NHK総合 2023.6.15
電車の音と時間で 路線や最寄り駅が判る人。音だけで 電車や車 識別出来る人がいる。
男鹿のしゃべるガードレールは 偶然が重なった ゲルマニウムラジオの仕組みだった。体験消費。
高速道路の注意喚起 超音波スピーカー車にあて 謎の音「ピポパ」言葉より気づくのが早い
【司会】所ジョージ 木村佳乃 ホルコムジャック和馬
【出演】中央大学教授 檀一平太、牛窪恵、家電アドバイザー 鴻池賢三【語り】吉田鋼太郎
電車の音と時間で 路線や最寄り駅が判る人がいるので ライブや動画に注意必要
「ライバー」とは携帯電話のアプリなどを使って 生中継する配信者。リアルタイムでメッセージをやりとり、アプリによって ファンからポイントをもらい 月に100万円以上稼ぐライバーも。
大阪 梅田 人気のライバー40人が参加する 賑やかなファンとの交流会。入場料 2500円、記念撮影 1000円で、好みのライバーと直接会って話せる数少ないチャンスで、ファンにとっては友達のように感じられるライバー。
ライバーは熱狂的なファンにプライベートを特定されることを恐れている。
自宅から配信しているときに入り込む 選挙カーや 独特な地域のチャイムなどの 「音」だという。
配信中の音で 実際に住所を特定されたというライバーが見つかった。ライバーを始めて3年になるという SNSのフォロワー数 10万人の20代の女性。
ある日 電車の中で不気味な男の視線を感じ、自宅まで つけられそうになり、怖くなった彼女は 警察に通報。数日後 、「白状すると軽蔑されると思うけど 俺は部屋番号以外 特定してる」というダイレクトメッセージを読んで女性は「怖くて 気持ち悪い。 いつ来てもおかしくないと思った」
ファンは配信の内容などから おおまかな地域を把握。決め手になったのが 電車の音だった。
音鉄の車掌DJ・野月貴弘さんによると 電車の音と時間である程度判る。始発の時間、電車の音の聞こえる範囲など。
レールの継ぎ目に隙間があって ガタンゴトンの数を数えると両数が判り、都内では 山手線だけが11両。首都圏はほとんどが10両編成だが、 同じ路線を走る 東急東横線は10両か8両なのでだいぶ絞れる。さらに電車が通過した時間と時刻表を照らし合わせれば 最寄り駅まで突き止められてしまう。
その後 ファンの男性から 謝罪があって 引っ越した。ライブ配信を行う業者も 個人情報が特定できるような内容の配信や ファンのコメントを禁止するところもある。
(牛窪)「モザイクアプローチ」一つの情報では分からないが、いろんな情報を モザイクのように組み合わせることで特定していく。
(所)課金をどんどんしていく内に、俺が下支えしているという思いがある。
(牛窪)ライバーの配信は 個人的な趣味やプライベートを話すから人気になるので、そういう生活情報を 言ってしまうので 注意していただきたい。
(家電アドバイザーの鴻池)今の携帯電話のマイクや通信網性能がよくなっているので、小さい音も聞こえる。ステレオマイクを使うと 右から来るとか 左から来るとか判る。
(脳科学が専門で 中央大学理工学部 教授 檀)人間の脳は優れていて、所さんバイクたくさんお持ちで エンジンかけた瞬間 どのバイクか判りますよね。
(所)うちに四五十台あるが 音で全部判ります。その説明うまく出来ている。
(檀)電車の音もその通りで 詳しい方は判ります。
男鹿のしゃべるガードレールは 偶然が重なった ゲルマニウムラジオの仕組み
今回 音にまつわるミステリースポットを見つけました。
秋田県男鹿市 何の変哲もないガードレールから 怪しい声が聞こえ「しゃべるガードレール」とも呼ばれ 田園地帯の農道沿いにあるという。
行ってみると どこにでもあるような普通のガードレールで ガードレール沿いに歩き続けると ロシア語らしき音が聞こえてきた。近くにいた 地元の人に尋ねてみると「ロシア語のラジオのような音が聞こえるのは アンテナがあるから拾っているらしい」
ガードレールから200mほど離れた場所には NHK大潟ラジオ放送所の鉄塔が建っていた。ラジオ第2放送を送り出すアンテナのようだ。戻って ガードレール 耳を傾けると スペイン語、ドイツ語の講座が聞こえた。
秋田県立大学 小谷教授 は電波を利用した発電技術が専門で 3年前から「しゃべるガードレール」についても調査している。実際にラジオを聴きながら ガードレールの電圧を測ると ラジオの電波を受信しているとみて間違いなさそうだ。
