あしたも晴れ!人生レシピ “あぶら”を上手に活用!すこやかライフ▽こんな話

Eテレ 2023.10.13
虻川さん あぶら専門店へ いろいろなオイル紹介☆
脂肪酸の種類 オメガ9・オメガ6・オメガ3☆
中鎖脂肪酸MCTオイル!エネルギー補給や体脂肪の蓄積予防効果あり☆
あぶらを上手にとるレシピ

あさイチ 美と健康! アブラの新常識(こちらでもオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸)見てました。

【ゲスト】虻川美穂子 【講師】女子栄養大学教授 川端輝江
【司会】小澤康喬【語り】堀内賢雄

虻川さん あぶら専門店へ いろいろなオイル紹介

食用あぶら」の種類は数多く どのあぶらを どんなふうに使うといいのか よく分からないので、脂質の栄養指導を行っている方に詳しく教えて頂きました。
ゲストの虻川美穂子さん、講師 女子栄養大学教授 川端輝江さんです。

虻川さんが会いに行ったのは地曳直子さん。脂質に詳しく あぶらを使った栄養指導を行っています。地曳さんに案内されたのは あぶら専門店の金田油店 。明治3年創業のお店で、世界中から取り寄せた50種類のあぶらを扱っています。

食品中の脂質は ほとんどが脂肪酸により構成され、脂肪酸には多くの種類があります。
植物油は、オレイン酸とリノール酸が多い。植物、産地で脂肪酸の組成が変わります。

オレイン酸を豊富に含むオリーブオイル。産地や品種 実を収穫する時期によってあぶらの質や味も異なり、種類が豊富にあるそう。虻川さん この店で一番人気、さまざまなコンテストで金賞に輝くイタリアのシチリア島産のものを試食させてもらった。青いトマトの風味がするのが特徴だそうですが…。そのまま サラダにかけて食べると香りと深みのある味が楽しめるそうです。
はしばみ油(ヘーゼルナッツのオイル)は、香ばしい香りとコクが アイスなどのデザートにも合うそうです。

リノール酸を含むあぶら。
パンプキンシードオイル カボチャの種から絞ったオイル。リノール酸は肌のセラミドの成分のもとにもなります。
α−リノレン酸を含む えごま油あまに油えごま油はシソ科のえごまの種から搾ったあぶらです。α−リノレン酸は熱に弱いため、炒め物や揚げ物には向かない。そのままサラダやヨーグルトにかけたり スープや みそ汁などに入れるとコクが出て おいしさが引き立つそうです。
脂肪酸で選んで頂くと より体にいい物が選べる。

あのヘーゼルナッツのはしばみ油を 用意させて頂きました。アイスクリームにかけております。
(川端)あぶらという感じがしないですね。食べたあとにヘーゼルナッツの風味が鼻に抜ける。すごくアイスクリームがおいしくなりますね。

その他にも はしばみ油は サラダや鶏肉白身魚の料理にも合うそうです。

脂肪酸の種類 オメガ9・オメガ6・オメガ3

(川端)あぶらは栄養学的に言うと脂質と言い、3大栄養素の一つです。国も1日の摂取するエネルギーの20〜30%分のエネルギーは 脂質からとるように推奨しています。その脂質の主成分が脂肪酸で、エネルギー源としての働きがあります。それだけではなく脂肪酸の種類によっては、体の細胞の構成成分になったり、代謝を円滑に進めてくれる役割をしてくれる。

脂肪酸の種類 大きく 飽和脂肪酸(常温で固形)と不飽和脂肪酸(常温で液状 植物や魚の脂に多く含まれるもの)に分けられ、不飽和脂肪酸には オメガ9,オメガ6、オメガ3などがある。

飽和脂肪酸バター・肉の脂
ココナッツ油
体内での合成可エネルギーに
オメガ9オレイン酸米油・菜種油
オリーブオイル
はしばみ油
体内での合成可
オメガ9と6の中間ごま油
サラダ油
サラダ油は混合したもの
オメガ6リノール酸大豆油
コーン油
パンプキンシード
体内で合成不可
必須脂肪酸
取り過ぎ注意
オメガ3α−リノレン酸
—————
DHA・EPA
あまに油えごま油
————–
体内で合成不可
必須脂肪酸
血液サラサラ・熱に弱い加熱しない

