あしたも晴れ!人生レシピ★施設で体験 防災の知識▽こんな話

Eテレ 2023.12.15
地震をシミュレーションする埼玉県防災学習センター☆
小島慶子さんが立川防災館で 消火体験・煙からの避難 火災時の行動ポイントを知る☆
「そなエリア東京」で地震災害後を生き抜く知恵を学ぶ☆
多くの施設があるので 体験を重ね 心強くして 災害に備えよう。
【ゲスト】小島慶子、危機管理アドバイザーの国崎信江
【司会】賀来千香子、小澤康喬【語り】堀内賢雄

地震をシミュレーションする埼玉県防災学習センター

鴻巣市にある「埼玉県防災学習センター」 止まった時計や折れ曲った標識など 東日本大震災や熊本地震で被災したものが展示されています。地震体験のコーナーがあり 震度7の揺れを体験できます。他にも風速30メートルを感じる暴風体験。モニターの炎を消し止める消火体験煙体験など の疑似体験を通じて災害が起きた時の対応や日頃からの備えを学ぶことができます。こうした 防災を学べる施設は全国に160か所以上あるといわれています。

危機管理アドバイザーの国崎信江さんに こうした施設を訪れる時のポイントをお聞きしました。
防災体験施設の多くは 国や地方公共団体などが運営し 無料で体験できます。服装はズボンにスニーカー・かかとの低い靴など 動きやすいものが いいです。
埼玉県防災学習センター 新井孝佳さん地震が体験できるコーナーへ、ここでは実際に起きた地震など15種類の揺れを体験できます。
地震体験に協力してくださったのは戸田さん松井さんのお二人。今回は関東大震災から100年ということで、1923年9月1日に発生した 震度6を観測した 40秒の 関東大震災の揺れを再現したものを体験してもらった。感想は「今でも ちょっと足が すくんでる感じがある」「立っていられないというか。最初に何をしていいか分からなくて動けない感じでした」
新井さんが机の下など隠れる場所がない場合 「だんごむしのポーズ」で身を守るよう話す。これは危険なものにお尻を向けて 肘と膝をつき体を支えます。頭を守るため 手首を内側に向けて後頭部に手を当てるのがポイントです。
国崎さん人はイメージしてないことは行動できないと言われる。家の中がどうなるか、自分は揺れに対してどう対処できるのか考える。体験することで ひとつ心構えができ 経験値が付くと思う」

2階の展示室では具体的に紹介。
1)タンスの転倒。ベッドの近くに置いてあるタンスや本棚が倒れています。対策として つっぱりポールを設置する固定方法があるが、天井の強度が分からないので ポールとの間に1枚 板を渡して面で支えるように設置する。
2)ライト落下の危険 つり下げ照明は 地震で激しく振られることで 天井などにぶつかり 電球やカバーが割れる可能性がある。照明の真下にベッドを配置しない。落下や飛散の危険が少ない アクリルやプラスチック製のカバーで直に付いているタイプがオススメです。
3)割れたガラスの飛散。枕の配置は 窓ガラスを意識。市販の飛散防止フィルムを貼るなどの対策もあります。

小島慶子さんが立川防災館で 消火体験・煙からの避難

小島慶子さんにも今回 防災体験施設に行って頂きました。
先ほどの 国崎信江さんです。
最近の防災体験施設は技術の進化もあって、かなり リアルな体験ができるようになってきているので イメージもしやすいかなって思う。災害が起きた時に体験を通じて 自分や家族がどんなことになってしまうのか それを我が事化できると思います。

小島さんのリポートです。
東京・立川市にある 立川防災館は東京消防庁が設置したもので 子どもから大人まで さまざまな防災体験ができます。元消防士の指導のもと 倒壊した家屋から救出救助体験や、災害が目の前に360度 再現されるVR防災体験など最新技術を使って体感できます。

小島さんが挑戦した消火体験。目の前で出火した時の初期消火を行います。目安は炎が天井に到達するまでです。
■消火を成功させる4つのポイント
1)大声で知らせる 当事者は消火に当たり近くに人がいる時は通報を頼みます。
2)消火器の使い方。3〜6mほどの距離で姿勢を低くして構えましょう。消火中に危険な炎の熱や煙は上にあがっていきます。まっすぐ立ったままでは やけどや煙を吸ってしまう危険があります。
3)放射の手順。合言葉は ピン ホース レバー。まずは 安全ピンを外します。続いて横に付いたホースの先端を外します。ホースの先を持って、レバーを握ってねらいを定めて放射します。
4)火の根元をねらう。炎だと突き抜けるので。炎の先に惑わされず根元をねらいます。
こうした施設を訪れ 練習すればするほど上手になります。

