NHK総合 2022.4.27 OA
いろいろあってまだ おいしいのに食べられない培養肉☆シンガポール 培養肉工場建設☆
人口増加に備えタンパク源確保のため研究進む☆神戸の団地でヒラメやカワハギ養殖で地産地消☆
3Dフードプリンターがすし職人、結婚式場、介護の場で活躍
【司会】所ジョージ 木村佳乃 ホルコムジャック数馬
【出演】パトリック・ハーラン、資源・食糧問題研究所代表 柴田明夫、東京農業大学副学長 上岡美保 【語り】吉田鋼太郎
おいしいのに食べられない培養肉
大阪の世界的なグルメガイド本で9年連続星を獲得している懐石料理店 島村雅晴さんを訪ねた。鶏の炭火焼きが出された。2切れで2万円位かかっていて意外と薄っぺらい。とっても おいしそうな香りがしているのに 食べられない料理だった。ご主人だけはおいしそうに食べた。
料理店の3階のラボに案内された。顕微鏡や無菌実験台だ備えられており 細胞をシャーレの中で培養して作った 培養肉だった。鶏もも肉の細胞の 大きさは僅か0.01mmほどだという。まだ 販売や提供に関するルールが定まっていないため 店での提供は控えているという。
シンガポール 培養肉工場建設。人口増加に備えタンパク源確保のため研究進む
世界に先駆け培養肉を 製造・販売を認可したシンガポールでは、レストランで培養鶏肉を使ったメニューが人気。今のところ培養肉を堂々と食べられる唯一の国だ。アジア最大規模の培養肉工場の建設が進んでいる。シンガポールは何もかも輸入に頼っているので国内で生産できるなら政府は食料自給率アップの目玉として培養肉の普及を推し進めている。シンガポールの企業はエビの培養肉を開発。
アメリカの企業はサーモンの培養肉の製造に乗り出した。さらに 去年 東京大学は食品メーカーと共同で牛肉の培養に成功。世界中で培養肉の開発競争が起きている。
大阪の料理店、将来を見据えて大学や再生医療の会社とベンチャー企業を立ち上げてこの培養肉の研究を進めています。
(柴田)世界人口の伸び、タンパク質需要の伸びがあって 食肉を補完するものとして培養肉が注目される。もうすでに80億人を超え、2050年には100億人に達する見込み。タンパク質危機がいわれ、市場規模2030年ぐらいには18兆円ぐらいになるとの試算もあります。
(パックン)アメリカ人は肉が大好き。1人年間100キロも食べる。培養肉で世界のお肉のニーズに応えるのは考えにくい。
(上岡)牛のゲップや糞尿が温暖化の一因になっている。培養肉には環境負荷を減らす効果が期待されている。最近では動物の苦痛やストレスをなるべく減らそうとする アニマルウェルフェア(動物福祉)という考え方に関心を持つ人が増えてきて 培養肉に注目が集まっている。
(柴田)ただ先ほどのように培養液にはホルモン剤とか 食品として安全性が確認されていないものが含まれている。
神戸の団地でヒラメやカワハギ養殖
明石海峡から内陸に およそ4km。神戸の新多聞団地。91棟 2,500戸が立ち並ぶ国内有数のマンモス団地。一角のもと診療所の中に ヒラメのプールやカワハギのプールがあった。さらに 別のプールにはバナメイエビが泳いでいる。
去年の秋からスタートしたという魚の養殖実験。半年から一年かけて育て地元のスーパーに出荷することも検討されているという。
UR都市機構 事業推進課 長野光朗主査「団地には数千人住んでいらっしゃるので、新鮮な形で提供できれば、 地産地消になる。」
陸上養殖には海水の入れ替えが必要なため生けすは海の近くにしか作れないはず。海から離れたこの団地に 海水を運び水槽の水を入れ替えるには 大変なコストがかかるのでは?