オメガ9:LDL(悪玉)コレステロールの上昇を抑制。動脈硬化を予防、心筋梗塞などの心疾患予防にも働きます。
オメガ6:LDLコレステロールを低下させる。オメガ9よりも その作用強いので、より心疾患等の疾病予防に働いてくれる。
オメガ3:は血中中性脂肪を下げて血栓を防ぐなど、血液サラサラに。

オメガ6とオメガ3は体内では合成できない脂肪酸で 必須脂肪酸と呼ばれて、食事からとらなければならない脂肪酸。

(虻川)ここに出てきてるようなもので カツ丼を作ったらいっぱい食べても いいんですか?
(川端)それは ちょっと まずいですね。やっぱり脂肪酸は脂質ですから、エネルギー源になるものですので 食べすぎるとエネルギー過剰になって 体脂肪として蓄積していってしまいます。

オメガ6とオメガ3 体内での働き
細菌などが体内に入った場合、オメガ6が白血球に触れることで「攻撃せよ」という命令を出し 白血球が病原菌をやっつけてくれる。
オメガ6は揚げ物などでよく使われるあぶらや 肉類にも多く含まれて 私たちがよくとる身近な脂肪酸です。このオメガ6をとりすぎた場合、白血球が暴走を起こし 病原菌ではない自分の体まで攻撃を始めるのです。
そこで活躍するのが オメガ3で、オメガ6の過剰な攻撃指令にブレーキをかけ 白血球の暴走を鎮める。オメガ3の大切な働きはその曲がった形にあります。通常 細胞膜は まっすぐな棒状の物質がくっつき作られています。ここへ曲がったオメガ3が入るとくっつき合う部分が少なくなります。
さらに オメガ3が多いと血管の壁の細胞は しなやかに伸縮でき血流がよくなります。その中を流れる赤血球もオメガ3のおかげで柔らかくなり、血液の流れがサラサラになって 動脈硬化や心臓病になりにくい体になるといいます。
オメガ3は私たちのふだんの食生活ではとりにくいあぶらなんです。あまに油・えごま油 などちょっと特殊なあぶらに多く含まれていて、普通の食用油脂にはほとんど含まれていない。
ですので、EPA、DHAでとることが推奨されるが、20年ほど前ぐらいから 急激にお魚の消費量 急激に減ってきてます。13年ぐらい前に肉と魚の消費量が逆転しました。1日 1食魚を食べて頂けるといいと思います。
オメガ6は私たちの体を守ってくれる重要なあぶらです。オメガ6は比較的➡私たちのふだんの食生活ではとりやすい脂肪酸で、揚げ物を食べたり、加工品の揚げたようなスナック菓子とか 知らない間に結構とっていると思います。

中鎖脂肪酸MCTオイル!エネルギー補給や体脂肪の蓄積予防効果あり

ココナツパームヤシなどに含まれる中鎖脂肪酸MCTオイル。消化吸収が早く すぐに分解されてエネルギーになるため、エネルギー補給や体脂肪の蓄積予防効果があるといわれる。一般的に広く出回っているMCTオイルは精製されていて無味無臭。熱に弱いのでサラダや出来上がったスープや汁物に加えます。エネルギーに早くなってくれますので、アスリート スポーツをされる方にもいいです。
とる際の注意として、全て食用油脂を中鎖脂肪酸に替えてしまいますと、オメガ9・オメガ6といった必要な脂肪酸をとることができなくなってしまいます。
それから いくらでもいいよねって食べてしまえば、やっぱり、あぶらですので体脂肪が付きにくいといった効果は なかなか発揮できず、むしろ太ってしまうことにつながってしまう。
私たちが ふだん食べてる食用油脂の一部を中鎖脂肪酸で置き換えるといいかなと思います。置き換える量の目安としては 1日大さじ1弱ぐらいまでにします。

あぶらを上手にとるレシピ

あぶらに詳しい料理研究家、管理栄養士の柴田真希さんに教わります。
<朝食>しらす海苔チーズトースト
食パンは バターなどは塗らず、しらす 15gと きざみのりをのせます。ツナなどを使えば よりオメガ3をとることができます。さらにピザ用のとろけるタイプチーズ15gを使います。そして オーブントースターで焼いたあとMCTオイルを小さじ1杯かけます。MCTオイルを使うことで素早くエネルギーとして吸収されるので 朝には最適。フルーツも加えれば ビタミンもとれ栄養バランスのとれた朝食に。

