所さん!事件ですよ★ドローンは見た!衝撃の瞬間 ▽こんな話

NHK総合 2022.3.16OA
中国で珍重される乾燥ナマコ 産地の陸奥湾では密猟監視にドローン活用・近畿大学の巡回監視ドローン 決められた飛行コースを巡回充電も自動で・中国製の消火ドローン 自律飛行で消火 高層ビルも、国内でもデータ収集・水中ドローンでいけすのパトロール・サッカー J2いわきFC ドローン活用
【司会】所ジョージ 木村佳乃 ホルコムジャック数馬
【出演】東京大学 特任教授 中村裕子、ドローンジャーナリスト 田口厚【語り】吉田鋼太郎

中国で珍重される乾燥ナマコ 産地の陸奥湾では密猟監視にドローン活用

青森に港町に謎の物体が現れたと聞いて 野辺地町へ。気温-1度 真っ暗な夜の港へ向かうと 空中でゆらゆら揺れる2つの赤い光が現れた。そして 突然 懐中電灯を持った男性に問いただされた。
実は UFOのような飛行物体密漁監視をしているドローンだった。
そのドローンから見た映像を赤外線カメラに切り替えると暗闇でも怪しい人物や船を はっきり捉えることができる。
海上保安庁が密漁現場を捉えた映像があった。密漁者は とったものを投げ捨て 証拠隠滅を図る。このとき逮捕されたのは7人で 狙っていたのはナマコでした。
実は青森県の陸奥湾周辺は 全国屈指のナマコの漁場。冬の漁期になると全国各地から腕利きのダイバーが集まり 水深20mの海底でナマコを捕まえる。乾燥ナマコ黒いダイヤと言われるほど高価です。
川内町漁業協同組合 板井直樹さんによると「卸値でキロあたり15万円、この建物全体で1億5千万円ほどの在庫がある」そうで、これらの干しナマコはほぼ すべてが中国に輸出されている。
世界中の干しナマコが集まる香港の問屋街に行くと、600gで10万円、高いもので15万円もしました。お店の人は「日本産は品質が良く生臭みがない。水で戻したとき ふくらみ方が他より大きいし トゲも多い」と言います。
干しナマコは手作業で内臓を取り出し 煮ては乾燥させという工程を 1か月にわたって何度も繰り返し作られます。トゲトゲのイボが高くてピンと張っているものが最高とされる。
陸奥湾周辺では禁漁期間中 ナマコを根こそぎ持ち去られる被害が相次いだ。密漁者には暴力団関係者も多く パトロール中ナイフで脅された漁師もいたという。
そこで 1台 300万円する 密漁監視ドローンを導入した。このドローンは 潜水するダイバーが吐いた泡まで探知でき、密漁者を発見すると、位置情報が漁協の幹部にメールで届く。それを警察や海上保安庁に位置情報ごと通報。この結果 2年ほど密漁者は出ていなく 抑止効果があるようです。
(ホルコム)干しナマコは 中国などでは 結婚式や旧正月など ハレの日には欠かせないごちそうだそうです。例えば「ナマコとガチョウの手の姿煮」508香港ドル 約8000円 。ナマコはスライスせず 丸ごと 食べるようです。香港のスタッフが食べた感想「トゲを含めた食感が最高」でした。

近畿大学の巡回監視ドローン 決められた飛行コースを巡回充電も自動で

(ドローンジャーナリスト 田口厚)ドローンを人が操縦して行う監視というのは 技術面だったり安全面で限界があります。
今 注目されてるのが、近畿大学で実証実験した 巡回監視ドローン。甲子園球場6個ほどの広さのキャンパスを カメラで撮影しながら巡回警備します。これは人が操縦してるんではなく、あらかじめ飛行コースをインプット 自動的に巡回しています。特徴として 合計6個のカメラで監視、空間を認識して 障害物をよけることができます。「サンダーバード」の基地みたいな 充電ドックに自動で戻り、人の手を介さずに運用が可能です。
(所)1回で どのぐらい飛べるんだろうね?
(田口)15~20分、性能良いので 40分位です。
(ホルコム)自動で飛行するとちょっと心配になるんですけどもリスクとかはないんですか?
(東京大学 特任教授 中村裕子)去年航空法が改正され 機体の認証制度、操縦士のライセンス運航のルールが整備されました。
悪用防止のため「リモートID」という空のナンバープレートの登録が義務付けられ。警察の方とかが アプリケーションを利用すると 機体の所有者等を把握することが出来るようになって ある程度悪用の抑制になると思います。

