あしたも晴れ!人生レシピ★人生後半! ポジティブに生きるヒント▽こんな話

Eテレ 2023.6.9
自分が楽しみ そして人を楽しませる 林家たい平さん☆
一田憲子さんに人生を楽しみながら下る秘訣を聞いた☆
サウナに出会って暮らしのバランスを取り戻した女性歯科医師

【ゲスト】林家たい平、暮らしのライター 一田憲子
【司会】賀来千香子,小澤康喬【語り】堀内賢雄

自分が楽しみ そして人を楽しませる 林家たい平さん

林家たい平です。
これからの人生にかけまして、賀来千香子さんと共演する一時ととく、その心は楽しまなきゃ損
番組に ぴったりのお言葉を頂きましたね。

ふるさとの秩父夜祭を楽しんでいらっしゃる たい平さんです。
(たい平)秩父に生まれて一度はこの囃子手(はやして)っていうんですけど、一生に一度しか この山車の上に乗って、神様になれるという瞬間なんです。

落語は人間賛歌という たい平さん。高座へ上がれば 一瞬にして客の心をつかむんです。舞台を降りても この満面の笑み。人生も落語と一緒「楽しまなくちゃ」が たい平流。

(たい平)落語というのは人を表現する。生きている中で人ってこんなに楽しいんだよというのを表現するためには やっぱり人を好きになること。そして人をず〜っと見てそれを楽しむ 人間観察。ですから移動も なるべく電車を使って、る皆さんの日常 どんなふうに楽しんでらっしゃるかとか 。
今 僕の車両にいる人たちは もう2度と出会えないかもしれない一期一会の人たちなんですよ。

演目は客に合わせる。自分が 今日 その日何をやりたいかではなく お客さんが今日は何をしに来てるか。笑いたいのか 泣きたいのか 感動したいのか 共感したいのか。見極めたうえでお客さんの場に立って 今日 自分がやることは何なのかということを考える。

人を見て人を思ってという姿がうかがえます。いつでも どこでも たい平さんは自分を楽しむ天才。
(たい平)WBC を見に行った時 ユニフォームの帽子も売っていなくて、あの中に 一体感として入るためには 帽子 ぐらい欲しいな と思って。どこにも売ってないのでフェルトでマークと日の丸を作り、 朝一番で青い帽子に縫い付けて東京ドームへ。何かを楽しむためのためのアイテムとして 一体感 です。それから 家でテレビを見る時に 3つ作ったので家族にかぶせて。 楽しむためなら 工夫は厭わない

江戸家猫八さん襲名祝いのコースター トレードマークの猫は 消しゴムのスタンプで 100枚作って楽屋にプレゼントしました。
このコースター 好評だったようで 気に入った正楽さんもおでこに貼るほど。相手も周りも楽しくさせるのが たい平流ルール。

(賀来)最高です。もう とても すごいクオリティーです。
賀来さんその帽子をかぶってみました。
(たい平)めっちゃ かわいいです。そして似合います。
楽しむ時間は野球を見てるだけでもったいない。これ 作ってる時間も ず〜っと楽しい。楽しい時間が どんどん増えるんで 作ってることが苦ではないんです。
うちは洋服テーラーを営んでたんですね。いつも お客さんが来ていて うちの母親が面白いことを言ってお客さんを喜ばせる。父親が作ったスーツを着てお客さんの喜ぶ姿も見る。誰かが喜ぶ姿を見るということが 楽しいって思える家庭に育ったんだと思います。
それが今度は落語家になって、初代の林家三平の家にに6年半住み込みだったんです。まずは ご家族が「たい平くんがいると楽しいわね」って思ってもらえる。それが いずれ 100人 500人 1,000人のお客さんと向き合う。でも同じ気持ちで たぶん いられる。その辺りから今の自分が出来上がってきてるのかなとは思いますけども。