今回 初めて消火体験をした小島さん、自宅に白い サイズの小さい住宅用消火器を備えてあるそうです。簡易的なエアゾール式もあります。中の消火剤は2種類で 火元にしみ込ませて消す強化液消火器と、風上から火元をはくように消す粉末消火器です。種類は消火器本体に記載されてます。使用期限も記載されているのでチェックが重要です。使用期限が過ぎたものは一般のゴミでなく、販売店や消火器リサイクル推進センターなどに 相談してください。
(小島)1回も読んだことなかった。消火器買って安心してました。確かめます。

続いて煙からの避難です。設定は ショッピングモール内で火災に遭遇し バックヤードを避難するというもので、体験用に分かりやすく無害な煙が充満していま。実際の火災だと やけどして亡くなる方もいらっしゃるんですけど、発生する煙には一酸化炭素が含まれており、呼吸により 軽いときで頭痛・めまいを起こし、中毒が進むと(時には数呼吸)意識を失い死に至ります。
小島さんには 事前のアドバイスなしで体験してもらいました。
■ 煙からの避難 注意点
1)非常口マークの緑色のライト 誘導灯を確認する。停電中も光る。
2)出来れば 扉を閉める(炎や煙がそれ以上 広がるのを防ぐ)この施設では 熱い扉があって(先に炎や煙が広がっている危険性がある)避ける。
3)できるだけ 姿勢を低くし ハンカチや服の裾などで口と鼻をおおい 避難する。煙は空気より軽いので 上からたまってくるため。
4)煙で視界が遮られている時などは方向を見失わないよう 壁に手を当て壁伝いに避難する

(小島)本当に あんなに怖いと思わなかった。実際の炎はないんですけど それでも心理的な不安が とても強いですね。ああいう薄暗くて煙があって どっちに行ったらいいか分からないところで1人というのは。
(国崎)そうですよね。体験して煙の特性を知ることができるって とても大切なことだと思う。やっぱり炎よりも煙が怖い。避難する間に煙を吸わずに逃げるって難しいので、火災警報機とか館内放送で「火事です」といった場合には いたずら なんて思わずに 煙が充満する前に逃げるということを 一番意識してください。

(小島)消火器を初めて使った。ワナワナとかしてる間に あっという間に 空っぽになってしまって。
(国崎)容器の容量にもよるんですけど、ご自宅用のだともっと短い。10秒ぐらいだと思って頂いたほうがいいと思います。初期消火できる状況であれば トライをして 頂きたいんですが、天井に達するまでが初期消火の限界といわれてますので、天井に達したらすぐに逃げてください炎が天井に達してから1分程度で6畳とか8畳ぐらいの広さでしたら その部屋が炎に包まれるといわれてます。
あれを持っていかなきゃ、これも持っていかなきゃなんてバタついていたら すぐに炎に包まれて危険な状態になってしまうので すぐ逃げる。そして逃げたら戻らないということを意識をしてください。
(賀来)火災を起こさないためには 日頃からの意識が大切だと思うんですがいかがでしょう?
(国崎)日常にもリスクが潜んでいる。「収れん火災」といって、例えば窓際にガラス製品・金魚鉢・鏡・ペットボトルとか 光を集める・反射するようなものを置いておくと太陽光が一点に集中し 加熱して火災が起きることもあるんですね。
(賀来)窓際に金魚鉢のガラスがあるんです。どかします。気をつけます。
(国崎)自分の着ている服に着火することもある。コンロの奥に調味料とか置いて、つい火がついているのに取ろうとして 服に火がついてしまうこともある。こういった日頃の行動をちょっと見直して頂くと 火災のリスクを減らすことができます。

