NHK総合 2024.2.8
佐渡のお米がパリに渡り おにぎりの専門店 大人気に!
茨城には世界20か国に米を輸出する農家の会社が誕生!
労力がかかる稲ワラ・米ぬかも不足気味
佐渡のお米がパリに渡り おにぎりの専門店 大人気に!
新潟県 佐渡島 の 米農家の相田忠明さんは パリに米を送っている。佐渡島では国の特別天然記念物 トキを守るため 農薬や化学肥料を減らす米作りを 推奨しいいる。さらにカキ殻などを使って水田の水質を向上し、1キロ1000円の高級米を 年に1トン近く輸出している。
米の行方を追ってフランス パリ へ。ルーブル美術館にほど近い おにぎりの専門店に米は届いていた。
人気の具材は日本でもおなじみの サケや梅。美食の街 フランスらしく 洗練されたおにぎりもある。値段は 一つ600円ほど。客足は絶えず ファッションブランド店から 数百個の注文が入ることもあるそうだ。
日本のお米のおにぎりが人気なのは、フランスでは一般的に スープをかけるなど 米に直接味を付けることが多く お米そのものを味わう文化はあまりなかった。
こちらのおにぎり店で開かれていた お米の炊き方とおにぎりの握り方を学べるワークショップでは、備長炭を入れて炊くとさらにおいしくなるという説明もあった。ちょっと具が多いのは 一口で具に たどりつけるよう多めに入れるのが フランス流。毎週末開かれる このワークショップ。これまで 200人が学んできたという。このおにぎり人気 実は今世界各地に拡大している。
パリには今 おにぎり ONIGIRI 専門店が9店舗オープンしている。ある店主は「おにぎりはいろいろな材料を使って自由に調理できる。私は世界中の料理をおにぎりにしている」という。
バリエーションは無限大で、イタリアン 具材は煮込んだチキンとトマトに七味とうがらしでアクセント。動物性の食材を使わない ビーガン、カリフラワー ピーナツ ネギを 照り焼き風の特製ソースで煮込んでいる。エスニックな味わいの 東南アジア風は ココナツピューレとサーモンを合わせ レモングラスで爽やかに仕上げている。
ロバート 馬場裕之
今 日本のレシピサイトでも 「パリおにぎり」というのがはやってるんです。ちょっとディル入れてみたりとか、ちょっと洋風にしてかわいらしく作るというのがはやってて、今年のトレンドになるんじゃないかっていわれてるぐらい。
米店の店主・お米マイスター 小池理雄さん。
日本で作られてるのはジャポニカ種で、世界で見たらマイナーな品種なんです。そのマイナーな品種の中でさらにササニシキ・コシヒカリなど 日本には800種類ぐらいあって、品種の違いで味が違うところが 外国の方には不思議に思える。
細田裕之 一般社団法人 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会 専務理事
「コロナになって外食ができなくなって、テイクアウトして家で食べる。 冷めてもモチモチ感が残る日本米の特性がいかされている。ここ数年 日本の米は輸出が拡大 6年間で8倍以上、2014年の4500トンほどから 8年で6倍以上になっている」
政府は農林水産物や食品の輸出を 2025年には2兆円2030年には5兆円規模に拡大することを目標に掲げている。「コメ・パックご飯・米粉及び米粉製品」が輸出重点品目に選定されてます。
新潟食料農業大学准教授 青山浩子さん
海外から見ると日本のお米は、まだ米粒ぐらいで 1%もないんです。インド・タイ・ベトナムとかは暖かくて 年に2回収穫できる国が やっぱり輸出をしている。日本は最近頑張り始めたっていうところで、やはり価格は どうしても高いので 日本お米の良さを伝えるべきです。
茨城には世界20か国に米を輸出する農家の会社が誕生
世界への米の輸出に夢を見いだしている人たちが現れている。
茨城県の米作り農家が立ち上げた 株式会社百笑市場の会長 染野実さん。茨城県産の米をアメリカをはじめ 20か国に輸出、その量 年間2500tで 年商5億円。
染野さんには人生を懸けた夢「米の輸出で日本の農業を救う 農業国日本を目指す」
10年前の2014年 米の取引価格 コシヒカリが1俵1万円を切った。人口減少が続く日本では米は余っていくばかりで 海外のマーケットに売っていかないと日本の米は広がっていかないと考えた。
