「メタばあちゃん」平均年齢80歳のVチューバーアイドルグループ。
人生を謳歌する元気な高齢者もいるが問題行動を繰り返す高齢者もいる。
生き生きと活躍する前田美波里さんやオートファジーの100歳の化粧品販売員。
息子が後押し 90歳のおばあちゃんが息子と一緒に日本一周の旅を楽しむ。
NHK総合 2024.1.18
【司会】所ジョージ 木村佳乃 ホルコムジャック和馬
【出演】前田美波里、大阪大学 医学部 教授 吉森保、東京都健康長寿医療センター研究所 村山洋史【語り】吉田鋼太郎
「メタばあちゃん」平均年齢80歳のVチューバーアイドルグループ
神奈川大和市
83歳でアイドルデビューしたという ハマコさん(84) 。訪ねてみるとジャズのスタンダードナンバーを唄ってくれた。そして ディスプレー付きのゴーグルを装着ハマコさんは仮想空間「メタバース」で活動するVチューバー(バーチャルユーチューバー)アイドルなのだ。
ハマコさんは高校生のときからダンサーや歌手に憧れていた。そのことを知っていた息子の妻が 仮想空間アイドルの募集を知り ハマコさんに勧めたのだった。そして ハマコさんは4人組で 去年の3月にデビュー。去年9月 仮想空間でライブを開催し 視聴者は 1万8000人超え。
仮想空間アイドルの仕掛け人でプロデューサーの下西竜二さん。
テクノロジーの力を借りることで 高齢者がエンターテインメントの新しい担い手になる可能性を感じたという。「家族一緒に見ています」の声もあって 幅広い層に訴えられる貴重な存在。
【いよいよ明日23時👀】
— メタばあちゃん👵 (@meta_grandma) January 17, 2024
1月18日(木)23時からNHK全国「所さん!事件ですよ」さんにてメタばあちゃんが特集されます。
ハマコさん大活躍!?https://t.co/MAedpgOvwT#メタばあちゃん #所さん大変ですよ pic.twitter.com/dFcPk0vNH2
人生を謳歌する元気な高齢者、一方問題行動を繰り返す高齢者
埼玉 川越市 いわゆる ラブホテル。平日の昼から ほぼ満室状態。高齢者の利用が目立つようになったのは10年ほど前。今ではほぼ7割が高齢者。高齢者を意識した玄関イスを準備したりしている。カラオケや映画の配信サービスなどを楽しみながら 長時間 滞在するという。
中には、新幹線で指定席を購入して座っていたところに「席を譲れ」とどなってくるおじいちゃん。電車の中で泣く赤ちゃんに激高し 親に「人間失格」と暴言を吐いて警察沙汰になる人も。警察庁によれば罪を犯して検挙された人はこの20年間大幅に減少している一方で、65歳以上が占める割合は23%を超えた。
また、とある駐車場で、80代とおぼしき高齢者が駐車していた車のドアを開け、隣の車にぶつけたが、気が付かないのか車を出そうとする。呼び止めても 非を認めない。警察官を呼んでも聞く耳を持たず1時間以上怒っていたという。
心理カウンセラー 小早川朋子さんは、日頃ため込んできた不満が暴走の背景にあると言う。
1つは社会とのギャップ、自分では何か貢献できる人間で貢献したいが 社会にその場がない。
もう1つは個人のギャップ、自分はまだできる・正しいと思っているが、時代が変わってしまい 正しくなかったり、本当はできなかったりする。
生き生きと活躍する前田美波里さん、オートファジーの100歳の化粧品販売員
舞台やドラマでも大活躍されている 前田美波里さん(75)。
(木村)びっくりしちゃった!この間 舞台で逆さまになってらっしゃいましたよね。
(前田)いつまでも舞台に立ちたい。舞台は背中も横も全て見られてしまうので それのために何でもやりたい。最近は水泳に凝ってしまって、マスターズの大会で50mでバタフライで出ようかなと。
高齢者と社会の関わりについて研究する 東京都健康長寿医療センター研究所 村山洋史さん。
一昔前よりも実際に元気な方は増えています。日本人の歩く速度(80歳~84歳)が、年々速くなってきている。この25年間でおよそ15歳若返っているそうです。。
フィリピンで開かれたマスターズ陸上アジア大会 100m。出場した92歳の田中博男さん、記録したタイムは見事に19秒23でした。
(村山)高齢者の捉え方・定義を変えていく必要があります。
細胞の機能を研究してきた 大阪大学 医学部 教授 吉森保さん。
老化とか、死ぬ というと 皆さん絶対もう必然だと思われてるが、実は生き物は そうでもなく、例えば ハダカデバネズミというアフリカにいるネズミは老化しない。普通のネズミは3年ぐらいしか生きないがハダカデバネズミは30年生きて寿命が来るとぱたっと死ぬ。
老化をコントロールできるんじゃないかっていうところまで来ていて、人間は120歳 最近は150歳まで生きるという論文がある。
生き生きと活躍する 福島市に住む100歳の堀野智子さん、背筋がピンとして、化粧もばっちりです。売り上げ1億円超えのすご腕 化粧品販売員です。通勤は今もバスを使い、2階の営業所に杖を使わず階段を上がっていく。週1回 売上金を営業所に納めに来ています。売り上げ 月10万円のノルマをみずから課しています。
趣味は編み物で 老眼鏡もかけず 手早く編んでいく。電話がかかってきても的確に対応。
その秘密が手書きの顧客データ、子育てが一段落してからこの仕事を始め 61年間 書き留めてきた。客が何を買ったか すべて記録し 好みまで把握しています。
堀野さんの脳の働きを チェックさせてもらうことになった。現れたのは 超ベテラン 79歳の脳生理学者 河野貴美子さん。
脳波を測定すると「ギザギザが多いですよね。脳の神経細胞常に常に動いている。頭全体を働かしている。」
堀野さんの脳波の解析結果です。円の部分赤くなっている所がほとんど真っ赤です。お客さんの肌の悩みを聞いているとき 大きな反応があった。普通は 人の話を聞いているとき 言語をつかさどる左脳が反応、堀野さんは右上の部分が赤くなって 感覚的なイメージをつかさどる右脳も反応していた。
堀野さんは人の話を理解しながら 相手の肌に何が合うかなどを感覚的にイメージしながら 話していたと思われる。
かつて調べた将棋の羽生善治九段が詰将棋を解いているときの脳波と 似ている。羽生九段は 次に何を指すかというのを 読むのではなくて 右脳の後頭部を使って 視覚的にイメージしているそう です。
(吉森)人間には生物学的年齢があり 堀野さんは多分若い。「オートファジー」っていう現象がある。人間は37兆個の細胞から出来ていて 毎日 細胞の中身を少しずつ入れ替えてる。例えば 自動車を買って 10年したら 中古車だけど、毎日 新しい 部品に 故障していなくても どんどん 変えていくと 何日後には 新車になる。細胞はそれを自動的にやる。簡単に人間は年をとったり死んだりしないようにできている。
なぜ堀野さんの脳が活発なのか?