<昼食> 鶏肉とキャベツのペペロンチーノ
まず フライパンへオリーブオイルを大さじ1。刻みにんにく 赤とうがらしを入れ香りを立たせる。鶏肉 75gは1〜2センチ角に切り3〜4分ほど炒めます。そこへ適度な大きさに切ったキャベツ 1枚 としめじ 1/4袋を入れます。ゆでたスパゲッティと ゆで汁50ccを入れ、コンソメ 塩こしょうで味を調え、スパゲッティをよくなじませます。オレイン酸 オメガ9を取り入れたペペロンチーノの出来上がりです。
<エゴマのドレッシング>オメガ3をとるために えごま油を使います。砂糖 小さじ1/2に、 小さじ1、しょうゆ 小さじ1に、こしょうを少々入れよく混ぜ合わせます。最後に えごま油 小さじ1 を入れよくなじませると さっぱりしつつも風味のあるドレッシングの完成。あとは お好みの野菜にかけるだけです。オメガ9とオメガ3が程よくとれ たんぱく質や炭水化物も十分 昼からのエネルギーチャージに ぴったりです。

<夜食>サバのムニエル
夜は魚を中心にしたメニュー。魚の油をとるのは 生の刺身でとるのがオススメ。毎日ではあきてしまうので焼き魚もオススメ。焼くにもポイント
サバ 1切れに 小麦粉 大さじ1/2まぶしムニエルに。小麦粉をまぶしてムニエルにすると大切な油 EPA DHA 流出するのを防ぎます。
フライパンにオリーブオイルを入れ火力は中火。まいたけブロッコリーを加えてふたをして2〜3分。魚を裏側にして、輪切りにしたレモンを加え弱火で2分。焼き上がった魚は小麦粉でコーデングされ余分な油がでることもなく、魚の脂丸ごといただけます。
副菜には食物繊維やビタミンを含むオクラと ミネラル豊富なモズクとをあえたもの。みそ汁とごはんと合わせて栄養バランスもオメガ3も しっかりとれる夕飯です。

揚げ物があるときはサラダ油を使わずに、ノンオイルドレッシングを使う工夫も。外食はリノール酸を多くとりがち、家で食事するときはリノール酸を控えるようにしましょう。

(虻川)あのぐらいのアレンジでいいんだって思って、すごい取り入れやすいなと思いました。
(川端)全体としてのあぶらの摂取量も過剰になっていなくて 大変いいなと思って拝見させて頂きました。
(虻川)すごく気になったのが あぶらって保管する場所とか期限とは?
(川端)酸化しやすいので置く場所。高温、光が当たる所には置かないほうがいいと思います。それから酸化するので、空気に弱いですから ふたを開けたら できるだけ早く使い切るというのが重要です。家族の少ない方は少量のものを購入されたほうがいいと思います。それから ふたを開ける前も 高温でない所・光の当たらない所に保管されるほうがいいかと思います。
(虻川)冷蔵庫だと やりすぎなんですか?
(川端)そんなこと ありません。冷たい温度の低い所に置いて頂くのはいいことですので。入れ物を入れ替えたりされないほうがいい。ガラスの入れ物に入れてしまうと遮光が十分でなくなったりしますので、購入してきた瓶はちゃんと遮光が効いた瓶ですので そのまま使う
料理に使う食用油脂 料理に合わせて オリーブオイルだの ごま油など 楽しんで使って頂きたいと思います。ごま油は オメガ9もオメガ6も両方含んでいますので、バランスよく摂取することができると思います。全く魚をとっていない方、是非 お魚と肉の割合が ちょうど1対1ぐらいになるぐらいまでお魚の摂取を増やして頂けるといいなと思います。

▽まとめ&感想

虻川さん あぶら専門店へ いろいろなオイル紹介☆
脂肪酸の種類 オメガ9・オメガ6・オメガ3☆
中鎖脂肪酸MCTオイル!エネルギー補給や体脂肪の蓄積予防効果あり☆
あぶらを上手にとるレシピ