「そなエリア東京」で地震災害後を生き抜く知恵を学ぶ

小澤アナが 東京・江東区にある防災体験学習施設そなエリア東京)で地震発生後72時間の生存力をつける 体験。冬の夕方首都直下地震が発生したことを想定、街では火災が広がり 帰宅ラッシュの中 電車も停止しています。持ち物はリュック一つと ふだんの通勤時の格好で参加、防災士の資格を持つ 澤善裕さん の案内を受けました。
10階から1階におりるエレベーターに乗るところからスタート。ちょっと揺れを感じて暗くなりました。エレベーター内で地震に遭遇したら、エレベーターに閉じ込められないために 全ての階のボタンを押します。2009年9月以降 新設のエレベーターには地震を感知し 最寄りの階に自動停止する装置が義務化されましたが、それ以前のもので 自動停止に対応していない場合もあります。
次に 建物が崩壊した街中を避難。地震直後の市街地の町並みが再現されています。あらゆる建物が傷ついている中、まずは近くの避難場所を目指します。この施設では タブレットを使ったクイズも体験できます。その一つがふだん持ち歩いているもののチェックです。
・スニーカーなど長く歩ける靴
・携帯ラジオ・TV(付き携帯電話)
・家までの地図
・携帯電話
・飲み水、チョコなどの食べ物


小澤さんが持っていたのは スニーカー ラジオやテレビが見られる携帯電話。地図や飲み物はありませんでした。紙の地図は 多少ぬれても破けてもつなげ必要です。
他に タオルやティッシュ 充電器など役立つものも たくさんありました。常備薬はとても大事ですので 2晩過ごせるように備えましょう。
上を見るとビルの窓ガラスが割れる映像が映し出されています。窓ガラスの破片が頭上に落ちてくる危険性があるため建物から離れて歩きましょう。ガラスから身を守るため リュックサックは頭を守るクッションになります。落下物の衝撃を和らげるため 手首を内側にして 少し頭から離して持つのがポイントです。
タブレットでARマーカーを認識するとと マンホールが浮き上がってます。液状化現象(地震の揺れをきっかけに地盤がゆるみ 液体のようになる)がおきて、浮かぶだけでも大変なんですが、下水管が壊れると 長い間 トイレやお風呂・台所を衛生的に使えない生活になる。自分の住んでいる所が 液状化しやすいのか確認しておくといいです。

街を抜けると「避難場所」と書かれたエリアに。緊急時どう生き抜くのかヒントを学べます。奥のスペースでは 避難先の体育館での実例展示もありました。日用品で作った応急テントも展示され、覆っているシートは車体カバーで、留め具は軽量のプラスチックの植木鉢や洗濯バサミなどが使われています。中をのぞくと骨組みは物干しざおです。他にも災害時の支援物資を再利用したペットボトルのイスなど避難中に役立つさまざまな情報が展示されていました。

(小澤)自身が被災するということのイメージが足りていなかったと気付きました。防災グッズを さまざま準備することは大事ですが、いざという時に今あるものをどう生かして命をつなぐのか こんなふうに使えると思うのが いっぱいあった。
(小島)携帯ラジオという発想がちょっと抜けてまして 1個あったほうがスマホの電池が切れた場合でも情報が取れるので。
(国崎)わりと見落としがちなもので とても大事なものがトイレです。いざという時のために 家族の人数分かける 10日分ぐらいのトイレは用意をしておくといいと思います。
(賀来)災害に備えて 常に持ち歩いてるものがおありだそうですね。
(国崎)欠かせないのが黒いポリ袋で、ぬれた場所でのシート代わりにもなり、寒い時には襟ぐりを切ってかぶれば暖かいですし。トイレを使う時 黒い色ゆえに目隠しにもなるんですね。
他にも止血用パッドなどの医療品や 折りたたみ式のソーラーシートなどを備えています。そして水が貴重で使えない場合は 水のいらないシャンプーや液体歯磨きなどがあると便利です。

防災の体験に関心を持った方に 何か伝えたいことがあるとするとどんなことでしょうか?
(国崎)まずは地元の体験施設に行って頂いて、そのあと いろんなところにも関心を持って行って頂くと 体験をしながら自然と知識が深まり広がります。経験・体験をしていくことによって心が強くなり 災害 起きた時にも生き抜くぞという力に つながっていくんじゃないかなって思います。

▽まとめ&感想

実はずいぶん前になりますが 消防の防災センターを訪ね 煙の体験をしていました。壁を伝うよう聞いた記憶がありました。消火器も練習したけれど 時が経って 使えるか自信が無くなりました。使用期限確かめたら 大丈夫でした。使い方 アタフタするうちに燃え広がってしまうので動画で勉強しましょう。
地震の後 田舎なので ブルーシートで過ごせ、トイレも食料もなんとかなるだろうと思っています。