2016年 染野は7人の農家とともに 米の輸出会社を立ち上げた。通常米の輸出は卸業者や商社を通すことが多く 農家が流通販売まで行うのはまれだった。茨城県の後押しなどを受け、アメリカのスーパーの店頭で試食販売を始めた。自動翻訳機を片手に慣れないプレゼンを行い 日本のお米はおいしいと評価を得た。
しかし採算が取れると思って付けた値段は およそ7キロで 39ドル。アメリカ産の米 19ドル の倍以上だった。染野たちは大きな賭けに出て、赤字を覚悟で10ドル 1000円以上 値下げした。
日本に帰った染野たちは うまい米を低コストで作る方法を考えた。その一つが 当時 周りでは取り組む農家が少なかった乾田直播で、水を張っていない田んぼに肥料とともに種をまく。苗を育てて水田に植えるよりも 大幅に労働力を減らせるという。
転機が訪れたのは3年後、 茨城県産の米が安くてうまいと海外での口コミが広がり注文が急増した。「売る米が足りない」と輸出米を作る仲間を集めた。若い農家たちに「俺の米アメリカで食べられているんだぜ」と言ってみたくないと声をかけた。
2018年には国の補助金も整備され 仲間は100人を超えるまでになった。新しい若手農家が次々と参加し始めている。さらに販路を拡大し販売価格を上げ より農家が潤うようにしたいと考えている。
(小池)農家さんが 買付価格が下がって ご苦労されている。2023年 夏がものすごく暑かったので稲の品質が落ちてしまって、暑さと水不足で皆さん苦労されていました。
海外に売り出しているっていうのは 国内での消費の落ち込みとかも 関係しているんでしょうか?
(青山) 米の輸出量年間3万トンくらいだが、国内では 毎年10万トンずつ減っていくという 深刻な状態なんですね。私 大学生と日頃接していて、若者は結構米が好きだが、炊くのが面倒とか、研ぐのが面倒 パンでもいいかなになっている。
労力がかかる稲ワラ・米ぬかも不足気味
宮城県石巻市 佐々木正悦さんに 稲ワラの注文がたくさんある。
米を収穫したあとに大量に残る 稲ワラ、畑の肥料や牛のエサなどにも使われている。その稲ワラが 今、 1キロ800円、無農薬なら 1キロ 2000円 ブランド米よりも高い稲ワラ。
高知で水産会社を営んでいる人は 年間10トン買い上げ、カツオのたたきを火力が強いワラの炎で一気にあぶる。納豆や正月飾り用の注文も相次いでいる。
稲ワラを保存するためには手間がかかる。束にまとめカビなどが生えないように 1か月以上 じっくり乾かす。これが大変な労力なのだ。機械化が進む農家では 米の収穫と同時にワラを短く裁断、そのまま田んぼの肥料にするのが一般的で、その結果 全国的に長い稲ワラが手に入りづらくなっている。
佐々木さんの本業は4代続く畳職人で、長い稲ワラを何層にも重ねる伝統的な方法で畳を作ってきた。しかし近年は化学素材を使った畳にシェアを奪われている。
長いワラでないとダメだから 農家に長いまま残してもらうよう契約している。佐々木さんが買い付ける稲ワラは 毎年およそ150トン。たとえ余ったとしても買い続けるという。天日干しや回収も請け負い始め、1年でも長く 日本の稲ワラ文化を守っていきたいそうだ。
(馬場)宮城で農業やっていたとき はせがけをやった。刈ったばかりの稲 水分があるので結構重労働。
(木村)私も「ひよっこ」で農家のお母さんの役だったので、手刈りであれをやって すごい大変でした。
米を精米するときに出る米ぬかも争奪戦になっている。米ぬかが原料となる米油、ビタミンEなどの含み 健康志向で 人気が高まっているが 米ぬかが手に入らないと生産量を増やすことができない。
(小池)家は精米店なので糠が出る。3分の2は米油を作るメーカーにに出して、3分の1は最近都内ではやっている酵素風呂に出してるんです。籾殻もリンゴの緩衝材とか、キャンプとかでも使う固形燃料に。玄米が入ってる袋も、バッグにして活用していて、1つもゴミが出ない。
(青山)売り先のある米を作る。例えば 牛丼に向く米を開発して 農家が契約して納める。おにぎりにぴったりの米を開発して販売するなど 売り先と農家側が連携をもっと強化することが大事かなと思いますね。
▽まとめ&感想
家もコメ農家なので おむすびが世界的に人気なのがうれしいです。家の孫も夕方お腹がすくとおにぎりを握ってと言って 「お菓子よりも一番好き」と頬張っています。部分的に直播きしたりしてます。稲ワラは少しだけ採っていますが大変なんです。