Eテレ 2024.3.29
じゃことねぎを使ったもの、トマトと梅干しなど具だくさんの作り置き調味料。食品に付いてくる小袋調味料で簡単に煮卵や鶏そぼろに、テンメンジャン トーバンジャン ゆずこしょうのアレンジレシピ
【ゲスト】虻川美穂子【講師】料理研究家 ワタナベマキ
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄
食卓が豊かになる手作り調味料
ゲスト 虻川美穂子さん「私はお料理が苦手なので すごく便利なめんつゆをフル活用して いつも同じような味が食卓に並んでしまうのが悩みです。」
身近にある食材で具だくさんの 手作り調味料の作り方を教えてくれるのは ワタナベ マキさん。ポイントは「甘み、酸味、油をバランスよく使うと おいしい調味料になる」
じゃことねぎを使った風味豊かな調味料
しょうゆをベースにみりんで甘さを出し 酸味には黒酢を。油は香りのよい ごま油を使い風味豊かに仕上げます。作り置きできるよう ジャム瓶1本分の分量です。
・ごま油(大さじ1/2)の半量だけ入れ、弱火で熱した鍋にみじん切りにしたしょうが(1かけ)、ねぎ((みじん切り50g)を入れ 炒めます。
・ねぎが しんなりとしてきたら、ちりめんじゃこ(30g)入れさっと炒めます。
・酒(大さじ2) みりん(大さじ2) 黒酢(大さじ1) しょうゆ(大さじ1/2)を加え、しっかり煮立たせながら汁けが半分くらいになるまで煮詰めます。お酢はしっかり煮立たせると甘みと香りが残る。
・3〜4分ほど煮詰めたら いりごまを入れ仕上げに ごま油を加え 香りをプラスします。
マキさんイチオシの食べ方、ごはんに目玉焼きをのせて上から たっぷりと かけると 満足感の高い丼になるそう。あえ物や豆腐の上にのせるだけでも おいしく頂けるそうです。
トマトと梅干しを使ったさっぱりした風味の調味料
材料は しょうゆ 酒 ねぎ 削り節 ごま。甘みを出すために みりんを。酸味は梅干しとトマトから。梅干しの風味とか香りをより生かしたいので 油自体に香りがない米油を使用。
・米油(大さじ1)をひいた鍋に みじん切りにしたねぎ(50g)を入れ 弱火で炒めて ねぎの色が透き通ってきたら、1センチ角にカットしたトマト(2個)を入れます。
・梅干し(3個)をちぎって 種ごと入れる。
・酒(大さじ1) みりん(大さじ2) しょうゆ(小さじ1)を加えてさらに煮込み アルコールをしっかり飛ばす。
・弱火で およそ3分、トマトの形が崩れて煮詰まってきたら かつお削り節(5g)、いりごま(白・大さじ2) 入れます。
・さらに煮詰めとろっとしてきたところで完成です。
梅のさっぱりとした風味が利いたこの調味料と相性がいいのは 豚のしゃぶしゃぶなどの鍋もの。梅の酸味が クセになる絶品つけダレが食欲をそそります。焼いただけのお肉にもよく合います。生野菜にかけてるのもオススメです
甘辛のコクがたまらないみそベースの調味料
りんごを皮ごと すりおろして甘みと酸味を加えます。それが おみそのコクとすごくよく合うのでとても食べやすい調味料になります。
その他に加えるのは すりおろしたたまねぎ にんにく しょうが 酒 しょうゆ、ごま油を使います。
・にんにくとしょうがを すりおろし鍋に入れ、ごま油(大さじ1/2)の半量入れます。
・焦がさないよう弱火で炒めていき にんにくの香りがしてきたら すりおろした たまねぎ(50g)と 皮ごとすりおろしたりんご(100g)を加えさっと混ぜ合わせます。
・さらに みそ(80g)を加え、酒(大さじ1) しょうゆ(小さじ1)を入れて煮込みます。
・少しもったりするまで煮詰めます。お好みでトーバンジャンとか 辛み入れてもおいしいです。
・滑らかな食感にするため 細かくすった白ごま(大さじ2)と 残りのごま油、全体に混ざったら完成です。
にんにくの香りと りんごの甘みが食欲をそそる調味料。ゆでた蒸した鶏とかに ちょっと のせて葉っぱに包んで食べるのが オススメです。
(虻川)ちょっと料理下手の私からするともう おかずみたいな。
VTRにも ご登場頂きましたワタナベ マキさんです。
(賀来)ずばり手作り調味料のよさというのは何でしょうか?
(ワタナベ)手作り調味料は いろんな組み合わせができるということと、飽きずに食べるだけの量も作れ、いろんな具材が入るので栄養的にもすごくいいですよね。
(虻川)作ってみたいなと思ったんですけれども トマトと梅干しとか あんまり思いつかない‥。
(ワタナベ)甘みと酸味と油、この3つを合わせると大体 本当に おいしくできるんです。メイン食材を決めて、じゃあ酸味をこれ足そうとか、油は香りあるのにしようとか メイン食材を決めたあとに作っていくといいかなと思います。
(賀来)甘み レシピの中にはお砂糖がなかったと思うんですけど?