食事は3食とも自炊、白米必ず1食150グラム。朝は6時30分には起き 夜は11時過ぎに就寝、お風呂は20分程度入って入浴中に肩を上げ下げするストレッチを必ず行なっている。
オートファジーは生活習慣でも上がられるのが判っている。納豆に入ってるスペルミジン、赤ワインのレスベラトロール。ザクロに入ってるウロリチン。あるいは 有酸素運動、睡眠、腹八分目に。昔からいいといわれていることは オートファジーをあげてくれる。
(前田)年を重ねて セリフ覚えづらくなった、しようがないから 何回も何回もやるんですよ。ジムで走っていても サウナに入っても、おかげで 役を掘り下げてその役になれるって良さもある。
息子がお母さんを後押し 一歩踏み出す
沖縄県本部町に住む90歳のおばあちゃんが息子と一緒に日本一周の旅を楽しむ動画がSNSで250万回も再生され 大きな話題となった。
本田清子さん(91)は息子の隆二さんと一緒に暮らしている。午前と午後に20分ずつ エアロバイクの運動を欠かさない。天気がいい日には ドライブ 、夕方になると近所の人たちと お酒を酌み交わす。日本酒なら3合は飲めるという。
80歳まで大阪で暮らし、夫を看取り ふさぎ込んでいた清子さんを心配した隆二さんが沖縄への移住を提案したところ「私は足も悪いし、トイレも近い。ほんまは あんたのように 世界中旅したいけど、私はそんなことできひんわ」というから、車椅子に乗せ連れ出して 始まった日本一周の親子旅。
静岡では居酒屋で見知らぬ人たちと楽しいひとときを過ごした。茨城ではSNSをフォローをしていた人が会いに来てくれた。全国を旅してからはふさぎ込みがちだった清子さんが 吹っ切れたように明るくなったという。おととし 2度目となる日本一周の旅に出た。今では 旅先で出会った人が沖縄まで会いに来てくれることもある。最近は 宇宙に行きたいと 野望を持っている。
シンクタンク首席研究員 松田智生さんは、高齢者が輝く社会の重要なヒントが隠されていると指摘する。これは 息子さんが上手くお母さんを後押ししている。なかなか一歩を踏み出せない高齢者にとっては、背中のよい押し方が必要です。
松田さんが 背中を押す取り組みとして注目する シニアが学生に交じって授業を受ける 社会人大学。例えば 中部大学アクティブアゲインカレッジがある。
シニアと学生の交流会で「就職活動で悩んでいると」言うと、新聞記者や メーカーで仕事していたシニアがアドバイスをくれる。一方 スマホの使い方 孫の写真・動画をやりとりする方法が判らないと スマホ教室を若者がしてくれる。
高齢者でも 子育て世代でも若者でも ふだんと違う場所に行って ふだん出会わない人に出会って、新しい体験をすると その人を変えて 日本を変えていくと思う。
前田さんも 今のご年齢になられてちょっと 背中を押されたとかっていう経験ありますか?
(前田)押されたというよりか、若者の背中押しています。あと水泳はちょっと頑張らないと!
(村山)さまざまな年代の方との交流は すごく大事になっていきます。こちらのグラフが社会的孤立状態と脳の容量の関係を示したものなんです。同居家族以外の人との交流頻度が少ないと脳の容量が 小さくなっている。交流頻度が週1回では かなり脳が萎縮していることが分かる。認知症の発症リスクの上昇につながってしまう。高齢者を孤立させないことが大切です。
(吉森)超高齢者になって元気なお年寄りが増えてくると 働き手になりうる。年寄りが働けば その分若者が休める。そう考えないと日本は成り立たない。
(前田)私は仕事以外のところで楽しさを見つけてしまった。これからが楽しくてわくわくしてます。
(木村)最高。
▽まとめ&感想
高齢者に含まれる私、周りを見渡しても 祖母の世代は本当に年をとった感じでした。今は皆スマホを持ていて LINEグループ 上手くつながらないといいながら メッセージのやりとりをしています。
結構なんだかんだと 地区で集まることがあって わいわいやっています。本当に幸せなことなんですね。