こちらの養殖システムでは バクテリアが魚のフンやエサの食べ残しを 分解してくれるため 水は入れ替えなくても きれいなまま。
さらに特殊な循環装置で 水温と水中の酸素量を調節する。海での養殖と比べて1.5倍のスピードで成長できる。この養殖場 そもそも最初から 海水を一切使っていない。使う水はすべて水道水で ミネラルを含んだ塩分を入れ人工的に海水を作っている。この養殖システム 平等院鳳凰堂の池などの水質浄化に使われた技術を応用したもの。
海水を使う必要がないため海から離れた廃校など各地で導入が相次いでいる。
地域住民の割石さん。エサやりや設備の点検のため週2回 パートタイムで通っていて 愛着が湧いて食べることができないと語った。
団地でやっている理由のもう一つは 団地の入居率が下がってきて、団地の空きスペースを活用。
団地を所有管理するUR都市機構は 養殖したエビなどの住民向け試食会を 先日開催。団地で育てた魚としてブランド化することも検討している。
(上岡)陸上養殖は注目分野で、海の養殖に比べて 生態系に影響を与えない。海洋生物・資源を守り魚を安定供給できる。
(柴田)これまで漁業も農業も経済合理性だけを考え 世界的な 流通網 大きな流通を追求してきたが、最近は燃料代も高騰し そういう中 地域の需要に見合った小さな流通 地産地消が追求されている。
(パックン)マンハッタンでは トラックの荷台で野菜を栽培。欲しいかたのところで ぽっと抜いて手渡しできる。ただ やっぱり 栽培の面積は限られてるから 経営難らしい。
すし職人は3Dフードプリンター
訪れたのは 米沢市 山形大学の工学部。古川英光教授がみずから運んできてくれたのはお寿司。食品サンプルのようで マグロもエビも同じ味のようだ。この寿司を握った すし職人を紹介してもらうと 機械が動いていた。
3Dフードプリンターが動き始め 待つこと35分。
「実は このエビのピンクのとことマグロの材料 同じものなんです」
かまぼこ店から提供された魚のすり身などに色づけし3Dフードプリンターのタンクに入れる。3次元の設計図に沿って出力する。エビだけでなくあらゆる形や色のすしネタを再現できるという。
「未利用魚とか 違う魚の材料から 寿司を作ることができる。今まで食べられていなかった魚を食べられるようになる フードロスゼロに!」
現在世界で捕れた魚の3割以上が廃棄されてると推計され それらをすり身にし フードプリンターで寿司ネタにすれば食品ロス削減につながるというわけだ。
アメリカで行われた最先端テクノロジーの展示会。山形大学が広告代理店らと共同で出展したのは すしテレポーテーション。実は これ東京の すし職人が握ったすしをテレポートしたもの。味覚センサーと3Dスキャナーを使って寿司の味や食感、形をデジタルデータ化し 遠く離れたアメリカの会場の3Dフードプリンターで 味の付いたキューブを出力。ロボットアームで組み立てた。再来年をめどに 3Dフードプリンターが出力したすしを食べられる店のオープンを目指している。
(所)廃棄すべき魚をすり身にして すしの形にするって言ってたけど、「安くて ちょっと まずい かまぼこ」作りゃいいじゃん。食料難になれば食べるでしょう。その分何かいろんなものの無駄なんじゃないの? 電気だなんだの。
3Dフードプリンターすでに商品化されています。
岐阜県土岐市にある結婚式場では 3Dフードプリンター1台100万円で導入しました。
前菜にメインディッシュデザートまで 80種類以上のレシピがあらかじめ入力されていて 同じデザインの料理を量産できる。ティラミス・デコレーション付きのクッキー。
披露宴で出されるオマールエビのオードブルも エビの形を3Dフードプリンターで出力し それを土台に飾りつけた料理を出している。なぜ手間ひまをかけて 2種類のオマールエビの前菜を作っているのは ゲストの方の中には高齢の方もたくさんいらっしゃり お肉など のどに詰まらせて 食べれなかったこともあった。
3Dフードプリンター介護の現場でも活用が期待され、ステーキそっくりに作った介護食です。
(パックン)アメリカ人は 一番 料理をしない国民です。結構 活用すると思いますよ。
出かけた先から スマホで 我が家の3Dフードプリンターのお願いして 仕事から帰ってきたら おいしいハンバーガー、ラザニア、ピザなど 出来上がっていたら最高。できれば素材はこんにゃくでできたら最高。手間もヒマも体重も減る。
(所)動けるんだか動けよと思うよ。
(柴田)最近 注目されてるという意味で避けて通れないのは昆虫食。コオロギとかカミキリ虫の幼虫など昆虫は 総合栄養食といわれ タンパク質ですからいいと思います。
(所)僕ら そのまま食べてましたよ。半分 ハチになってるのも しゃきしゃき食べてました 僕ら。
(柴田)東南アジアでは昆虫の養殖場ができて 産業昆虫の生産に乗りだしている。タンパク質を生産するのに飼料効率がいい。廃棄された野菜をエサにして養殖
(所)そうすると 虫なんかもそのうち 俺ら でっかい虫食べるようになる?
(木村)嫌だ 怖い。
(所)海の物は変なモノでも食べる。ナマコとか、エビだって海にいるから食べるけど、アカマツの木にいたら食べないよ。1回 海にいたと思おう。何かのテクノロジー使って海辺で育てよう。海から上がってきたらきれいな感じがする。
▽まとめ&感想
いろいろあってまだ おいしいのに食べられない培養肉、将来はこればかりになりそうですね。
神戸の団地や廃校でヒラメやカワハギ養殖で地産地消、やっぱり地元のモノ食べること大事ですね。
3Dフードプリンター スピードアップしてもらって、パーティーの料理 名入れ得意でしょうね。