やっぱり人生の積み重ねから編み出された 自分が楽しみ そして人を楽しませる たい平さんのルールです。たい平さんが かれこれ20年 定期的に立ち寄るのは銀座にある花屋さん。気心の知れた店主とのおしゃべりのひとときも ここを訪れる楽しみの一つです。
花束でも買うのかと思ったら、なんと お店で生け花! 
ここで生ける理由は さまざまな花と巡り合えることでインスピレーションが湧き アイデアが次々浮かんでくるからです。たい平さんの生け花歴は35年、住み込み修業していた時代からで 自己流です。

この日 作っていた生け花。東京 台東区にある 忠綱寺に飾ります。住職の渡邉尚康・千佳さん夫妻がたい平さんのファンだと聞き 寺のイメージに合う生け花を作ってもらうことにしました。

このお寺は 家康の家臣 槍やりの名手渡辺守綱の孫を祖先に持つという 由緒あるお寺です。
生け花のイメージをつかもうと お寺の中を見学。中庭が気に入ったようです。
再び銀座の花屋さんで 庭のイメージに合わせ草花を選んでいきます。
あれこれ 手をかけ 工夫し相手を思って作る このひとときが とにかく楽しいとか。
そして作った生け花を抱え 再び寺を訪ねます。生け花は庫裡の玄関に置かれました。13種類の花や葉が織り成す 生け花。小さな花はひっそり静寂の中で揺らぎ 寺を訪れる人や 語らう人が楽しめるように生けられていました。
(賀来)すてきですね。 何か本当 お庭の延長。
(たい平)もう自己流なので、秩父で育ってますので 山の中で見る花は ひっそりと下に視線を置いてみないと 見えなかったりするので、そういう美しさみたいなものを感じてもらえるのように。
大切にしているのは 想像力ですかね。落語を聴くのにも想像力が必要なんですが、喜んでくれるであろう人の笑顔を想像する

一田憲子さん 人生を楽しみながら下る秘訣

女性ならではの視点で暮らしやライフスタイルを取材、数多くの記事を書いてきた一田憲子さんです。7年前に立ち上げたブログ 「外の音、内の香(そとのね うちのか)」
日々の暮らしや考えたことが書かれており 人生後半を迎えた一田さんの価値観やさまざまな心境が ひしひしと伝わってきます。
(一田)私って もう下り坂 なんだって思った。そのことが寂しかったし 若い人に追い抜かれる感もあった。それの不安たるや ものすごく不安なわけですよ。仕事も無くなって この先 先細りになって 仕事がなくなって行ったらどうしようか

30代でフリーランスのライターになった一田さんは、上昇志向が強くがむしゃらに働いてきました。しかし 60代を前に心身の衰えを感じるようになり 考え方を大転換したのです。

(一田)あれ 私ってもう下り坂なんだと思った。すごく上昇志向が強かった私なんですけど、
下ることを自分に許せた。下がってもいいじゃんという 下るなかでしか見つけられないなにがしらの価値があるんでないか みたいなことを ちょっと思ったら、今度は 下りながら何を見つけられるんだろうってことが楽しみになってきた。

人生後半を楽しく下るための一田流ギアチェンジ。その第一歩は健康。自分の体をケアすることでした。これまで夜型だった生活のリズムを一新することに。
一田さんの一日は早朝5時半から ウォーキングで、毎日 同じ道2キロを30分かけ歩き 起きがけの体に心地よい刺激になります。ウォーキングの途中には四季を通じて いつも新たな発見があり 心のリフレッシュにもなります。冬とかだと 暗いうちから出て 帰ってくる頃にだんだん 空が明けてくる。真っ赤な空になってくるのを見て アー気持ちいい!
ウォーキングから帰るとストレッチ。年とともに柔軟性を失っていく体をケアします。

自分の体と向き合うことで 実感できる体の変化は自信にもなり 心にも ゆとりをもたらしたそうです。午前8時 朝食はフルーツだけ
(一田)私実はパンが大好きで、ずっと食べていたが グルテンをとると眠くなる。フルーツだけにすると眠くならないでシャキットできる。眠気に襲われなくなったことで 作業も はかどり、仕事を午前中に終わらせることが できるようになりました。
休みヘタで ずっと働かないと不安、朝はかどったので 午後とか夜仕事しなくてよいと割り切れた。晩ご飯の後 パソコンの前に座らないと不安だったが 切り上げて9時半くらいには お風呂に入ってとっとと寝ます。仕事にピリオドを打てるようになった。

