住民のおよそ 52%が65歳以上と高齢化が進む上勝町。車が運転できずゴミを運べない高齢者には センターのスタッフが運搬する制度も設けています。

さらに町は ある特典制度も導入しました。特定のゴミを持ち込むとポイントをもらえ 獲得ポイントに応じて生活用品と交換することができます。例えばトイレットペーパーの芯は1ポイントに。5ポイントためるとトイレットペーパー1つと交換できます。
センターの中にはリユースショップもあります。住民であれば まだ使える不要なものを無料で引き取ってもらうことができます。しかも 店にあるものは住民でなくても無料で持ち帰ることができます。

こうした上勝町の取り組みは注目を集め国内外からの見学者が後を絶ちません。
ゴミ問題や環境について学ぶための宿泊施設も作りました。宿泊者には 滞在中に出たゴミを実際に センターで分別してもらったり 町内の店では コーヒー豆やビールの量り売りなどを体験してもらうのです。このセンターの藤井さんはこの町が住民と一体となって これからも発信していきたいと考えています。「あくまでも私たちの街を美しくするために編み出したやり方 まねをするというよりは 思いですね。循環型社会にしていかなければ地球がもたない。気候変動がひどい状態になっていく そういったもののきっかけにしていただければ」

(安)紙だけで9種類ですとかだいぶ細かいですけど 町の皆さん本当に ちゃんと工夫して 楽しんでやってらっしゃる姿がすごいなと思いましたね。

(織)職員の方たちが すごく きめこまやかにサポートをしていて、独居老人の方なんかは センターに持ってくることができないので、サポートをすることによって 逆に独居老人の見回りにもなるという 一石二鳥的なことをやってらっしゃるというのが すごく印象的でした。

環境問題に関心がある若者がここで暮らしてみて 一緒にゴミ問題に取り組んでみたいという。
上勝町によりますと 他の地域から移住してきたのは 2020年に39世帯。2021年で26世帯。
過疎対策にもなっていました。

他にもリサイクルに取り組んで 地域の課題 解決に結び付けてる町というのは全国に結構ある。
例えば鹿児島県の大崎町ていうのは27品目のリサイクルをして その売却益で町の子どもたちの奨学金に充ててて紙オムツのリサイクルをしている。
これから老人が増えてくると 紙オムツが廃棄物として増えてくる。それをメーカーと協力しながらリサイクルの実験 取り組みをしている。
地球環境問題なんていうのは自分ひとり やっても どうせ… というふうに思われる方が結構 多いんですけども ひとりのアクションが世界を変えるというこういうことはあると思うんです。
例えば小学生が道で落ちてるゴミを拾いました。それを見て友達が「いいね」というふうにして またやる。そうすると クラス全体でゴミ拾おうかってことに なってくると その地区全体で ちょっとゴミ拾っていきましょうかという形で 必ず つながっていくんですね。

▽まとめ&感想

服部さんや上勝町の取り組みを見て ゴミ減らせるものですね驚きました。資源にしているんですね。
私のゴミをみていると 生ゴミは堆肥にしています。購入してくる 肉や魚 すでにトレーに入っていて、洗ってプラゴミに出すのが多くでます。このプラゴミいろいろ混じっていて どのように利用されるのか不思議です。燃やして熱エネルギーに変えてるらしいと耳にすることがあります。
可燃ゴミ 使用したラップや食品の入っていた袋など 洗って干せばいいんでしょうが 水も資源ナノでもったいなくてゴミにしてしまいます。
ヘチマで食器洗っていましたけど、拭き取った油分もゴミになりますよね。残った汚れヘチマだけできれいになるのか??ゴミを減らす方法 もっと知りたいなと思いました。