(小谷)長い金属の板・棒・線はアンテナとして働く 「ガードレールラジオ」です。
参考になるとゲルマニウムラジオを取り出し説明してくれた。
まず アンテナでラジオの電波を受信。その電気信号から音声信号を取り出す。その音声信号をイヤホンで人が聞き取れる音に変換。電源がなくてもラジオが聞ける。
音声信号を取り出す ゲルマニュームダイオードは 鉱石のゲルマニウムと細い金属が接触する仕組みになっている。教授は ガードレールの錆びた部分 材料となる鉄や亜鉛が酸化したものが ゲルマニウムに相当。ボルトなどと接触することで ゲルマニウムダイオードと同じ役割をしていると推測する。偶然に条件の合った場所でしか ラジオが聴こえないのではないかという。
(鴻池)アマチュア無線が趣味で ゲルマニウムラジオ 手作りしていて 名刺のケースやトイレットペーパーの線に電線を巻き付けて 5分もあれば出来 電池も入らない。
(牛窪)ゲルマニウムラジオは 子ども用の教材で 付録みたいな感じで人気があった。最近は大人の男性もはまっている。何か ちょっといじることで どうかっていう そこが 何か男のロマンスみたいな。
(鴻池)角度が ぴたっと合ったときに聞こえたときの うれしさみたいなのがですね。材料は数百円。
(檀)私も経験あるんですけれども 昔々 米軍基地から流れてきた洋楽音楽を一生懸命聞いていた。その時聞いていた曲が印象が強い。
(所)やっと聞いているからですよね。
(檀)ちゃんと聞かないと聞こえないということで。体験消費といってそれだけで価値が生じる。Do It Yourselfの場合と 愛着の記憶を呼び出す 前頭極に 活動が出ることが分かっています。
高速道路の注意喚起 超音波を車にあてた「ピポパ」言葉より気づくのが早い
謎の音「ピポパ」が聞こえるのは沖縄の高速道路。窓を閉め切った車内に 不思議な音 ラジオもつけていないのにどこから?
謎の音を開発したという会社 梅森さんに説明を受けた。高速道路の清掃やメンテナンス警備などを行っていて、居眠り運転や ながら運転のドライバーに注意を促し 作業員の身の安全を保つために開発したという。
超音波スピーカーを使って 狙った方向に音を届ける。 正面では 耳がキンキンするぐらいで会話も成り立たない およそ90db、3mずれると 2/3の60dbに。一般のスピーカーでは周辺の騒音になってしまうので 超音波スピーカーで放射範囲を狭めて注意喚起。
レーザービームのように まっすぐ進む超音波に乗せて 警告音を狙った場所に届け、超音波がぶつかった場所が音の発生源。高速道路を走る車のフロントガラスや車体に超音波があたると音が発生、音の出どころが車そのものになるのだという。
城間社長「漫然運転や居眠り運転をしていると 看板に気づいてくれない。そこで音響機器に詳しい従業員が中心となり スピーカーを開発。3年がかりで商品化、音でハット気づいてもらう」
今では およそ300台が全国に普及。現場での事故は報告されていないという。
(所)ピポパという音、言葉に出来ないのか?「工事中です。工事中です」とか。
(檀)言葉にすると 気づくまで 時間がかかる。言葉になると 最低でも0.4秒。道を走っているときロードノイズを聞いている。それと違った音が聞こえると ミスマッチ ネガティビティ 予測からはずれた音に対し、0.1秒から0.2秒くらいのところでおっ 違うっていうものに特別に反応する。
(牛窪)この虫の鳴き声が録音された場所は 愛媛県の松野町っていう所です。町おこしのために 自然の音 10種類ほどを 音楽のストリーミングサービスなどで ひとつ500円で販売をしてる。
(木村)私 文鳥を飼ってるんですけど。口笛を吹いて教えていたら 歌がうまくなって。「ピ~ピピピ ピ~ピピ」って遊びに来てくれ とてもいやされる。
(檀)ただ 音の前に 自分で育て上げたという 愛着の価値ですね。
▽まとめ&感想
電車の音と時間で 路線や最寄り駅が判る人。好きな人は本当に 音だけで 電車や車 言い当てますね。
男鹿のしゃべるガードレールは 偶然が重なった ゲルマニウムラジオでした。
私も高校時代の深夜ラジオ なんか一生懸命聞いていたなーと思い出しました。
高速道路の注意喚起 超音波を車にあてた 「ピポパ」は、言葉より気づくのが早いなんって 感心しました。