取材へ出かけたりする以外 午後は自分の好きなことに使います。自分を楽しむ時間です。映画や読書、5年前からテニスを始めました。仕事以外で夢中になれるもの を探し始めたのは 50歳の誕生日。

(一田)せいぜい 生きたって後20年か30年、生きてきた時間より これからの時間の方が短いと 気づいた。残った時間を楽しいことに使わなくちゃ。いつまでがんばったら休めるか、どこまで不安がったら その先に不安でなくなるのか その境目が永遠にやってこないかもしれないとと 50才の時思った。

(賀来)以前もご出演頂いた一田さんですけれども、また すてきにブラッシュアップされてらっしゃるのが すごいです。

(一田)今の自分の状態をそのまま受け入れて 自分と向き合う ことが60を前にした今の時期 大切。

(たい平)一田さんと同じ年なんで僕たちの世代って何か ず〜っと動いて働いてることが親から 習ってきたので。休んだら遊んでることになるとかサボってるように見えるという 何となくそういう教育だったじゃないですか。
その日楽しむために やることは次の日に残さないで やっておこう友達にしたら「そんなことができなくて 今日も昼寝しちゃった。だめですね」って言ったんですけど、でも昼寝をしたいという自分のためにそれをスパッとできるというのがね、何か これからの僕たちの指針ですね。

(一田)掃除は大ざっぱでもいいから毎日します。毎日すると残ったとしても あしたやったら そこが当たるかもしれない。掃除は適当に
長財布の大きいのを持ってたんですけど、ちっちゃいのに替えた。やっぱり暮らしを下る、そんなに稼がなくてもいいというふうにした。今まで パッパカ買ってたものをちょっと考えて買うとか、すごい大好きだったちょっと高価なチョコレートは、1袋250円でいっぱい入ってるのでも おいしいじゃん、その辺をちょっとずつダウンサイジングしていきながらでも楽しめる人になりたい。

(小澤)「下り坂」という言葉が何度か出てくるんですけれども。
(一田)上っていくという時には 空しか見えないじゃないですか。でも一回 一番頂上に寄って下ったら、すごい下界が見えるようになる。下り坂にしか見えない風景があると思うので 人生後半の物差しを見つける。下りの中でしか見つけられない価値があるかなと思ってそれを楽しみたいな。

(たい平)物欲だとか若い時上り坂の時には いろんなもので自分を太らしたりしたいけれども、下っていく時には 今までの知識と経験とか 付いてるから 物に頼らなくても今度は下っていけるという自信みたいなもののほうが楽しい。

昔から変わらないルール 夫と夕飯を一緒にすること。
(一田)2人とも人間ドックに引っかかったり、夫が数値的なことで 揚げ物や酒を控えることになって 揚げ物を封印、蒸し物にして 私まで4キロやせた。
実際は夫との距離 もうけんかばっかりしてるんですけども。何があっても夕方になれば おなかはすくし すごい簡単なものでも作って2人でおいしいねって食べる時間を大事にしたいと思うようになりました。

(たい平)互いの価値観を尊重にする。お互いに楽しいことを見つけた時に 楽しいことができているということが夫婦の中であまり束縛もしないし お互いにやりたいことを見つけてやっていく時間の楽しさ味わってる。

(一田)自分への戒めでもあるんですけど どうしても相手の欠点とか「こういうほうが いいじゃないの」って言いたくなる。だけど それを言っても長年の経験上いくら言っても変わらない。とりあえずは聞いて 夫にムカついても「へー そうなんだ」と受け入れる。

(たい平)おっしゃるとおりで相手を変えようとすること自体が 自分のエゴですから 相手を変えようとするのではなく 自分を変える
例えば お掃除でも「家族の中で俺が一番 掃除は得意なんだ」と得意なことをして きれいになって 自分のやったことは みんなの喜びに変わるじゃないですか。喜んでもらえることに対して、あ〜やってよかったという また次の原動力になる。