中国製の消火ドローン 自律飛行で消火 高層ビルも、国内でもデータ収集

「たとえ 火の中 水の中」という言葉がありますが、なんと本当に火や水の中で 危険な任務に挑むドローンがある。
中国製の消火ドローンは火災現場の住所を入力すると AIが最適なルートを割り出し 自律飛行で急行!地上を走る消防車よりはるかに早く到着できる。そしてカメラで火を捉えたら、消火弾を発射し窓ガラスをぶち破り さらに100リットルの消火剤をを噴霧する。高さ600m 100階建てのビルでも 対応でき、逃げ遅れた人が中に乗り込み 脱出できるよう 座席も備わっている。
(木村)大きいドローンねえ!
ドローン開発会社 賀天星副社長は「世界的に都市化が進む中で 高層ビルも増えています。大都市の渋滞も深刻になっている。このドローンははしご車が届かない火災でも消火できます。渋滞で消防車これない問題も回避できる」
日本国内でも火災現場でのドローンの活用は始まり、焼津市が導入した防災ドローン
火災現場を上空から撮影し 地上からは把握しにくい情報を 消防士に伝える 。例えば 焼けた屋根が崩落したなどの 危険をいち早く消防士に伝達。隣の家に延焼しそうな場合も 先回りして知らせる。
さらに 一見炎は収まっているように見えても ドローンの赤外線カメラで 建物の表面温度がかなり高温であることが分かる。再び燃えだす可能性が高いため 十分温度が下がるまで放水を続けるよう指示出来る。
(中村)中国の場合は 野心的といいますか。ドローンを大型化したら 出来ることが増えると考え 旅客輸送を開発している。
(所)こんな機械任せ 人任せのものに乗れるよね。最悪のときは自分で なんとかしたいじゃん。
(中村)ドローンショーのときに 墜落が相次いだニュースもあったかと思うんですが、このときは通信の問題があったかと思うんですけれど 人への被害が起きてしまうかもしれないので こうした 実証実験 リスクが低いところで重ねていく必要がある。
(田口)2025年大阪・関西万博で「空飛ぶクルマ」の運用を目指している。空飛ぶ車の開発には 多くの大手航空会社が 海外のメーカーと提携、 自動車メイカーも参入して取り組みが進んでいる。

水中ドローンでいけすのパトロール

1台およそ1000万円の水中ドローン 養殖用のいけすのパトロールにつかわれている。網に穴が開いて 魚が逃げ出してしまうと 1億5000万円の損失になるので 水中ドローンの点検が欠かせません。水深60mの海底で、いけすとおもりをつなぐロープが切れていないかを点検しています。今まではダイバーの方が行っていたんですが とても負担が大きかったんです。しけや台風の影響で いけすが狭くなってしまうこともあり 網に体が絡まって 命の危険を感じたと話すダイバーもいた。
ダイバーの1人は「深いところに行けば 視野が狭ままったり 海底の方で心臓がハタハタして脚がしびれたり いつ死んでもおかしくない危険な仕事ですね」と話した。
水中ドローンで先に点検しておくことで ダイバーの潜水時間が短くなり、負担が大幅に減った。

サッカー J2いわきFC ドローン活用

ドローンは スポーツ界にも革命を起こしてます。
昨シーズン J2昇格を果たした いわきFC。クラブ発足以来8シーズンで7度の優勝と 昇格を続けてきた。快進撃の秘密を探るため いわきFCのホームスタジアムへ。東京のチームとの練習試合があり、その上空をドローンが飛び回っていた。
ドローンの映像は 中継映像と較べて各選手の動きがよく分かる。
チームが目指すのは 攻撃でも守備でも ボールに対してコンパクトに密集するサッカー。
スポーツアナリストの村上さんは ドローン映像から課題を見つけ 選手にフィードバックする。
例えばこの試合。赤のいわきFCは相手にボールを奪われたあと がら空きのスペースに走り込まれ 失点してしまった。
選手は 村上さんの指摘する課題を ドローン映像で繰り返し確認。自分が取るべきポジショニングを頭にたたき込んだ。
「我々が適正なポジショニングをとることで 逆にチャンスを作り出せた」
ホームスタジアムでの練習試合が終わるやいなや 村上さんは ドローンの映像をすぐさまアップロード。選手たちの記憶が鮮明なうちに 試合の映像を振り返ってもらうためだ。
ドローン映像は 個人のプレーの改善にも役立っている。入団2年目 フォワードの有田選手、昨シーズン新人ながらリーグ得点王に輝く活躍を見せた。飛躍のきっかけは 村上さんがドローン映像で指摘したゴール前での悪い癖。有田選手に 前を向く意識を徹底させた。
村主監督は 説明だけだとわからないことが多くて 映像を見せると こういうことですねと受け入れてくれました。
有田選手は 最近試合中でも ドローン映像のような俯瞰映像が見えることがあるという。
(所)すごいじゃないですか 上からの情報。
(木村)すごいですね。
(田口)昨年大活躍したカタールワールドカップの サッカーの日本代表もドローンを練習に導入、ピッチ上に大きなモニターを持ち込み、その場でドローの映像を共有し 戦術練習の意図をより詳しく伝えられるようになった。森保監督は これまで ホワイトボードを使用してきたが 大きくはっきり見られるようになった。と大満足だったそうです。

ナスカの地上絵の調査もドローン

ナスカの地上絵は大きいものだと数十メートルにもなる 巨大な絵が描かれたものです。これは有名な「ハチドリ」をモチーフにした 地上絵です。今までは 航空写真を使っていましたが、山形大学がドローンを使って調査した結果 新たに168点の地上絵が見つかった。今後もドローンでの調査を続ければナスカの地上絵の謎に迫れるのではと期待されているそうなんです。

▽まとめ&感想

ドローン 役立っていますね。中国で珍重される乾燥ナマコに驚きました。
巡回監視ドローン、前に見たデモ操縦するより確かですよね。中国製の消火ドローン 窓ガラスをぶち破っていましたね。 サッカーもドローン活用していました。