(ワタナベ)自分で手作りを作るので優しい甘みがいいかなと。トマトの甘みとか酸味を生かしたいので できるだけ強い甘みにならないようにしています。例えば甘酒を使ってみたり、黒酢も火を入れると甘みが残るので使ったりしています。
辛みも入れてもいいんですけれど、家族の中で辛いのが苦手な人もいたりするので、辛みはあとから足せると思う。紹介したおみそだったらコチュジャンを入れたりとか、じゃこにもトウガラシを入れたり調整が利きます。
ワタナベさんに作って持ってきて頂きました。ねぎとじゃこの風味を生かしたものとトマトと梅干しの調味料です。それぞれ豆腐の上にかけて頂きます。
(賀来)よく市販でもあるじゃないですか じゃこが入ってるものって。シャキシャキ感とかがそのフレッシュ感。瓶のよくあるものとはやっぱり違うんだなと思いました。しつこくない甘みとか そういうのがやっぱり手作りは いいですよね。
トマトと梅干しの調味料です
(賀来)パスタにも たくさんかけてあと おそうめんにも いいですよね。
(ワタナベ)豆腐って どうしても ポン酢だけとか なりがちなんですけど、ちょっと作っておくとまた冷ややっこも楽しめるので。この調味料は冷蔵庫で1週間保存できます、早めに食べきるのがオススメです。
ワタナベさんが手作り調味料を作るうえでよく使う食材は何ですか?
(ワタナベ)まずは香味野菜ですね。ねぎとか しょうがとかをよく使います。香りも すごく大事だなと思うのでかんきつ系のレモンとか ゆずとかもよく使ったりします。ごまを入れたり、ナッツとか。口に入れた時にザクザクッとした食感とかサクサクッとした食感があるとまた おいしいので。じゃことねぎの調味料に白ごまではなくくるみを入れました。そうすると ちょっとカリカリッとした食感があって 食べ応えがあるタレになります。
季節によっても やはり作るものというのは変わってくるんでしょうか?
(ワタナベ)もちろん季節の旬の食材を使うというのも あるんですけれども、おしょうゆとかお塩を使いましたが そこをナンプラーに代えてエスニックの味にしてみるとか。辛みも ちょっと足したりすると 暑い季節には すごくぴったりかなと思います。
納豆などに付いてくる 小袋調味料の活用
都内に暮らす高橋さん。娘と母の3人暮らしです。料理は得意で、調味料も たくさんありますが 使い切れずに期限が過ぎて捨てざるをえないことも多いそう。食品に付いてくる小袋調味料がたまってしまうのも悩みの一つ。食エコ研究所を立ち上げるなど食品ロス削減を目指す 料理研究家の島本美由紀さんに冷蔵庫に眠っている小袋調味料を生かす料理を教えて頂きます。
■納豆のタレで おいしいだし巻き卵 、卵2つに 納豆のタレ1袋を入れ よくかき混ぜ、卵焼きを作るのと同じ要領。もう一品、ゆでたもやしに納豆のタレを入れ カラシもさっと合わせるだけでもやしのカラシあえができるんです。
■焼きそばの生麺のソースの粉。ゆで卵を4個 ポリ袋へ、そこへ焼きそばのソースの粉を投入 混ぜ合わせ 冷蔵庫でひと晩。うまみが しみ込んだ煮卵のようになるんです。
■うなぎのかば焼きのタレ。鶏のひき肉(100g)をフライパンへ。そこへうなぎのタレ(1袋)を投入。タレが まんべんなく行き渡るようによく炒め あつあつのごはんに のせると鶏そぼろごはんが出来上がります。試食した 娘さんと母さんにも おいしいと好評でした。
■冷ややっこのおろししょうが。食パンにバターやマーガリンを塗って その上に小袋のおろししょうがを 薄く広げます。そして普通に トースト。焼き上がったらはちみつを加え完成です。娘さんはフランスの名店 メゾンカイザーの味がするそうです。
(ワタナベ)小袋調味料は1袋で味が決まっているので 失敗しないよさがあります。私は使うのは 納豆に付く和がらし。洋風のマスタードのように オリーブオイルと塩と合わせて、ゆでた菜の花にあえるとマリネのような感じに。
練りわさびとオリーブオイルとお塩と合わせて ゆで野菜にあえたりすると とってもおいしいので。
付属して付いてるものですが 消費期限以内に召し上がって 使い切って頂くことがいいのかな。
(虻川)私 ギョーザのタレが結構残るんですよ。あとラー油 何かアイデア頂けますか?