サウナに出会って暮らしのバランスを取り戻した 女性歯科医

サウナに出会って人生における大切な価値も手に入ったという 歯科医師の大庭聖子さん 46歳。
サウナは健康維持と暮らしのバランスを保つのに欠かせないといいます。入り方には大庭流ルールがあります。サウナで温め 開いた血管を水風呂に浸り 引き締めます。最後は外気浴。
水風呂に入ると 唾液が出て 副交感神経優位になって リラックスする。緊張とか仕事しているときは交感神経が強く働いて サウナに行かないと眠りが浅い感じがする、サウナに行った日はぐっすり眠れる。

大庭さんの仕事は歯科医師。朝10時から夜の8時まで平均20人の治療にあたります。細心の注意を払うため 神経も疲れます。
サウナに行くことは バランスをとるため必要で、時計も外し ちょっと ゆったりした時間です。
自分の中で 向き合う時間を作る
勉強するのが大好きだった大庭さん。30歳で歯科医師資格を取得後 大学院に進み研究所にも勤務します。36歳で大学医学部の 助教になり、多忙を極めます。常に時間に追われる毎日でした。研究はもちろん 日々の雑多な業務もこなさねばならず ワークライフバランスは崩壊。
38歳の時 大学研究室 医学部助教を辞めます。
(大庭)毎日 毎日追い詰められていた。なんのために研究員になって 学位を取っているのか判らなくなった。最後の最後の力を振り絞って退学を辞めた。もうちょっと自分のため自分を大事にしょうと思った。
決意した大庭さんは歯科医師として週に4日 勤務する生活を選びました。ワークライフバランスのとれた人生を目指すことにしたのです。そして出会ったのが サウナでした。疲れた体をいたわることで気力も充実。休日には サウナ巡りを楽しむなど暮らしにも リズムが。いろんなことに挑戦したいという意欲も旺盛になり 茶道も始めました。
(大庭)サウナや茶道はバランスが取れていいなと思っています。

(賀来)「自分が今 バランスが とれてるなと思うんです」と 本当に今までの人生と変遷を表現してるようで。
(小澤)大庭さんはサウナに週に4回 関東を中心に140軒もサウナを訪れるほどです。さらにサウナ好きが高じ 去年は大田区と川崎市の 銭湯大スタンプラリーに参加して2か月で68店舗を制覇。これが サウナの本場フィンランドの大使館のパーティーに呼ばれるまでに つながったということですね。
ゆとりが生まれ 42歳で好きだった英語を学び直して 英検1級に合格。43歳で全国通訳案内士の資格を取得して 海外の旅行客を案内していらっしゃるそうです。

(賀来)さっきまで下りるという話だったけど 下りて上った?
(たい平)見たことがない自分に出会えてることがすごい楽しいと思いますよ。

(一田)ルールとか 日常のルーティンとかいちいち「よし頑張ろう」ってやると、しんどくなっちゃって続かなくなっちゃう。今日 たい平さんのお話を聞いて帽子を作るとか、こう言っちゃあれですけど 絶対やらなくちゃいけないことじゃない。それをやることで すごく自分で自分を楽しくさせるふうに モードが変わるんだなと お話を聞いてて思った。私もハッピー自家製装置を育ててみようって思いました。

(たい平)「自分のために」というところがまずは出発点でいいと思うんですけど、自分だけだと 行き止まりに ぶつかってしまって自分のことだから もういいかって思ってしまうんですけど、ネコちゃんやワンちゃんやペットを育ててる人たちは 自分がいないとは ネコたちは その先どうしていいか分からないわけですね。その先に誰かがいるということが生きる原動力にもなると思う。

(賀来)皆さんのお話伺って やっぱり人生 楽しんだもの勝ちだなって。ちょっと自分を大事に褒めてあげることも 自分を受け入れることも大事だと思ったところに、ハッピーオーラのエネルギーたっぷりの方のお話を伺って、そうなったらいいなと思わせて頂きました。

▽まとめ&感想

一田憲子さんの話 いちいち うなずくことばかりです。私より10歳くらいお若いと思いますが、残り少ない人生 本当に 健康で楽しまなきゃと思いました。