(ワタナベ)しょうゆと 酸味が入っているので さっとゆでたあえ物とかには使えますが、しょうが焼きみたいに お肉炒めたとこに入れるとすごくおいしい。ちょっと火を入れると酢が飛んで甘くなるので、是非やってみてください。
おなじみの調味料をアレンジしたレシピ
教えて頂くのは MICHIKOさん。今回 使うのは テンメンジャン、トーバンジャン、ゆずこしょう。
ポイントは和食や中華など ジャンルにこだわらないこと
テンメンジャン
■パスタに使うミートソースに 中国の甘辛みそ テンメンジャンを アレンジ。たまねぎ にんじん ひき肉を炒めてトマト ローリエを加えたら、2人前で大さじ1杯ぐらい ちょっと たっぷりかなというくらいの テンメンジャンを入れます。色も みその色とトマトの赤い色が混ざっておいしそうに。最後にお好みで粉チーズを加え軽く煮込んだら完成です。テンメンジャンを入れることで発酵調味料独特のうまみがプラスされます。
■ヨーグルトに小さじ1杯ほどのテンメンジャンを加えます。はちみつやジャムのような感覚で使えるのではと試したら、めちゃくちゃおいしいんです。ヨーグルトの酸味が抜けて なおかつ この甘辛いみそが 甘みとコクがプラスされて、もうプレーンなヨーグルトをそのまま食べれない。
テンメンジャン
そら豆とトウガラシを発酵させた辛みと うまみのあるトーバンジャン。
■ポテトサラダ、作り方も簡単で、お好みの量を入れ混ぜるだけ。ざっくりと混ぜれば 食べる場所によってマヨネーズの味と辛みのある味 2つ楽しめるのでオススメだそうです。
■チーズトースト、マヨネーズを一面に塗った食パンの上にチーズをのせてお好みの量でトーバンジャンを塗るだけ。タバスコのように使います。トースターで焼くこと およそ2分。こんがりとパンに焼き色が付いたらト完成です。
ゆずこしょう
鍋物の時の薬味として使うことが多いゆずこしょうはなんにでも合います。
■クリーム系のパスタと 相性が良いので 。例えばサーモンきのこのクリームパスタ。入れるタイミングは食べる直前に お好みでお好きな量だけゆずこしょうを添えて ちょっと混ぜて召し上がってください。ゆずこしょうが加わることでピリリとした辛さが アクセントとしておいしくなります。
■コンソメスープに入れるとゆずの香りが際立ち 品のよい風味がプラスされます。
■デザートにも活用でき、甘いバニラアイスに辛みのあるゆずこしょう、ゆずで作られて かんきつ系のフルーツなので 爽やかな香りと爽やかな辛みが意外に合うんです。
(賀来)テンメンジャンミートソースは何か本当コクが深まりそうな気がしました。
(虻川)ミートソースのテンメンジャンはおいしいのかなと思ったんですけど、ヨーグルトは?? ゆずこしょうにバニラアイスはどんなお味なんだろうと すごい興味が湧きます。
お試し頂くしかありませんね。今回バニラアイスのゆずこしょうのせ ご用意いたしました。
(賀来)おいしい。 さっきね かんきつは何でも合うって おっしゃったけど。
(虻川)おいしいです! フルーティーですね。あれ?
(賀来)爽やかさが何て言うか バニラのマンネリ感を脱却できるというか 全く違うものになるけれどもこれ きっと みんな好きっていう。
(ワタナベ)ゆずの爽やかさと クリーミーさと、あと塩けがすごくいいバランスだなと思いました。
ワタナベさんが一般的な使い方に とらわれずによく使う調味料って何ですか?
(ワタナベ)一つは梅干し、みんなご家庭にねあると思うんですが、調味料と思って使ってほしいと思ってます。私はしょうゆの代わりに 使っているんです。例えば鶏の照り焼きとか、切り干し大根の煮物も梅干しで煮たり、ひじきの煮物も梅干しで煮たりするとまた新しい味になるので。梅干しの塩けですごくおいしいので よく使っています。あとは油とも相性がいいので 豚の角煮に梅干しを入れるとお肉も やわらかくなり さっぱりとした角煮になります。
(虻川)めんつゆルーティンで、そのめんつゆの中に梅干しを入れてもちょっと変わってきますよね?
(ワタナベ)いいと思います。すごくおいしいと思います。
もう一つは ウスターソース、これもご家庭によくあって炒め物とかに使うことが多いかと思うんですけれども。スパイスがすごく詰まっていて、りんごもトマトも入っているソースなので、ちょっとした煮込み料理 例えばカレーとか ビーフシチューとかに入れてもらうと すごくコクが出て おいしくなります。
(賀来)いろいろな活用術を教えて頂いたんですけど どんなふうに調味料を楽しんで頂きたいとお思いになられてますか?
(ワタナベ)いつもある調味料だと どうしても いつも同じ味にどんな料理もなってしまうので、そこに ちょっとした工夫を入れる。酸味とか甘みとかごまとかナッツとか香味野菜とか入れて組み合わせると 味が広がるので 食卓がまた楽しくなります。皆さんも おうちにある冷蔵庫に余っているようなものを上手に活用して 自分で手作り調味料を作って頂けたらなと思います。
▽まとめ&感想
じゃことねぎを使ったもの、トマトと梅干しなど具だくさんの作り置き調味料、おいしそうで是非作り置きしたいです。
食品に付いてくる小袋調味料や冷蔵庫にあるテンメンジャン トーバンジャン ゆずこしょう ちょっと入れるだけで、アレンジされる。私も いろいろ試してみます。